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一言で言うなら“普通“? 「ザ・ガンマン」(2016) 感想

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、二度のアカデミー賞主演男優賞に輝いた名優、ショーン・ペン主演のアクション映画『ザ・ガンマン』ですよー!

ただ……、うーん。あえて一言で感想を言うなら「普通?」な映画でしたねー。

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画像出典元URL:http://eiga.com/

あらすじと概要

オスカー俳優ショーン・ペンが、『96時間』などのピエール・モレル監督と組んだアクション。ジャン=パトリック・マンシェットの「眠りなき狙撃者」を基に、過去を捨てた元特殊部隊の暗殺者が何者かに命を狙われたことを機に、再び過酷な戦いに身を投じていくさまを描く。
アクションに備え肉体改造したショーンが演じる主人公の敵役を、『ノーカントリー』などのハビエル・バルデムが務めるほか、『マンデラ 自由への長い道』などのイドリス・エルバらが共演。

ストーリー:元特殊部隊のすご腕暗殺者ジム(ショーン・ペン)はアフリカ・コンゴ民主共和国で鉱山利権が絡む極秘の暗殺任務をやり遂げ、全てを捨て身を潜めるように生きていた。しかし数年後、突然何者かによってターゲットにされた彼は、暗殺作戦に関わった仲間たちが殺害されていることを知る。
敵の正体を突き止めるため、再び銃を手にするジムだったが……。(シネマトゥデイより引用)

 

 

感想

ショーン・ペンと言えば、『ミスティック・リバー』(2003)『MILK』(2008)で2度のアカデミー賞主演男優賞を受賞し、世界三大映画祭(ベネツィア・カンヌ・ベルリン)全てで主演男優賞を受賞している名優です。

そんな彼が54歳にしてアクションに挑戦したのが本作「ザ・ガンマン」です。
ジャン=パトリック・マンシェットの「眠りなき狙撃者」を原作に、1981年にアラン・ドロン主演で映画化された『最後の標的』の実質的なリメイク?(というか同じ原作から作られた別の作品?) らしいです。

監督は、リーアム・ニーソン主演の『96時間』でメガホンを取り、有名監督の仲間入りをしたピエール・モレル。ショーン・ペン自身も主演の他に制作・脚本も担当しています。

豪華俳優陣の無駄遣い?

本作では、主演のショーン・ペンの他、ハビエル・バルデム(「ノーカントリー」他)やマーク・ライランス(「ブリッジ・オブ・スパイ」他)、イドリス・エルバ(「パシフィック・リム」他)など、そうそうたる豪華実力派俳優陣が出演しています。

にも関わらず、本作は何というか、ビックリするくらい凡庸な作品なんですよねー。
決して「観ていられないほど非道い」作品という訳でもなく、「面白かったー!」とテンションが上がる訳でもなく、「うーん、普通?」という感じ。

54歳にして、(多分)本作のためにムキムキマッチョな体を作り上げ、キレのあるアクションを披露したショーン・ペンを観て、「頑張ってるなー」とは思うものの感動するほどではなく、なんともこう、微妙な気持ちになってしまうというw

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ムキムキで頑張るショーン・ペン 画像出典元URL:http://eiga.com/

イドリス・エルバに至っては、「お前は何のために出てきたのか」と思うくらい物語に絡んでいないし、他の映画では存在感抜群のハビエル・バルデムも、本作では何をしたいのかよく分からない役回りなんですよね。キャラクターが生かされてないというより、そこに至る“振り“がないから、キャラクターの行動に説得力や実在感がない感じ。

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役に立たないイドリス・エルバ 画像出典元URL:http://eiga.com/

マーク・ライランスも、ただの情けない小悪党って感じで、物語に埋もれやってる感じで、全体的にもったいないなーって思いましたねー。

原作か、脚本か、それとも監督か

本作は監督がピエール・モレルということで、いけないとは思いつつ『96時間』と比べてしまうんですが、『96時間』では、アホみたいに強い元CIAのリーアム・ニーソンが、現実離れした大暴れをしながらも、娘の前では捨てられた犬のような顔になってしまうという、『ヨーロッパ・コープ』独特のマンガ的キャラ造形が物語のフックになって楽しく観られたし、アクション映画ってキャラ自身の魅力も大事なんですよね。

ところが本作では、(原作つきということもあるかもですが)キャラクターもストーリーも中途半端で、それゆえ物語もキャラクターも振り切れてない感じなので、その分、物語のアラが余計に目立っちゃうんですよねー。
原作からそうなのか、脚本が甘いのか、監督が悪いのかは分かりませんけども。

とにかく全部がどこかで見たような展開で、何が起きても「でしょうねー」としか思えないし、「次はこうなるんだろうなー」と思った事は大体全部その通りになります。

あえて一箇所驚いたところを上げるなら、中盤、ショーン・ペンハビエル・バルデムとヒロイン役のジャスミン・トリンカの三角関係のイザコザが延々続く(これがまた、しつこくて長い)中盤からの、バルデムの行動ですかねー。

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ショーン・ペンハビエル・バルデム、ヒロイン役のジャスミン・トリンカ 画像出典元URL:http://eiga.com/

お前は一体何がしたいんだバルデムっていう。

あと、殺した敵から奪った防弾チョッキをショーン・ペンが着るシーンも驚いたかな。

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恋人じゃなくてお前が着るんかーい!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ  

それと、クライマックスの闘牛場のシーンは原作がそうなってるのかなー?
2012年に闘牛は禁止されてるので、時代設定がそれ以前っていうことかもですし、単純に絵的なインパクトが欲しかっただけかもしれません(可能性大)。
僕はそれほど気になりませんでしたけど、その辺のリアリティーラインが気になる人は気になるかもしれませんね。

ただ、クライマックスでのショーン・ペンと敵の刺客とのタイマンのアクションは良かったし、敵の刺客と見破ったショーン・ペンがおばさんを殴っちゃうシーンはちょっと笑っちゃいました。

本作の敗因は、この物語と、ケレン味優先のバカっぽいアクション映画を得意とするピエール・モレル監督の特性が噛み合ってなかったことかもですね。
あと、ショーン・ペンはそもそも悪役顔(というか少し魔女っぽい)で、主人公にヒーロー感がないのも個人的にはマイナス要素だった気もします。

とは言え、しつこいようですが決してつまらない作品ではないのです。
あくまで「普通?」な映画なのです。(そういうのが一番感想が書きづらいw)

なので、そんなに期待しないで観る分には、それなりに楽しめるんじゃないかと思いますよ。

興味のある方は是非!!