今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

ガンアクションはいいがツッコミどころは満載「デイライツ・エンド」(2016*日本ではビデオスルー)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「ワイルド・スピード」などに出演しているジョニー・ストロング主演のゾンビ映画デイライツ・エンド』ですよー!

日光が弱点で夜しか活動しない「アイ・アム・レジェンド」型ゾンビを狩るさすらいのゾンビハンターが、たまたま助けたヒロインが所属する生存者グループの脱出を手助けするという、「マッド・マックス」系ゾンビアクションです。

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画像出展元URL:https://www.amazon.co.jp/

概要

謎の疫病によって多くの人間がクリーチャーと化した近未来を舞台に、愛する者をクリーチャーに殺された男の壮絶な復讐を描いたサバイバルアクション。地球上で原因不明の疫病が蔓延し、感染した人々は凶暴なクリーチャーと化した。愛する女性を奪われた一匹狼のロークは、廃墟となった警察署に潜伏中の生存者グループと出会う。クリーチャーへの復讐に燃えるロークと、安全地帯への脱出を望む生存者たちは、手を組んでクリーチャーたちのアジトに攻撃を仕かけるが……。ローク役に「ワイルド・スピード」のジョニー・ストロング。(映画.comより引用)

感想

マッド・マックス+アイ・アム・レジェンド

この作品、映画秘宝復活号の中で紹介されていたのを読んで興味がわいたので、アマプラで鑑賞しましたよ。

いわゆるゾンビサバイバル映画なんですが、本作のゾンビは日光に弱く昼間は暗闇で寝てるけど夜になると元気モリモリで走り回るというアイ・アム・レジェンド」型ゾンビ

昼型が多いゾンビ界隈ではあまり見かけない珍種で、例え噛まれなくても(ゾンビの)血を浴びただけで感染してしまうという設定もかなり珍しい感じでした。

そんな夜型ゾンビと対峙する主人公は、アルファというゾンビに愛する人をゾンビにされて以来、復讐のため一匹狼のゾンビハンターとして放浪しているローク(ジョニー・ストロング)。
道すがら、盗賊に襲われていたヒロインのサムチェルシーエドモンドソン)をたまたま救った事から、なりゆきで彼女の属するコミュニティーが生き残った人間の住居地区があるハバへの脱出する手助けするという「マッド・マックス」的なストーリーなのです。

窓ガラス部分を金網で覆っただけという地味改造の70年式プリムスロードランナーで颯爽と現れ、街はずれのレストラン?で女ゾンビが眠っていた冷蔵庫にチェーンを引っかけて車で屋外に引きずり出して日光で焼き殺す冒頭シーンは、本作のゾンビの特徴を端的に説明しながら同時に主人公のカッコよさも見せるというスマートな演出で、これからの展開を期待させるには十分。

ちなみに、ロークを演じるジョニー・ストロングはアクション俳優、ミュージシャン、格闘家、ナイフ職人という多彩な顔を持っているのだとか。
ただ、射撃・格闘訓練やナイフ作りが忙しくて滅多に映画出演しない、いわゆるガチ勢な人らしいです。(映画秘宝情報)
映画中盤で見せる彼の肉体は、いわゆる筋肉太りのシュワちゃん系モリモリマッチョな体形ではなく、細見の体に針金を巻き付けたようなブルース・リー型の細マッチョ体形でしたよ。

サムを無事アジトに送り届けたロークでしたが、よそ者を信用しないコミュニティーメンバーは彼を牢屋に投獄(アジトは廃墟になった警察署)。
その夜、監視カメラを破壊し建物に侵入したゾンビを脱獄したロークが退治したことで彼は信用を得るんですが、その時、宿敵アルファを発見。

サムが見つけた飛行機でハバへ向かうため、飛行場まで走れる車を見つけて昼間のうちに脱出したいコミュニティーの面々に、リーダーのアルファを倒せば次のリーダー争い?に忙しいゾンビは襲撃してこないと主張するローク。

結果、サム達は車を探し、ロークの意見に同調した数名がアルファ率いるゾンビ軍団が眠るホテルに向かうのだが――という展開になっていくんですね。

劇中のほとんどがガンアクション&戦略的なゾンビ軍団

しかしこの作品、そうしたストーリーや展開はオマケみたいなもので、144分のほとんどが次々襲い掛かるゾンビ軍団を銃で撃ちまくるガンアクションに費やされています

アジトやホテルの限られた空間や高低差を使った本格ガンアクションは中々見ごたえがありますが、あまり画が変わらないので途中で若干飽きちゃうんですよねw

またゾンビの親玉アルファはかなり頭が切れる奴で、撃たれても平気なように防弾チョッキに身を包み、サム達の脱出を妨害するため警察署の出口に廃車でバリケードを作り、ローク達の襲撃を見越して罠を仕掛けるっていう、もはや喋れない&武器を使わない以外は人間とほぼ変わらないんですよね。

ツッコミどころ満載

そんなアルファにまんまとしてやられ、仲間を全員殺されたロークは大量のゾンビ引き連れてバスに乗り込もうとするコミュニティーがいる警察署に向かって逃げてくるんですよ!

お前何してくれとんねん!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッっていうねw

で、結局逃げ込んだアジトで最終決戦となるわけですが、仲間もリーダーも次々殺されて、もう大惨事ですよ。

さらにロークは反省するどころか、仲間の一人(仲間を見捨てようとするやつ)が車で逃げようとするのを見つけたロークは「コイツを囮に使おう(`・ω・´)キリ」とか真顔でクズ発言する始末。

最初にロークを牢屋に閉じ込めたリーダーの判断は正しかったよ!

サム達を逃がす手助けどころか、コイツのせいで被害が拡大しとるがな

まぁ、そんなツッコミどころ満載の展開を、仲間が死ぬ間際のエモい演出と絶え間ない銃撃戦でごまかしながら物語は進んでいくんですよね。

それでも何とか観てられるのは、ウィリアム・カウフマン監督のリアルなガンアクション演出とジョニー・ストロングの身のこなしあればこそですかね。

なので、ガンマニアやアクション映画好きな人なら、結構楽しめるのではないかと思いましたよ。

興味のある方は是非!

 

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深夜ドラマのノリでサクッと観れる「セトウツミ」(2016)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、2013~2017年まで「別冊少年チャンピオン」に連載された人気漫画の実写映画化作品『セトウツミ』ですよー!

長年TSUTAYAでレンタルして映画を観てきたけど、TSUTAYA閉店に伴って先日ついに観念して加入したアマプラで観た最初の映画です。

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

関西の男子高校生2人が放課後に何となく会話するだけという異色さで話題の、此元和津也による人気漫画を実写映画化。タイトルは瀬戸と内海という主人公2人の名前を組み合わせたもので、彼らが交わす嘲笑的でユーモアを織り交ぜた掛け合いが展開していく。クールな内海役には『海を感じる時』などの池松壮亮、天然キャラの瀬戸役に『共喰い』などの菅田将暉。監督は『まほろ駅前多田便利軒』などの大森立嗣が務める。(シネマトゥデイより引用)

感想

菅田将暉池松壮亮の掛け合いを楽しむ映画

本作の物語をざっくり説明すると、菅田将暉池松壮亮が演じる二人の男子高校生が、放課後河原で喋る様子を全7話構成で見せるという、短編連作形式(というか章立て形式?)の脱力系日常コメディーです。

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とある事情でサッカー部を退部した瀬戸菅田将暉)と眼鏡をかけたクールな秀才の内海池松壮亮)が放課後、内海の塾が始まるまでの1時間30分の暇つぶしのため河原で愚にもつかないお喋りをするという内容で、その会話の中で徐々に二人の背景が分かってくるというストーリー。

僕は原作未読だったんですが、観終わったあとググって観たら菅田将暉池松壮亮の両名はかなり原作に近いキャスティングと言う印象で、物語もほぼほぼ原作のエピソードをそのまま映画に落とし込んでいるみたいですねー。

内向的でクールな内海と天然で外交的な瀬戸と言う対照的な二人の、オフビートな笑いを誘う掛け合いのテンポも良くて、中々楽しめました。

また、中盤以降で二人が出会いが描かれた第0話や、瀬戸が憧れているマドンナ的存在である樫村一期中条あやみ)の視点で描かれる第7話(最終話)を入れることで、物語や二人のキャラクターに厚みを持たせる展開も原作を忠実に映像化しているみたいです。

映画サイズに合ってない?

ただ、(これは好みもあると思うけど)個人的にはそれぞれのエピソードが若干長くて正直少し間延びしているような印象を受けました。
多分、1話あたり5分くらいでグッとタイトに絞った方が、二人の掛け合いの面白さが活きたんじゃないかなと。

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っていうか、この章立てという構成がそもそも映画と言う媒体のサイズに合ってなくて、30分くらいのドラマで1話につき3本構成とかでやるほうが物語に合ってるんじゃないかと。

って思ったら、映画の後に別キャストでドラマ化されてました

映画だとやっぱ動きがないと画が持たないし、それを補うためにか回想シーンがわりと頻繁に入れ込まれてるのも観てて若干気が散ってしまう。

例えば冒頭で背景的に出てきた人物が最後のオチ部分で重要な役割を担うなど、脚本で工夫はしてるんだけど、それも似たような展開が続くと途中で飽きちゃうんですよね。

もっと端的に言えば、コッチは映画である理由が欲しいというか、映画でなければ出来ないような映像や物語が観たいわけで、深夜ドラマのノリをそのまま映画にされてもなー(´ε`;)ウーン…っていう。

劇場版の「聖☆おにいさん」でも似たような事を思いましたけども。

まぁ、原作があるものだし多分予算もそんなに多くない小作品なので、言っても仕方ない部分もあるとは思いますけども。

ただ、75分と映画としては短くユルイ物語なので、サクッと何も考えずに観るには丁度いいかもですけどね。

興味のある方は是非!

 

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激アツ! ロシアの戦車映画「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」(2019)

ぷらすです。

今回ご紹介するのはロシアの戦車映画『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』ですよー!

同じくロシアの戦車映画「タンク ソルジャー 重戦車kv-1」でも思いましたが、今、ロシアの戦車映画は激アツなんですよねー!(*゚∀゚)=3

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

戦火のナージャ』などのニキータ・ミハルコフ監督が製作を務めた戦車アクション。ナチスドイツの捕虜収容所を舞台に、ソ連の捕虜兵たちがナチスに抵抗する姿を描く。『アトラクション 制圧』で共演したアレクサンドル・ペトロフとイリーナ・スタルシェンバウムらが出演。本物のソ連製戦車T-34を使用し、役者が自ら操縦した。(シネマトゥディより引用)

感想

戦車戦の面白さを存分に魅せる「戦車映画」

本作は第二次大戦中ナチスドイツが、演習目的で捕虜を生きた標的としていた史実に着想を得て作られたそうですが、その史実を掘り下げるのではなく捕虜となったソ連の戦車兵たちが演習用の「T-34」に乗り込み決死の脱出劇を図るというアクションエンターテイメントになっていて、”戦争映画“というより「ガールズ&パンサー」的”戦車映画”になっているんですよね。

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画像出展元URL:http://eiga.com / 戦車で車をドーンだYO-!

ストーリーは、たった1台の戦車と限られた武器を戦略と技術でカバーし、圧倒的不利な状況をひっくり返して勝利を掴むという構成。
これは以前ご紹介した「タンク ソルジャー 重戦車kv-1」とほぼ同じ内容で、まぁ、よく言えば王道、悪く言えばありきたりな物語です。

、主人公を始め、それぞれ(テンプレ的ではあるけど)登場人物のキャラクターは立っているし、あらかじめ限られた条件(ルール)の中で闘うことで、観客にハラハラ感と主役たちへの感情移入させる演出は見事。
さらに、主人公たちの目的や地理関係、戦闘中の敵戦車とT-34の位置関係もしっかり描かれているので、見ているコッチが混乱することはないのです。

また、主役機であるT-34実車を使い狭い車内を小型カメラで撮影。役者が実際に戦車を操縦することで本物ならではの迫力や緊迫感を演出しつつ、砲弾が敵戦車を貫く&T-34をかすめるなどの映像は、最新のVFXを駆使して砲弾視点?で見せるなど、戦車戦の面白さを存分に引き出しているんですね。

そうしたイチイチ気の利いた演出やテンポのいい編集で観客を飽きさせない工夫の数々は、見事と言うしかありません!

ざっくりストーリー紹介

1941年第二次世界大戦下、ソ連軍の新米士官イヴシュキン(アレクサンドル・ペトロフ)は飯炊き車で味方陣地へ配給に向かう途中、ナチスドイツの戦車ティーガーに遭遇するも、見事敵の攻撃を躱して陣地に到着します。

しかし、敵の猛攻によって味方陣地は疲弊し、残された戦車はT-34たった一台。
イヴシュキンは乗組員を率いて、撤退のため迫りくる敵中隊をこのT-34一台で食い止めるという無茶ぶりをされるんですね。

ところが超有能なイヴシュキンは、見事な戦略と指揮ぶりで敵戦車を次々撃破。
しかし、III号戦車を駆る敵将校イェーガー(ヴィンツェンツ・キーファー)との死闘で相打ち、捕虜になってしまいます。

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画像出展元URL:http://eiga.com / 最初の闘いで顔に傷を負ったイエーガー

3年後、イヴシュキンとの戦闘に脅威を感じたイェーガーは、対ソ連戦車戦に向けた士官養成のため、実演演習の的となるソ連軍士官を探していました。
そんなある日、SIII収容所でイヴシュキンを見つけた彼は、強制収容所で通訳をしていた同志アーニャ(イリーナ・スタルシェンバウム)の命と引き換えに演習への参加を了承させ、乗組員を選び戦地で押収した新型のT-34に搭乗するよう命令。

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画像出展元URL:http://eiga.com / ヒロインのアーニャとイヴシュキンのラブロマンスもあるよ

これには逆らうことが出来ず、整備のため味方の死体が乗ったままのT-34を調べていたイヴシュキンは、死体の下から砲弾6発と手榴弾を発見。これを使い演習の日に脱走することを計画する。――と言うストーリー。

いきなり冒頭、敵戦車の砲塔の動きを読むことで飛んでくる砲弾を華麗に躱して見せる描写や、新米士官ながら反抗的な部下に的を得た指摘や指示を出すことで、観客にもイヴシュキンの有能さを印象付け、その後の圧倒的不利な戦闘をひっくり返していく様子を違和感なく見せていく演出は非常にスマートかつ無駄がないし、ドイツ軍のイエーガーとイヴシュキンが同等のレベルであることを最初の闘いで見せて、クラマックスに繋げていく展開はまさに激熱でした!

少年漫画のようなライバル関係

また、イヴシュキンとイエーガーを単に憎み合う敵同士ではなく、戦車に関しては互いに認め合った、ある種のライバル関係として描く演出はブロマンス的でもあるし、どこか少年漫画的でもあるなって思ったし、そこも僕が本作にすんなり入っていけた要因かも。

ラストの死闘を共にする乗組員も、ソ連随一の腕を持つ操縦士、一見乱暴だけど気のいい装填手、気が弱くて信心深い砲手と、この手の映画では死ぬほど観てきたキャラ造形ですが、そんなキャラクターを衒いなく真正面から描いてみせたのも結果として大正解だったと思いますねー。

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画像出展元URL:http://eiga.com / 実車の車内で撮影! 燃えるぜ!

また、「タンク ソルジャー 重戦車kv-1」は重戦車で、装甲の頑丈さと砲弾の威力が見せ場の一つでしたが、本作のT-34は中戦車なので小回りが利くしスピードも速く、その分、戦車同士の戦闘やチェイスシーンも見せ場が多かったように思いました。
クライマックスの市外戦では、戦車が建物を破壊しながら進んだり、逆に建物を目隠しに息をひそめて敵を狙ったりという描写は最高だったし、ティーガーの砲弾がT-34にかすった時、車内に強烈な反響音が響いて乗組員がダメージを負うシーンなんかは、これまでの戦車映画にはなかったリアリティーと物語的見せ場を兼ね備えた非常に新しい描写だったと思いました!

個人的には最高に面白かったし、戦車好きの人はもちろんですが、そうでない人も十分に楽しめるエンタメアクション映画だと思いますよー!

興味のある方は是非!!!

 

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aozprapurasu.hatenablog.com

 

 

前作を分かりやすく翻訳「ドクター・スリープ」(2019)

ぷらすです。

今回ご紹介するのはスタンリー・キューブリック監督で1980年に公開された「シャイニング」から39年ぶりに公開された続編『ドクター・スリープ』ですよー!

続編ではあるものの、原作から大幅な改変がされたため分かりにくかった物語を、非常に分かりやすく”翻訳“した作品になってましたねー。

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

スティーヴン・キングのホラー小説をスタンリー・キューブリック監督がジャック・ニコルソン主演で映画化した『シャイニング』の続編。一家を襲ったホテルでの恐ろしい出来事から40年後、生き延びた息子ダニーが遭遇する新たな恐怖を描く。『ムーラン・ルージュ』などのユアン・マクレガー、『ミッション:インポッシブル』シリーズなどのレベッカ・ファーガソンらが出演。『オキュラス/怨霊鏡』などのマイク・フラナガンがメガホンを取った。(シネマトゥディより引用)

感想

”シャイニング“とは

前作のタイトルでもあり、主人公ジャック(ジャック・ニコルソン)の幼い息子ダニーが持っている”力“「シャイニング」。
簡単に言えば「超能力」なんですが、オカルト嫌いだったスタンリー・キューブリックによる原作からの改変によって“シャイニング“=超能力の意味がかなり希薄になってしまった感は否めません。

また原作ではかなり重要な要素だった、父と子のエピソードが180度書き換えられた事に怒った原作者キングが、キューブリック版「シャイニング」を事あるごとにバッシングしまくり、しまいには自ら監督してテレビドラマを作ったのは有名な話。

原作版ではアル中の父親ジャックがいわくつきのホテルが持つ“邪悪な意思”にとり憑かれ、妻と子を殺そうとするも寸前で我を取り戻し、自身の身を犠牲に(本作クライマックスと同じ?)妻と子を救うというストーリーだったのに対し、キューブリック版ではアル中と神経衰弱によって狂った父親が妻と息子を殺そうと追い回す物語になっているんですね。

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僕なんかは「シャイニング」を長い間、悪霊に取りつかれた父親が妻子を殺そうとする話だと思っていて、息子のダニーは単に霊感の強い子供(というか子供だから霊感が強い)くらいに思い込んでいたわけです。

で、その続編となる本作では、キューブリック版の設定は引き継ぎつつ、物語に原作の要素を合流させたことで、ボクと同じような誤解をしていた人に、「元々はシャイニングってこういう物語なんですよ」と非常に分かりやすく“翻訳”してくれたんですね。

その感じは、押井守の劇場版「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の設定や世界観を神山健治がテレビ版「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」で分かりやすく”翻訳“してみせたことで攻殻機動隊」というコンテンツに一般性を持たせ広い層に受け入れられたのに似ているかもしれません。

ただ、この”分かりやすさ“ゆえ、良くも悪くも難解なキューブリック版と違い、「数十年語り継がれる作品にはならないだろう」という印象を受けましたが。

ざっくりストーリー紹介

前作で大きなトラウマを抱えた40才のダン(ダニー: ユアン・マクレガー)は、父親と同じように酒に溺れる生活に明け暮れていました。

しかし、そんな自分を変えようと辿り着いた町でホスピス終末医療)の仕事を得た彼は、自身の能力”シャイニング”を使い、死にゆく老人に安息をもたらす事で“ドクター・スリープ”と呼ばれるようになり、親友の勧めもあり禁酒セラピーにも通ったことで禁酒にも成功するんですね。

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また同時期、ダンは彼よりも非常に強力なシャイニングの能力を持つ少女アブラ・ストーン(カイリー・カラン)とテレパシーでやり取りをするように。

そんなある日アブラは、シャイニングを持つ野球少年ブラッドリー(ジェイコブ・トレンブレイ)を誘拐し拷問死させる「トゥルー・ノット」の犯行を“感じ取り“ます。

ハットを被る怪しい女ローズ・ザ・ハットレベッカ・ファーガソン)率いる「トゥルー・ノット」は、シャイニングを持つ子供に苦痛を与えながら殺害し、彼らの生気を吸い取ることで数百年を生きるヴァンパイヤ集団だったのです。

「トゥルー」の犯行を”目撃“しローズ・ハットに存在を知られてしまったアブラは、ダンの許を訪ねて助けを求めるのだが――と言うストーリー。

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前作とは違い、この続編はメインキャラが自身のシャイニングで闘う「超能力大戦」になってるんですねー。

そして超能力は原作者キングの大好物でもあります。
キングと言えば、超能力とネイティブアメリカンの呪いですから。
長編デビュー作「キャリー」も超能力ものだったし、原作版「シャイニング」なんか、この2つの要素が両方入ってますからねw

お国柄?

そういえば「シャイニング」のストーリーがイマイチ分かりにくい理由として、前述したようにオカルト嫌いのキューブリックが幽霊や超能力の部分をカットしたりぼやかした事の他に、「超能力」と「霊能力」が同じものとして描かれているってのがあって、日本だと「超能力」=SFと「霊能力」=オカルトって具合にハッキリ分けられてるじゃないですか。

ところが、「シャイニング」と本作ではこの2つの能力は同じ「力」として描かれているんですよね。

前作に登場しシャイニングでダニーを救ったオーバールックホテルのシェフ、ディック・ハロラン(カール・ランブリー)の幽霊が、本作でダニーの師匠的な立ち位置で登場するとか、ハロランの教えでダニーがホテルの亡霊たちを封じる術を会得するとか。

そういうのって、日本では「霊能力」に括られると思うんですが、前作&本作ではあくまで「超能力」の一つなんですよね。

それがキング独自の解釈なのか、それともアメリカのお国柄(死生観の違い)ゆえかはよく分からないんですけども。

キューブリックオマージュもふんだんに

そんな本作、前作の舞台でもあるオーバールックホテルがローズ・ザ・ハットとダン&アブラの最終決戦の舞台になるんですが、ダンとアブラがホテルに続く一本道を車で上るところで、前作「シャイニング」のテーマ曲が掛かるという演出は個人的に燃えたし、双子幼女や露出狂おばさんら亡霊たち、エレベーターから溢れる大量の血、ダニーが三輪車で走る例の廊下や、ジャックが通うバーなどなど、キューブリック版シャイニングのオマージュがふんだんに盛り込まれていましたねー。

で、そこでの父子の邂逅を踏まえてダニーの最後の決断などなど、キューブリック版とキングの原作を上手くリミックスしながら、続編としても前作の語り直しとしても、絶妙な着地をしてみせたと僕は思ったし、今の技術なら前作キャラクターの顔をCGで再現することだって出来たハズだけど、あえて違う役者に演じさせたのも個人的には監督の大英断だと思いました

それに加え、シャイニングを持つ者同士の闘いの描写では、キングの持つ中二病感を余すところなく表現してて、同じく中二マインドを持つ僕なんかはグッときましたよ!

興味のある方は是非!!

 

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”世界のMIIKE“初期作品「極道戦国志 不動」(1996)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、海外での評価も高い三池崇史監督の初期作品『極道戦国志 不動』ですよー!

たまたまYouTube映画秘宝復刊記念のトークライブの中でタイトルが出ていたので、気になってレンタルしてきました。

三池崇史作品を観たことがない人は「なんだこりゃ」ってなること請け合いの作品で、逆に三池作品のファンにとってはちょっと物足りなさを感じる作品かもって思いましたねー。

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画像出展元URL:https://www.amazon.co.jp/ref=nav_logo

概要

古い体質の極道社会を崩壊させ、新世代社会を築こうとする高校生が巻き起こす戦争を、過激な描写で描いたバイオレンス。監督は「新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争」の三池崇史。原作は谷村ひとしの同名小説で、「リストラ代紋 史上最強の公務員」の森岡利行が脚色。撮影を「シャブ極道」の山本英夫が担当している。主演は「花より男子(1995)」の谷原章介。成人指定。16ミリからのブローアップ。(映画.comより引用)

感想

三池崇史とは

三池崇史は横浜の映画専門学校に進学、横浜にあった今村昌平の私塾で映画を学びアルバイトを転々としたあと、フリーの助監督として今村昌平恩地日出夫野田幸男、西村潔、井上梅次舛田利雄村川透など名だたる監督の現場を経験し、1991年「突風!ミニパト隊」で監督デビュー。

その後、映画、テレビドラマ、OVA、舞台など数えきれないほどの作品を手掛けてきた非常に多作な監督です。
作品を選ばず依頼された順に受けていくスタイルで、与えられた時間と予算の中で作品を仕上げていく職人監督でありながら、作品の中にしっかりと自分の色を出していくのが特徴で、特に、バイオレンスやエログロを執拗に描く露悪的とも言える表現で国内外の多くのファンから支持され、クエンティン・タランティーノイーライ・ロスパク・チャヌクなど、海外の名だたる監督にも影響を与えているんだそうです。

その一方で、過激過ぎるな暴力表現がしばしば論争を巻き起こし、初期代表作であるホラー映画「オーディション」が2000年のロッテルダム国際映画祭では記録的な人数の途中退出者を出すという伝説もあったりするそうです。

近年は、ビックバジェットの漫画・アニメ原作の実写版を監督し、原作ファンなどから酷評されることでもお馴染みだし、個人的にも「これはちょっと……」と思う作品も少なくないんですけど、じゃぁ他の監督だったらそれ以上の作品になったかと言えばそれはないと思うんですよ。

少なくとも、邦画の限られた予算・時間や様々な制約の中で(一定のレベル以上の)映画を作ることにかけては、やっぱり三池監督は今もトップランナーであり続けていると思うんですよねー。

本作は、そんな三池監督の初期作品の一本で、谷村ひとしの同名漫画を原作にしたヤクザ映画です。

主演は今や「パネルクイズ アタック25」の顔として知られる谷原章介
「花より団子」でデビュー後、3作目の映画出演らしく、まだ初々しさが残る演技でしたよ。

ざっくりストーリー紹介

小学生の不動力は、ある夜父親峰岸徹)が大好きな兄を惨殺する現場を目撃します。
父は、関西大手暴力団の夜叉組といざこざを起こしたオトシマエとして、自ら切り落とした兄の生首を夜叉組に差し出したのです。

その夜、兄の血で自分の背中に不動明王を彫った力は10年後、高校生にして九州仁王会不動一家の若頭をつとめるその裏で、古い体質のヤクザ世界を壊し極道新世代を築こうとする組織のリーダーに。

小学生やJKのヒットマンを使って、邪魔者である仁王会の四天王と呼ばれる幹部たちや仁王会の本山である仁王寺の阿平と吽平をも次々に抹殺。最大の敵である夜叉組の能間竹内力)の命を狙うが、能間と手を組んで九州を牛耳りたい父が、力の行動を知った能間の命令で、力の下に腹違いの兄・を刺客として学校に送り込み――というストーリー。

かなり荒唐無稽なストーリーなんですが、原作が漫画ということもあって、どこまでが原作設定で、どこからが映画オリジナル演出なのかはよく分からないです。

ただ、主人公が17才の高校生ということで、彼の部下?は全員がクラスメイトの女子や小学生男子なんですよねw

で、街はずれにあるアジトで、小学生の子供が射撃訓練や暗殺訓練をしたり、女子高生がマシンガンで敵を皆殺しにしたり、もう一人の女子高生はストリップ小屋で花電車(アソコで吹き矢を吹く)のアルバイトをしていて、その技を暗殺に活用しているんですね。しかも何故か両性具有という謎設定までついているっていうw

さらに、夜叉組の野望は日本を牛耳った後に北朝鮮と手を組んでアメリカを倒すことだったり、そんな夜叉組の動向を探るため不動たちは学校のパソコン室のPCをフル稼働させてたり。父親が差し向けるヒットマンで腹違いの兄は、元韓国の特殊部隊だったりね。

言ってる意味が分からないと思いますが、書いてる僕もよく分からないので大丈夫?ですw

要するに、後の”三池印“に繋がるエログロナンセンス満載の映画なんですよねー。

三池崇史覚醒前夜?

本作は1996年の作品ということで、三池監督作品としてはかなり初期の作品と言えると思います。

それもあって過剰なエロやグロは描かれているものの、三池監督の特徴でもあるヒリつくような“過剰な暴力”はかなり控えめ
また、それぞれのキャラクターの背景も描かれていないため、不動がどういう経緯で仲間を集めたか、彼ら彼女らが何故不動に従うのかなどは正直全く分からないし、三部作の第1作なのもあって物語的にもかなり中途半端な感じで終わっています。

というか、ぶっちゃけストーリーはあってないようなもので、ただひたすら誰かが死んだり、誰かを殺したりが延々続き、その合間にお色気シーンが差し込まれるっていう。

まぁ、この殺しのシーンはアイデア満載で多彩な死に方が楽しめるので、そこを楽しむ作品という感じでしょうかね。

もしかして、2・3と観たらもっと面白くなるかもですが、僕はこの1本で正直お腹いっぱいでしたねーw

興味のある方は是非!

 

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今度の主役はおじいちゃんズ!?「ジュマンジ/ネクストレベル」(2019)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、2017年公開の「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」の続編『ジュマンジ/ネクストレベル』ですよー!

前作では、ロック様ことドウェイン・ジョンソンの中身がオタク童貞高校生になったり、ジャック・ブラックの中身が女子高生になったりする楽しい映画でしたが、その続編となる本作はどうだったかについて語っていきたいと思います。

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概要

約20年振りの続編となった『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』に続くアドベンチャーシリーズの第3弾。再びゲームの世界に入り込んだ4人の高校生に2人の老人が加わり、砂漠や雪山などから生還するためサバイバルを繰り広げる。出演はドウェイン・ジョンソンジャック・ブラックら前作のキャストのほか、ダニー・デヴィートダニー・グローヴァーが共演。監督は前作のジェイク・カスダンが続投する。(シネマトゥディより引用)

感想

ジュマンジ」とは

本作の前段となる2017年の「~/ウエルカム・トゥ・ジャングル」は、名優ロビン・ウィリアム主演で1995年に公開された「ジュマンジ」から22年ぶりの続編だったので、本作は「ジュマンジ」シリーズ3作目になります。

ではオリジナル版「ジュマンジ」がどんな内容かと言うと、止まったコマに掛かれた事が現実に起こるという「闇のスゴロク」をプレイする4人の物語。

この作品の中でロビン・ウィリアムスは26年間ゲームの中に閉じ込められ「見た目は大人頭脳は子供」のアランというキャラクターを熱演。
また、当時はまだ最新技術だったCGを贅沢に使って人々を驚かせたんですね。

それから22年後に公開された続編「~/ウエルカム・トゥ・ジャングル」では、前作で重りをつけられ川に流された後、海岸で少女に発見された「ジュマンジ」が時代に合わせてビデオゲームに進化するという貞子チックなスタート。

色々あってスクールカースト序列が全然違う、相容れない4人が偶然「ジュマンジ」に閉じ込められ、共にゲームをクリアすることで友情や愛情が芽生えるという、青春映画の金字塔「ブレック・ファースト・クラブ」的展開と、彼ら彼女らのゲーム内アバタードウェイン・ジョンソンジャック・ブラックケヴィン・ハート、カレン・ギランが演じた事でも話題になりました。

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そしてその続編となる本作では、大学生になった4人が久しぶりに集まろうという話で盛り上がるわけですが、前作主人公のスペンサーは慣れないNY生活ですっかり自信を失っていて、ロック様の時の万能感を得るため前作ラストで叩き壊した「ジュマンジ」を起動、1人で再びゲーム内に入ってしまうんですね。

それに気づいた4人もゲームの中に入ってスペンサーを救出しようとするも、たまたま家にいたスペンサーのお祖父ちゃんエディと、レストランの元共同経営者だったマイロも巻き込まれ――というストーリー。

ちなみにエディお祖父ちゃんは実写版「ダンボ」でサーカス団団長役だったダニー・デヴィート、マイロは「リーサル・ウェポン」でメルギブの相棒役だったダニー・グローヴァーがそれぞれ演じていますよ。

95年のオリジナル版では「ゲームが現実を侵食する」設定だったのに対し、07年は「ゲームの中に現実(プレイヤー)が入る」という設定に変わり、さらに本作ではそのゲームがバグっているという設定になったのです。

また、第1作はコメディーでありながらエグいシーンや怖さもあったけど、第2作以降はとにかくギャグ多めで笑いに振り切ったのがヒットの要因だった気がします。

今度の主人公はおじいちゃんズ!?

前述したように、前作の主人公は高校生4人組で、ゲームに詳しいオタクの主人公スペンサーがジュマンジ世界のガイド役でもあったんですね。

そして、4人で協力プレイをすることで絆を深めていくというのが物語の肝だったわけです。香川県の偉い人、聞いてますかー?)

しかし、本作で4人の関係性はすでに出来上がっているので、これ以上の発展性はない。

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ということで、本作ではスペンサーのエディお祖父ちゃんと、わだかまりのある元親友のマイロが実質的な主人公として「ジュマンジ」の中に巻き込まれるんですね。

そして、前作の4人はゲーム未経験の2人をサポートする役周りになることで、物語が進んでいくわけですね。

さらに、前作で叩き壊された「ジュマンジ」がバグったという設定にすることで、前作で割り振られたキャラをガラガラポンして、本作ではロック様の中身にエディお祖父ちゃん、ケヴィン・ハートの中身にマイロ、ジャック・ブラックは女子高生ベサニーからジョックスのアンソニーに変わってしまうのです。

では、スペンサーと真面目女子のマーサはゲーム内でどんなキャラに!?
というのが、見どころの1つでもあるんですね。

“新しさ”は感じられずキャスト任せに

そんな本作、もちろん観ている間はそれなりに楽しいんですが、内容的にはある意味で前作の繰り返しであり、本作ならではの“新しさ“は感じることが出来なかったし、逆に前作の面白かった設定が足かせとなって物語に無理矢理感が出てしまったように見えました。

その中に、お祖父ちゃんズを投入することで物語を引っ掻き回してはいるものの、演じているのはロック様でありケビン・ハートでありジャック・ブラックですからね。

要は、前作との違いを役者の演技力に頼る形になっちゃってるのです。

逆に前作では笑い&スリル要素として重要な仕掛けだった、3回死ぬとゲームオーバー設定を本作では結構持て余している感じで、理由も必然性もなく無駄にキャラクター(アバター)が死ぬシーンを無理やり突っ込むんだけど、劇中の仕掛けとしてはまったく機能していないとか、わりとご都合主義的な展開が見え隠れしちゃって、正直前作ほどは楽しめなかったかなーと。

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ただ、ゲームクリア後のマイロの気持ちは痛いほど分かるし、それに納得し応援するエディお祖父ちゃんの件は、個人的にグッとくるポイントでしたねー。

あと、ラストで第1作で登場したキャラクター(オリジナルキャストが続投)がエディお祖父ちゃんの知り合いだった事が分かるとか、本作自体が続編への布石になっている辺りは良かったんじゃないでしょうか。

興味のある方は是非!!

 

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アジアを代表する3人が夢の共演!「トリプル・スレット」(2019)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、トニージャー、イコ・ウワイス、タイガー・チェンというアジアを代表するアクションスター3人が競演した『トリプル・スレット』ですよー!

そんな3人が「古式ムエタイ」「シラット」「カンフー」というアジアの格闘技を駆使して戦う映画なら絶対面白いでしょ! とレンタルしたんですが……率直に言えば3人のポテンシャルを生かし切れていない感じがしましたねー。(´ε`;)ウーン…

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

マッハ!』シリーズなどのトニー・ジャー、『ザ・レイド』シリーズなどのイコ・ウワイスらが顔をそろえたアクション。ムエタイ、シラット、カンフーなどを駆使する男たちが、命を狙われている令嬢を守ろうとする。メガホンを取るのは『マキシマム・ブロウ』などのジェシー・V・ジョンソン。『カンフー・トラベラー』シリーズなどのタイガー・チェン、『ニンジャ・アベンジャーズ』などのスコット・アドキンスらが共演する。(シネマトゥディより引用)

感想

3人の経歴

本作でトリプル主演となる三人、トニー・ジャー、イコ・ウワイス、タイガー・チェンは、それぞれアジアを代表するアクションスターであり格闘技のエキスパート。

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画像出展元URL:http://eiga.com / 画面左からタイガー・チェン、イコ・ウワイス、トニー・ジャー

2003年のタイ映画「マッハ!!!!!!!!」で鮮烈なデビューを飾ったトニー・ジャーは、それまで馴染みのなかった“古式ムエタイ”をベースにした格闘アクションと、命知らずのスタントで世界を驚かせたタイのアクションスター。

インドネシア出身のイコ・ウワイスは、10歳の頃から実践格闘術シラットを学び、全国規模の大会でも優勝経験を持つアクションスターで、2011年公開の「ザ・レイド」でブレイク後に、ハリウッドで俳優兼スタントコーディネーターも務める実力派。

タイガー・チェンは18歳で中国武術四川省代表入りし、中国大陸全国少年武術大会で優勝。その後アメリカに渡ると「酔拳」でジャッキーの師匠役を演じたユエン・ウーピンに弟子入りし、彼の下で「マトリックス」のアクション指導、キアヌ・リーブスの武術指導やウマ・サーマンのスタントを行うなど、役者以外にも武術家やアクションコーディネーターの顔も持っています。

さらに、本作で敵役を務めるスコット・アドキンスは、柔道、キックボクシング、クラヴ・マガ、MMA、体操、中国拳法の心得があり、2013年公開「ニンジャ・アベンジャーズ」では主役を張り、ケイン・コスギ演じるラスボスと死闘を繰り広げた実力派なのです。

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画像出展元URL:http://eiga.com / ケイン・コスギと闘った事もあるスコット・アドキンス

これだけ“動ける“アクションスターが揃って面白くならないハズがない!

そう思って胸を躍らせながらレンタルしてきたわけですが、結論を言うと極めて凡庸なアクション映画になってしまっているなーと思いました。

その理由は、格闘アクションが一本調子で途中で飽きちゃうことや、3人それぞれ均等に見せ場を作った結果、逆に平らに均されてしまったというか、それぞれの特徴が消えてしまった感じがしたんですよね。

もちろん3人は凄いアクションを見せているんですけど、それが逆に「彼らのポテンシャルはこんなもんじゃないだろ」って思っちゃうんですよねー。

ストーリー紹介

中国有数の資産家の娘シャオシャン(セリーナ・ジェイド)は莫大な遺産を投じて、東南アジアの都市マハ・ジャヤを牛耳る犯罪組織の壊滅に乗り出す。
しかし、それに怒った組織のボスは、コリンズ(スコット・アドキンス)が率いる傭兵部隊を雇い彼女の暗殺を目論む。

コリンズ達の襲撃から辛うじて逃れたシャオシャンは、逃げ込んだ警察署で武術の達人パユ(トニー・ジャー)とロン・フェイ(タイガー・チェン)に助けられ、大使館に向かう途中で、妻を殺したコリンズに復讐を誓うジャカ(イコ・ウワイス)と出会うのだが――。と言うストーリー。

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画像出展元URL:http://eiga.com / スコット率いる傭兵部隊に追い回される3人

基本的にはお姫様を悪漢から守る三銃士的なシンプルなストーリーなんですが、そんなストーリーをややこしくしているのが冒頭シーン。

パユ、ロンの案内で、ジャングルの中にあるMI6?の収容所にやってくるコリンズの部下たち。
その警備兵の中には、ジャガとその恋人もいるんですが、コリンズの部下たちは銃やランチャーで「ヒャッハー!」と施設を襲撃。

結果ジャカ以外全員皆殺しにしてしまうんですね。

一応、コリンズの部下たちがパユとロンを騙して案内させたことが分かるようにはなってるし、その後、改めて事の真相が分かるようにはなってるんですが、何も知らない状況でまずこのシーンから見せられ、その後、パユ&ロンが地下格闘技の大会中、乱入してきたジャカが襲い掛かるという件に繋がっていくので初見だと人間関係が分かりづらくて混乱しちゃいます。

パユ&ロンが地下格闘大会に出場してるのは金を稼いで自分たちをハメて殺そうとしたコリンズ達への復讐を果たすためで、ジャガも誤解からロンの試合に乱入(というか飛び入り参加)するので、ここから共闘するかと思いきや、ジャガは二人を警察に売ったり、コリンズにも彼らが生きている事をチクる始末。

一方、大将コリンズ率いる傭兵たちは、依頼されたシャオシャン暗殺のため彼女のテレビ出演終わりを出待ちしてボディーガードごと皆殺しにしようとするっていう、超雑な計画を実行。しかし間一髪逃げ延びたシャオシャンは警察に逃げ込み、そこでロンと出会うんですが、そこにコリンズたちが襲撃をかけて署員を皆殺し

しかしシャオシャンはロンとパユに助けられ、間一髪逃げ延び――。

一方のジャカがパユ&ロンをコリンズ達に”売った”のは、コリンズの仲間のフリをして情報を聞き出してやろうという目論み?
一方、コリンズたちが執拗にロン&パユを追うのは、スコット脱獄の真相を知ってる2人の口封じをするためらしい。

でも、ジャカがなんでコリンズのバックにいる黒幕まで突き止めようとしてるのか(というかなんで黒幕の存在を知ってるのか)イマイチ理由が分からないし、コリンズたちはロン&パユ&シャオシャン殺害のためテレビ局と警察署でそれぞれド派手に銃乱射かまして大暴れしてるし。
そして、ラストでシャオシャンを殺そうとした黒幕が逮捕されるも、何者かは分からずじまい(何の説明もない)っていう。

全体的に“フリ”が効いてないので、彼らが何をしたいのかよく分からないんですよね。

アクションのバリエーションが少ない

とはいえ、本作の売りはアクションですからね。アクションシーンが良ければストーリーは雑でも別に構わないんですよ。

で、本作には格闘アクションの他、ガンアクション、ナイフアクション、カーチェイスなど、普通に考えたら盛沢山のアクションシーンがぶち込まれているわけですが……これがイマイチ盛り上がらないんですね。

それは前述したようにストーリーが雑ってのが一番大きな理由ではあるんですが、もう一つの理由は格闘シーンで3人が共闘しない(コンビネーションがない)ってのが大きいのかなと。

前述したように3人それぞれ見せ場はあるものの、基本それぞれに割り当てられた悪役相手に1対1で闘う構図になっていて3人が共演する意味がないっていう。

悪役のコリンズは超強いっていう設定なので、「プロジェクトA」みたいに3人のコンビネーションで倒すっていう燃える展開だってアリなんじゃないかと思うんですよね。

あと、アクションの振り付けがどれも似たような感じになってることで、3人それぞれの格闘のバックボーン(ムエタイ・シラット・カンフー)の違いがイマイチ分かりづらいのもマイナス要因だった気がします。

例えば僕らみたいな素人はカンフーの流派の違いは分からないけど、「ドラゴン・キングダム」でジャッキーが酔拳ジェット・リー蟷螂拳の構えを見せるだけでグッとくるじゃないですか。

そんな感じで、ラスボスのコリンズを前に、3人がムエタイ、シラット、カンフーの構えを見せる1ショットが入るだけでも全然違う気がしするんですよね。(それだと今風じゃないのかしら)

とはいえ、この3人のアクション自体は超カッコいいので、格闘映画好きな人は楽しめるかもしれません。

興味のある方は是非!!

 

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