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実写版とは別物と割り切れば…「GODZILLA 怪獣惑星」 (2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「まどかマギカ」の虚淵玄がストーリー原案と脚本を担当して話題になった劇場アニメ映画『GODZILLA 怪獣惑星』ですよー!

正直、本作の公開が発表されたとき「えー、アニメ?」と、あまり興味が沸かなかったわけですが、僕も一応ゴジラ世代の端くれなので、レンタルが始まった機会に「一応チェックしてみっか」と、今回観てみましたよー。

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

日本映画界が世界に誇るゴジラを劇場長編アニメ化。これまでのシリーズにはなかった世界観やビジュアルで、ゴジラをめぐるドラマが繰り広げられる。監督には『名探偵コナン』シリーズなどの静野孔文、『亜人』シリーズなどの瀬下寛之、ストーリー原案と脚本には『魔法少女まどか☆マギカ』シリーズなどの虚淵玄と、日本アニメ界をけん引する実力派がスタッフとして名を連ねている。彼らが生み出す、新しいゴジラ像に目を奪われる。(シネマトゥディより引用)

感想

ゴジラとは何か

そんなわけで、本作の感想の前にこれまでのゴジラの流れをざっとおさらい。

第一作目の「ゴジラ」は1954年(昭和29年)に、世界初の怪獣映画として公開されました。

終戦からわずか9年、当時社会問題となっていたビキニ環礁の核実験に着想を得たスタッフによって生み出されたゴジラは「核の落とし子」であり、「戦争や災害のメタファー」であり、「戦没者たちの亡霊」でありと、「人間が生み出した恐怖の象徴」として描かれています。

そんなゴジラの根底には、荒ぶる神妖怪といった日本古来からの宗教観や独自の概念があって、つまりゴジラや怪獣は本来「モンスター」というより、祟り神、妖怪・お化けの文脈にあるキャラクターなんですね。

しかし、1作目の「ゴジラ」の大ヒットを受けてシリーズ化したゴジラは、子供たちに人気のキャラクターとして消費され「怖いゴジラ」として復活しを繰り返します。
その後、ローランド・エメリッヒギャレス・エドワーズ監督による2本のハリウッド版が作られたあと、「エヴァンゲリヲン」の庵野秀明監督による「シン・ゴジラ」が制作・公開されます。

庵野監督は、東北大震災と原発事故後の“今の日本”を舞台にゴジラを再構築することで、戦争・原爆の記憶も生々しい時代に作られた初代ゴジラを観た観客の恐怖を、現代の観客に追体験させる試みで「シン・ゴジラ」を大ヒットに導きましたが、残念ながら海外での評価はあまり芳しくなかったようです。

まぁ、それは当然で、庵野監督は最初から日本の観客に向けて「シン・ゴジラ」を作ったわけで、そもそも海外はアウト・オブ・眼中なんですよね。

対して本作は、ギャレス版を彷彿させるデザインのゴジラを見ても分かりように、最初から海外に売る事を視野に入れて作られている「輸出用ゴジラ」であることは明白です。

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もちろんそれが悪いとは言わないし、大予算をかけて作られるハリウッド版ゴジラに日本が対抗するにはアニメはある意味正しい選択だと思うんですが……。

ただ、僕みたいに子供の頃に特撮版ゴジラを浴びるように観て育った人間からすると、どうしてもアニメ版ゴジラに違和感を感じてしまうんですよねー。

いや、それは製作者側の問題ではなく「アニメは別物」と割り切って本作を観られない僕の問題なんですけどね。

進撃の巨人」感

で、本作のストーリーをかいつまんで説明すると、

1・20世紀末、人類は環境変化が原因で地球上に出現した巨大生物「怪獣」の脅威に晒されるようになります。
中でも他の怪獣を駆逐する力をもつゴジラの暴威は凄まじく、人類は異星人の力を借りて宇宙船団で地球を脱出。11.9光年彼方の惑星「くじら座タウ星e」に移住する羽目に。

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画像出典元URL:http://eiga.com / さらばー地球よー

2・出発から約22年後。過酷な宇宙生活の末に人類はタウ星eに到着するも、そこは人類が生きられる環境ではなく移住計画は失敗。
ゴジラに両親を殺された主人公ハルオが立案した「対ゴジラ戦術」が“協力者”によってリークされたことで、船員たちの間では地球帰還を望む声が高まり、結局人類は地球に帰還することになります。

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画像出典元URL:http://eiga.com / ハルオの計画をリークした異星人(左)

3・長距離亜空間航行でサクッと戻ると、地球では約2万年もの歳月が経過。(相対性理論的な例のアレ)
にも関わらずゴジラはまだ生きていて、計画取りハルオを含むゴジラ殲滅部隊が地球に降り立ち、ゴジラと対決するのだが。

という物語。っていうか、

もっとザックリ言うと「進撃のゴジラでした

もうね、主人公のハルオは両親をゴジラに殺された復讐に燃え「地球からゴジラを駆逐してやる!!(# ゚Д゚)ノ」的な奴でして。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 「ゴジラを駆逐してやる!」

観ていて「なんかエレンっぽいなー」って。
まぁ、エレンより頭がいいので、エレンとアルミンを足して2で割ったみたいな感じかな。(進撃の巨人を知らない人にはまったく通じない例え)

で、すったもんだあって殲滅部隊にゴジラが近づいてくると、ビビった隊長が「やっぱゴジラ倒すのはムリムリ! 月にコロニー作って住んで地球から必要な物資を調達するべ!」というど正論をかまして撤退命令、しかし運悪くゴジラと遭遇して、なし崩し的に戦闘にもつれ込み、ハルオは喜々としてゴジラに挑むっていう……。

何か色々飲み込みづらい!

SF設定とかキャラクターとか、ストーリー展開とか何かこう色々「んん??」ってなる部分が多いんですよねー。
22年もかけて遠くの惑星まで行ったのに、帰りは亜空間飛行で一瞬とかね。

色々言い訳はしてたけど、色々と人類(+異星人)たちの行動にご都合主義な感じが否めないんですよね。

ゴジラ殲滅作戦の内容も分かるような分からないような感じなので、なんか行き当たりばったりに感じちゃうし。

あと、ゴジラは3DCGでリアルなんだけど、人間のキャラがアニメ顔(しかもCGアニメのクセが強い)っていうのもやっぱり違和感を感じてしまうんですよねー。(2回目)

百歩譲ってそれらを全部飲み込むとしても、舞台が2万年後の地球って言われても何かピンと来ないというか。ぶっちゃけ他人事になんですよ。

前述したように、日本のゴジラや怪獣の怖さって現代に生きる人々が抱える、漠然とした恐怖や不安の具現化が本質で、でもこの映画は一度ゴジラに滅ぼされたあとの物語なんですよね。(それは狙いなのかもだけど)

だから、ハルオの「ゴジラから地球を取り返す!」っていう大義名分も「いや、お前が復讐したいだけだろ?」って感じちゃうし、生きるための資源が必要なら、むしろ隊長が言うように月にコロニーでも作って地球から運ぶ案の方が説得力があるように感じてしまう。

っていうか、生態系が変わりすぎて酸素マスクなしで息もできないんじゃ、たとえゴジラを倒しても地球には住めないだろって思っちゃうので、地球にこだわる必然性も感じられないんですよね。

まぁ、脚本はあの虚淵玄で、しかもまだ3部作の1作目、つまりは前フリですからね。
2作目以降でいい感じにストーリーが転がっていくのかもしれません。

ちなみに本作の前日譚は小説? になってるらしいです。

そんなわけで本作は、むしろゴジラに思い入れのない人の方が「SFアニメ」として純粋に楽しめるんじゃないかなー? なんて思いましたねー。

興味のある方は是非!

 

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