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『世界よこれが日本だ』の看板に偽りなし! 「アイアムアヒーロー」(2016) 感想

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、花沢健吾の人気同名コミックの実写化作品
アイアムアヒーロー』ですよー!

まさにメイド・イン・ジャパンのゾンビムービーでした!(;゚∀゚)=3ハァハァ
もう、先に書いちゃいますが、本作を一言で言うなら

サイコーFooo! (◎∇◎)ノ

でしたよーー!!

というわけで、まだまだレンタルショップでは新作扱いなので出来るだけネタバレは避けますが、これから観る予定のある方はまず映画を見て、それからこの感想を読んでくださいねー!

いいですね? 注意しましたよ?

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画像出典元URL:http://eiga.com/

あらすじと概要

ボーイズ・オン・ザ・ラン」などの花沢健吾の人気コミックを実写化したパニックホラー。突如として広まった原因不明の感染によって大パニックが引き起こされる状況で、決死のサバイバルに挑む者たちの姿を映す。
メガホンを取るのは、『GANTZ』シリーズなどの佐藤信介。『青天の霹靂』などの大泉洋、『女子ーズ』などの有村架純、『モテキ』などの長澤まさみら実力派が出演。スリルと恐怖が次々と押し寄せる展開はもちろん、鮮烈なビジュアルも見もの。

ストーリー:漫画家アシスタントとしてパッとしない日々を送る、35歳の鈴木英雄(大泉洋)。
そんな彼の恋人が、人間を凶暴に変貌させるウイルスに感染して襲い掛かってくる。
慌てて趣味の射撃で所持する散弾銃を手に外に飛び出す英雄だが、街はZQNと呼ばれる感染者であふれていた。
出会った女子高生・早狩比呂美(有村架純)と逃げるが、彼女は歯のない赤ん坊のZQNにかまれて半分ZQN半分人間という状態に。比呂美を連れてショッピングモールに逃げ込んだ英雄は、そこで藪(長澤まさみ)という勝気な看護師と顔を合わせる。(シネマトゥディより引用)

 

 

感想

日本で作られた「ゾンビもの」は本作が初めてというわけではなく、今までにも小説、マンガ、アニメ、ゲーム、そして実写映画でも多数作られています。
ただ、そんな作品群の中でも僕の知る限り本作が一番面白かったですねー。
ジャパニーズホラーの流れを汲んだ、生理的な恐怖感を感じるZQN(ゾキュン=ゾンビ)の造形や動きは、本場アメリカのゾンビよりも怖いんじゃないかと思いました。

その上で、いわゆるゾンビ映画の“お約束“もしっかり踏まえているあたり、ゾンビ映画好きとしては「分かってらっしゃる!」と唸らずにいられませんでしたよー!
(僕は原作未読なので原作からそうなのか、オリジナル要素なのかは分からないんですけども)

驚きのグロさ!

ゾンビ映画はやはり、スラッシャーホラーなので基本グロシーンは必須です。
ただ、本作のソレは僕が今まで観た全てのゾンビ映画の中でもかなり上位に入るグロさ。
邦画としては、かなりビックバジェットの本作で、これでR-15指定!? と思うくらいの振り切ったグロさと怖さを真正面から観せてくれるとは思わなかったので正直ビックリしましたし、東宝の本気を感じました。

もちろんグロければいいって訳ではないんですが、“スラッシャーホラー“である以上、観客が“怖い“事が重要だし、もしここで中途半端なぬるい表現に逃げたり、ゾンビ映画を茶化すような作り方をしてしまっていたら、目も当てられない悲惨な映画になっていたと思うんですよね。
多少の笑いはスパイスとしてアリだけど、量の加減を間違えるとスパイスの味しかしませんしね。

特に冒頭、主人公 英雄の彼女がZQNになって襲ってくるシーンの動きはジャパニーズホラー独特の不穏さと十分なタメが効いてたし、ZQNになった顔の造形や動きも、もう生理的に受け付けない感じで、超怖いんですよねー。そして、逃げ出した英雄が職場に戻ると同僚がZQNになっているシークエンスも、ドランクドラゴンの塚地演じる先輩がGOOD! でしたー。

で、そこから英雄が表に逃げだすと東京が大変な事に~、という流れも強引なところが一つもなくて素晴らしかったです。
ファーストコンタクトとなる二つのシーンをじっくり描き、さらに要所要所でゾンビのアップが差し込まれることで、大量のゾンビに追われる時の恐怖がよりアップしていくんですよね。

そして、この序盤のシーンで、作品世界のルールが全て語り終わってる手際のスマートさも上手いなーと思いました。

ゾンビ映画の“お約束“もしっかり入れ込むニクい演出

で、少し話は前後するんですが、彼女のZQN化(ファーストコンタクト)までに、主人公の日常の中にジワジワとゾンビ(ZQN)が侵食している様子が差し込まれているのも、ゾンビ映画ファンなら思わずニヤリとしてしまうニクい演出です。
そんな風に、本作ではゾンビ映画の“お約束“が、そこかしこにしっかり入ってるんですよね。例えば、

・生き残こりが近親者のゾンビに襲われる。
・そこに行けば助かるという『希望の地』が提示される。(それが主人公たちの行動原理になる)
・生き残りのコミュニティーのディストピア化。
・決戦はショッピングモール。(本作ではアウトレットモール?)
ゾンビより人間のほうが怖い
などなど。

本作ではこういうゾンビ映画定番の展開を、(日本のお国柄に馴染むように上手くアレンジを加えつつ)上手く使っているなーと思いました。

邦画ならではのゾンビ演出

主人公の英雄は、散弾銃を持っていながらも中々使おうとしません。
これがアメリカ映画だったら、銃を手にした瞬間にゾンビをバンバン撃ち殺しそうなものですが、銃が身近ではない日本では、例え持っていたとしても、気軽にバンバン撃っちゃうと途端にリアリティーが無くなってしまいます。

それは作品内のキャラクターでも同じで、ゾンビに襲われるという非日常より、銃で撃ち殺すという行為の方が英雄にとってはずっとリアリティーがないんですね。
そんな英雄と観客のリアリティーが共有されているからこそ、観ているこっちも英雄に感情移入してしまうし、クライマックスのカタルシスに繋がっていて、あれだけ壮絶なクライマックスでも観ているこっちがドン引かない(人によるとは思いますが)で、むしろガン上がりするのは、そこまで出てきた感情移入の仕掛けや一つ一つの丁寧な前フリが、しっかり効いてるからなんですよね。

主役の大泉洋

そんな主人公 英雄を演じるのは、今や人気俳優として大活躍中の大泉洋
正直、本作の成功は主演が彼だったからというのがかなり大きいような気がします。

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画像出典元URL:http://eiga.com/

なんとなくは原作での英雄のキャラクターも知ってたので、最初は、果たして大泉くんで大丈夫なのか? と思いながら観ていたんですが、物語が進むにつれ、僕は彼を大泉洋ではなく“鈴木英雄“として観ていましたよ。
やっぱ、大泉くんは芝居が上手いんだなーって思いましたねー。

あと、逃げる途中で英雄が出会うJK役の有村架純も超可愛かったです!
こんな子相手なら、僕でも「俺が君を守る!」って言っちゃいますよー!(;゚∀゚)=3ハァハァ

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家族になる物語

ここは少しネタバレになりますが、本作で描かれている三人、大泉洋演じる鈴木英雄、有村架純演じる早狩比呂美、長澤まさみ演じる小田つぐみは、それぞれが傷や孤独を抱えています。(早狩比呂美と小田つぐみは、セリフで言わせたり、過去を匂わせる程度ですが)
本作は、そんな彼らがZQN騒動で出会い、共に死線を越える事で成長して(擬似的な)家族になる物語でもあります。
ラストシーンの車中での短い会話こそが、本作で一番の肝であることは間違いなく、それまでの全てのエピソードがこのラストシーン一点に集約されているんだと、個人的に感じました。

敢えて言うなら中盤に若干のダレ場はあるものの、本作は、ただエキセントリックなだけのモノマネではない“メイド・イン・ジャパンのゾンビ映画“として、胸を張って世界に誇れる作品だと思いましたよー!!

興味のある方は是非!!!