ぷらすです。
今回ご紹介するのは、実話を元にしたホラー映画『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』ですよー! サブタイトルが長い!
銃ビジネスで名を成したウィリアム・ウィンチェスターの未亡人、サラ・ウィンチェスターが生涯自宅を増築し続けたという実話をもとにした“伝奇映画”です。
画像出典元URL:http://eiga.com
概要
アメリカに実在する幽霊屋敷ウィンチェスター・ミステリー・ハウスが舞台のホラー。大富豪のウィンチェスター一族の女性が、怨霊から逃れようとするさまを描く。監督は『プリデスティネーション』『ジグソウ:ソウ・レガシー』などのマイケル&ピーター・スピエリッグ。奇妙な屋敷の主人にオスカー女優ヘレン・ミレンがふんするほか、『エベレスト 3D』などのジェイソン・クラークらが共演する。(シネマトゥディより引用)
感想
実話ベースのホラー映画
本作は、世界有数の銃メーカー社長ウィリアム・ウィンチェスターの未亡人サラ・ウィンチェスターが生涯をかけて増築し続けた奇行で有名な幽霊屋敷「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」の物語。
この未亡人と幽霊屋敷の話はテレビなどでも紹介されているので、元ネタを知っている人も多いかもしれません。
サラ・ウィンチェスターは1866年に娘のアニーを、そして1881年に夫ウィリアムを亡くします。
悲しみにくれた彼女は友人のアドバイスで「ボストンの霊媒師」の通り名で知られていたこの霊媒師に見てもらったところ、ウィンチェスター家が代々製造してきた銃が多くの人々の命を奪ってきたため、一家に呪いがかけられていると言われ、さらに、
「アメリカ西部へ行き着いたその場所へ、あなた自身とその恐ろしい銃で亡くなった人たちの霊のために家を建てなさい。家の建設を止めてはなりません。あなたがもし建て続ければ、あなたは生き長らえるでしょう。もし止めれば、あなたは死んでしまうでしょう」と告げられるんですね。(諸説有り)
それでサラはカリフォルニア州へ定住して彼女の屋敷の建設工事を開始。
亡き夫の莫大な遺産と約50%の持ち株の配当金を使い、38年間渡って24時間365日、屋敷の増築工事を続けたのだそうです。
画像出典元URL:http://eiga.com /サラ役にはなんとアカデミー女優ヘレン・ミラン
本作は、アカデミー女優ヘレン・ミレン演じるサラの奇行を快く思っていないマンチェスター社の重鎮に雇われた精神科医エリック・プライス(ジェイソン・クラーク)が、彼女を精神鑑定するため屋敷を訪れ、数々の超常現象に見舞われるという物語で、クライマックスのカリフォルニア地震(1906年)に向かって物語が進んでいくんですね。
逆転の物語
現実の「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」は、悪霊の呪いによって邸宅内で及ぼすと予想した霊障からいつでも逃れる為の隠し部屋・秘密通路をひたすら増築し続けた、サラの妄執からくる奇行の結晶とされていますが、本作では、ウィンチェスター製の銃で亡くなった人たちの怨念を招いて成仏させるため、彼ら(幽霊)の為の部屋を用意するという設定。
そうすることで、霊はサラと会話出来るようになるので、サラが説得して成仏させ、恨みが強く成仏しない悪霊は部屋に13本の釘で封印しているのです。
つまり、サラはウィンチェスター銃が生み出した亡霊から一族を守る霊能者であり、「ウィンチェスター・ハウス」はその儀式のための巨大な装置(祭壇)なんですね。
監督のスピエリッグ兄弟は「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」の逸話を逆転させ、伝記映画ならぬ“伝奇映画”に仕立てたわけです。
その真相を解き明かすのが、サラから経営権を奪うためウィンチェスター社の重鎮に雇われてサラの治療(というか精神鑑定)にやってきた、ジェイソン・クラーク演じる精神科医エリック・プライス。
実は彼には“ある辛い過去”があり、本当は幽霊が見えるけど精神科医という職業柄「超常現象」を否定しているんですね。そんなエリックがこの屋敷での恐怖体験を通して、囚われていた辛い過去の罪悪感から開放されるというのが、本作の大筋です。
色々飲み込みづらい
いわば、この作品はかなり変則的ではあるけど、カテゴリーとしては「お祓い映画」で、個人的には大好物なジャンル。
……のハズなんですが、正直色々と飲み込みづらい部分が多かったですねー。
本作のメインキャラは、サラとエリック、そしてサラの姪 マリアン・マリオット(サラ・スヌーク )とその幼い息子ヘンリー(フィン・シクルーナ=オープレイ)の4人。
幽霊屋敷オーナーであるサラは当然として、エリックはこの家にやってきたことで、“過去の後悔”から解き放たれる。
画像出典元URL:http://eiga.com /悪霊から息子を守ろうと孤軍奮闘するマリアン
つまり、本作はサラではなくエリック二つの物語がメインなのです。
さらにマリアン、ヘンリーの母子の物語も同時進行するので、一応、物語の中心にサラがいるけどどうにも散らかってしまってる感じがするんですよね。
後半では、あっと驚く(ハズの)どんでん返しがあるんですが、あまりにもサラッと描かれすぎてて全然どんでん返し感がないし、屋敷そのものの異常性も、あまり目立たないし、ホラー描写も単調でどこかで見たようなビックリ表現ばかり。
っていうか、24時間あちこちで大工がトンテンカントンテンカンしてて、メイドや召使がウロウロしてるハズの家なのに、夜中になると超静かになるとか、そんなわけあるかー!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ って思ったり。
っていうか、そもそも主犯格の悪霊の生前のウィンチェスタ家を恨む動機とその復讐? の行動原理から、死後の成仏のシーンに至るまで、ビタイチ納得出来ないのです。
画像出典元URL:http://eiga.com /「ウィンチェスター銃は亡霊だって殺すぜ!」
もっと言えば「銃社会断固反対!」みたいな内容かと思いきや、最後は「ウィンチェスター銃最強!」みたいになっとるがな。
そんなアレコレを含めて、どうにも焦点がボケちゃってる感じはありましたが、個人的にはヘレン・ミレン主演のホラー映画ってことで割と楽しく観ることが出来ましたよ。時間もほぼ100分で長くも短くもなく、ちょうどいい感じでしたしね。
興味のある方は是非!
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