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クドカンが描くポップで楽しい地獄絵図「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」(2016)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、宮藤官九郎監督、長瀬智也神木隆之介W主演の『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』ですよー!

役者、ミュージシャン、サブカルなど、多彩なジャンルから豪華キャストが出演する作品でした。
ただ、(´ε`;)ウーン…つまらないわけではないけど個人的にはあまり乗れなかったかなーと。

なので、今回は感想も文句多めになると思いますので、本作が好きな人には先に謝っておきますね。ほんとスイマセン。

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あらすじと感想

『ピンポン』『舞妓 Haaaan!!!』などの脚本を担当してきた宮藤官九郎が、監督と脚本を務めて放つ異色のコメディー。事故が原因で地獄に来てしまった男子高校生が、ロックバンドを率いる鬼と共に奇想天外な冒険と抱腹絶倒の騒動を巻き起こす。主演を務めるのは、『ヘブンズ・ドア』などの長瀬智也と『るろうに剣心』シリーズなどの神木隆之介。ユニークな設定とギャグ満載の物語もさることながら、特殊メイクを施して鬼にふんした長瀬の怪演や、猛特訓したという神木のギタープレイにも注目。

ストーリー:修学旅行で乗っていたバスが事故に遭ってしまった男子高校生・大助(神木隆之介)。ふと目を覚ますと、炎が渦を巻く中で人々が苦しめられている光景が目に飛び込んでくる。地獄に落ちたと理解するも、同級生のひろ美に思いを告げずに死んでしまったことに混乱する大助。そんな彼の前に、地獄農業高校軽音楽部顧問にしてロックバンドの地獄図(ヘルズ)のリーダーである赤鬼のキラーK(長瀬智也)が現れる。彼の指導と特訓のもと、地獄から現世に戻ろうと悪戦苦闘する大助だが……。(シネマトゥデイより引用)

 

感想

監督・脚本は宮藤官九郎

本作の監督は、脚本家として数多くのドラマや映画を担当した宮藤官九郎
ドラマ「木更津キャッツアイ」や「池袋ウエストゲートパーク」、それにNHK朝のテレビ小説「あまちゃん」では社会現象とも言える大ヒットを飛ばしました天才脚本家です。

その一方で監督作品としては「真夜中の弥次さん喜多さん」(2005)「少年メリケンサック」(2009)「中学生円山」(2013)に続き、本作が4作目。

ちなみに僕がクドカン監督作品で観たのは「少年メリケンサック」だけで、本作が二本目の鑑賞になります。

超豪華キャスト陣

そんな本作で主役を務めるのが、若手No1と言っても過言ではない実力派、神木隆之介TOKIO長瀬智也
他にも、尾野真千子古田新太宮沢りえなど実力派キャストが勢ぞろい。
さらにカメオ出演で、Char、野村義男、ゴンゾー、マーティ・フリードマン、「憂歌団」の木村充揮など豪華ミュージシャンや、監修兼チョイ役でみうらじゅん御大、中村獅童と、出演者は無駄に豪華でしたねー。
色々な作品を通してクドカンと付き合いのある人たちなのかな?

メインの舞台は地獄

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本作は、高校生の神木隆之介が修学旅行中にバスの事故で死亡。
地獄に落ちるものの、初恋の相手に会いたい一心で輪廻転生を繰り返すという物語。
なので、基本作品の舞台は地獄になります。

ただ、この地獄や輪廻転生のルールが割と複雑というか、都合がいいというか。

ざっくりまとめると、

・7回輪廻転生を繰り返しても地獄に落ちると鬼になる。
・輪廻転生で人間になれるとは限らない。
・一週間に一度、閻魔による裁きが行われて生き返る。
・何故か学生は地獄でも学校に通う。
・地獄の一週間は現世での10年。

というもので、物語はこのルールに沿って進んでいくんですね。
それはいいんですけど、地獄に落とされた亡者の神木君や、同じ亡者のはずなのに長瀬智也の鬼とバンドを組んでる桐谷健太や清野奈々は割と自由にしてるし、そうかと思うと思い出したように拘束具をつけられたり、地獄の責め苦を味わったりと、ルールが曖昧で観ていてちょっと混乱しました。

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いや、そこが本題じゃないんだからいいんでしょうけど、それぞれの立場や関係性が曖昧すぎて、物語が途中でどうでも良くなってくるんですよね。

舞台劇のメソット

クドカン脚本と言えば、軽妙なセリフのやり取りの面白さが魅力ですが、その作り方自体は多分、舞台劇の手法だと思うんですね。

なので、同じセリフ劇で時間の長い(1時間x10本とか)テレビドラマでは上手くハマるんですけど、基本、動きや表情で物語を語る映画では、クドカンの手法だとセリフ過多になりがちな印象を受けました。

特に、ボケツッコミで笑いを取るやりかたは、映像で分かってる事をさらにセリフで説明する事になるので、映画でやるとクドくなっちゃうし、ストーリーと関係ない小ネタをれるのも、冗長になるだけで物語自体のテンポが悪くなってる感じ。

そこがクドカンの味ではあるんですが、時間が限られている映画では、神木君&長瀬君のストーリーに絞ってテンポよく観せたほうが良かったんじゃないかなーって思ったし、女子高生役に皆川猿時さんは、舞台ならいいけど映画でやるとコントになっちゃうのでやめたほうが良かったんじゃないかなって思いました。

まぁ、これクドカンに限らず日本のコメディー映画全体に言える事なんですけども。

あと、チョイ役の人たちが無駄に豪華すぎるのはお祭り感があるしルックは豪華に見えるけど、目が散って物語に集中出来ないんですよねーw

純愛を描いた作品

本作の主軸は神木君&長瀬智也の純愛で、その二つのラブストーリーが絡み合う形で進んでいくんですね。
ここで、地獄と現世で流れる時間が違うという設定が活きていて、神木君にとっての一週間は現世での10年なので、彼が一週間ごとに生き返る度に現世は10年後の世界なわけです。
つまり、本作は変形のタイムリープものでもあるんですよね。

時間を超えてすれ違いながらも一途に恋人を想い続けるってのはとてもロマンチックだし、大人になった女の子を演じる宮沢りえの演技も手伝っていい感じ。
一方、人間だった頃の長瀬君と恋人役の尾野真千子のパートも、地獄のシーンとはトーンが変わって良かったですねー。

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ただ、そこでイチイチ外しの演出を入れちゃうのは、クドカンの照れなのかなー?
地獄のパートがテンション高くてハチャメチャな分、現世パートは割とシリアスに描いたほうが物語にメリハリがついて良かったように思うんですけどね。

 

なんて、文句ばっかり書いてますけど決してつまらなくはないし、他の邦画コメディーにはもっとつまらない作品が山ほどあります。
実際、他の監督で撮ったクドカン脚本の作品には名作も多いですし、それだけに本作が「何かもったいないなー」って思っちゃうんですよねー。

この作品でクドカンがやりたかった事も何となく分かるし、諸々の無駄を省いて全体的にコンパクトにまとめたら面白くなったと思うんですよね。

あと、神木君を始めとしたメインのキャスト陣はとても良かったと思いましたよ。

興味のある方は是非!

 

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