ぷらすです。
今回ご紹介するのは、トニージャー、イコ・ウワイス、タイガー・チェンというアジアを代表するアクションスター3人が競演した『トリプル・スレット』ですよー!
そんな3人が「古式ムエタイ」「シラット」「カンフー」というアジアの格闘技を駆使して戦う映画なら絶対面白いでしょ! とレンタルしたんですが……率直に言えば3人のポテンシャルを生かし切れていない感じがしましたねー。(´ε`;)ウーン…
画像出展元URL:http://eiga.com
概要
『マッハ!』シリーズなどのトニー・ジャー、『ザ・レイド』シリーズなどのイコ・ウワイスらが顔をそろえたアクション。ムエタイ、シラット、カンフーなどを駆使する男たちが、命を狙われている令嬢を守ろうとする。メガホンを取るのは『マキシマム・ブロウ』などのジェシー・V・ジョンソン。『カンフー・トラベラー』シリーズなどのタイガー・チェン、『ニンジャ・アベンジャーズ』などのスコット・アドキンスらが共演する。(シネマトゥディより引用)
感想
3人の経歴
本作でトリプル主演となる三人、トニー・ジャー、イコ・ウワイス、タイガー・チェンは、それぞれアジアを代表するアクションスターであり格闘技のエキスパート。
画像出展元URL:http://eiga.com / 画面左からタイガー・チェン、イコ・ウワイス、トニー・ジャー
2003年のタイ映画「マッハ!!!!!!!!」で鮮烈なデビューを飾ったトニー・ジャーは、それまで馴染みのなかった“古式ムエタイ”をベースにした格闘アクションと、命知らずのスタントで世界を驚かせたタイのアクションスター。
インドネシア出身のイコ・ウワイスは、10歳の頃から実践格闘術シラットを学び、全国規模の大会でも優勝経験を持つアクションスターで、2011年公開の「ザ・レイド」でブレイク後に、ハリウッドで俳優兼スタントコーディネーターも務める実力派。
タイガー・チェンは18歳で中国武術の四川省代表入りし、中国大陸全国少年武術大会で優勝。その後アメリカに渡ると「酔拳」でジャッキーの師匠役を演じたユエン・ウーピンに弟子入りし、彼の下で「マトリックス」のアクション指導、キアヌ・リーブスの武術指導やウマ・サーマンのスタントを行うなど、役者以外にも武術家やアクションコーディネーターの顔も持っています。
さらに、本作で敵役を務めるスコット・アドキンスは、柔道、キックボクシング、クラヴ・マガ、MMA、体操、中国拳法の心得があり、2013年公開「ニンジャ・アベンジャーズ」では主役を張り、ケイン・コスギ演じるラスボスと死闘を繰り広げた実力派なのです。
画像出展元URL:http://eiga.com / ケイン・コスギと闘った事もあるスコット・アドキンス
これだけ“動ける“アクションスターが揃って面白くならないハズがない!
そう思って胸を躍らせながらレンタルしてきたわけですが、結論を言うと極めて凡庸なアクション映画になってしまっているなーと思いました。
その理由は、格闘アクションが一本調子で途中で飽きちゃうことや、3人それぞれ均等に見せ場を作った結果、逆に平らに均されてしまったというか、それぞれの特徴が消えてしまった感じがしたんですよね。
もちろん3人は凄いアクションを見せているんですけど、それが逆に「彼らのポテンシャルはこんなもんじゃないだろ」って思っちゃうんですよねー。
ストーリー紹介
中国有数の資産家の娘シャオシャン(セリーナ・ジェイド)は莫大な遺産を投じて、東南アジアの都市マハ・ジャヤを牛耳る犯罪組織の壊滅に乗り出す。
しかし、それに怒った組織のボスは、コリンズ(スコット・アドキンス)が率いる傭兵部隊を雇い彼女の暗殺を目論む。
コリンズ達の襲撃から辛うじて逃れたシャオシャンは、逃げ込んだ警察署で武術の達人パユ(トニー・ジャー)とロン・フェイ(タイガー・チェン)に助けられ、大使館に向かう途中で、妻を殺したコリンズに復讐を誓うジャカ(イコ・ウワイス)と出会うのだが――。と言うストーリー。
画像出展元URL:http://eiga.com / スコット率いる傭兵部隊に追い回される3人
基本的にはお姫様を悪漢から守る三銃士的なシンプルなストーリーなんですが、そんなストーリーをややこしくしているのが冒頭シーン。
パユ、ロンの案内で、ジャングルの中にあるMI6?の収容所にやってくるコリンズの部下たち。
その警備兵の中には、ジャガとその恋人もいるんですが、コリンズの部下たちは銃やランチャーで「ヒャッハー!」と施設を襲撃。
結果ジャカ以外全員皆殺しにしてしまうんですね。
一応、コリンズの部下たちがパユとロンを騙して案内させたことが分かるようにはなってるし、その後、改めて事の真相が分かるようにはなってるんですが、何も知らない状況でまずこのシーンから見せられ、その後、パユ&ロンが地下格闘技の大会中、乱入してきたジャカが襲い掛かるという件に繋がっていくので初見だと人間関係が分かりづらくて混乱しちゃいます。
パユ&ロンが地下格闘大会に出場してるのは金を稼いで自分たちをハメて殺そうとしたコリンズ達への復讐を果たすためで、ジャガも誤解からロンの試合に乱入(というか飛び入り参加)するので、ここから共闘するかと思いきや、ジャガは二人を警察に売ったり、コリンズにも彼らが生きている事をチクる始末。
一方、大将コリンズ率いる傭兵たちは、依頼されたシャオシャン暗殺のため彼女のテレビ出演終わりを出待ちしてボディーガードごと皆殺しにしようとするっていう、超雑な計画を実行。しかし間一髪逃げ延びたシャオシャンは警察に逃げ込み、そこでロンと出会うんですが、そこにコリンズたちが襲撃をかけて署員を皆殺し。
しかしシャオシャンはロンとパユに助けられ、間一髪逃げ延び――。
一方のジャカがパユ&ロンをコリンズ達に”売った”のは、コリンズの仲間のフリをして情報を聞き出してやろうという目論み?
一方、コリンズたちが執拗にロン&パユを追うのは、スコット脱獄の真相を知ってる2人の口封じをするためらしい。
でも、ジャカがなんでコリンズのバックにいる黒幕まで突き止めようとしてるのか(というかなんで黒幕の存在を知ってるのか)イマイチ理由が分からないし、コリンズたちはロン&パユ&シャオシャン殺害のためテレビ局と警察署でそれぞれド派手に銃乱射かまして大暴れしてるし。
そして、ラストでシャオシャンを殺そうとした黒幕が逮捕されるも、何者かは分からずじまい(何の説明もない)っていう。
全体的に“フリ”が効いてないので、彼らが何をしたいのかよく分からないんですよね。
アクションのバリエーションが少ない
とはいえ、本作の売りはアクションですからね。アクションシーンが良ければストーリーは雑でも別に構わないんですよ。
で、本作には格闘アクションの他、ガンアクション、ナイフアクション、カーチェイスなど、普通に考えたら盛沢山のアクションシーンがぶち込まれているわけですが……これがイマイチ盛り上がらないんですね。
それは前述したようにストーリーが雑ってのが一番大きな理由ではあるんですが、もう一つの理由は格闘シーンで3人が共闘しない(コンビネーションがない)ってのが大きいのかなと。
前述したように3人それぞれ見せ場はあるものの、基本それぞれに割り当てられた悪役相手に1対1で闘う構図になっていて3人が共演する意味がないっていう。
悪役のコリンズは超強いっていう設定なので、「プロジェクトA」みたいに3人のコンビネーションで倒すっていう燃える展開だってアリなんじゃないかと思うんですよね。
あと、アクションの振り付けがどれも似たような感じになってることで、3人それぞれの格闘のバックボーン(ムエタイ・シラット・カンフー)の違いがイマイチ分かりづらいのもマイナス要因だった気がします。
例えば僕らみたいな素人はカンフーの流派の違いは分からないけど、「ドラゴン・キングダム」でジャッキーが酔拳、ジェット・リーが蟷螂拳の構えを見せるだけでグッとくるじゃないですか。
そんな感じで、ラスボスのコリンズを前に、3人がムエタイ、シラット、カンフーの構えを見せる1ショットが入るだけでも全然違う気がしするんですよね。(それだと今風じゃないのかしら)
とはいえ、この3人のアクション自体は超カッコいいので、格闘映画好きな人は楽しめるかもしれません。
興味のある方は是非!!
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