今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

ゾンビと辿るアメリカ史「ゾンビランド/ダブルタップ」(2019)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、あの大ヒットゾンビコメディー10年ぶりの続編『ゾンビランド/ダブルタップ』ですよー!

役者としてすっかり大物になった4人が前作と同役で続投、10年の年月を感じさせない“楽しい週末世界“で大暴れしてましたねー!

https://eiga.k-img.com/images/movie/91714/photo/c2dba04246e73a5b.jpg?1566291898

画像出展元URL:http://eiga.com

概要

ホラーコメディー『ゾンビランド』の続編。前作から10年後、生き残った四人が進化したゾンビに新たなルールで対抗する。『ヴェノム』などのルーベン・フライシャーが監督を続投。『スリー・ビルボード』などのウディ・ハレルソン、『ソーシャル・ネットワーク』などのジェシー・アイゼンバーグをはじめ、アビゲイル・ブレスリンエマ・ストーンらおなじみのキャストが集結した。(シネマトゥディより引用)

感想

”奴ら”が帰ってきた

前作「ゾンビランド」は、ゾンビウィルスの蔓延によって壊滅した世界を舞台に、オタク、脳筋、詐欺師姉妹という普通なら絶対交ることのない4人が、主人公(というか語り部?)のコロンバスが定めた「ゾンビの世界で生き残る32のルール」というゾンビあるあるを駆使しながらサバイブするというお気楽ゾンビコメディーで、これがゾンビ好きにもそうでない人にもウケて異例の大ヒット。
また、ただのゾンビパロディーに終始するのではなく、最初は相容れない4人が、一緒に旅を続けるうち疑似家族になっていくという内容も、当時の潮流にも上手くハマっていたように思います。

そんな前作の後、大人の事情から10年ぶりに待望の続編となる本作が公開されたんですね。

この10年の間に、
タラハシー役のウディ・ハレルソンは「スリー・ビルボード」でアカデミー助演男優賞に2度目のノミネート。

コロンバス役のジェシー・アイゼンバーグは「ソーシャル・ネットワーク」でアカデミー主演男優賞ノミネート。「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」のレックス・ルーサー役ではゴールデンラズベリー賞 最低助演男優賞を受賞。

ウィチタ役のエマ・ストーンは「ラ・ラ・ランド」のヒロイン役でアカデミー主演女優賞受賞。

前作当時13歳だったリトルロック役のアビゲイル・ブレスリンは……すっかり大人になるなど(色んな作品で活躍&ブロードウェイデビューも果たしてます)、役者としてすっかり格の上がった4人が前作と同役で出演、10年の年月を感じさせないアンサンブルを見せてくれているんですね。

https://eiga.k-img.com/images/movie/91714/photo/07ba398585932daf/640.jpg?1574655891

画像出展元URL:http://eiga.com / 10年ぶりに4人が帰ってきた!

さらに「ヴェノム」を大ヒットさせた監督のルーベン・フライシャー、「デッド・プール」シリーズの脚本も担当した レット・リース、ポール・ワーニックも続投。

そこに、おバカ女子のマディソン(ゾーイ・ドゥイッチ)やエルヴィス好きな女傑のネバダロザリオ・ドーソン)ら新キャラも加わり、前作のテイストはそのままに、さらにパワーアップした続編になっているのです。

ざっくりストーリー紹介

前作の後、朽ち果てたホワイトハウスに定住していた4人ですが、ウィチタは彼氏面で結婚を迫るコロンバスに、リトルロックは父親面で自分を子ども扱いするタラハシーにうんざりし、政府専用車を改造した「ビースト」を盗んで消えてしまうんですね。(前作からの踏襲)

傷心の二人は気晴らしに行ったショッピングモールで、冷凍庫に暮らしていたおバカ女子マディソンと出会います。
で、コロンバスとマディソンがHしそうになったところにウィチタがカムバック。
リトルロックが頼りないヒッピーの若者バークレー(アヴァン・ジョーギア)と駆け落ちしてしまったというんですね。

リトルロックを連れ戻すため、3人+マディソンは安住の地ホワイトハウスを後にする――というストーリー。

その後、4人は“キング・オブ・ロック“ことエルヴィス・プレスリーファンの聖地グレイスランドを経由し、ヒッピーの若者たちが集うコミュニティー「バビロン」へと向かうのです。

ゾンビで辿るアメリカ史

本作で監督らは、コロンバスたちが生きる無法な世界を西部開拓時代として捉え、その後プレスリーの聖地、ヒッピーコミュニティーへと舞台を移すわけですが、これはつまりカルチャーを通してアメリカの歴史を辿っているんですよね。
バークレーリトルロックがバビロンに向かう道中、バークレーがボブ・デュランの歌を歌うシーンもありますしね。(そして自作の歌だと嘘をつく)

「バビロン」というコミュニティーには、ゾンビパニック時子供だったと思われる若者たちが集まり、銃や武器を溶かしてラヴ&ピースマークのネックレスに加工して非暴力を謳い、大麻と音楽とオーガニックでみんなハッピーという、ある種のユートピアを築いていています。
まぁ、クライマックスでは当然のようにゾンビ集団に襲われるわけですが、面白いのは、ここで若者たちが凄惨な目に遭うのではなく、4人と若者たちが協力して脅威(ゾンビ)からバビロンを守るというところなんですね。

もちろんコメディー映画だからってのもあるでしょうけど、大人であるタラハシー、コロンバス、ウィチタが彼らを見捨てずに、武器のないピンチの中で今までのサバイブ経験を基に計画を立て、自ら危険な役目を負って彼ら(の理想郷)を守るという展開は、分断の時代である現代に対する制作側の強いメッセージを感じましたねー。

https://eiga.k-img.com/images/movie/91714/photo/c8d47c55718a63ad/640.jpg?1574655894

画像出展元URL:http://eiga.com / エルヴィスに扮するウディ・ハレルソン

で、ここで効いてくるのがグレイスランドでのシークエンスで、タラハシーがエルヴィスの大ファンだということが分かるんですね。
ここで披露されるウディ・ハレルソンのエルヴィス物まねが超絶上手くてビックリなんですけど、彼は実際、学生時代にエルヴィスの物まねで人気者だったんだそうです。
そして、ここで同世代のネバダとのロマンスも生まれたりします。

https://eiga.k-img.com/images/movie/91714/photo/bfe47264cd81a37f/640.jpg?1574655894

画像出展元URL:http://eiga.com / タラハシーにもついにロマンスが

本作では、このタラハシーが自分の青春時代を思い出すグレイスランドのシークエンスが、バビロンでのクライマックスへの布石になっているわけです。

ぱっと見バカバカしいだけのコメディー映画に、(作品の空気感を損なわないよう)サラっと大事なメッセージを入れ込む手腕は、さすが「デッドプール」の脚本陣だなーと思いましたねー。

あと、本作では10年の間に、ゾンビ側も進化したりしてるんですけど、これはロメロからなるゾンビ映画の歴史をまるっとパロディーにしてて、ゾンビ映画好きとしては思わずニヤニヤしてしまいますし、さすがに今回は出ないだろうと思ってた”あの人”も最後の最後で登場して、個人的には大満足でしたよー!

まぁ、あえて言えばジェシー・アイゼンバーグのナレーションが早口すぎて、字幕に目が追いつけないのが唯一難点でしたかねw

興味のある方は是非!!!

 

▼良かったらポチッとお願いします▼


映画レビューランキング

 

▼関連作品感想リンク▼

aozprapurasu.hatenablog.com