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ビフォア~三部作最終章「ビフォア・ミッドナイト」(2014)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、当ブログで前作・前々作とご紹介した「ビフォア」シリーズ最終章? 『ビフォア・ミッドナイト』ですよー!

前作を観た時点で本作を観ることを決めていたので、今回は前情報を入れないようにして観たんですが、「なるほど、そう来たか!」って感じでしたねー!

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概要

イーサン・ホークジュリー・デルピー主演の『恋人までの距離(ディスタンス)』『ビフォア・サンセット』に続くラブロマンスのその後を描く第3弾。風光明媚(めいび)なギリシャの海辺の街を舞台に、熱烈な恋に落ちて人生を共にするようになった男女のその後の現実を、小気味いい会話を通して映し出す。前2作同様リチャード・リンクレイターが監督を務め、再び主演の二人と強力タッグを組む。恋人から家族になった主人公たちの本音満載の内容が、観る者の共感を呼ぶ。(シネマトゥデイより引用)

感想

ウィーンでの二人の出会いと恋の始まりを描いた「~サンライズ」、9年後のパリでの再会を描いた「~サンセット」、そしてギリシャを舞台に前作から9年後の二人を描いたと、イーサン・ホークジュリー・デルピーの二人を主人公に、物語と現実の時間がリンクするよう9年ごとに新作を制作してきたこのシリーズ。

「~サンライズ」では23歳だった二人も、本作では40代の中年になっています。

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前作で他の女性と結婚し、息子がいることが判明したジェシーイーサン・ホーク)でしたが、本作は成長した思春期の息子ハンクをジェシーが空港で見送るシーンからスタート。

その後、車の前で待っているセリーヌジュリー・デルピー)と合流することで、前2作を観た人たちは「なるほど、そういうことか!」と分かるわけですね。

そこから先は二人の会話が延々続くといういつもの展開なんですが、本作が前2作と違うのは二人の他に、ジェシーたちを招いたギリシャの友人たち との会話シーンがあるところ。

前2作では終始二人の会話で物語が進んでいくわけですが、本作では世代の違う夫婦やカップルとの食事中に、それぞれの恋愛観や関係性が語られることで、主役二人以外の(恋愛に対する)価値観と同時に、ジェシーセリーヌ二人の過去・現在・未来の姿をそれとなく提示しているように感じました。

そして、中盤からクライマックスにかけて、友人夫婦が気を効かせて用意してくれたホテルで二人きりの時間を過ごすため、ギリシャの街を歩きながら語り合ういつもの二人でしたが、ホテルで“あるキッカケ”から二人は大ゲンカに発展するんですね。

タイムマシン的構造

実はふたりの大ゲンカの種はすでに映画冒頭で仕込まれているんですが、前2作では甘噛みのような口論はあったものの、本作のような本格的なケンカはシリーズ初。

ケンカがエスカレートするうちに、前作からの9年分、シリーズ累計18年分の不満をお互いにぶつけ合う姿には正直、居た堪れない気持ち半分、懐かしさ半分でしたw

しかも、セリーヌおっぱい丸出しジェシー下半身パンイチっていう何とも間抜けな姿で、もう、観ていて気まずいやら可笑しいやらw

で、実は二人のケンカは前作・前々作でのふたりの会話の中で既に予見されていたりするのです。

もちろん、1作目の「~サンライズ」の時点で本作の構成を考えていたわけではないだろうし、大学生だった二人の“予言”だって、何かの聞きかじり程度で、まさか自分たちが本当にそんな事になるとは思わなかったハズ。

ところが運命だと思っていた二人の恋も、結局は凡百の夫婦やカップルと同じように、現実の重みにロマンスが少しづつ押しつぶされていき、貯まりに溜まった不平不満がついに本作で大噴火を起こしてしまうわけです。

ただ、そんな大ゲンカに、前2作の会話や行動を絡めていくことで、観客は「そういえばあの時あんな事を言ってたよね」とか「ジェシーセリーヌって前からこういう人だったよね」とか、本作を観ながら過去(前2作)を振り返るという、ある種のタイムマシン的構造を持った構成になっているんですね。

そして、ラストではまさにジェシーから「タイムマシン」というワードが出てきて、しかも第1作「~サンライズ」の冒頭に繋がるという構成。

憎たらしいほど上手い!

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一応最終章と銘打たれているし、物語的にも二人の恋愛が次のステージに移るところで終了するという非常に収まりのいいエンディングだったので、おそらく次回作は作られないと思いますが、二人と同世代でリアルタイムでシリーズを観てきたファンの人たちは、自分の恋愛とや人生と重ね合わせて、非常に思い入れの深い作品になったんじゃないかと思います。

そうでなくても、多分、本作を観たあとで最初に遡って再鑑賞したら、また味わいが変わった作品に見えるでしょうし、さりげなくやってるから観ている間は気づかないけど、リチャード・リンクレーター監督の(脚本や映像などの)語り口はやっぱり素晴らしいって思いました。

興味のある方は是非!!

 

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