ぷらすです。
今回ご紹介するのは、大泉洋さん主演、北海道ススキノを舞台にしたハードボイルド映画『探偵はBARにいる』ですよー!
豪華キャストによる見ごたえのある作品でしたー。
画像出典元URL:http://www.amazon.co.jp/
概要
札幌在住のミステリー作家 東直己の小説『ススキノ探偵シリーズ』を原作に、2011年に公開された和製ハードボイルド映画。
ススキノにあるBARを事務所替りにしている私立探偵の<俺>(大泉洋)と助手の高田(松田龍平)がある事件に巻き込まれながら真相を追っていく。
監督は、多くのテレビシリーズも手がける橋本一。
あらすじ
ススキノの一角にあるバー『ケラーオオハタ』を事務所替わりにしている私立探偵の元に、コンドウキョウコを名乗る女性から依頼の電話がくる。
最初は気乗りがしないものの結局彼女の依頼を引き受け、ある弁護士を揺さぶった探偵は謎の男たちに拉致され、雪の中に埋められる。
雪の下からなんとか脱出した探偵は、このままでは済まさないと本格的に調査に乗り出す。
感想
本作は、70年代後半から80年代のTVドラマ、特に松田優作主演の『探偵物語』を意識した(と思われる)作りの作品で、当時少年少女だった世代の人には懐かしく感じるかもしれません。
ただ、原作がそうなのか映画オリジナル要素なのかは分かりませんが、テレビドラマ的というか、ウエルメイドな作りであり、2011年の映画としてはキャラクター的にもストーリー的にも少々時代遅れな印象が無きにしも非ずという気がしました。
主役の私立探偵は、ハードボイルドを気取りながらも、どこか抜けていてどうにも様にならない男。しかし、その中身は人情家で非常に熱い男でもあり、そんな探偵を大泉さんは見事に演じています。
松田龍平さん演じる、探偵の助手兼運転手兼相棒 高田は、一見クールでいつもやる気のない男だけれど、空手の師範代を務めるほどの腕っ節を持ち、いざという時は頼りになる男で、非常にバランスのいいコンビです。
探偵と親交のあるヤクザの若頭に松重豊、バイセクシャルで探偵に情報を流す新聞記者に田口トモロヲなど二人の脇を固める役者陣も曲者揃い。
また、西田敏行・竹下景子・小雪・石橋蓮司などのビックネームも登場し、非常に豪華な映画になってますよ。
ストーリーも非常に細かいところまで気が配られていながら、笑いやアクションも散りばめられていて、非常によく出来てるなーという印象でした。
ただ、これは僕が北海道在住だから感じるのかもですが、正直リアリティーラインは低めで、キャラクターも少々突飛な人物が多く、その辺は好き嫌いが分かれそうな感じがしました。
いくら北海道でも、そんなに気軽に銃をバンバン撃てないだろうとかね。
とにかく悪役が、いかにも過ぎてちょっと醒めちゃう部分があるかなーと。
特に、探偵を拉致したり、関係者を殺す実行犯のカトウ(高嶋政伸)は流石にぶっ飛び過ぎている印象でした。いや、アメリカじゃないんだから。
っていうか、カトウを演じてるのは高嶋政伸さんなんですが、最近はお兄ちゃん共々、ぶっ飛びキャラ役が多いなーw
あとストーリー自体がベタなだけに、配役でネタバレしちゃう部分もあったりします。この人が演じてるなら多分こうなるだろうなーと思いながら見てると、案の定そうなっていくみたいな。
なのでせっかくのどんでん返し的展開も、「まぁ、そうでしょうねー」となっちゃって、特に驚きがないんですよねー。
ただ、本作の場合はミステリー部分よりも、ハードボイルド的な部分に重きを置いていると思うので、それ自体はさほど問題はないかなと思いますけども。
じゃぁ、肝心のハードボイルド部分はどうかといえば、コミカルさも加えたオフビートな70~80年代の和製ハードボイルドの文脈に沿っていて、それが大泉さんの陽性のキャラクターとも合っているのでとても良かったと思います。
探偵と高田、ススキノで生きる人々との関係性が非常に魅力的に描かれていて、個人的には好きだなーと思いましたよ。
興味のある方は是非!!