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低予算映画ながら創意工夫が詰まった良作!「トレマーズ」(1990)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、謎の地底生物に襲われる田舎町の住人たちの恐怖と奮闘を描きカルト的人気の、低予算モンスターパニック映画『トレマーズ』ですよー!

いかにも低予算の映画ながら、創意工夫とアイデアの詰まった良作でしたー!

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画像出典元URL:https://www.amazon.co.jp

あらすじと概要

ネバダの砂漠地帯にある小さな田舎町に突然出現した未知の生物。地中を自在に移動する巨大な蛇状モンスターと住民の攻防が、白昼の下で展開される。「JAWSジョーズ」のプロットを使った作品は数限りないが、地表を波立たせて襲い来るこのモンスターは文字通り“陸のジョーズ”で、映画の出来も本家に迫るものがある。モンスターの設定から、それを有効に生かしきったストーリーまで、とにかくアイディア豊富で、存分に楽しめる怪獣映画の快作。TVムービーによる続編「トレマーズ2」も製作された。(allcinema ONLINEより引用)

 

感想

どんな物語?

本作はアメリカネバダ州の全住民が十数人しかいない超田舎町に、突如謎の巨大地底生物が現れて住人を次々襲っていくというモンスターパニック映画ですが、味わい的にはどちらかというと「怪獣映画」と呼ぶ方がしっくりくる作品です。

その発想の原点は、砂地の地底を高速で移動出来る“陸のサメ”、つまり「ジョーズ」で、サメを巨大な人喰い虫? 「グラボイズ」に変えて物語の骨格もかなり「ジョーズ」に近いものの、バレンタイン&アールの主人公2人や、一癖も二癖もある登場キャラクターのドタバタアクションやカラっと明るい雰囲気で、怖さよりも楽しさの方が勝つ作品になってるんですねー。

設定が秀逸

本作で秀逸なのは、まず「グラボイズ」の設定。
地底に住むこのモンスターは、体調10mもある巨大な体と硬い嘴のような頭部、口の中には巨大なナメクジのような触手があって、この触手で獲物を地中に引きずり込んで食べてしまうんですね。
体には無数のトゲのような突起があって、硬い頭部とこの突起で砂や土を掻き分けながら、地中を高速で進むことが出来るわけです。

しかし、地中の生き物なので目が退化していて、なので地上の振動を感知して、地中から獲物を襲う。柔らかい土は掘れるが硬い土や岩盤は無理という設定。

本作ではこの「グラボイズ」設定を上手く活かしながら、ストーリーをスリリングかつゲーム的に進めていくんですねー。

ストーリー構成が秀逸

物語は、この超ド田舎の小さな町で“なんでも屋”を営む主人公コンビが、仕事に嫌気が刺して街を出ようとするところからスタートします。

その前に、大学生で地震の研究をしているヒロインのロンダと出会い、設置した地震計の挙動がおかしいという前フリがあり、街から出る途中鉄塔にしがみついたまま脱水症状で死んでいる爺さんを発見、再び街を出ようとするも今度は泊町への一本道が崩れて塞がれ、町が“陸の孤島”になり、馬に乗って助けを呼びに行こうとする途中で、ついに「グラボイズ」本体と遭遇し……。と、しっかり順を追って主人公や町の住民とグラボイズの戦いまでに、ストーリー前半で舞台を整え伏線も張っているんですね。

さらに、主要キャラの特徴も前半で終わっているので、決して後付け的な説明臭さもなく、物語の流れが非常にスムーズなんですよね。

キャストも秀逸

そんな本作で、主人公のバレンタインを演じるのは若き日のケヴィン・ベーコン
相棒で父親的存在のアールを演じるのは「アルカトラズからの脱出」や「ライトスタッフ」にも出演しているフレッド・ウォード

その他のキャストは、大学で地震学を専攻する学生でヒロインのロンダ(フィン・カーター)、サバイバリストで銃器マニアのバート(マイケル・グロス)&ヘザー(リーバ・マッキンタイア)のコマンドー夫婦、町唯一の雑貨店のオーナーでグラボイズの名付け親でもあるウォルター(ヴィクター・ウォン)などなど、一癖も二癖もあるキャラクターばかりで、演じるキャストもそれぞれいい味の役者が多く、彼ら・彼女らの演技のアンサンブルが本作の「楽しさ」を生み出しています。

ちなみに、収集した銃器を駆使して夫婦でグラボイズを一匹倒したバートを演じたマイケル・グロスは、そのぶっ飛んだキャラクターが受けて二作目以降の主役に昇格したそうですよ。

創意工夫が素晴らしい

とはいえ、制作費1200万ドルと、この手のハリウッド作品としてはかなり低予算で作られた本作。
実際、登場人物は少ないしルックはいかにも低予算のB級作品といった感じですが、前述したように設定とストーリー構成でカバーしています。

そして、「グラボイズ」の特撮シーンも、まだCG技術がなかった時代に、アニマトロニクスやパペット、ミニチュア、マット絵などを駆使した創意工夫や演出のアイデアで、低予算映画とは思えない迫力や新鮮な映像に仕立てているんですねー!

ブルーレイの特典映像でその一旦が観られるわけですが、メイキング好きな僕としては、本編以上にワクワクしてしまいましたw
CG技術が登場する前の特撮映画のメイキングって観ていて楽しいんですよね。

時間が短いのも素晴らしい

ちなみに本作は96分
昔のジャンル映画は上映の回数を上げるため大体100分以内って決められていたようで、そうした制約の中で、いかにタイトでスマートに物語を語っていくかが監督を始めとしたスタッフの腕の見せどころだったんですね。

なので、下手をすると3時間前後の作品も多い昨今の映画からすると非常に短くてアッサリした印象を受けるかもですが、その分全体的にキレのいい作品になっているし、気軽に観られるのも嬉しいです。

長い作品が全部悪いとは言わないし、長くても見ごたえのある作品も沢山ありますけど、ジャンル映画はやっぱ90分前後で気軽に楽しみたいものです。

興味のある方は是非!!!

 

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