今日観た映画の感想

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スーパースターとなったジャッキーの原点回帰「酔拳2」(1994)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ジャッキー・チェンの代名詞とも言える「酔拳」から16年後の続編となる『酔拳』ですよー!
ネットで仲良くさせてもらってる人たちとジャッキーの話をしているうちに盛り上がってしまい、早速TSUTAYAでレンタルしてきましたー!

http://eiga.k-img.com/images/movie/45761/photo/87570801867527bd.jpg?1469167889

画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

中国近代史の英雄ウォン・フェイフォンの大活躍を息もつかせぬアクションでつづる16年ぶりの続編。ご存知、酔えば酔うほど強くなる酔拳の使い手ウォン。軍人武闘家フクと出会った彼は、中国皇帝の証である翡翠の印章略奪事件に巻き込まれる。裏にはイギリス領事館の一味が暗躍していた。(allcinema ONLINEより引用)

 

感想

まず先にお伝えしたいのは、僕がジャッキー直撃世代で日本初公開作「ドランクモンキー/酔拳」(78)を映画館で初めて観てすっかりやられちゃった、いわば「ジャッキー原理主義」だということ。

なので、ジャッキー自ら監督や武術指導もしている「プロジェクトA」(83)や「ポリスストーリー」(85)あたりの作品が僕の中でのベストジャッキーで、後にジャッキーが他の監督と組んだ作品やハリウッド版はあまり観てなかったりするんですよね。(最近後追いで何作か観ましたけど)

で、本作もそんな一本で、全編通してちゃんと観たのは超久しぶりだったりします。

進化した酔拳

本作でジャッキーが演じるウォン・フェイフォンは実在の武術家で、中国近代史の英雄として彼を主人公や登場人物として描いた映画は84本にも上るそうです。
ジャッキーは78年の「酔拳」でも若き日のウォン・フェイフォンを演じていますが、こちらは史実に基づいたものは名前と人物設定だけで、あとは完全オリジナルでした。

そして、続編となる本作でもジャッキーは同じくウォン・フェイフォンを演じてるんですが、設定や登場人物については前作を継承してなくて、酔拳父親と「歴代の先祖達が眠っている土地が鍵」といった設定以外は前作とは繋がっていない単独の作品になっています。

78年の「酔拳」は当時としては衝撃的な内容でしたが、それから16年後、ジャッキー40歳となった本作では、それまで数々の映画で培われた経験とアクションのアイデアを投入し、一本の映画として進化した「酔拳」になってましたねー。

また、本作の監督はラウ・カーリョンとなってますが実際には途中降板し、アクションシーンの半分弱をジャッキー自ら監督し、撮り直しているんだそうですね。

というのも、カーリョンが撮影したアクションは相当に古風で、のジャッキー映画として公開するにはあまりに古臭かった事が原因らしいです。
ちなみに、本作ではカーリョン監督自ら役者として武術家のフク・マンケイ役を演じています。

ストーリー

本作は、列強進出が著しい清朝末期の広東が舞台。
酔拳を会得したものの、酒の勢いで暴走してしまうフェイフォンは父親から酔拳の使用を禁じられています。
一方、イギリスが領事館を通じて中国の国宝を国外へ密輸を察知し、阻止せんとする武術家フク・マンケイと偶然知り合ったフェイフォンに、英国領事館から取り戻した国宝をめぐって敵の魔手が彼らとその仲間に及ぶ……という物語。

久しぶりに観ましたが、ゴールデンハーベスト社の旧ロゴマークと音楽が出てくると上がりますねーw(新しいやつはイマイチ)

冒頭のシーン、荷物の取り違えからフク・マンケイとジャッキーが停車中の汽車の下で戦うシークエンスはイキナリ素晴らしいし、その後領事館の手先との戦いで追い詰められ、ついに酔拳を解禁するジャッキーの動きは、往年のファンにとしては感涙ものでしたよ。

あと、真面目な父親役のティ・ロンは、名前は知らなくても顔を見れば「あ、この人!」って分かるし、奔放な継母役のアニタ・ムイは見事なコメディーリリーフとして、本作を引っ張ってましたねー。

事実、本作はアニタ・ムイの演技に助けられている部分も、かなりあったように思います。

クライマックスの鉄工所での決闘シーンは、さすがの迫力で、ザ・ジャッキー映画って感じでした。

一方で、劇中の時代背景が本作に若干の影を落としているのは否めないところで、一連のジャッキー映画としては珍しく、暴力的というか他の映画と比べると痛々しさを感じるアクションシーンが目立った気がします。

これは、実際のウォン・フェイフォンの弟子の孫で「力なき市民を虐待する権力の横暴に立ち向かうヒーロー」を描いた正統派カンフー映画を志向するラウ・カーリョンが監督になったことで、列強進出が激しくなった時代背景を反映した「レジスタンス活劇映画」として、英国人とその配下の粗暴な武芸者たちによる市民虐待描写などが描かれ、コメディ要素が薄まったのが原因なんですね。

ラストシーンについて

あと、本作を観た人なら、本作がやけに尻切れトンボな終わり方しているように感じたんじゃないでしょうか?
実はこれ、日本公開版ではエンディングシーンがカットされてるからなんですね。

オリジナル版では、鉄工所の戦いで勝利したジャッキーのその後が描かれていて、何とか闘いに勝ち、国宝の海外密輸を阻止したジャッキーの功績を称えるため警察署長が家を訪れ両親と記念撮影。しかし、そこにジャッキーはおらず、警察署長が彼の所在を尋ねます。

両親によると、強敵を倒すため酔拳を解禁したジャッキーでしたが、その時飲んだ工業用アルコールのせいで盲目になり、今は中庭で盲人拳の稽古中だと。
で、三人が、ジャッキーのもとに行くと使用人が「若先生(ジャッキー)は盲目になっただけじゃなく頭もおかしくなった」と言い、顔を歪めて舌をペロペロと出し、手足をひきつらせて笑いながら近寄ってくるジャッキーに一同が悲鳴を上げるっていうエンディングなのです。

このエンディングについては後に出版された書籍で「酒を飲むと罰が下るという宗教上の理由」と書かれているらしく、ジャッキーのおどけ具合から見るにちょっとしたブラックジョーク的なオチなんでしょうけど……

そんなん、笑えるかぁっ!!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

流石にジャッキーは、件のシーンを国際公開版からはカットしていて日本を含むアジア圏では、工場戦のラストで仇敵ジョンを倒した後に泡を吹くシーンから直接エンドロールに繋ぎ、アメリカ公開版では警察署長が額を持参してウォン家を訪れ、フェイフォンの両親と記念撮影をする場面でエンドロールに繋いでるそうですよ。(そりゃそうだ)

とまぁ、そんな問題のシーンがあったりなかったりする本作ではありますが、「酔拳」一発で日本で大ブレークしたジャッキーが、16年の経験を経て再び「ジャッキーの『酔拳」を観せてくれただけで、ファンとしてはやっぱり嬉しいんですよね。

興味のある方は是非!!

 

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