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DVD&Blu-rayレンタル開始!「スパイダーマン:ホームカミング」 (2017) 2回目の感想

ぷらすです。

劇場公開時に感想を書いた『スパイダーマン:ホームカミング』ですが、TSUTAYAで今月レンタルが開始されたので再鑑賞。

前回は劇場公開直後であまり踏み込んだ感想は書けなかったんですが、今回はもう少し内容に踏み込んだ感想を書こうと思いますよー。

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画像出店元URL:http://eiga.com

概要

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』などのトム・ホランドを主演に迎えたヒーローアクション。血気盛んなスパイダーマンが、突然出現した怪物に戦いを挑む姿を活写する。アイアンマンとして数々のマーベル作品に出演してきたロバート・ダウニー・Jrや、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』などのマイケル・キートンらが共演。新人ヒーローの成長ぶりに目を見張る。(シネマトゥディより引用)

感想

ホーム(マーベル)に帰ってきた我らがスパイディー

前回の感想でも書きましたが、スパイダーマンは本作を含めて6回実写映画化されています。
2002年・2004年・2007年、サム・ライミ監督によるスパイダーマン3部作

2012年・2014年、アメイジングスパイダーマン2作

そして、「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」版の本作です。

それまでスパイダーマン映画化の権利をソニーが持っていたので、スパイダーマンのMCU参戦は不可能と思われてたんですが、ソニーとマーベルのパートナーシップによって、2016年公開の「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」にゲストとして初登場。
そして本作でついに、単体作品として“HOME”のマーベルに帰ってきたんですねー!

前2シリーズとの違い

サム・ライミ版では、コミック版初期の「スパイダーマン」を原作に、1960年代のNYを舞台にしていて、続くアメージング版では「アルティメットスパイダーマン」を原作に、初期のコミックでは登場しなかった両親の死の謎が明らかになっていくという展開を描きました。

対して本作はMCUの一作として、アベンジャーズのいる世界スパイダーマンという設定で、スパイダーマンのスーツはアイアンマンことトニー・スタークが作ったハイテクスーツという設定になってるんですね。

両親が亡くなっていて、メイ叔母さんと二人暮らしというお馴染みの設定は前2シリーズと同じ(恐らく、自分の失敗でベン叔父さんが亡くなったという設定も)なんですが、前2シリーズではお婆ちゃんに近い年齢だったメイ叔母さんは一気に若返り、スパイダーマンの中の人、ピーター・パーカーも15歳と、これまでより若干若く設定されています。

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画像出店元URL:http://eiga.com 親友ネッド(ジェイコブ・バタロン)とピーター トム・ホランド

また、前2シリーズでは白人だった学友たちはスパニッシュ系・アジア系になっていて、サム・ライミ版ヒロインだったメリー・ジェーンは、ミシェル・ジョーンズ(イニシャルは同じMJ)というスパニッシュ系の現代的な少女に変更されてるんですね。

今回の敵は初代バットマン

そして、本作でスパイダーマンの敵「バルチャー」を演じるのは、初代バットマンことマイケル・キートン

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画像出店元URL:http://eiga.com 今回の悪役は初代バットマンマイケル・キートン

サム・ライミ版では、ピーターの親友ハリーの父親で「オズコープ」の社長ノーマン・オズボーンが自ら作ったスーツで強化したグリーンゴブリンが敵役だったんですが、今回の敵バルチャーの中の人、エイドリアン・トゥームスは、映画「アベンジャーズ」の後始末を任されていた残骸処理会社の経営者でした。ところがトニーが組織した「ダメージコントロール」の介入により仕事を失い、悪の道に走ってしまったんですね。

またお前が元凶かトニー!っていうねw

で、トゥームスは自分の家族と従業員の生活を守る為に(ついでにトニーへの腹いせも込めて)、ダメージコントロールから(アベンジャーズが倒した敵の)ハイテク機器を盗んで武器を密造し、悪党に売っているわけです。

この悪役設定も、巨大資本に踏みつけられる中小企業という現代の社会情勢を反映してるし、悪党相手の武器密売人という設定は、規模は違えど元武器商人だったトニー・スタークと対になる存在でもあります。

一方で、スパイダーマンと言えば悪役は、ピーターにとって父性の象徴として登場するのが基本。
サム・ライミ版でのグリーン・ゴブリンは親友の父親でピーターも尊敬していたオズボーンだったし、ドクター・オクトパスはピーターが尊敬する科学者オットー・オクタビアスでした。

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画像出店元URL:http://eiga.com 大好きなリズ( ローラ・ハリアー)の父親がまさか…。

本作の悪役トゥームスは、ピーターが好きな女の子リズの父親という設定で、ピーターと直接の関わりは前2シリーズに比べると薄めですが、今回は父性という部分をトニーとトゥームスの二人に振り分けている感じでしたねー。

未熟な少年の成長譚

本作の序盤から中盤にかけて、ピーターは憧れのアベンジャーズにスカウトされて舞い上がり、尊敬するトニーに認められたくて空回りしては色々失敗をするという、実写劇場版スパイダーマンの中で最も未熟な“少年”として描かれています。

結果、多くの市民を巻き込みかねない大失敗をしたピーターは、トニーからスパイダースーツを取り上げられてしまうんですが、これは「アイアンマン3」でスーツを失ったトニー自身を連想させる展開で、マーベル作品で繰り返し描かれている「力がヒーローの証ではなく、ヒーローであろうとする心がヒーローたる資格なのだ」というヒーロー論だし、ピーターからスーツを取り上げた時のトニーの言葉は、亡くなったベン叔父さんの「大いなる力には大いなる責任が伴う」という言葉と同じ意味なのです。

中盤までピーターに対して冷徹かつ厳しく当たっているように見えるトニーですが、アイアンマンスーツがなければ一般人と変わらず、今までのMCU作品で色々やらかしてきた経験を持つ彼だからこそ、本音ではまだ少年のピーターを危険な戦いの中に巻き込みたくないという思いと、スーツの万能感によって自らの力を見誤り、承認欲求に囚われている危なっかしいピーターを、密かにちゃんと見守っているんですよね。

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画像出店元URL:http://eiga.com 久々の登場ハッピー(ジョン・ファブロー)

そして、失敗を繰り返し、とうとうスーツを取り上げられたピーターは、クライマックスで「アイアンマン3」のトニーと同じように“ヒーローとは何か”を理解し、ほろ苦い勝利を経験して「Friendly Neighborhood(親愛なる隣人)」“スパイディー”になるのです。

この辺の、キャラ設定や内容は現代風にアップデートしながらも「スパイダーマン」という物語の軸はしっかり踏襲しているのは、さすが本家マーベルだなーと思いました。

監督

そんな本作でメガホンを取ったのは、ケビン・ベーコン主演の名作スリラー「コップ・カー」の監督・脚本として脚光を浴び、本作が長編3本目ながら大抜擢された新進気鋭の監督ジョン・ワッツです。

「アイアンマン」のジョン・ファブロー、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガンなど、マーベルは相変わらず監督選びが上手いんですよね。

 

スパイダーマン」が、今回MCU(アベンジャーズ)という大きな流れの中に組み込まれた事を否定的に捉える人も少なくないようですが、個人的にはスパイダーマンというヒーローの普遍性は踏襲しつつ、現代に通じる若きヒーローとして蘇らせてくれた本作はサム・ライミ版と同じくらい大好きだし、今春公開の「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」以降に公開されるであろう続編も楽しみですよー!(´∀`)ノ

興味のある方は是非!

 

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