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前作で残された謎が明かされる続編「REC/レック2」(2009)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、先日ご紹介したスペイン発のパニックホラー「REC/レック」の続編、『REC/レック』ですよー!

前作がかなり良く出来ていたので、本作もかなり期待してたわけですが。

結論から言うと「う、うーん…ちょっと期待しすぎたかなー?」って感じでしたねー。

で、今回は後半で前作共々ネタバレしつつ感想を書いていく予定なので、まだ未見の方はご注意くださいねー。

いいですね? 注意しましたよ?

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

全世界に衝撃を与えたスペイン発のパニック・ホラー『REC/レック』の続編。伝染病に侵されたとあるアパートを舞台に戦慄(せんりつ)の数々を描いた前作の直後という設定で、新たな登場人物が真相究明のためにCCDカメラを装着。ポイント・オブ・ビュー方式で、惨劇の一部始終と感染の謎をリアルに描く。監督は前作と同じく、ジャウマ・バラゲロとパコ・プラサ。前作よりさらに緊張感を増した密室の恐怖と絶望、仲間同士が襲い合い、逃げ惑う残酷描写は必見。

ストーリー:完全隔離された伝染病の発生源であるアパート。医師と警官隊がヘルメットにCCDカメラを装着し、感染の深層部であるアパートの最上階に向かう。しかし、次々に仲間たちが感染。閉鎖されたアパートの中で凶暴化した仲間におびえ、精神的に追い詰められながら、彼らはあるものを目にする。(シネマトゥディより引用)

感想

前作で残された謎解きがメイン

今回は、時系列で言うと前作の直後(というか後半くらい?)から物語がスタート。

一応ざっくりと前作のあらすじを説明すると、スペインのテレビクルーでカメラマンのパブロとリポーターのアンヘラが地元の消防隊員に密着取材中にレスキュー通報があり、隊員とテレビクルー2人は市内のボロアパートに向かいます。

アパートに入ると、そこにゾンビが現れ住民や警察官、消防隊員が次々襲われていきます。
次々ゾンビになっていく仲間や住人から逃げ惑う消防隊員とアンヘラたちでしたが、外に出ようにも政府によってアパートは閉鎖され監禁状態の中、一人、また一人とゾンビウイルスに感染していき、最後に残されたテレビクルー2人がゾンビウイルスの秘密に触れたところで物語は終了するんですね。

で、今回はSWAT隊員4人と、ゾンビウイルスの秘密を知る専門家が、ゾンビウイルスの血清を作るために封鎖されたアパートに入っていくのだが……。
というストーリー。

前作では、カメラマンのパブロ・ロッソさんが「カメラマン役」で出演。
彼のカメラを通して物語が語られるPOV形式(主観映像)でしたが、今回はSWATの記録係として出演・撮影してました。
一応呼び名を前回の「パブロ」から「ロッソ」に変えてましたけどw

正直、物語的にも怖さよりも前作で残された謎が明らかになっていく謎解きの興味で物語を引っ張る感じへとシフトしている印象を受けたし、前作に比べると怖さに慣れてしまった感もあって、「怖さ」の面では前作には及ばない感じでした。
恐怖映画の続編で前作のインパクトを超えるのは難しいですから、仕方ないんでしょうけども。

で、本作ではゾンビウイルスの正体が実は…という展開になるんですが、この展開は正直好き嫌いが分かれそうだなーと思いました。

というわけで、ここからネタバレするので未見の方はご注意ください

 

 

 

ゾンビパニック映画だと思ったら!?

前作はラストで、テレビクルーの二人がゾンビウイルスの謎に迫ったところでラスボスに襲われて物語が終了したんですが、その時にざっくりゾンビウイルスの正体や感染の「概要」が明かされてるんですね。

このシリーズでは前作で「REC」という映画の世界観が提示され、本作でゾンビウイルスの謎が解き明かされ、「~3」は飛ばして「~4」で物語が完結するという作りになっているようです。

なので、本作はゾンビウイルスの正体は何か。なぜ、このアパートで感染が始まったのかという謎が解き明かされていきます。

全ての始まりは悪魔憑きの少女メデイロス
悪魔憑きを一種の伝染病と考えた教皇庁は、(直属の)医師に命じ、秘密裏にワクチンを開発するため、このアパートの最上階でメディロスの血液を研究、(同じ悪魔憑きの)子供たちを被験者にメディロスと子供達を救う研究を続けていたんですね。

ところが、順調に見えた研究が行き詰まり、教皇庁はメディロス抹殺を命令します。
しかし、諦めきれない医師は研究を続行。
結果、子供達とメディロスに巣食う「悪魔」は力を増し、メディロスを封印しようとした医師は殺されてしまうわけです。

そこで前作で秘密を知る神父が、保健省の役人に身分を偽ってメディロスの血液を採取するため、アパートに入るも失敗。
本作では、医師で神父のDr.オーウェンが任務を継続するため、何も知らないSWATを引き連れてアパートに……という流れなのです。

つまり、本シリーズは「ゾンビ」かと思ったら「エクソシストだったんですよ!(; ・`д・´)ナン…ダト

前作とはまったくテイストの違う物語に

前作のパニックホラーからオカルトに方向性が変わってしまった本作に、醒めてしまった人も多いとみたいですし僕もその一人ではあるんですが、ただ、個人的にゾンビと悪魔憑きを合体させるという意欲的な試み自体はそんなに嫌いではないんですよね。

実際、現代のカトリックが悪魔祓いをする時には、いきなりエクソシスト(悪魔祓いの神父)を派遣するのではなく、事前に悪魔憑きの人に対して心理学的、状況に対して科学的な検証を行うのは有名な話で、映画「死霊館」シリーズで登場する実在の人物エド・ウォーレンは、カトリック教会が唯一公認した非聖職者の悪魔研究家で、依頼のあった悪魔憑きが本物かどうかを科学的に検証する仕事もしていたようですしね。

なので、ゾンビに「ウィルス感染」という科学的説明をつけたように、悪魔憑きにも科学的な説明をつけてみせるのは、それほど突飛な発想ではないとは思うし、試みとしては面白いと思うんですよね。

ただ、本作では悪魔憑きが起こす超常現象がいくらなんでも自由すぎるのが問題なんじゃないかと。

メディロスが他の感染者を操るという設定はまぁいいとしても、赤外線の暗視カメラでないと発見できない隠し部屋とか、アパートの最上階なのに井戸があるとか、メディロスも暗視カメラでないと見ることができないとか、十字架をかざすとメディロスの血液が燃えるとか、オカルトに寄り過ぎてて、SF的な設定とオカルト的現象のバランスがおかしなことになってる感じがしたし、前作とテイストが違いすぎてついていけなくなる人が多いのもわかる気がしましたねー。

ストーリー

また、前作と比べるとストーリーも粗が目立つ気がしました。

SWAT隊員は基本役に立たないし、本作のキーパーソンとなるDr.オーウェンは余りにも無策すぎるし、ビデオカメラを持ってアパートに下水道から侵入するクソガキたちはストーリーをPOV形式で観せる為だけ要員で、行動がバカすぎていちいちイライラしてしまうんですよね。(自業自得で悪魔憑きになったときは(^Д^)9mザマァ って、ちょっとだけスッキリしましたけどw)

前回、あれだけアンヘラたちを追い回したゾンビ(悪魔憑き)たちは、びっくりするくらい出てこないし。(悪魔憑きの説明が終わるまで空気を読んでどこかに潜んでたのかな?)

前作でも若干感じたご都合主義感が、本作ではさらにひどくなっている感じでした。

前作では上手く機能していたPOV(主観映像)形式も、本作ではPOVのためのPOVみたいになってましたしねー。

敢えて言うなら、序盤で中々ゾンビを見せないで不穏な感じで引っ張るところや、ラストで明かされる、ウイルスだと思ったら本体は寄生型だったというオチは「お!」と思ったし、メディロスのビジュアルはやっぱり怖くて良かったです。
あと、後半でアンヘラが登場してからは、中弛みしてた物語にエンジンが掛かってきた感じでワクワクしましたねー。

まぁ、今回は謎解き編でもあるので、ある程度は仕方ないのかもですし、「~4」では、いよいよ物語が完結するっぽいので、ここまできたら最後まで付き合おうと思いますよ!

興味のある方は是非!

 

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