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多分、世界一ネタバレしている推理映画をリメイク「オリエント急行殺人事件」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ミステリー小説の女王アガサ・クリスティーの原作小説『オリエント急行の殺人』2度目の映画化『オリエント急行殺人事件』ですよー!

多分、世界で一番ネタバレしているミステリー小説を、 ケネス・ブラナー監督・主演で映画化した作品です!

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概要

これまで幾度も映像化されてきたアガサ・クリスティの傑作ミステリーを映画化。ヨーロッパ各地を巡る豪華列車を舞台に、世界的な名探偵エルキュール・ポアロが客室で起きた刺殺事件の解明に挑む。『ヘンリー五世』『世にも憂鬱なハムレットたち』などのケネス・ブラナーが監督と主演を兼任。さらにジョニー・デップミシェル・ファイファーデイジー・リドリージュディ・デンチペネロペ・クルスら豪華キャストが集結する。(シネマトゥディより引用)

感想

ミステリーの女王アガサ・クリスティー原作の本作は、1974年にシドニー・ルメット監督で映画化、2001年にアメリカ製作の長編ドラマ『オリエント急行殺人事件〜死の片道切符〜』、2010年にはイギリスのドラマ『名探偵ポワロ』第12シリーズ最終話として映像化されていて、2015年には舞台やキャストを日本に置き換えた『オリエント急行殺人事件 』(テレビドラマ)が放映されるなど、過去何度も映像化されている作品です。(Wikipediaより)

僕も、子供の頃にテレビで74年版の映画やドラマで何度も見てますし、ある年齢以上の人なら、オチを知らない人はいないんじゃないかと思いますねー。

本作は、そんな(多分)世界で一番ネタバレしているミステリー小説の再映画化ということで一体どんな映画にするのか、ファンのみならず多くの人が気になっていたのではないかと思います。

ポアロがカッコイイ!

本作のストーリーをザックリ説明すると、トルコ発フランス行きの豪華寝台列車オリエント急行の中でアメリカ人富豪のエドワード・ラチェット(ジョニー・デップ)が刺殺体で発見され、偶然乗り合わせた探偵エルキュール・ポアロケネス・ブラナー)が事件の謎を解くというミステリー映画です。

エルキュール・ポアロアガサ・クリスティー小説に登場する名探偵で、その名前は知らなくても「灰色の脳細胞」という彼の名セリフを知っている人は多いはず。

ただ僕は、色んな名探偵の中で一番嫌いなのがポアロだったんですよねー。

理由は単純にカッコ悪かったから。

口ひげにぺったり撫で付けた7:3分けの黒髪の太った蝶ネクタイのおじさんというのが、僕のぼんやり覚えているポアロ像。

同じく子供の頃に観ていた、ホームズや明智小五郎金田一耕助はみんなシュッとしててカッコイイのに、ポアロって子供的にはただの嫌味でおどけたオッサンって感じだったんですよね。

しかし、本作でケネス・ブラナー演じるポアロは、トレードマークのヒゲは以前に比べてとんでもない事になってますが、白髪まじりながらシュッとした姿になっていてアクションもこなす(ステッキを使った合気道の達人という設定)イケメンになってるじゃないですか。(蝶ネクタイじゃないし)

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正直、このポアロだけで個人的に本作はアリだなって思いましたねー。

豪華キャスト

さらに本作は、ペネロペ・クルスウィレム・デフォージュディ・デンチジョシュ・ギャッドミシェル・ファイファージョニー・デップなどなど超豪華キャストが揃っています。

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普通、ミステリードラマだと探偵以外に有名俳優が登場すると「あ、コイツが犯人だな」と登場した瞬間に分かってしまって興ざめすることも多いですが、本作はいわゆる「群像ミステリー」なので、逆に豪華キャストの共演が一つの見せ場になってるんですよね。

そんな人気も実力も兼ね揃えた彼らが、豪華列車の煌びやかなセットの中で共演するだけでも、この映画を見る価値はあるんじゃないかと思いました。

謎解きは捨ててエモーションに振り切る

では、肝心の内容はどうかというと、謎解きの鍵になるトリックやロジックよりも登場人物の心情や背景に重きを置いたエモーショナルなストーリー構成になってました。

っていうか、原作で一番重要な鍵となる「時間トリック」を完全にオミットしてしまってるし、「この瞬間にポアロが真実に気づいた」という推理プロセスを、観客と共有出来てないんですよ。

なのでクライマックス。乗客を集めてポアロが熱く謎解きをするシーンでも、観ているこっちはポアロの謎解きを聞きながら「お、おう…」と、置いてきぼり状態なっちゃう。

まぁ、原作や過去の映像化作品を観た人は最初から“犯人”は分かってるのでまだいいですけど、本作がアガサ・クリスティー初体験の人はどうかなー? って思いましたねー。

ではどこに力を入れているかというと、乗客たち(とポアロ)の背後に共通する「ある事件」と、その事件に乗客たちがどのように関わり、どんな心の傷を負ったのかに焦点が当てられ、それを名俳優たちが朗々と演じるという。
シェイクスピア俳優のケネス・ブラナーらしい? 演出になっていました。

オリエント号が雪で止まるという設定は同じですが、74年版が列車内だけで物語が進むのに対して、本作では相手によって話を聞く場所を変える(外に出たりもする)など、観客を飽きさせないように画面を変える工夫はしてて、そこは良かったと思ったし、クライマックスの謎解きシーンもトンネルを使って「最後の晩餐」を思わせる構図にしたりするのも個人的には嫌いじゃないですが、全体的に役者の演技に頼った作りだなーと。

なので、この映画をどう見るかで評価も変わるんじゃないかと思うんですよね。

前述したように、(本格)ミステリー映画としてはちょっとアレですが、実力派俳優による列車を舞台にした群像劇として観れば、それなりに見ごたえはあるかもしれません。

興味のある方は是非!!

 

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