今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

80年代アクション映画をオマージュ「ガンズ・アキンボ」(2021)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ハリー・ポッター役として一世を風靡したダニエル・ラドクリフ主演の英・独・新共同映画『ガンズ・アキンボ』ですよー!

実生活のうっ憤をネット荒らしで晴らしてたD・ラドクリフが、両手に拳銃をネジ止めされデスゲームに参加させられるという、ぶっ飛んだ物語でした!

https://eiga.k-img.com/images/movie/88346/photo/8f68d504394ff311.jpg?1607044613

画像出展元URL:http://eiga.com

概要

『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』などのダニエル・ラドクリフ主演のアクション。闇サイトを運営する組織の怒りを買ったプログラマーが、両手に拳銃を固定された状態で殺し屋との戦いを強いられる。監督は『デビルズ・メタル』などのジェイソン・レイ・ハウデン。『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』などのサマラ・ウィーヴィング、『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』などのネッド・デネヒーらが共演する。(シネマトゥディより引用)

感想

低予算の小作品ながら

D・ラドクリフと言えば、「ハリー・ポッター」シリーズの主役として世界中にその名を知られる俳優ですが、個人的にはその後、代表作と言われるような作品には中々巡り合えていない印象があります。

とはいえ、例えば2016年の「スイス・アーミー・マン」の死体のように、ぱっと見アホぽいというかマンガっぽいんだけど印象深い役柄も演じていて、もしかしたら低予算の小作品ながらメッセージ性や作家性の強い作品を自ら選んでいるのかも?なんて、本作を観ながら思ってしまいました。

暴力とは無縁な主人公が何らかの理由で殺し合いゲームに強制参加させられる。というストーリー自体は、いわゆる「デスゲームもの」のテンプレではありますが、本作の主人公のマイルズソーシャルゲームプログラマーで、彼女のノヴァ(ナターシャ・リュー・ボルディッゾ)にはフラれ、会社では体育会系上司にいびられ、溜まりに溜まったうっ憤をSNSYouTubeのコメント欄を荒らすことで晴らしているオタクなんですね。

ざっくりストーリー紹介

そんなある日、参加者同士の殺し合いを中継する闇サイト、「スキズム」を見つけたマイルズは酔いに任せて嵐コメントを投稿。
これがスキズムの運営元であるギャングのボス・リクター(ネッド・デネヒー)の怒りを買い、アパートに乗り込まれ、麻酔銃で眠らされ、気がついたら銃を両手にネジ止めされて、スキズム最強のプレイヤー・ニックスサマラ・ウィーヴィング )と闘わされることになる――というストーリー。

https://eiga.k-img.com/images/movie/88346/photo/00ff2d14f1990d66/640.jpg?1609051238

画像出展元URL:http://eiga.com

デスゲームもの主人公の多くが、理不尽にデスゲームに参加させられる被害者であるのに対し、本作のマイルズはある意味で自業自得というか、因果関係がハッキリしているんですね。

メタ的に現代社会の縮図を示唆!?

また、ネットE・スポーツのように中継していることや、殺し合い自体を、街を舞台にオープンワールドのように描写することで、これまで限られた舞台で箱庭的に描かれてきた「デスゲームもの」というジャンルを現代的にアップデートしているのです。

https://eiga.k-img.com/images/movie/88346/photo/d53fd2ab4ae3f8d2/640.jpg?1609051240

画像出展元URL:http://eiga.com

それは(マイルズのキャラクターを含め)現代のネット社会やSNSに広がる闇も同時に描いているんですよね。

とはいえ、街中で堂々と殺人ゲームが行われ、それがネット中継されているという本作の設定だと「一体、警察や国は何をしてるんだ」っていう違和感に繋がってしまうんですが、ラストのマイルズの独白で本作が(意識的に)マンガっぽい世界観にしている事が分かるんですね。

それは「スキズム」やそれを見ている視聴者たちの姿が、メタ的に現代社会の縮図になっていることの示唆にもなっている――みたいな感じなのかなーと思ったり。

いやいや、それは考え過ぎですねw

80年代アクション映画をオマージュ

本作の監督のジェイソン・レイ・ハウデンは、デビュー作「デビルズ・メタル」で悪魔を召喚してしまったヘビメタ少年たちの騒動を描き、1980年代に量産されたホラー映画のテイストをオマージュしていたオタク監督。

本作でも、主人公マイルズの部屋には「ランボー/怒りの脱出」や「コマンドー」のポスターが貼られてたり、ロングコートの代わりにナイトガウンの裾をはためかせての二丁拳銃&スローモーションは「男たちの挽歌」だったりと、80年代アクション映画オマージュ満載で、多分、彼が本作に込めたメッセージはシンプルに「クソリプするやつは地獄に落ちろ!」なんでしょうねw

タイトルの「アキンボ」とは

ちなみに、本作のタイトル「ガンズ・アキンボ」はそのまま「2丁拳銃」のこと。
アキンボとは元々「両肘を張って両手を腰に当てた」不屈の決心を表すポーズ(「前へ倣え」の先頭の人のポーズね)らしいんですが、両腕の”くの字”がホルスターから銃を抜く時のポーズに似ていることから、二丁拳銃を意味する言葉になったのだそうですよ。

https://eiga.k-img.com/images/movie/88346/photo/caf9536164ef387c/640.jpg?1603082086

画像出展元URL:http://eiga.com

ともあれ、ダニエル・ラドクリフが両手に銃をネジ止めされて困った顔をしてる、あのビジュアルのインパクト一発で観たくなっちゃうと思うし、実際に観てみるとテンポもいいしポップで楽しく、時間もほぼ90分とコンパクトにまとめられてるので観やすいし、気楽に楽しめると思います。

興味のある方は是非!!

 

▼良かったらポチッとお願いします▼


映画レビューランキング