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愛され爺さんが起こした奇跡の物語「世界最速のインディアン」(2007)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、67歳にして1967年に自ら改造したバイクで世界最高速度を記録。以後、何度も自らの記録を更新し続けた伝説の男バート・マンローの実話をベースにしたロードムービー世界最速のインディアン』ですよー!

僕は今回が初見でしたが、多幸感に溢れた超良い映画でしたねー!!

で、今回は10年前の映画なので完全ネタバレします。
なので、これから観る予定の人は先に映画を観てからこの感想を読んでくださいねー。

いいですね? 注意しましたよ?

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画像出店元URL:http://eiga.com

概要

60歳を超えてもライダーとしての夢を追い続けた実在の人物、バート・マンローをモデルに作られた感動の人間ドラマ。誰にも期待されていなかった年老いたライダーが、世界最速記録を更新するまでの紆余曲折をユーモアたっぷりに見せる。『ハンニバル』などの名優アンソニー・ホプキンスが、風変わりだが愛すべき老人を含蓄のある演技で堂々と演じている。夢を追い続けることの素晴らしさや、人生を楽しむコツが随所に散りばめられている。(シネマトゥディより引用)

感想

バート・マンローとは

本作で、みんな大好きアンソニー・ホプキンスが演じるのは、伝説の男バート・マンローです。

ニュージーランド最南端の町インバーカーギル在住の彼は、20代の時に手に入れたオートバイ「インディアン」を自らの手で改造し続け、念願だった米国ユタ州にある塩湖跡ボンネビル・ソルトフラッツで行われる地上最速を競うレース「ボンネビル・スピードウェイ」に67歳で出場。1000cc以下のオートバイ部門で見事に世界記録を樹立します。さらに以後、数年にわたって自らの記録を塗り替えた伝説のバイカーなんですね。

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画像出店元URL:http://eiga.com  / バートが1920年から40年手を入れ続けた「インディアン」

本作の監督ロジャー・ドナルドソンは、知人の紹介で生前のバートに会い、インタビューをもとにしたドキュメンタリーを制作。
そして2005年に、アンソニー・ホプキンスを主演に迎え、バートを主人公にした本作を制作したんですねー。

ざっくりストーリー紹介

ニュージーランド在住のバート・マンローは倉庫のような小屋に住み、40年前に購入したオートバイ「インディアン」を自らの手で改造し続けている年金暮らしの老人です。

自分のバイクを速くすることと、女性とイチャイチャすること以外興味のない迷惑老人ですが、バイカー仲間やご近所さんからは何故か愛されているという不思議な人です。

そんな彼の夢は、毎年8月に米国で行われる、世界最速を競うモーターレース「ボンネビル・スピードウェイ」に出場することで、仲間や街の人たちのカンパや年金を貯めた資金を使って67歳で渡米。
様々な困難に見舞われながらも、道中出会った人々の好意に助けられロスアンゼルスからレース会場のユタ州へと到着します。

しかし、レースの出場には事前登録が必要な事を知らず、さらにバイクは安全面のレギュレーションに引っ掛かり出場が危ぶまれる大ピンチに陥るものの、またまた人々の好意によって何とか出場が認められ、見事、世界最高記録を樹立するまでを描いた作品なんですね。

 

愛され爺さんが何故愛されるのかを描いた物語

こんな風に書くと、「バートがレースで世界記録を樹立する偉業を描いた映画」と思われるかもですが、(もちろんそれもありますけど)、この物語は「何故バートは多くの人々に愛されたのか」こそがこの映画の主軸なんですね。

バート爺さんの行動はハチャメチャです。
自分の愛車「インディアン」を世界一速くするために、自分で鋳造したピストンを幾つも作り、包丁でタイヤを削り、お金がないのでフォークやスプーンなどの日用品や、果てはドアの蝶番やらブランデーのコルク栓まで使って競技用バイクをDIY

一方、「肥料だ」と言って毎朝庭のレモンの木におしっこをかけ、夜明け前からバイクのエンジンを吹かしてお隣さんに文句を言われても「早起きは三文の得だよ」と平気な顔で、お隣から「近所迷惑だから芝刈りしろ」と言われれば雑草にオイルをかけて燃やして消防車が駆けつける始末。

ドラム缶に貯めた鋳造した部品を冷やす水でお茶を淹れ、噂を聞きつけた若いバイカーと砂浜で野良レースをして、老齢に差し掛かる女性をナンパして一夜を共にする(翌朝狭心症で入院)。

老いた彼の人生で最重要なのは、40年連れ添った愛車で「ボンネビル・スピードウェイ」出場の夢を叶えることと、女性とイチャイチャすることだけで、それ以外の事は、あまり興味もこだわりもないんです。

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画像出店元URL:http://eiga.com

それなのに、なぜ彼がそこまで多くの人に愛されるのかと言えば、20代からずっと「インディアン」を改造し続け、ニュージーランドやオーストラリアのレースで結果を出し、67歳になっても決して夢を諦めない生き様と、自然体で誰に対してもフラットの生き方に、多くの人びとが勇気をもらったり、ある種の憧れや敬意を抱いているからじゃないかと思うんですね。

そんな彼の姿勢は、渡米のための船上や渡米後の道中でも変わりません。
彼に出会った人は最初「なんだこの爺さん」と思うけど、いつの間にか彼のペースに巻き込まれ、仲良くなってしまうのです。

バート爺さんは、出会った人には必ずニュージーランドから来たバート・マンローだ」と名乗って握手を求め、助けてくれた人には必ず「ありがとう、助かった」と礼を言うし、“女性”に対しては常に紳士的です。

決して驕るわけではなく、かといって遜るわけでもなく、困ったときは助けを求めるし、手伝いを頼まれれば引き受けるし、相談にも乗ってやる。そして誰に対しても偏見なく、常に心の扉を開いているんですね。

文字にすれば当たり前のようですが、それを実行するのは(1967年当時でも)中々難しいですよね。

もちろん、(実話をもとにしたフィクションだから)多少は事実とは変えてはいる部分もあるんでしょうが、基本的には本人のインタビューを元に実際にあった事を淡々と映像化してるみたいです。

で、そんなバートだから、相手も知らず知らずのうちに心を開いていくし、彼のことが好きになってしまうんでしょうね。

本作で、そんなバート・マーロンを演じるのは、数々の映画で印象深い役柄を演じてきた名優アンソニー・ホプキンスですが、「羊たちの沈黙」のレクター博士とは正反対のトボけた味の好々爺をユーモアたっぷりに演じていて、この映画を観て、それまで抱いていたアンソニー・ホプキンスのイメージが変わってしまったし、もしも、こんなお爺ちゃんになれるなら、年を取るのも悪くないなって思えました。

同年代、もしくは老齢に差し掛かろうとしている人たちはこの映画に勇気が貰えると思うし、例えば人間関係とか色々と悩みを抱えている人には、何かしら生き方のヒントを貰えるかもしれない。何より多幸感に溢れた良い映画でしたねー。

興味のある方は是非!!!

 

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