ぷらすです。
今回ご紹介するのは、『B級映画の帝王』ロジャー・コーマンが1975年に制作した米映画『デス・レース2000年』ですよー!
本作は、B級カルト映画として人気を博し、またシルベスタ・スタローンが『ロッキー』でブレイクする直前に出演した映画としても知られているようです。
画像出典元URL: http://www.amazon.co.jp/
概要
イブ・メルキアーの短編小説『レーサー』の実写映画化。
原作ではシリアスタッチだった物語を、2000年に肝臓がんで亡くなった鬼才ポール・バーテル監督とロジャー・コーマンが、ブラックコメディーに方向転換したことで、多くのB級映画ファンに熱烈な支持を受けるカルト映画になった。
主演はタランティーノ監督の『キル・ビル』でビル役を演じたデビッド・キャラダイン。
あらすじ
西暦2000年。過去の大戦後、アメリカ『連邦国』は、国民の思想まで管理されるデストピア国家となり、人々の不満から目をそらすため開催されたニューヨークからロスアンゼルスまでの速さを競う『デス・レース』は、最高の娯楽として国民の熱狂的な支持を受けていた。
『デス・レース』はライバルへの攻撃・妨害は自由、轢き殺した人間の年齢性別によって与えられるポイントが加算されるというまさに死のレース。
奇抜な武装を装着したレーシング・カーに乗り5組10人のレーサー&ナビゲーターたちは、優勝を目指して激走する。
感想
この映画の感想の前に、ロジャー・コーマンという人について軽く説明したいと思います。
ロジャー・コーマンは300以上の映画をプロデュースし、その内50本の映画を自身で監督、その作品はアメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ(AIP)というインディペンデント映画専門の制作会社を通じて、ドライブインシアターなどに配給されました。
徹底したコスト管理と早撮りで、一本の赤字も出さなかったことから『B級映画の帝王』と呼ばれ、また多くの映画人を発掘したことでも知られています。
ジェームス・キャメロンやスピルバーグ、マーティン・スコセッシ、コッポラなど、多くの名監督、名俳優がコーマンの下でキャリアをスタートさせたそうです。
本作は、そんなコーマンがプロデュースし、若き日のシルベスタ・スタローンが主人公の覆面レーサー フランケンシュタイン(デビッド・キャラダイン)のライバルとして出演しています。(この作品に出演後、スタローンはロッキーでブレイク。コーマンはすぐに本作ポスターのスタローンの名前を大きくして刷り直したなんて伝説もw)
ストーリーは、5人の有名レーサーが、奇抜な武装を装着したレーシング・カーでニューヨークからロスアンゼルスまで順位を競うレースもの。
ただしこのレース、ライバルへの妨害・攻撃は自由。そして決着はレースの順位+轢き殺した人間の合計得点(性別・年齢によってポイントが違う)で決まる(らしい)という、文字通りの『デス・レース』
参加するレーサーも、
・何度大怪我をしても『必ず復活』する不死身の男フランケンシュタイン(デビッド・キャラダイン)
・ギャング風レーサーでフランケンシュタインを目の敵にしているマシンガン・ジョー(シルベスタ・スタローン)
・ローマ皇帝暴君ネロ風のレーサー、その名もネロ(マーティン・コーヴ)
・カウボーイならぬカウガールレーサーのカラミティ・ジェーン(メアリー・ウォロノフ)
・『ナチの恋人』の異名を持つネオナチ女レーサーのマチルダ(ロバータ・コリンズ)
と、個性派? 揃い。
そんな彼らが操る車も、マシンガンやデカいナイフ、牛の角がついてたり、ライオンがモチーフだったり、ドラゴン風の装飾が施されてたりと、
どれもこれも昭和の小学生がラクガキしたみたいな車ばかり。
そんな車に乗ったレーサーとナビゲーターが、通行人を見つけては轢き殺しながらゴールを目指すんですが、そこに反政府レジスタンスが妨害工作をしたり、参加レーサーもそれぞれ思惑があったり(フランケンシュタインのナビゲーターはレジスタンスリーダーの孫娘)、最初はいがみ合ってたナチとカウガールに謎の友情が芽生えたりします。
何を言ってるか分からないかもしれませんが、僕も分からないので大丈夫ですよw
一応、ストーリーらしきものはあるんですが、最初から最後まで破綻しっぱなしですし、ぶっちゃけそんなのどうでもいいんです。
「アホみたいな車に乗ったアホみたいなレーサーがアホみたいに人を轢き殺しながらレースしたら面白いだろ? そんで、おっぱいとかお尻とか沢山出しちゃおうぜゲラゲラwwww」
という、深夜テンションのまま作っちゃったのが、本作『デスレース2000年』なんですから。
まさに、ボンクラの、ボンクラによる、ボンクラのための、ハイテンション・ボンクラムービーです。
残酷描写もあるにはあるんですが、時代的、もしくは技術的なことなのか低予算のためか、血糊や肉体破壊描写もそれほどリアルさはなく、車に取り付けられたギミックはただのハリボテで物語に一切絡まず、ストーリーなんかあってないような、とにかく全体的にユルユルな、THA✩B級映画ですが、でもそのユルくて牧歌的な感じが何故か嫌いになれないんですよねー。
って、もしかしたらここまで感想を読んで「面白そう」と思って下さった方もいるかもですが、これはあくまで僕の『偏愛』で、決して出来の良い映画じゃないし、とても人様にオススメはできる映画ではないです。
それでも興味があるという方は、(自己責任で)是非!