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(恐らく)映画史上最小単位の乗り物パニック映画「ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、フランス発のコメディー映画『ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走』ですよー!

予告が面白かったのでレンタルしたんですが、これが思わぬ拾い物でしたねー!

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

自動車内を舞台にした密室コメディー。車でバカンスに出掛けたものの、ブレーキが制御できなくなりハイウェイを猛スピードで暴走する羽目になった家族の姿を追う。『ヒャッハー!』シリーズなどのニコラ・ブナムが監督を務める。『ル・ブレ』などのジョゼ・ガルシア、『恋するシャンソン』などのアンドレ・デュソリエらが出演。笑いとスリルが休む間もなく押し寄せる。(シネマトゥディより引用)

感想

どんな映画なの?

この映画、たまたま観た予告編が面白そうだったので今回レンタルしてきたんですが、実際観たら、これが思った以上に面白い映画でした。

全体的には、普通自動車の車内で家族がワチャワチャする密室コメディーなんですが、その車が時速160キロで暴走しているっていうのがミソ

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画像出典元URL:http://eiga.com / ロバート・ダウニー・Jrそっくりな父親のトム&妊娠中の母親ジュリア

物語をザックリ説明すると、整形外科医の父トム(ジョゼ・ガルシア)、精神科医で妊娠中の母ジュリア(カロリーヌ・ヴィニョ)、メガネっ子の姉リゾンジョゼフィーヌ・キャリーズ)、アメコミ好きの弟ノエ(スティラノ・ルカイエ)のコックス一家と、トラブルメーカーの祖父ベンアンドレ・デュソリエ)は、AI搭載の最新自動車メビウスで、夏休みのバカンスに向かいます。

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画像出典元URL:http://eiga.com / メガネっ子お姉ちゃんのリゾンと「ハルク」大好き弟のノエ

ところがその道中、突如メビウスのシステムが故障。時速160キロで暴走し始めるんですね。

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画像出典元URL:http://eiga.com / トラブルメーカーでジュリアに嫌われている自由人の祖父ベン

ブレーキも効かず、数十キロ先には渋滞が待ち受けるという緊急事態に、車内の家族&何故か一緒に乗り合わせてしまったヌーディストの女性メロディー(シャルロット・ガブリ)はパニック状態。ハイウェイを爆走しながらすったもんだの大騒動に発展するというコメディー映画です。

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画像出典元URL:http://eiga.com / ベンの誘いで車に乗り込んだばかりに不憫な目に遭うメロディー

監督は『世界の果てまでヒャッハー!』シリーズのニコラ・ブナムで、撮影では実際のハイウェイを走る車中で進めたんだそうですよ。

(恐らく)映画史上最小単位の「乗り物パニック映画」

映画には「乗り物パニック映画」(三宅隆太さん命名)というジャンルがあります。
乗り物が、何らかの理由で制御不能になって、乗り合わせた乗客がパニックに陥る群像劇の総称で、例えば、

1970年公開の飛行機パニックを描いた「大空港」を始めとするエアポートシリーズ。

豪華客船が沈没する「ポセイドン・アドベンチャー」 (1973)を始めとする豪華客船転覆パニックもの。

新幹線大爆破」(1975)などの列車パニックもの。

スピード」(1994)などのバスパニックもの。

高層ビルの大火災を描いた「タワーリング・インフェルノ」(1974)も、物語の構造としては乗り物パニック映画を完全に踏襲した作りになっています。

そして、本作も構造的にはその流れを汲んだ作品で、しかも(恐らくは)映画史上最小単位(6人)の「乗り物パニック映画」なんですね。

暴走車に閉じ込められた家族+1に次々襲いかかるピンチ。
そこにメビウスに愛車のドアを破壊され執拗に追いかけてくる男と、家族を助けようと奮闘するハイウェイパトロールのエピソードも盛り込み、最終的には渋滞に向かって暴走を続けるメビウスを停止出来るのか、もしくは家族が無事に脱出出来るのかというスリルと、登場人物が繰り広げる笑いがノンストップで繰り広げられるのです。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 暴走するメビウスの行く手には大渋滞が…

キャスト陣

そんな本作では、破天荒なキャラクターを演じるキャスト陣もとても魅力的です。

父親のトムを演じるジョゼ・ガルシアは、「アイアンマン」のロバート・ダウニー・Jrそっくりで、彼のすっとぼけた演技はもちろんだけど、その風貌だけで思わず笑ってしまうし、祖父役のアンドレ・デュソリエはそこそこの年齢だと思うんですが、劇中体を張ったアクションを見せながらもパニック状態の家族をかき回し、カロリーヌ・ヴィニョは一見まともっぽいけど、ヒステリックな妊娠中の妻役を体当たりで演じています。

二人の子供たちも可愛いですし、祖父にナンパされてうっかり暴走に巻き込まれるメロディー役のシャルロット・ガブリも、何かと不憫な役回りを上手く演じて笑いにしていましたねー。

そんな彼らが、ほぼ身動きの取れない走行中の車中で、丁々発止のやりとりと体を張ったギャグで物語を進めていくのです。

その他にも、卓球狂のハイウェイパトロール隊長や、どこまでも無責任なメビウスのバイヤー。トムの顧客でボトックス注射の拒絶反応が出てしまった老夫婦、コックス一家の皆下に住む絵かきの男などなど、基本全員バカだけど、どこか魅力的なんですよね。

撮影

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本作では停車したメビウスの車中と背景を合成するのではなく、実際に車を高速で走らせながら撮影しているので、撮影陣は狭い車中(しかも走行中)の様子をどうやって撮影するか、かなり苦労したみたいです。

しかしその甲斐あって、映像や役者の演技にも独特のリアリティーと迫力が生まれ、役者のテンションに引きずられるように観ているこっちも、ドキドキハラハラしたり爆笑したりと大忙し。

そんな盛りだくさんの内容を、わずか92分にスッキリまとめあげた監督のセンスは素晴らしいと思いましたねー。
また、言葉遊びの笑いはあまりなくて、動きと間と表情やリアクションの笑いで構成されているので、日本人でも楽しく見られるコメディー映画だと思いますよー!

興味のある方は是非!!!

 

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