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ウィル・スミスがハマり役「アラジン」(2019)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ディズニー名作アニメの実写化作品『アラジン』ですよー!
何度も書いてますけど、僕は個人的にディズニーアニメ実写化の流れには否定的でして。

なので、本作も最初は観る気がなかったんですが、監督があのガイ・リッチーと知って、それなら観てみようって思いました。

結論から言うと、普通に楽しめる作品に仕上がってましたねー。

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概要

アニメ『アラジン』を実写化したファンタジー。青年アラジンと王女ジャスミンの身分違いの恋と、魔法のランプに関わる冒険が描かれる。監督は『シャーロック・ホームズ』シリーズなどのガイ・リッチー。メナ・マスードがアラジン、『パワーレンジャー』などのナオミ・スコットがジャスミン、『メン・イン・ブラック』シリーズや『幸せのちから』などのウィル・スミスがランプの魔人を演じる。(シネマトゥデイより引用)

感想

ディズニープリンセス路線の変遷

ディズニーアニメと言えば、1937年制作の「白雪姫」から続くプリンセスストーリーという印象が強い人もいるのではないかと思います。

本作の元ネタであるアニメ版「アラジン」もそうした系譜の一本ではあるんですが、先に告白すると、僕はこのアニメ版「アラジン」は観ていないんですよ。

なので、ウィキペディアであらすじを調べたところ、アニメ版と今回の実写リメイク版のストーリーは、大筋は変わってないものの、プリンセスのジャスミンのキャラ造形や彼女が関わるシーンはかなり改変されている様子。

というのも、これまでディズニーアニメは、
ウォルト・ディズニー自身が制作に関わる第1次黄金期。

ウォルト・ディズニーの死や、ディズニー黄金期を支えたアニメーターの引退によって人気が下がり、テコ入れのためディズニー映画部門の責任者に就任したジェフリー・カッツェンバーグ指揮の元、「リトルマーメイド」や本作の元ネタでもあるアニメ版「アラジン」などを次々にヒットさせるディズニールネッサンスと言われた第2次黄金期。

ピクサージョン・ラセターがチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任して以降の第3次黄金時代を経て、ラセター退社後の現在、第4期に突入してるんですね。

で、プリンセスものの多くは、カッツェンバーグが指揮を取った第2次黄金期に作られているわけですが、2000年以降、ディズニープリンセスに変化が訪れます。

その変化の先鞭をつけたのが、多分初の3Dで描かれたプリンセスものである「塔の上のラプンツェル」で、これまでの王子様との結婚がゴールのディズニープリンセスと違い、能動的に自分の道を切り開いていくという新たなプリンセス像を打ち出し大ヒットとなったのです。

以降、「シュガー・ラッシュ」「アナと雪の女王」「モアナと伝説の海」などニュープリンセスが誕生するのと並行するように、実写版や3DCGで過去作のリメイクが行われ、過去の名作を時代に合わせて再解釈する流れが出来上がっていったんですね。

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そして本作のプリンセスであるジャスミンも、こうした一連の流れを受け、キャラクター像に変更が加えられたのではないかと思います。

ウィル・スミスのハマり役

そんな本作でアラジンの相棒として活躍するのが、魔法のランプに住む魔人ジニー。

アニメ版では今は亡き名優、ロビン・ウィリアムズが声優を務めていますが、本作ではウィル・スミスが演じています。

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最初、ジニー役のビジュアルを見たときは「2pカラーのウィル・スミスかよ」という印象でしたが、実際に映画で観てみるとウィル・スミスのジニーが実に上手くハマっているんですよねw

正確に言うと、ウィル・スミス自身の陽性なキャラクターや、振り切ったオーバーアクト、また元々ラッパー(ミュージシャン)だった経歴も含め、アニメ版のジニーを知らない(僕みたいな)人には丁度いいというか。(アニメ版を観た人が受ける印象は違うかもですが)

ウィル・スミスのジニーがあまりにハマり過ぎてて、アラジン役のメナ・マスードを食っちゃってるシーンもチラホラあって、終わってみればウィル・スミスの映画だったなーと。
いや、メナ・マスードジャスミン役のナオミ・スコットも全然悪くないんですけどね。

ガイ・リッチー感は控えめ?

あと、やはりディズニー作品ということもあってか、本作でのガイ・リッチー感はかなり控えめな印象を受けました。

もちろんテンポの早さや映像のところどころに、ガイ・リッチー節は見え隠れするものの、全体を通して観ると、ガイ・リッチー作品というよりディズニー作品に落ち着いているという印象だったと思います。

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まぁ、今回は完全に“雇われ監督”という立場なので、職人監督に徹したということかもしれません。

「me too」運動以降のディズニー

前述したように、本作ではジャスミンのキャラ造形にかなり変更があります。
本作のジャスミンは、他国の王子と結婚させようとする父や、事あるごとに「王女は政治を考えなくていい」と言うジャファー(マーワン・ケンザリ)に反発し、自ら王座を次いで「民の為の政治」を行いたいと考えているんですね。

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この変更は、近年のポリコレだったりme too運動を受けてのディズニーとしての意思表示でもあるわけですが、個人的には、あまり上手くいってないなーと。

もちろん、ポリコレやme too運動そのものが悪いという事ではないし大いにやってほしいけれど、こと“物語”や“作品”に組み込む場合、そこには物語的必然があって欲しいというか。
個人的には、そうした“主張”が物語より前に出てくると、(´ε`;)ウーン…ってなっちゃうのですよ。

これは何も本作に限ったことではなくて、第4期ディズニー作品やハリウッド映画では、こうした、物語より主張が前面に出てる作品が多いような気がするし、そういうテーマを大上段に掲げる作品は、正直食傷気味というか。
それが、元々のアラジンとジニーのストーリーや、アラジンとジャスミンラブロマンスと上手く絡んでいれば文句はないんですけどね。

古典的な物語やキャラクターを、今の時代に合うようにアップデートしたい気持ちは分かるけど、やるからには、元の物語にただ要素を“付け加える”のではなく、物語を根本から解体・再構成するくらいの気概を持って欲しいと思いましたねー。

 

興味のある方は是非!!

 

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