ぷらすです。
今回ご紹介するのは、1982年に公開された近未来SF映画の金字塔「ブレードランナー」から35年ぶりの続編、『ブレードランナー2049』ですよー!
公開初日に昨日、早速劇場で観てきました。
本作の感想を一言で言うなら「すげぇ! そして尻が痛い!」なんですが、ただ、いざ感想を書こうと思うと非常に困ってしまうっていうww
なんせ公開したばかりだし注目度も高い作品なので、迂闊なことを書くとネタバレしそうで怖いんですよねー。
というわけで、今回出来る限りネタバレしないように気をつけて書きますが、これから本作を観に行く予定の方は、必ず先に映画を観てからこの感想を読んでくださいねー。
いいですね? 注意しましたよ?
画像出典元URL:http://eiga.com
あらすじと概要
SF映画の金字塔『ブレードランナー』の続編。前作から30年後の2049年を舞台に、違法レプリカント(人造人間)処分の任務に就く主人公が巨大な陰謀に巻き込まれる様子を活写する。新旧のブレードランナーを『ラ・ラ・ランド』などのライアン・ゴズリングと、前作から続投のハリソン・フォードが熱演。『メッセージ』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がメガホンを取り、前作の監督を務めたリドリー・スコットが製作総指揮に名を連ねている。
ストーリー:2022年にアメリカ西海岸で大規模な停電が起きたのをきっかけに世界は食物供給が混乱するなど危機的状況を迎える。2025年、科学者ウォレス(ジャレッド・レトー)が遺伝子組み換え食品を開発し、人類の危機を救う。そして、元捜査官デッカード(ハリソン・フォード)が突然行方をくらませて以来30年の月日が流れた2049年には、レプリカント(人造人間)の寿命に制限がなくなっていた。(シネマトゥデイより引用)
感想
基本情報
まず、知らない方のために「ブレードランナー」がどういう物語で何故「金字塔」とまで言われているのかについて、ざっくり説明しますね。
「ブレードランナー」はフィリップ・K・ディックのSF小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を原作に、エイリアンなどで有名な巨匠リドリー・スコットが監督したSF映画です。
環境破壊により人類の大半は宇宙に移住し、地球に残った人々は人口過密の高層ビル群が立ち並ぶ大都市での生活を強いられている2019年のロスアンゼルスが舞台。
宇宙開拓の最前線では遺伝子工学により開発された“レプリカント”と呼ばれる人造人間が、過酷な奴隷労働に従事してるんですが、自我を持った彼らは反乱を起こしたり脱走して人間社会に紛れ込んだりしています。
そんなレプリカントを「解任」する“レプリカントハンター”が警察の専任捜査官「ブレードランナー」なんですね。
映画「ブレードランナー」は、そんな“ブレードランナー”のリック・デッカード(ハリソン・フォード)と、レプリカントの闘いを描いた作品です。
こんなふうに書くと「よくある物語」と思うかもですが、それまでは「スタートレック」などのユートピア的未来が主流だった映画界で、西洋と東洋がごった煮になったような近未来のディストピア的ビジュアルを含めた「よくある物語」の元祖が「ブレードランナー」と言えば、「SF映画の金字塔」と呼ばれる所以も分かってもらえるんじゃないでしょうか。
「攻殻機動隊」も「サイコパス」も「AKIRA」も、サイバーパンクと呼ばれるSF映画で、「ブレードランナー」の影響を受けていない作品はないと言っても過言じゃないんですねー。
圧倒的な映像美
それから35年の年月を経て制作されたのが本作「ブレードランナー 2049」で、前作から30年後のロスアンゼルスがメインの舞台になっています。
監督は宇宙人と地球人の交流を描いた「メッセージ」でアカデミー7部門にノミネートされ音響編集賞を受賞したカナダ人監督ドゥニ・ビルヌーブ。「ラ・ラ・ランド」などの ライアン・ゴズリングが主人公「K」を演じています。
前作では東西文化の入り混じった雑多な街並みが印象的でしたが、本作は前作とまったく同じカットで始まっているものの、地面を覆い尽くす太陽パネルや、空から見ると幾何学模様のような街並みなど、前作を観た人なら、時代が進んでいる事が画面一発で伝わるスマートな作りになっていたし、その他の映像も全部美しくて、どこを切り取ってもポスターに出来るくらいビシッと決まってるんですよねー。
これは、ビルヌーブ監督の過去作でもタッグを組んだ撮影監督の ロジャー・ディーキンスの力も大きいんだと思います。
また特撮シーンでも、ホログラムとして登場する人工知能ジョイ(アナ・デ・アルマス)のビジュアルはどれも「おお!」と感動しましたねー。
また、重低音が重く響く劇判を含めた“音”の使い方も素晴らしかったですよー!
そもそも方向性は違いますが、前作の監督リドリー・スコットも本作のドゥニ・ビルヌーブも基本ストーリー・テラーじゃなくてビジュアリストなので、映像や音のリッチさで作品の世界観に没入させるタイプの監督があるんですよね。
前作の世界観をさらに掘り下げる
さらにビルヌーブは「ブレードランナー」直撃世代でもあるので、前作のビジュアルイメージはしっかり踏襲しつつ、前作の世界観をさらに掘り下げながらも、しっかりビルヌーブ版「ブレードランナー」にしていると思ったし、ストーリー的にも前作の「人間を人間たらしめているものは何か」というテーマにより深く切り込んでいる感じでしたねー。前作を「思想」とするなら、ビルヌーブの本作は前作を引用しつつ批評的視点で描く「哲学」って感じでしょうか。
それは本作のメインキャラの関係性に現れていて、
主人公のK(ライアン・ゴズリング)
画像出典元URL:http://eiga.com
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人工知能のジョイ(写真左)
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倒産したタイレル社に変わりレプリカントを製造するニアンダー・ウォレス(ジャレッド・レト)
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ウォレスの右腕でレプリカントのラヴ(シルヴィア・フークス 写真右)
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は、(前作との繋がりも含めて)それぞれが非常に重層的な関係になっているのが分かると思います。
本作を見る前に
そんな感じで、本作では前作のストーリーや設定を引き継いでいるので、本作だけ観るより前作を観てから本作を観る方がより深く楽しめるのは間違いないです。
そして出来れば、オフィシャルページで見る事のできる年表と3本の短編も観ておくと、さらに楽しめるんじゃないかと思いますねー。
あと、本作は2時間43分の超大作なので、映画を観る前に必ずトイレには行っておいたほうがいいですよ!w
本作はもちろんSF映画ですが、前作を踏襲したハードボイルドなフィルムノワール(犯罪映画)テイストもあるし、主人公Kがある謎を追って真実へと向かっていくミステリーでもあり、何より切ないラブストーリーでもあります。
なので前作よりも色んな角度から楽しめると思うし、普段「SFはちょっと…」と敬遠している女性の方も楽しめる作品なのではないかと思いますよ。
興味のある方は是非!!!
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