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「カンフー・ジャングル」(2015) 感想

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、海外でも広く活躍し『ローグワン/スターウォーズ・ストーリー』にも出演する中国出身のアクション俳優、ドニー・イェン兄貴主演の『カンフー・ジャングル』ですよー!

そのタイトルの通り、往年の香港カンフー映画の流れを汲んだ、その筋のファンにはたまらない作品でしたー!

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あらすじと概要

香港・中国合作のカンフーアクション映画。
香港版原題の『一個人的武林』の武林とは、中国武侠小説に登場する用語で、武術を身につけた者たちが所属する社会のこと。

香港の中国返還後、中国大陸の急激な経済成長に吸収されてゆく香港映画界の中で、長年アクション映画に携わってきた監督のテディ・チャンが、衰退したカンフーアクション映画とそこに従事してきた人々に対するリスペクトを込めて作った作品。

ある武術一門の一番弟子であり警察学校の教官を務めていたハーハウ・モウ(ドニー・イェン)は、他流試合で対戦相手を殺してしまい服役している。
そんなある日、テレビで南拳の達人が撲殺されるという事件のニュースを目にしたハーハウは、事件の陣頭指揮を執るロク警部(チャーリー・ヤン)に会うために刑務所で乱闘騒ぎを起こした。

面会に来たロクに対し、ハーハウは事件解決の協力をする代わりに自分を釈放しろと要求する。

本作では監督の呼びかけによりゴールデン・ハーベスト会長のレイモンド・チョウをはじめ、カンフー映画黄金期を支えた数多くの映画人がカメオ出演し、また、カンフー映画の名作、監督、名優たちもテレビの画面やポスターで登場している。

 

感想

実は僕がドニー・イェンを初めて知ったのは遅く、また『イップマン』『孫文の義士団』と『モンキーマジック/孫悟空誕生』くらいしかちゃんと観ていないという、あまり熱心なファンではないんではありません。

で、今回もDVDで本作を観たんですが、ことカンフーアクションに関して言えば、本作が一番濃厚というか、『モンキーマジック~』で感じた鬱憤を吹き飛ばすような、ザ・ドニーイェンアクションを堪能出来る一本となっています。

現代に蘇った『武侠映画』

中国や香港の映画(ドラマ)のジャンルに『武侠モノ』というのがあります。
武術に長け、義理を重んじる人々を主人公としたヒーロー映画で、日本で言えば『時代劇』のテイストが一番近いような気がします。

ジャッキー・チェンの初期の作品も、ジャンルで言えば『武侠モノ』に入るんじゃないかな?

で、本作はそんな『武侠モノ』を現代劇としてアレンジ。さらに若干のミステリーサスペンス要素で味付けされた作品となっています。

この武侠モノに登場するのが原題にもある『武林』で、これは言わば、武術関係者の社会というか、コミニティーというか。

ものすごくザックリ言うなら『カンフー協会』的な感じなのかなー?

カンフーミステリー?映画

上記のように、本作は香港伝統のカンフー映画に若干のミステリー要素がプラスされています。
ある日、一人の男が殺されるんですが、その男はカンフー(拳技)の達人なんですね。
本作では、カンフーを構成する要素として、拳技、足技、擒拿(掴み技)、武器、外功、内功というのがあって、犯人はそれぞれのジャンルの達人を倒す(相手の土俵で戦い殺害する)ことで最強のカンフーマスターになろうとしているわけです。

この、サイコな犯人を演じているのがワン・バオチャン。
身長161cmと小柄ながら、キレッキレのアクションと演技力で、ドラマや映画に引っ張りだこの俳優らしいですよ。(嵩山少林寺で6年間修行した経験があるらしい)

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で、ドニー兄貴が演じるのは、ある門派の一番弟子で弟子も沢山いて、警察の武術指導も勤めていたんですが、自分の門派を広めようと他流試合をしていたら、うっかり相手を殺してしまい刑務所に服役中という男。

テレビのニュースで事件を知った彼は、「これは武林を狙った犯行だ!」と見抜き、陣頭指揮を執るロク警部と接触すると、事件に協力する代わりに釈放してほしいと要求。警察とともに、犯人逮捕に乗り出すという物語です。

ただ、まぁ、このミステリー展開はアクションを観せるためのオマケみたいなもので、その後のあるどんでん返しも、「な、なんだってーっ!」と驚くほどのシーンはないんですけどね。

往年のファンなら熱くならずにいられないカンフーアクションの数々!

本作の白眉は何といっても、往年のカンフー映画を彷彿とさせるドニー兄貴のカンフーアクションです!

以前も書いたような気がしますが、香港が中国に返還されて以降のカンフー・アクション映画は、重力を無視したド派手なワイヤーアクションやCG演出で、とても華やかで豪華になった反面、ジャッキー世代の僕としては非常に物足りなくも感じていたんですよね。

本作でも、もちろんワイヤーアクションやCGは使われてはいるものの、中国映画的、例えば『英雄』や『レッドクリフ』的な、ド派手なワイヤーアクションやCGではなく、できる限りドニー兄貴やワン・バオチャンの身体能力を生かした生の迫力を感じさせる、カンフーアクションとなっているし、アクションの舞台立てや構成も「おっ!」と思わせる目新しさのある、熱いアクションが展開されてました!(*゚∀゚)=3ムハー

冒頭、刑務所でのドニー兄貴の1対多勢のシーンや、ワン・バオチャン演じる犯人フォン・ユィシウがそれぞれに達人と戦うシーン、ドニー兄貴とワン・バンチャンのチェイスシーン、そして二人が車がビュンビュン行き交う高速道路での13分7秒にも及ぶクライマックスの対決シーン。

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どのシーンも、アイデアと役者の身体能力を活かした素晴らしいアクションでした!

二人の決着がつくシーンは、まぁ、ありがちと言えばありがちな展開ですが、観客の好みが変わり、思うような映画が撮れないもどかしさというか、諦観のメタファーでもあるのかなー? なんて少し勘ぐっちゃったりしましたねー。(〃ω〃)>

ともあれ、昨今の香港映画はアクションがヌルすぎる! とお嘆きのファンも、ドニー・イェンって誰? という方も、どちらの人たちも楽しめるカンフー映画だと思いますよー!

興味のある方は是非!

ドニー・イェン主演作品▼

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