ぷらすです。
今回ご紹介するのは、2012年に公開されたディズニー制作のSFアクション映画『ジョン・カーター』ですよー!
この映画、ビックバジェットの超大作ながらアメリカでは赤字が出るほど大コケした作品という噂は聞こえていて、「ジョン・カーター」っていう何の捻りもないタイトルや、“ディズニー製作”の実写は微妙なのが多い(*個人の意見です)っていう印象もあり、面白くないんだろうなーと決めつけて今まで未見だったんですね。
ところが、この映画の監督は、僕のフェイマスムービー『ウォーリー WALL-E』や『ファインディング・ニモ』を監督したアンドリュー・スタントンと知って、それならと観てみたら……超面白かったですよー!!(;゚∀゚)=3ハァハァ
画像出典元URL:http://eiga.com
あらすじと概要
ジョージ・ルーカスやジェームズ・キャメロンの作品に構想のヒントをもたらしたエドガー・ライス・バローズの小説「火星」シリーズの最初の作品「火星のプリンセス」を映画化したファンタジー・アドベンチャー大作。『ウォーリー』の監督アンドリュー・スタントンが自身初となる実写映画にチャレンジし、地球から滅亡寸前の惑星“バルスーム”に迷い込んだ主人公の戦いを描く。主人公ジョン・カーターを演じるのは、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』のテイラー・キッチュ。ほかに、リン・コリンズとウィレム・デフォーらが共演。最先端の映像技術で再現される、神秘的な宇宙と驚異の冒険から目が離せない。
ストーリー:1881年のニューヨーク、大富豪のジョン・カーター(テイラー・キッチュ)がこつ然と姿を消す。おいのエドガー・ライス・バローズに託された日記には、未知の惑星“バルスーム”でのジョン・カーターの驚きの体験がつづられていた。それは、全宇宙を支配しようとする“マタイ・シャン”によって滅亡の危機に直面していたバルスームが舞台で……。(シネマトゥデイより引用)
感想
原作について
本作『ジョン・カーター』の原作は、「ターザンシリーズ」で知られるSF作家エドガー・ライス・バローズの1917年のデビュー作「火星のプリンセス」(1917)
なんと、今から丁度100年前のパルプ小説です。
アメリカの元南軍大尉ジョン・カーターが、“幽体離脱”で火星(バルスーム)に瞬間移動した後、剣で火星生物や火星人と対決し、恋と冒険に生きる。というSFというよりはヒロイックファンタジー的な物語らしく、この作品からスタートした「火星シリーズ」は全11巻にも及ぶ大長編らしいですよ。
映画監督にも本シリーズのファンは多く、「スターウォーズ」のジョージ・ルーカスや、「アバター」のジェームス・キャメロンは、それぞれの作品に本シリーズの影響がある事を語っているし、おそらく「スーパーマン」の設定もこのシリーズにヒントを得ているのではないかと思います。
本作について
「火星シリーズ」は、これまでも映画化の話があったようですが、火星を舞台にした壮大な世界観を実写化するのは難しく、紆余曲折を経て、ピクサーのヒット作『ウォーリー』と『ファインディング・ニモ』を手がけ、「火星シリーズ」の大ファンでもあるアンドリュー・スタントンが監督に就任し、制作されたんですね。
画像出典元URL:http://eiga.com
物語は「火星のプリンセス」をベースに、映画用にシリーズを再構築した内容。
アメリカの元南軍大尉ジョン・カーター(テイラー・キッチュ)は、南北戦争中に妻子を失った悲しい事実から逃げるように「蜘蛛の巣洞窟」に眠る黄金を探していて、インディアンに襲われ逃げた先で偶然にもその洞窟を見つけるんですが、そこに現れた謎の男から受け取った謎のペンダントで火星に瞬間移動。
赤色人の王国ヘリウムと敵対するゾダンガ、緑色の長身で腕が4本あるサーク族らと出会い、“ある陰謀”からヘリウム王国の王女デジャー・ソリス(リン・コリンズ)を救うため超人的な能力を駆使して戦うという英雄譚です。
当初3部作で描かれる予定だったらしいんですが、本国アメリカで本作が大コケ。赤字になってしまったらしいんですね。
SF的再解釈
火星(バロスーム)で主人公のジョン・カーターは超人的な力を得るわけですが、それは地球と火星の重力の違いで、地球より重力の小さな火星で、彼は超人的なジャンプ力と怪力を手に入れるという設定です。
また、地球からの瞬間移動は幽体離脱ではなく本体は地球に残っていて、コピーされた肉体(と精神)が火星に移動するという設定になってましたねー。
他にも、ゾダンガの空飛ぶ戦艦や戦闘機は火星に存在する第8光線(?)のエネルギーを使っていたり、ヘリウム王国の王女デジャーが狙われる原因は火星を緑と水の豊かな星に復活させる第9光線の真実に近づいたため(デンジャーは科学者)、星々の滅びを喰らう上位の存在サーンが仕組んだ陰謀だったり。
これらのSF設定は多分、映画用に付け加えられたものだと思うんですが、アンドリュー・スタントンは原作の持つクラシカルでロマンチックなスペクタクルや、神話的な英雄譚としての面白さは残しつつ、SF的再解釈を入れ込んで現代にも通じるよう物語やテーマの再解釈を行ったんじゃないかと思います。
なので、本作のルックはとてもゴージャスだしディテールにもこだわりを感じる作りになってました。
なぜコケてしまったのか
なのに、なぜ本国アメリカで本作がコケてしまったかといえば、多分原作自体の古さからくる今さら感があったからなんじゃないかと。
ジョニデがネイティブアメリカンを演じた「ローンレンジャー」も同じ理由でコケてましたしね。(こっちも観れば面白い)
日本で言えば「怪傑ハリマオ」や「多羅尾伴内」のリメイク版みたいな感じですかね。(どっちもコケたけどw)
でも、(原作を知らずハードルが下がりきった状態で観たからかもですが)個人的には本作の壮大な世界観にはとてもワクワクしたし、ストーリーも新鮮で楽しかったです。
あと、ディズニー映画らしく、悪者は死んで良い者はハッピーになるという展開も良かったし、最後のどんでん返しも「なるほど! そういう事か!」と納得でした。
さすがは、ストーリー重視のピクサー出身、アンドリュー・スタントン監督だなーと。
キャストも、原作の表紙やコミカライズされたイラストのイメージに合わせてるんじゃないかと思うんですよね。
まぁ、原作のイメージを出来るだけ忠実に映像化としたことが観客のニーズ似合わなくて、逆にマイナスに働いちゃったのかもですがw
ただ、しつこいようですが個人的にはワクワクしたし、最後まで楽しめた作品でした!
もし、僕と同じ理由で観てないという人は、騙されたと思って観て欲しい作品でしたねー。
興味のある方は是非!!!
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