ぷらすです。
今回ご紹介するのは、TBSの大ヒットドラマ『MOZU』の劇場版『劇場版 MOZU』ですよー!
僕はドラマも原作も見てないし読んでないんすが、ビートたけしさんと西島秀俊さんが対決? する映画の予告をTVで観て、かなり気になってたので、思い切ってレンタルしてみました。
それでですね、僕はドラマも見てないし原作も読んでいないので、トンチンカンな感想になっちゃうかもですし、今回はけっこう悪口ばっかりなので、『MOZU』ファンの人は読まれない方がいいかと思います。(ネタバレはしない予定ですが)
いいですね? 注意しましたよ?
画像出典元URL:http://eiga.com/
あらすじと概要
逢坂 剛の小説『百舌の叫ぶ夜』『幻の翼』を原作に、地上波とWOWWOWが共同で制作したドラマ『MOZU』の劇場版作品。
ドラマ版は『Season1〜百舌の叫ぶ夜〜』がTBSで全10話、『Season2〜幻の翼〜』がWOWOWプライム・TBSで全5話が放送され大ヒット。また劇場版公開に合わせ、香川照之主演でスピンオフドラマ『大杉探偵事務所』も放送された。
ドラマ版では、愛する妻と娘を失った公安のエース 倉木が、二人の死の真実を追ううちに、巨大な暗部に足を踏み入れていくというミステリーサスペンス作品で、本作はドラマでは語りきれなかった、“その後“を描いている。
妻の死の真相にたどり着いた倉木(西島秀俊)は気力を失い、捜査一課の大杉(香川照之)も警察への不信感から辞職、探偵事務所を開いていた。
それから半年経ったある日、テロ集団による高層ビル大規模強盗・脅迫事件とペナム大使館襲撃事件が発生。倉木と大杉はかつて共に捜査をしていた明星(真木よう子)と共に事件に巻き込まれ、ひとりの少女を保護する。
しかし、その少女エレナ(マーシュ彩)を狙うテロ集団によって、明星と大杉の娘めぐみ(杉咲花)が拐われてしまう。
二人を救出するためペナムに乗り込んだ倉木は、やがて事件の陰に「ダルマ」が大きく関わっていることを知る。
監督は「海猿シリーズ」「ワイルド7」の羽住 英一郎。
またレギュラーメンバーの他に、松坂桃李、伊勢谷友介、ビートたけしなどが本作に華を添えている。
感想
まず最初に言わなくてはいけないのは、本作はドラマ版を観てきたファンの人向けに振り切っている作品だと言うことじゃないでしょうか。
なので、本作だけを観た人は、内容もキャラクターの関係性も分からない部分が多々あるんじゃないかと。(僕もそうでした)
いや、終わってみればシンプルな物語なので大筋は分かるんですが、特にドラマ版から登場しているキャラや関係性が分からない分、唐突に見える部分が多いんじゃないかなーと。ゆえにドラマ版を観ていない人には、登場人物への感情移入がしにくい作りの映画であることは間違いないと思います。
ストーリー
以上のことを踏まえた上で、特に気になった部分を上げるとすれば、まずなんと言ってもストーリー運びの雑さです。
「あれ、ちゃんと観てたはずだけど、どっか見落としちゃったっけ!?」と観ているこっちが不安になるくらいシーンの切り替えが切り替えがぶつ切りなんですよ。
特に、舞台が日本から架空の国ペナンに移ったところはあまりにも唐突すぎて、マジでDVD巻き戻しましたからね。
いつの間に、女の子が攫われてたんだよ! っていう。
その他のシーンも万事がそんな感じで、過程が描かれず唐突にキャラクターが行動に移っちゃうので、え、なんでそんな事するわけ!? とか、なんでそうなるの!? っていうシーンが多発します。
なんていうか、全体的にぶつ切りで、絵的に派手だったり、エモーショナルなシーンをくっつけてるだけで、心理描写や繋ぎのシーンが極端に少ないんですよね。
お金を掛けたカッコいいアクションやカーチェイス、キャラクターのキメのシーンを見せたい気持ちは分からいじゃないですが、そこに至る前フリ部分があって初めてシーンにカタルシスが生まれるわけですよ。漫才でボケてる部分だけ抜き出しても漫才として成立しないのと一緒です。
前振りがあってボケてツッコんでっていう一連の流れがあって、初めて笑いになるっていうね。
セリフ
そんな感じで、「前振り」がない分をキャラクターがセリフで説明するので、全体的にセリフ自体が説明的で長ったらしい感じになっちゃうんですよね。
ちょっとした表情や動きを差し込めば分かるようなシーンでも、わざわざセリフで説明しちゃうので、一つ一つシーンが冗長で、絵面のカッコよさまで損なってしまう感じがしました。
特に、伊勢谷さんとたけしさんが同時に登場するシーンでは、伊勢谷さんのセリフだけで十分伝わるのに、たけしさんにもいらないセリフを喋らせてみたりね。
もしかしたら、たけしさん演じるダルマの非道さを見せたいのかもですが、個人的には余分だなーと思ったし、その所為でダルマの怖さが薄れちゃう感じがしました。
それを抜きにしても、全体的にセリフ回しが上手くないなーと思いましたけども。
アクション
本作では、フィリピンまで行ってカーチェイスやアクションシーンを撮影しただけあって、特にカーチェイスのシーンはかなり見ごたえがあったし、僕が本作で一番アガったシーンでもあります。
長谷川博己さん演じる東というキャラクターも、長谷川さん本来のちょっと胡散臭さい雰囲気やオーバーアクトな演技との相性も良くて、カッコよかったですしね。
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オーバーアクトで言うと、松坂桃李さん演じるサイコな殺し屋も池松 壮亮さん演じる新谷 和彦(?)のクールさとの対比的なキャラにするためか、やたらとテンションが高かったですねー。
ただ、この肝心のアクションシーンも一連の流れに、何故そうなるかのロジックがないので、飲み込みづらいなーと。
いや、これは、アクション以外のシーンも同じですが、絵面を優先した結果アチコチに矛盾やツッコミどころ、ご都合主義が見えちゃうんですよね。
ストーリーを見せるための映像を撮るのではなく、映像を見せるためにストーリーをくっつけてる感じで、とにかく流れが悪いなーと。
その分「ここが見せたい感」はビシビシ伝わってきますが、ストーリーの見せ方が雑なせいで、本来見せたいはずのアクションシーンやキメのシーンのカッコ良さを目減りさせてる感じ。
キャラクター造形自体は悪くないだけに、もったいないなーって思いました。
とまぁ色々文句を書いてしまいましたが、本作はそもそもドラマ版から観続けてくれたファンに向けたボーナストラック的な映画であって、他のドラマやアニメの劇場版同様に、それまで積み重ねたキャラクターと「MOZU」の歴史を歩んできたファンのための映画です。
なので、「MOZU」に思い入れのあるファンの人たちが面白かったなら、この映画は十分成功してると言えるんじゃないでしょうか。
興味のある(「MOZU」ファンの方は)是非!