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J・Jは頑張った!「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」(2019)

ぷらすです。

観てきましたよー!
スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」をね!

実は昨日も観に行ってるんですが、早起きして雪かきしてから朝一の回を観に行ったら、疲れと暖房と早起きのせいで中盤ところどころ寝ちゃいまして。(しかも結構大事なシーンで)
これはいかん!と、2日連続で観に行くことになってしまった次第。

まぁ、好き嫌いはともかくとして、「スター・ウォーズ」って映画というよりお祭りみたいなもんですからね。
劇場で観る=参加することに意義があると思うんですよ。

というわけで今回は、公開されたばかりの作品でしかも「スター・ウォーズ」なので、出来る限りネタバレしないように気をつけて感想を書きますけど、これから本作を観る人や「ネタバレは絶対に嫌!」という人は、先に劇場で映画を観てからこの感想を読んでください。

いいですね? 注意しましたよ?

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

1977年公開の第1作以来、世界の人々を魅了し続けている超大作シリーズの完結編。レイ、カイロ・レン、レイア・オーガナ、ポー・ダメロンをはじめとするキャラクターたちを待つ運命が、壮大なスケールで描かれる。監督と脚本を担当するのは『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』などのJ・J・エイブラムスデイジー・リドリージョン・ボイエガビリー・ディー・ウィリアムズらが出演する。(シネマトゥディより引用)

感想

まずは恒例の言い訳から

スター・ウォーズ」の感想の前には必ず言ってますが、僕は「スター・ウォーズep4・5・6」ドンピシャ世代なので、本作も入れて9作は一応全部観てはいます。
ただ、さほど熱狂的なSWファンというわけではなく、むしろシリーズ全作に対して温度低めだしSWに詳しいわけでもない。というユルいスタンスです。
なので、本当に詳しいSW評を読みたい方は、ほかの人のサイトをお読みくださいね。

よし、言い訳終わり。

というわけで、感想を書いていきますかね。

SWの紆余曲折

まぁ、今さら説明の必要はないかもですが、一応「スター・ウォーズ」とは何かをザックリ説明すると、ジョージ・ルーカスが監督した、1977年公開の第1作からなるSF(スペースオペラ)シリーズです。

以前書いた事の繰り返しになるかもですが、本作が映画を超えて、SWというカルチャーになったのにはいくつかの理由があって、ざっくり3つ上げるとこんな感じ。

その1・「ニューシネマ」を終わらせた

本作が作られるより前の1960年代~1970年代は、ベトナム戦争の泥沼化と敗北、アフリカ系アメリカ人による公民権運動、女性によるウーマンリブ運動、若者たちによる革命運動など激動の時代で、アメリカ全土を暗い世相が包んでいたわけですね。

そんな中、フランス映画界で起こった「ヌーベルバーグ」という運動が世界中に影響を与え、アメリカでは「アメリカンニューシネマ」というムーブメントが起こります。
若い映画人たちがこれまでの慣習に囚われず自由に作ったこれらの作品郡は、若者が権力と戦って負ける(死ぬか挫折する)という世相を反映した内容で、当時アメリカで学生運動をしていた若者たちの共感を得るんですね。

そんな「ニューシネマ」最後の作品と言われているのが、マーティン・スコセッシ監督の「タクシードライバー」(1976)で、「ニューシネマ」を終わらせたのが、77年公開の「スター・ウォーズ」と言われています。

2・SF映画をガチで作った

SW以前、SF映画は低予算で作られる子供だましの映画だと誰もが思っていたんですが、ルーカスは予算をかけて当時最先端だった特撮技術やデザインを用い、SWをガチで作ったんですね。

また、テーマソングやBGMにオーケストラを使ったり、SF=未来という固定概念からピカピカだった宇宙船や戦闘機に汚しを入れて、使い込まれた兵器のように見せたり。

今ではどれも当たり前のことですし、SW以前に特撮やBGMなどはキューブリックの「2001年宇宙の旅」という前例はあるものの、いわゆる「スペース・オペラ」としてはどれも画期的な試みだったわけです。
つまり、人々の価値観をたった1本の映画でひっくり返してみせたところが、SWの凄さなのです。

日本で言えばロボットを大量生産の兵器として描いた「機動戦士ガンダム」がこれに近いかもですね。

3・マーチャンダイジングの成功

また、1作目の契約で、ルーカスは監督料以外の利益を放棄する代わりに、関連グッズの販売権と第一作目以降の著作権を要求。
SWがコケると思っていた映画会社はこれを了承します。
しかし映画会社の予想に反してSWは世界的大ヒット。関連商品も飛ぶように売れたことで大儲けしたルーカスは、以降の作品を全て自費で好きなように作ることが出来たわけですね。

つまりSWシリーズは、世界一の自主制作映画なのです。

そして、ルーカス指揮の元、SWはルーク・スカイウォーカーが主役のep4~6、その後、父親アナキン・スカイウォーカー(後のダースベイダー)が主役のep1~3が制作・公開されていきます。

ディズニーの買収

で、当初9部作を公言していたルーカスが「やっぱ6作でおしまい」と言ったことで、SWシリーズは一旦、幕を閉じます。
が、その後ディズニーが権利&ルーカスフィルムを買収、ep7~9の新三部作の制作が決定。

そして、2015年J・J・エイブラムス監督で公開された「スター・ウォーズep7/フォースの覚醒」は、オールドファンに配慮しつつも、レイフィンポー、そしてカイロ・レンという魅力的な次世代の新キャラで多くのファンを喜ばせたんですね。

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ところが、ハードルが上がりに上がった状態で公開されたライアン・ジョンソン監督「~ep8/最後のジェダイ」は、賛否がハッキリ別れる問題作に。
何故か、ローズ役のケリー・マリー・トランに批判の矛先が向くなど、色々アレな感じになってしまったのです。

ep8が批判された理由

ではなぜ、「~ep8/最後のジェダイ」がそこまで批判されたのかを、一言で言えば「コレジャナイ感」に尽きると思うんですね。

もちろん、ストーリーの方もかなりアレだったわけですが、それよりもライアン・ジョンソンが目指した方向が、前作でJ・Jが提示した「継承」という大きなテーマから、「開放」へと変わったことで、シリーズの軸がブレてしまった事が大きいと思うし、SWファンが大事にしていた部分を蔑ろにしたこともあり、人生をSWに捧げたファンが「こんなの『スターウォーズ』じゃない!」と批判する気持ちも分かるかなと。

それでも生みの親であるルーカスがやるなら(文句は出ても)SWになるんですよ。
なぜならルーカスとSWはイコールだから。
でも、それを外様であるライアン・ジョンソンがやったから、お前、それは違うだろ!ってなっちゃったんでしょうね。

逆に、僕みたいに「SW」にこだわりがない人は、(ストーリーの出来はともかく)ライアン・ジョンソンの「フォースの開放」「スカイウォーカー家からの開放」というテーマが面白いと思ったしある程度は共感もした。そこで賛否が真っ二つに分かれてしまったのではないでしょうか。

J・Jは頑張った!

で、本作。

ライアン・ジョンソンがぶっ壊した後のSW世界を、J・Jがどう料理するのかに世界中の注目が集まったわけですが、結論から言えば「力ずくで元に戻した」って感じでしたねー。

内容に触れないように印象で書くと、ライアン・ジョンソンがぶっ壊したアレコレ全部に修正パッチを貼って強引に軌道修正し、スター・ウォーズ」という枠の中にギリギリ着地させたというイメージ。

まぁ、そのせいで上映時間142分という長尺になってしまったり、オールドファンも知らない新設定が後づけされたり、ルークの言ってることが前作と真逆になったり、終わったハズの話をぶり返したり、あの人が復活したり、フォースが拡大解釈されたり、ジャンプ漫画の最終回みたいになったりしてますけども。

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でもね、そんな諸々はJ・J自身が多分一番分かってるんですよ。
だって、J・J自身が生粋のSWオタクなんだから。
それでも、ライアン・ジョンソンが盛大に好き勝手やったep8の尻拭いしつつ“SW”として終わらせるにはこうせざるを得なかったんだと思うし、それでなくともSWっていう、何をやっても必ず批判される物語の締めくくりを、ここまでちゃんと面白く着地させたのは大したもんだって僕は思うんですよね。

「うわー、ベタだなー」って思いながら、僕は最後の方で泣いちゃいましたしね。

これは別にネタバレにならないから書きますが、中盤で色々あって、レイがルークのライトセーバーを火の中に投げようとしたのをルークが止めて「ジェダイの武器に敬意を払え」ってセリフに「お前が言うな!」ってみんなツッコんでるけど、僕はこれJ・Jからライアン・ジョンソンへの心の叫びだったと思いますよ。

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あと、ここに来て新たに登場したドロイドのD0に、J・J自身が声を当ててるんですが、D0が人間を怖がるのも、好き勝手やったライアン・ジョンソン、本作を監督するハズだったのに降板したコリン・トレヴォロウ、ルーカスフィルムの新社長(で全ての元凶)であるキャスリーン・ケネディのせいで人間不信になった彼の心情を表してるのではないかとw

もちろん、全てに納得はできないし、特に中盤は退屈なシーンもあったけど、トータルで観れば十分に面白かったし、スカイウォーカー家の物語としての「スター・ウォーズ」の幕引きという意味では、本当によく出来た作品だったと思いました。

興味のある方は是非!

 

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