ぷらすです。
今回ご紹介するのは、あの人気TVアニメの長編劇場版『えいがのおそ松さん』ですよー!
僕はTVアニメの方は第1期だけは全部観てるけど、未だに6人全員の顔と名前が一致しない程度のライトユーザーなので本作を観ようか迷ったんですけど、TSUTAYAで新作3枚より5枚借りたほうが安いと言われてレンタルしてきましたよ。
結論から先に言うと、思ったよりもずっと面白かったですねー。
画像出典元URL:http://eiga.com
概要
赤塚不二夫の代表作の一つ「おそ松くん」を原作にしたアニメの劇場版。全員がニートという松野家の6つ子が、高校の同窓会に出席したことから物語が展開する。監督の藤田陽一、脚本の松原秀、キャラクターデザインの浅野直之をはじめ、ボイスキャストの櫻井孝宏、中村悠一、神谷浩史、福山潤、小野大輔、入野自由らが結集した。(シネマトゥデイより引用)
感想
「おそ松さん」さんとは
「おそ松さん」を知らない人のためにざっくり説明すると、ギャグマンガの神様、赤塚不二夫の代表作の一つ「おそ松くん」の“その後”を描いた2015年スタートのTVアニメです。
TVアニメ版の第1作にあたる「おそ松くん」は1966年から1967年まで放送され、その後1988年から1989年にかけてリメイク版が放送されてます。
その後、1時間のスペシャル版や「東映まんがまつり」で公開された25分の映画もあるようですが、やはり一番人気だったのは最初のTVアニメだったと思いますねー。
第1作放送時、僕はまだ生まれてないのでリアルタイムでは観てなくて、多分再放送を何度か観たと思うんですが(平成版は観てないハズ)、うろ覚えながら、“イヤミ”が主人公というか、チビ太や他のキャラもひっくるめて、主人公のハズの六つ子が一番目立ってなかった気がします。
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実際、当時イヤミの人気は凄まじくて、あのゴジラすら「シェー!」をしてましたからねw
で、2015年にTV放送がスタートした『おそ松さん』では、そんな六つ子が成人になってるんですが、全員がクズのニートになってしまっていたという設定。
もちろんイヤミやチビ太など、過去作のキャラクターも登場しますが物語の主軸はあくまで6つ子の掛け合いに置かれていて、6人それぞれにハッキリしたキャラクターを持たせて人気声優が声を当てたことや、ポップでカラフルな絵柄と色彩、メタや自虐など今っぽい笑いがウケて、女性を中心に人気に火が付いたんですよね。
これを受けて2017年にはファン待望の第2期が始まりますが、個人的には1期で全て出し尽くしちゃった感があり、2期はそのくり返し的な感じで、正直イマイチだったという印象。
しかしその後も人気は一向に衰えず、2017年に60分の劇場アニメ、そして昨年は完全オリジナル長編ストーリーでの劇場映画となる本作「えいがのおそ松さん」が公開されたわけです。
ざっくりストーリー紹介
そんな本作のストーリーをざっくり紹介すると、高校の同窓会に参加した松野家の六つ子たちはニートであることが同級生にバレてしまい、チビ太の屋台でヤケ酒を煽りながら高校時代の自分たちには「何もなかった」と話します。
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翌日、二日酔いで目覚めた彼らは、自分たちが高校卒業の前日に来てしまったことに気づいて大慌て。
デカパン博士に相談したところ、どうやらそこは過去ではなく6人のうち誰かの思い出の中であり、その“誰か”の後悔を晴らさないと抜け出すことが出来ない。
そこで、6人が右往左往するという物語。
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この、タイムスリップで過去の世界に飛ぶのではなく、誰かの「思い出の中の過去」に入り込むという設定は、捻りが効いてて「おそ松さん」らしいと思いましたねー。
SFやファンタジーではなく夢オチに近い精神世界の中で、6人が「黒歴史」だと思い込んでいた高校生時代の恥ずかしい自分と向き合い、許して認められるようになるわけですが、一夜の夢なので目が覚めればその事はすっかり忘れてしまう。
でも過去の悩める自分を救ったのは今の成長した自分だったっていう、ある種のタイムパラドックス的な構成も上手いと思うし、それが出来たのは6人一緒だったからというのも、“六つ子の”自己肯定と成長というテーマにちゃんと絡んでいて面白かったです。
まぁ、結果そのせいで彼らはニートになっちゃうわけですがw
「おそ松さん」の枠の中で
人気TVアニメの劇場版といえば「クレヨンしんちゃん」や「ドラえもん」など数多ありますが、その中で“名作”と呼ばれる作品にはTV版での設定というか、その作品の枠(世界観)を崩してしまうものも少なくないですよね。
例えば押井守監督の「うる星やつらビューティフルドリーマー」とか、原恵一監督の「クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「~嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」や、細田守監督の「ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」などなど。
もちろんどの作品も面白いし名作だけど、「うる星やつら」「クレヨンしんちゃん」「ワンピース」の“枠”からは、はみ出ている。
対して本作は「おそ松さん」の枠の中で、みんな大好きな六つ子たちの魅力を存分に引き出しつつ、自己肯定や成長という普遍的なテーマもしっかり語っているんですね。
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僕みたいなオッサンは、昔のいい事も嫌なことも片っ端から忘れちゃってますけど、「おそ松さん」のメインターゲットである10~20代のファンに、この物語はしっかり刺さったんじゃないかと思いました。
興味のある方は是非!!
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