ぷらすです。
今回ご紹介するのは、実際の事件を元にしたホラー映画『死霊館』ですよー!
残酷シーンやビックリシーン満載の「スプラッタホラー」とは一線を画した、ある意味でクラシカルとも言える正当派ホラー映画でしたー!
画像出典元URL:http://amazon.co.jp
あらすじと概要
ホラー映画『悪魔の棲む家』の元ネタとしても知られる『アミティヴィル事件』を始め、多くの心霊事件を調査解明してきた米国に実在する著名な心霊研究家のウォーレン夫妻が「これまで調査してきた中で最も邪悪で恐ろしい事例」と封印してきた、1971年の事件を描いたホラー映画。
1971年、ロジャー(ロン・リビングストン)とキャロリン(リリ・テイラー)・ペロン夫婦と、アンドレア(シャンリー・カズウェル)、ナンシー(ヘイリー・マクファーランド)、クリスティーン(ジョーイ・リン・キング)、シンディ(マッケンジー・フォイ)、エイプリル(カイラ・ディーヴァー)の5人の娘からなるペロン一家は、競売で一軒家を購入。
しかし、その家は悪霊にとりつかれた恐ろしい家であり、ペロン一家を恐怖に悩ませる。
そして、思いあぐねた末に著名な心霊研究家エド(パトリック・ウィルソン)とロレイン(ヴェラ・アン・ファーミガ)のウォーレン夫妻の講演に訪れた妻のキャロリンは、二人に家の調査を依頼する。
監督は「ソウ」シリーズで一躍人気監督の仲間入りをしたジェームズ・ワン。
感想
最初に結論から書くと、超怖かったです!!
本作は米国では著名な心霊研究家のウォーレン夫妻が調査した実際にあった事件が元になっているそうです。
夫のエドは、カトリック教会が唯一公認した非聖職者の悪魔研究家で、奥さんのロレインは透視能力(霊視と言ったほうが正確かも)を持つ霊能者。
二人は悪霊祓いとして60年間で10,000件以上の超常現象を調査解決してきた人たちで、本作に登場するペロン一家も実在するのだそうですね。
もちろん、フィクションなので映画的な脚色はされているのでしょうが、映画化の際にジェムズ・ワン監督はペロン一家に取材して、実際に一家が経験したエピソードも描かれているようです。
久しぶりに観たクラシカルな正当派ホラー映画。
本作は、例えば血がビュービュー出たり、残酷シーンやビックリシーンを多用するスプラッタ系ホラーとは一味違います。
むしろ、スプラッタ系ホラーに慣れている人には少し物足りないんじゃないかと思うくらい、悪霊の姿やイキナリ驚かされるような、いわゆるお化け屋敷的な演出は少ないです。
でも、観ているコッチはペロン一家が買った家にオバケがいることを知っているわけで、扉の向こうの暗闇や家族がベッドの下を覗いたり地下室に降りるシーンでも、何かあるんじゃないか、オバケが出てくるんじゃないかと、ハラハラドキドキしっぱなしなんですよ。
むしろ何も起こらないシーンでこそ観客の怖さを引き出す演出なんですね。
暗闇への根源的な恐怖
特に素晴らしいのは、廊下や部屋の隅などに暗闇を作るライティングじゃないかと思います。
なんてことない普通の家でも、長い廊下の向こうが薄暗いだけで、人間は恐怖心を抱いちゃいますよね。本作はそんな人間の根源的な恐怖を巧みに引き出しつつ、音や音楽、カットの切り替わりや、キャストの動き合わせたカメラワークなどで、観ているこっちの緊張感を盛り上げるんです。
この『来るぞ来るぞ感』が、超怖いんですよ!
科学調査
本作では、このペロン一家の怪現象と並行するように、ウォーレン夫妻の活動が描かれていきます。
二人は依頼者を闇雲にお祓いするわけではなく、まず依頼者への聞き取り調査、温度に反応するカメラやマイクを設置しての科学的な現地調査をして、間違いなく依頼者(家なども)が悪霊や悪魔憑きと判明した時点で、カトリック教会にエクソシストの派遣を依頼するわけです。
そして、“媒体“となる物たち(人形とか仮面とか)に悪霊や悪魔を封じ込めて、それらが外に出ないよう、自宅で管理しているんですね。
ちなみに現在、ウォーレン夫婦の“所蔵品“は二人がオーナーを勤める「オカルトミュージアム」で公開されているらしいですよ。
一度、科学的アプローチで自然現象でない事を確認、間違いなく心霊現象(悪魔憑き)だと分かった時点で祓っていくのは実際にカトリックが悪魔祓いをするときの手順であり、そういうディテールがちゃんと描かれることで、物語にドキュメント的なリアリティーが生まれるんだと思いました。
『お祓い映画』としても素晴らしい
ところで僕は、人間VS悪魔(悪霊)のいわゆる「お祓い映画」が大好物です。
子供の時に観た「エクソシスト」から始まり、お祓い系の映画は思わず手に取っちゃうんですね。
ただ、「エクソシスト」並に満足度の高い「お祓い映画」というのは中々出会うことが難しいんですが、本作はそんな「お祓い映画」スキーの僕も大満足の出来でしたよ。
クライマックスでの悪霊とウォーレン夫婦の対決は、彼らの背景を知ってるだけに燃えましたねー!!
溜めて溜めて、一気にクライマックスで放出する胸熱カタルシス展開。
そういう意味で、本作は『ホラー映画』としても『お祓い映画』としても、素晴らしい一本でした。
そして、今年7月には本作の続編『死霊館/エンフィールド事件』という続編も公開されているらしく、僕の地元では劇場公開は終わってるっぽい(未公開?)らしいので、DVDが出たら絶対観たいと思います!
興味のある方は是非!!