今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

ノルウェーの伝承を現代的に再解釈「トロール・ハンター」(2012)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「スケアリーストーリーズ 怖い本」 (2019)や「ジェーン・ドウの解剖」 (2016)のアンドレ・ウーヴレダル監督、2010年の作品『トロール・ハンター』ですよー!

昨日、Amazonレンタルで100円セールしてたので観てみました。

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概要

ノルウェーなどの北欧に住む伝説の妖精トロールの衝撃的な実態に迫った異色映画。取材中にノルウェーで“トロール・ハンター”と出会った学生たちが、ハンターと行動を共にする中で、誰も知らなかったトロールの生態を暴き出す。謎の多いトロール・ハンターを演じるのは、ノルウェーのコメディアンであるオットー・イェスパーセン。サンダンス映画祭など各国の映画祭を席巻した、モンスターのような迫力あるトロールの姿や、ブラック・ユーモアあふれるストーリーや描写は必見だ。(シネマトゥディより引用)

感想

ノルウェーの伝承を現代的に再解釈

本作は、熊の密猟事件を取材していた大学生3人組が密猟者だと睨んだ男を追いかけたら、男は密猟者ではなくトロールハンターで、三人は男と行動を共にしながらトロールの実態に迫っていく――というPOV形式の疑似ドキュメンタリー(モキュメンタリー)です。

トロールとは北欧の民間伝承に登場する妖精で、日本では「ムーミン」や「トトロ」が有名ですよね。

しかし、北欧の伝承に登場するトロールはそんな可愛いものではなくて、森や山をテリトリーにしていて、悪臭を放ち、知能が低く、醜悪な容姿で狂暴なのだとか。
サイズや容姿はさまざまで、本作で登場するヨットナールというトロールはなんと60mもあるんですよね。

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本作では国に雇われて、テリトリーを離れて人畜に害をなすトロールを処分するハンターのハンス(オットー・イェスパーセン)を通して、想像上の妖精トロールノルウェーの在来生物として再解釈、その生態をドキュメンタリー風にみせているのが面白いところなんですね。

肉食性で寿命は1000年から1200年。
例えば頭が3個あるリングルフィンチというトロールの場合、本物の頭は一個だけで残り2個はただの突起物だそうです。
その頭(突起)が立派なほどリングフィンチの中で優れているとされ、それが雌へのセックスアピールにもなっているのだとか。

そんなトロールに共通する弱点が日光(紫外線)で、紫外線を浴びると血管にガスがたまって爆発したり、高齢の場合は身体が骨化するらしいんですね。
だからハンスはトロールに対し、銃火器ではなく強い紫外線を発するライトを武器に戦うのです。

ただ、トロールの生態の一つに、キリスト教徒の匂いを嗅ぎ分け襲い掛かるっていうのがあって、これはキリスト教の伝来によって信仰の対象としての立場を追われた恨みが原因らしいのですが。
この設定、キリスト教圏では常識なのかもだけど、日本人でキリスト教に疎い僕には、ちょっと飲み込みずらいというか、劇中でトロールがどのようにキリスト教徒と非キリスト教徒を嗅ぎ分けてるのか分からないし、生物の生態(設定)として違和感を感じてしまいましたねー。

細やかさと荒さが混在

一方、トロール・ハンターのハンスは、国の機関であるトロール保安機関(TST)からトロール出現の連絡を受けて現場に向かいトロールを狩るんですが、彼が住居にしているトレーラーハウスの電灯には紫外線ライトが取り付けられていて、彼は日焼け止めを塗って紫外線ライトの中で暮らしているわけです。

まぁ、そこはちょっとした笑いのシーンでもあるけど、ハンスの「暗いと眠れない」という一言で、これまでトロールとの闘いの中で彼がどれだけ恐ろしい思いをしてきたかが分かる上手い演出でもあるんですね。

その一方で、トロールが登場するまでのシーンはテンポも悪くて冗長だし、トロールの存在を隠蔽しているハズのTSTの職員が、3人が撮影してるカメラやデーターを取り上げないのもよく分からない。
映像的にもPOV形式を意識してか、繋ぎがやたら荒かったり何がどうなってるか分からないような荒いシーンも多々あったり。

トロールのCG描写がショボいとかもあるけど、それでもデジカメのナイトモードの画面を通すなど、安っぽさを隠そうともったいぶらず、割と序盤からトロールの姿をガンガン見せるのは好感が持てましたねー。

あと、本物のノルウェー大統領の「トロールガス田のこと」について話している演説を、トロールの実在を仄めかす失言に見えるよう切り張りして使うラストシーンなんかは気が利いてるし面白いって思いました。

トータルで見れば映像が安っぽかったり諸々荒かったりする小作品ながら、アンドレ・ウーヴレダル監督の後の作品に通じる一筋縄ではいかない作家性が垣間見える、見ごたえのある作品でした。

興味のある方は是非!!

 

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観てる間は楽しいポップコーンムービー「モンスターハンター」(2021)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、カプコンの大人気ゲームを「バイオハザード」シリーズのポール・W・S・アンダーソンとミラ・ジョボヴィッチ夫妻が実写映画化した『モンスターハンター』ですよー!

個人的には楽しかったけど、原作(ゲーム)ファンの人たちはどう思うのかなー?なんて考えながら観てましたねー。

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概要

世界的にヒットしたカプコンのゲームを『バイオハザード』シリーズなどを手掛けたポール・W・S・アンダーソン監督が実写映画化。アンダーソン監督の妻ミラ・ジョヴォヴィッチを主演に迎え、モンスターが存在する異世界に迷い込んだ戦闘軍のサバイバルを描く。『マッハ!』シリーズなどのトニー・ジャー、ラッパーのティップ・“T.I.”・ハリス、『殺し屋』などのロン・パールマン、ドラマ「平成物語 なんでもないけれど、かけがえのない瞬間」などの山崎紘菜らが出演。(シネマトゥディより引用)

感想

ポール・W・S・アンダーソンの戦略

本作の監督であるポール・W・S・アンダーソンと言えば、世界三大映画賞で監督賞を受賞している名監督ポール・トーマス・アンダーソンと名前が酷似してるばっかりに、映画ファンからは「じゃない方のポール・アンダーソン」なんて不名誉な呼び方をされたりもしていますが、実は1994年のデビューから今まで、ほぼ途切れることなく作品を発表し続けてるんですよね。

カルト的な人気を誇った「デス・レース2000年」のリメイクシリーズや、ジャンル映画界の2大キャラクターを対決させた「エイリアンVSプレデター」など人気映画のリメイク。

世界的大ヒットとなりアンダーソン監督の代名詞にもなった「バイオハザード」シリーズや今年リメイク版が公開された「モータル・コンバット」(1995)などビデオゲームの実写映画化など、これまで数多のボンクラ映画を手掛けてきた”こっち側”の監督で、しかもバイオシリーズで主演を務めたミラ・ジョボヴィッチと結婚するなど、まさにオタクドリームを手にした勝ち組。つまり、本来は僕らボンクラ映画ファンにとってポール・アンダーソンと言えば、”トーマス”ではなく、”W・S”のハズなのです。

ところがこのポール・W・S・アンダーソン監督、何故かボンクラ映画ファンからも、イマイチ評価されてない感じなんですよねーw

まぁ、僕も彼の作品をすべて観てるわけではないので断定はできませんが、多分この人の作品って、ネタ元作品のツボっていうか、一番の「核」になる部分を外しちゃってる感じがするんですよねー。
むしろ元ネタの設定だけ頂いてキャラや物語は自分勝手に変えちゃうというか、「ぼくのかんがえたさいきょうの〇〇」にしちゃうというか。

日本の映画監督で言うと山崎たk……げふんげふん。

要するに原作や元ネタに対してリスペクトが感じられないところが、原作ファンやボンクラ映画ファンからも評価されない理由なのかなと。

その一方、人気ゲームやカルト映画などある程度の集客を見込める、いわゆるオタクカルチャー作品を実写映画化&フランチャイズ化することで、コンスタントに作品を作り続けるという戦略自体は上手いし賢いなーと思ったりするんですよね。

ざっくりストーリー紹介

そんなポール・W・S・アンダーソン監督がバイオハザードの次に目をつけたのが、カプコンの大人気ゲーム「モンスターハンター」です。
主役のナタリー・アルテミス大尉を演じるのは奥さんのミラ・ジョボヴィッチで、救援メッセージを残して砂漠で行方不明になったチームの捜索にきていたナタリーの小隊が謎の砂嵐に巻き込まれ、気が付けばモンスターの住む異世界に引き込まれていた――というストーリー。

で、右も左も分からない彼女らは、砂の中を泳ぐディアブロスや、毒グモっぽいネルスキュラに襲われ壊滅。何とか生き残ったナタリーは異世界人で仲間とはぐれたハンタートニー・ジャー)と出会い、お互い家(ホーム)に戻るため共闘するんですね。

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僕はゲームってほとんどしてなくて、「モンハン」もタイトルと、モンスターをハントするらしいくらいは知ってますが、あとはYouTubeのゲーム実況でちらっと見た程度で。

なので、どこまでが元ネタに沿っていて、どこからがアンダーソン監督のオリジナル設定なのか全然分からないんですよね。

いや、ミラ・ジョボヴィッチたち陸軍がモンハンワールドに迷い込むのは絶対に映画オリジナル設定だと思いますけどね。

いいところも悪いところも

でもまぁ、予算的にも時間的にも、(怪獣を含めた)モンハンのキャラや世界観をイチから説明するのは大変なので、軍隊を登場させることで現実世界との接点を作り、重火器が効かないことでモンスターの強さを表現するのは、映画用の改変としては悪くないと思いました。あと、異世界人のトニー・ジャーとミラ・ジョボヴィッチがまったく言葉の通じないままボディーランゲージや表情でコミュニケーションをとるとか、モンスターのいない世界から来た兵士たちの目を通して、モンスターの怖さをホラーテイストで描く冒頭シーンも個人的には面白かったです。

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まぁ、ネルスキュラの描写はいくら何でもエイリアンに寄せすぎじゃね?とは思いましたけどもw

そんな感じで良い部分も沢山ある映画なんですが、一方で、予算の都合か部隊が砂漠ばかりで画変わりしないとか、それゆえアクションシーンでのキャラの立ち位置や行動が把握できず観てて混乱するとか、映像的にもストーリー的にもテンプレの使いまわしで新しさや驚きは一切ないとか、アイルー(ネコ獣人?)があんまり可愛くないとか、ディテールの描き込みが雑で映像が安っぽく見えるとか、まぁ気になるところも多々あったり。

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あと、あちこちにほったらかしな伏線や設定が、シリーズ化する気満々だなーと思いましたねー。露骨すぎだろって言うw

まぁ、色々気になるところもあるし、結局モンハン風味のポール・W・S・アンダーソン映画ではあるものの、良いところもあるし少なくとも観てる間は退屈せずに楽しめるポップコーンムービーだったと思いますねー。

興味のある方は是非!!

 

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80年代アクション映画をオマージュ「ガンズ・アキンボ」(2021)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ハリー・ポッター役として一世を風靡したダニエル・ラドクリフ主演の英・独・新共同映画『ガンズ・アキンボ』ですよー!

実生活のうっ憤をネット荒らしで晴らしてたD・ラドクリフが、両手に拳銃をネジ止めされデスゲームに参加させられるという、ぶっ飛んだ物語でした!

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概要

『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』などのダニエル・ラドクリフ主演のアクション。闇サイトを運営する組織の怒りを買ったプログラマーが、両手に拳銃を固定された状態で殺し屋との戦いを強いられる。監督は『デビルズ・メタル』などのジェイソン・レイ・ハウデン。『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』などのサマラ・ウィーヴィング、『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』などのネッド・デネヒーらが共演する。(シネマトゥディより引用)

感想

低予算の小作品ながら

D・ラドクリフと言えば、「ハリー・ポッター」シリーズの主役として世界中にその名を知られる俳優ですが、個人的にはその後、代表作と言われるような作品には中々巡り合えていない印象があります。

とはいえ、例えば2016年の「スイス・アーミー・マン」の死体のように、ぱっと見アホぽいというかマンガっぽいんだけど印象深い役柄も演じていて、もしかしたら低予算の小作品ながらメッセージ性や作家性の強い作品を自ら選んでいるのかも?なんて、本作を観ながら思ってしまいました。

暴力とは無縁な主人公が何らかの理由で殺し合いゲームに強制参加させられる。というストーリー自体は、いわゆる「デスゲームもの」のテンプレではありますが、本作の主人公のマイルズソーシャルゲームプログラマーで、彼女のノヴァ(ナターシャ・リュー・ボルディッゾ)にはフラれ、会社では体育会系上司にいびられ、溜まりに溜まったうっ憤をSNSYouTubeのコメント欄を荒らすことで晴らしているオタクなんですね。

ざっくりストーリー紹介

そんなある日、参加者同士の殺し合いを中継する闇サイト、「スキズム」を見つけたマイルズは酔いに任せて嵐コメントを投稿。
これがスキズムの運営元であるギャングのボス・リクター(ネッド・デネヒー)の怒りを買い、アパートに乗り込まれ、麻酔銃で眠らされ、気がついたら銃を両手にネジ止めされて、スキズム最強のプレイヤー・ニックスサマラ・ウィーヴィング )と闘わされることになる――というストーリー。

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デスゲームもの主人公の多くが、理不尽にデスゲームに参加させられる被害者であるのに対し、本作のマイルズはある意味で自業自得というか、因果関係がハッキリしているんですね。

メタ的に現代社会の縮図を示唆!?

また、ネットE・スポーツのように中継していることや、殺し合い自体を、街を舞台にオープンワールドのように描写することで、これまで限られた舞台で箱庭的に描かれてきた「デスゲームもの」というジャンルを現代的にアップデートしているのです。

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それは(マイルズのキャラクターを含め)現代のネット社会やSNSに広がる闇も同時に描いているんですよね。

とはいえ、街中で堂々と殺人ゲームが行われ、それがネット中継されているという本作の設定だと「一体、警察や国は何をしてるんだ」っていう違和感に繋がってしまうんですが、ラストのマイルズの独白で本作が(意識的に)マンガっぽい世界観にしている事が分かるんですね。

それは「スキズム」やそれを見ている視聴者たちの姿が、メタ的に現代社会の縮図になっていることの示唆にもなっている――みたいな感じなのかなーと思ったり。

いやいや、それは考え過ぎですねw

80年代アクション映画をオマージュ

本作の監督のジェイソン・レイ・ハウデンは、デビュー作「デビルズ・メタル」で悪魔を召喚してしまったヘビメタ少年たちの騒動を描き、1980年代に量産されたホラー映画のテイストをオマージュしていたオタク監督。

本作でも、主人公マイルズの部屋には「ランボー/怒りの脱出」や「コマンドー」のポスターが貼られてたり、ロングコートの代わりにナイトガウンの裾をはためかせての二丁拳銃&スローモーションは「男たちの挽歌」だったりと、80年代アクション映画オマージュ満載で、多分、彼が本作に込めたメッセージはシンプルに「クソリプするやつは地獄に落ちろ!」なんでしょうねw

タイトルの「アキンボ」とは

ちなみに、本作のタイトル「ガンズ・アキンボ」はそのまま「2丁拳銃」のこと。
アキンボとは元々「両肘を張って両手を腰に当てた」不屈の決心を表すポーズ(「前へ倣え」の先頭の人のポーズね)らしいんですが、両腕の”くの字”がホルスターから銃を抜く時のポーズに似ていることから、二丁拳銃を意味する言葉になったのだそうですよ。

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ともあれ、ダニエル・ラドクリフが両手に銃をネジ止めされて困った顔をしてる、あのビジュアルのインパクト一発で観たくなっちゃうと思うし、実際に観てみるとテンポもいいしポップで楽しく、時間もほぼ90分とコンパクトにまとめられてるので観やすいし、気楽に楽しめると思います。

興味のある方は是非!!

 

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MCU初のアジア系ヒーロー登場!「シャン・チー/テン・リングスの伝説」(2021)

ぷらすです。

2021年9月3日公開のMCU劇場新作『シャン・チー』を劇場で観てきましたよー!

いやー、面白かった!!
いや、もちろん100点満点とまでは言えないし、劇中、気になるところもないではないですが、MCUヒーローのオリジン(紹介編)としては十分に楽しめる映画でしたよ!

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概要

アベンジャーズ』シリーズなどを手掛けるマーベル・スタジオによるヒーローアクション。悪の組織を率いる父親の恐ろしい計画に巻き込まれていく主人公の姿を描く。『黒い司法 0%からの奇跡』などのデスティン・ダニエル・クレットンがメガホンを取る。シム・リウが主人公、『インファナル・アフェア』シリーズなどのトニー・レオンが父親を演じ、『クレイジー・リッチ!』などのミシェル・ヨー、『フェアウェル』などのオークワフィナらが共演する。(シネマトゥディより引用)

感想

MCU初のアジア系ヒーロー登場!

MCU(劇場版)前作「ブラック・ウィドウ」の感想で、僕はなぜフェーズ4の第1弾が「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」ではなかったかついて「フェーズ4以降のMCUでは、国籍、人種関係なく様々なヒーローが活躍する」というマーベルの宣言ではないかと考察しました。

実際ディズニープラスのドラマ版では(コロナの影響で「ブラック・ウィドウ」と順番が入れ替わってしまったけれど)『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)後の世界を舞台に、スカーレット・ウィッチことワンダ・マキシモフ が真の力に目覚める? 「ワンダヴィジョン」や、ファルコンことサム・ウィルソンが2代目キャプテン・アメリカを襲名するまでを描いた?「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」など、新たな流れを感じずにはいられません。(説明に?がついてるのは僕がまだMCUドラマを未見だからです)
まぁ「ロキ」や「ホワット・イフ...?」なんかは、今後MCU作品の中核となる“マルチバース”を説明する感じ?だと思いますが。(まだ観てないけど)

そんなMCUフエーズ4劇場第2弾として作られたのが本作、MCU初のアジア人ヒーロー「シャン・チー」なのです。

原作コミックでは1973年初登場と以外に古株で、カンフーマスターではあるけれど特別な能力はない普通の人間っていうクリリン的キャラクターらしいんですが、それでも超能力を持つヴィランと肉弾戦を繰り広げ、何人ものヴィランをやっつけてきたそうですよ。

ちなみに、そんなシャン・チーのモデルは、あのブルース・リーだそう。
1973年と言えば「燃えよドラゴン」の公開で一大カンフーブームが起こっていた頃で、そこにインスピレーションを受けたスタン・リーが、カンフーで戦うヒーローを生み出したんですね。

っていう情報を聞いていたので、最初に本作の予告編を観た時は「え……この人が主役なの…?」と不安になるくらいシャン・チー役のシム・リウは見た目が地味だったんですよねーw

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さらに、本作のヒロインでありシャン・チーの親友兼サイドキックでもあるケイティを演じるオークワフィナは、見た目ちょっとおばちゃんっぽいし声の方もかなりのハスキーボイス。

日本やアジア圏製作の映画だったら絶対主人公やヒロインにはならなそうな2人です。

いかにも西洋人がイメージするアジア人って感じで、ホント、色々大丈夫なのかなぁ? って思ったわけですが、いざ蓋を開けてみれば、序盤こそ多少の違和感を感じたものの、物語が進むにつれシャンチーとケイティ、さらにシャンチーの妹シャーリンメンガー・チャン)もみんな大好きになっちゃいましたよ!

本作は、そんなシャン・チーがマーベルヒーロー「シャン・チー」になるまでの物語、つまりはオリジンなので、まだMCU作品を1本も観たことがない人でも十分楽しめると思いますよ!

ざっくりストーリー紹介

そんな本作はシャン・チーの父親であるシュー・ウェンウートニー・レオン)と、彼が持つテンリングスという10本の腕輪の伝説からスタート。
なんと、シャン・チーのお父さんはテン・リングスの力で不老不死となり、現在1000歳オーバーのスーパーご長寿ですが、「テン・リングス」という組織を作って長年世界を裏から牛耳っているのです。

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そう、「アイアンマン」が誕生するキッカケになったあの組織です!

まぁ、結局「アイアンマン3」でトニーが対峙した「テン・リングス」とマンダリンは真っ赤な偽物だったわけですが、本作のテン・リングス、そして本家マンダリンこそがシャン・チーの父親でもあるシュー・ウェンウーなんですね。

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で、場面変わってアメリカでホテルの駐車場係をしているボンクラ青年シャン・チーは、相棒で親友のケイティとカラオケしたり共通の友人にもっとちゃんとするよう説教されたり、それなりに楽しく暮らしていたんですが、ある日、通勤バスで突如、腕が刀の厳つい男にママの形見のペンダントを寄越せと迫られます。
最初は「人違いでは?」と逃げ腰のシャン・チーでしたが、男がケイティに暴力を振るったことで激おこ☆
バスの中で男やその部下を相手に大立ち回りを始め――という物語。(まだネタバレしてないよ!)

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ちなみにウェンウーの登場シーンではジェット・リー主演の「HERO」、シャン・チーママとの出会いのシーンでは「グリーン・ディスティニー」をオマージュ。
シャン・チーのバスの格闘シーンは多分ジャッキー・チェンの「ポリス・ストーリー」がオマージュだし、序盤のビルの足場を舞台に戦うシーンは「プロジェクトA2」のオマージュではないかと。

天下のマーベル映画ですから、どの作品でもアクションが凄いのはもはや誰もが知るところですが、本作では思った以上にしっかりカンフー映画してくれてたのは嬉しかったですねー。

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まぁ、終盤~クライマックスにかけてはMCU作品というよりディズニー映画感の方が強かったですけどもw
もっと言うと、クライマックスは2000年以降のお金持ちになった中国が大予算で作ったファンタジー映画寄りの絵面というか、例えばCGの作り方なんかがハリウッドのリアルを目指したソレではなく色合いが無駄にキラキラしてるというか。
まぁCGにするものが、ビルとか車とか爆発などの無機物ではないし、今回のシャン・チーはドクター・ストレンジ寄りのファンタジー系な世界観なので仕方ないのかもでけどね。

ただ、それをもって「MCUが中国資本におもねった――」的な見方は些か短絡的に過ぎると思うし、ましてや、観てもいないのに批判してるような阿呆は何をか言わんやです。
お前らはもう一生映画観るな。

「ブラック・パンサー」的違和感

あと、本作で感じたのは以前観た「ブラック・パンサー」と同じ違和感でした。
つまり一言で言うと「アメリカ人がイメージするアジア」ですよね。

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ブラック・パンサーではアフリカの架空の国ワカンダや部族同士のしきたりが出てきましたが、本作でもいかにもアメリカ人が考える中国(というかアジア)が描かれていて、まぁそれは物語内リアリティーがそうなっているのだからと言われればそれまでですが、MCUに今後も登場するであろう他国のヒーローを映画化する時に、ヒーローの母国をどう描くかは、多様性を目指すMCUの今後の課題でもあるような気がします。

という感じで、アチコチ気になるところはあるし、物語的にも100点満点とは言えませんが、それでも本作が初登場のアジア系ヒーローのオリジン(=紹介編)であると考えれば、個人的には十分面白かったんじゃないかと思いましたねー。
特に、シャンチー、ケイティ、妹のシャーリンの三人が、今後MCUでどんな活躍をするのかは、めっちゃ気になるし楽しみですよー!

興味のある方は是非!!!

 

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現代の西部劇でありイージーライダーの続編でもあり「ノマドランド」(2021)

ぷらすです。
今回ご紹介するのは、今年の冬に公開予定のマーベル映画「エターナルズ」の監督作品でもあり、また今年のアカデミー賞では監督賞を受賞したクロエ・ジャオ監督作『ノマドランド』ですよー!!
Amazonレンタルで視聴。前作「ザ・ライダー」は未見の状態。
今年3月公開ということで、ある程度の内容や事情は把握して見たんだけど、最初に感じたのは「映画館で観るべきだった」という後悔でしたねー。

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概要

ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション小説を原作に、「ノマド(遊牧民)」と呼ばれる車上生活者の生きざまを描いたロードムービー金融危機により全てを失いノマドになった女性が、生きる希望を求めて放浪の旅を続ける。オスカー女優フランシスマクドーマンドが主人公を演じ、『グッドナイト&グッドラック』などのデヴィッド・ストラザーンをはじめ、実際にノマドとして生活する人たちが出演。『ザ・ライダー』などのクロエ・ジャオがメガホンを取り、第77回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で金獅子賞を獲得した。(シネマトゥディより引用)

感想

「物語」というよりはセミドキュメンタリー

本作では主人公のファーンを演じるフランシス・マクドーマンドと、ファーンに想いを寄せるデイブを演じるデヴィッド・ストラザーン以外、本当にノマド生活を送る人たちをキャストに起用しているそうです。

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画像出展元URL:http://eiga.com  /実際にノマド生活を送るリンダ・メイ

それはクロエ監督の前作「ザ・ライダー」とほぼ同じ手法らしく、「ザ・ライダー」では主人公を始め、登場人物は役者さんではなく本人らしいんですね。

つまり本作は、役者さんの演技でストーリーを見せるタイプの作品ではなく、映像で物語を語るタイプの作品であり、彼ら、彼女らの背後に映る雄大な自然もまた本作の重要なファクターなのです。
という事を踏まえると、自室の36インチテレビの画面では、本作本来の魅力がかなり目減りしてしまうのは間違いないんですよねー。

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画面に映し出される雄大で美しい自然の中で、開拓時代を思わせる放浪生活を送るノマドの人々。
本作の、そうした絵画のように美しい画は、映画館の大画面で観てこそ100%の魅力が伝わる様に設計されていたんですね。

現代の西部劇であり「イージーライダー」の続編でもあり

本作に登場するノマドの人たちは総じて高齢者であり、日本で言えば団塊の世代
つまり、美しい理想の世界と自由を求めたヒッピー(フラワーチルドレン)世代なんじゃないかと思います。

しかしながら、夢破れて社会の一部に収まったハズの彼ら彼女らが老年を迎えた今、様々な事情で社会から放り出され、幌馬車のようなRV車で季節労働をしながら国中を放浪するとは、何とも皮肉な話だと思わずにいられない。
しかもその原因がかの悪名高きリーマンショックですからね。
放浪はしないまでも家を失いトレーラー生活の人も沢山いると聞くし、もっと酷い生活をしたり、全てを失った人々も。
にもかかわらず、リーマンショックの責任者は莫大な年金をもらって悠々自適の老後とか、もう、ふざけるのもいい加減にしろ!って話ですよ。
主人公のファーンが住んでいたネバダ州の企業城下町エンパイアの町は企業の倒産によって郵便番号までなくなり、住人はみんな町を追い出されたわけですね。
で、夫を亡くしていたファーンは、自ら改造したオンボロRV車に最低限の荷物と夫との思い出の品を積み込んでノマド生活を始めるのです。

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画像出展元URL:http://eiga.com

これって何もアメリカだけの話ではなく、日本だってリーマンショックの余波を喰らって以降めっちゃ不景気状態が続いてるし、毎年のように起こる自然災害に加え、コロナ禍によって事態は悪化の一途で明るい未来が見えない。
なので、僕くらいの年齢になると本作のノマドたちは近い未来の自分の姿かもしれないと思ってしまうんですよね。とても他人事だとは割り切れない。

劇中、自由を謳歌する誇り高きノマドたちの後ろに迫る「老い」と「自己責任」という名の不安に、どうしても目が行ってしまって心の奥がザワザワするというか。

僕は原作は未読だけど、内容的には彼ら高齢のノマドを安い賃金で使い搾取するAmazonを始めとしたアメリカの大企業や政府への問題提起がメインのノンフィクションらしいんですね。

ただ、本作はそんな原作とは少々趣を変え、ファーンの目を通して見聞きしたノマドの人たちの自由で誇り高き暮らしぶりを、壮大な自然をバックに(その厳しさも含めて)抒情的に描いているように見えました。
それは決して原作の意向を無視しているわけではなく、ノマドという生き方を送る人々に対する最大限の敬意なのだと思いましました。

冒頭、バッタリ出会った臨時教師時代の教え子に「先生はホームレスになったの?」と聞かれ、「ホームレスではなくハウスレス。全然違うのよ」と答えたファーンが、後半で大きな”ホーム”を手に入れる。
ストーリーを要約すると、本作はそういう物語なんですよね。

興味のある方は是非!!

 

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めっちゃお金をかけたトロマ映画!「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」(2021)

ぷらすです!!
今日、劇場で観てきましたよ!

ジェームズ・ガン監督の『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』をね!!

いやいやもうね、かなり控えめに言って――

最☆高!!でしたーーー!!(」*゚∀゚)」ウェーイ!

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

DCコミックスの悪役たちを集めて結成された「ザ・スーサイド・スクワッド」が、巨大な敵に立ち向かう姿を描くアクション。圧倒的に不利な条件の下、減刑と引き換えに悪役たちが激しいバトルを繰り広げる。監督と脚本を手掛けるのは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズなどのジェームズ・ガン。『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』などのマーゴット・ロビー、『パシフィック・リム』などのイドリス・エルバ、『ロボコップ』などのジョエル・キナマンらが出演する。(シネマトゥディより引用)

感想

スーサイド・スクワッド」って何なのさ

タイトルにもなっている”スーサイド・スクワッド“は日本語に直訳と「自殺部隊」になります。
第2次世界大戦中のロシアやドイツ軍では、軍規を犯した犯罪者に戦死確実の超過酷な任務をさせたという史実があったそうで、(恐らく)それをヒントに戦後ハリウッドでは、ならず者たちの使い捨て部隊が自殺同然の困難な任務をやり遂げるという戦争娯楽映画が数多く作られたんですね。
日本映画で言えば「兵隊ヤクザ」なんかもこの流れなのかな?

で、それらの映画にヒントを得てDCコミックは、政府が刑務所に収監されているDCヴィランたちで組織した使い捨て部隊、「タスクフォースX」が様々な裏の任務をさせられるというコミックを1959年から刊行、1987年にはバージョンアップされた第2弾が刊行され、シリーズは現在も続いているんですね。

そして、MCUの成功に倣い、デヴィッド・エアー監督版の「スーサイド・スクワッド」が2016年、DCヒーローを一つの世界に集結させる映画シリーズ「DCエクステンデッド・ユニバース」(DCEU)の3作品目として、公開されます。

この作品、予告編の異常な出来の良さから、観客の期待値はMAX状態だったんですが、いざ蓋を開けてみたら「あれ……?何か、思ってたのと違う……」ってなりましてね。
興行成績は結構良かったハズだし、この映画でマーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインというキャラクターが跳ねたわけですが、作品の評価としては(僕の知る限り)かなり低かったように思います。

一方、マーベルコミックの実写映画シリーズ「マーベル・シネマティック・ユニバース」(MCU)で2014年に公開された「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(GotG)は、監督も登場キャラクターもまったくの無名ながら、公開されるやファンのハートを鷲掴み、MCU作品――というより、その年のジャンル映画――いや、洋画ナンバー1ヒットを叩き出したんですね。

そのGotGでメガホンを取ったのが、当時はまだ知る人ぞ知るインディー監督だったジェームズ・ガン

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画像出展元URL:http://eiga.com / 新生”スースク”のメンバーたち。ハーレイクインとリック・フラッグ大佐は前作から続投。

そんな彼のキャリアのスタートは「悪魔の毒々モンスター」シリーズなど、グロ・悪趣味・エロ・不謹慎など、インパクト重視のバカバカしい低予算映画、いわゆる「Z級映画」専門のインディー映画制作会社トロマ・エンターティメント
そこで彼は2本の作品を制作、2002年公開の「スクービー・ドゥー」や2004年公開「ドーン・オブ・ザ・デッド」では脚本を担当し、脚本家、映画監督として名前を上げていき、そしてMCUに大抜擢されGtoGの大ヒットで一躍名を知られる存在になるのです。

そして続編「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVOL.2」も大ヒットし、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのガンでしたが、好事魔多し

リベラル派のガンはTwitterでトランプ批判を行いますが、これに腹を立てたトランプ派の男がガンのツイートを漁り、ガンが過去に呟いた不謹慎ギャグを掘り起こして晒したんですね。(なんか、どっかで聞いたような話)

ちなみにその件のツイートに関してガンは、GtoGの監督をする前に謝罪しているんですが、それを知らなかった人も多く、結構な騒ぎになったらしい。
で、マーベルの親会社でもあるディズニーはガンとの契約を解除となり、ガンの監督生命もGtoG3も消滅の危機に立たされるわけです。

そんな傷心のガンに声をかけたのがDCで、ガンは手始めに「ブライトバーン/恐怖の拡散者 」という、もしも子供時代のスーパーマンが反抗期を迎えたらヤバイっていうホラー作品を制作。
そして、「スーサイド・スクワッド」の続編(というか事実上のリブート)である本作の監督に抜擢され、コロナ禍での延期を含みながらも日本では2021年8月13日、めでたく公開に至ったわけですねー。

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画像出展元URL:http://eiga.com / 向かって左から、 ポルカドットマン、ピースメイカー、ブラッドスポート、ラットキャッチャー2。

ちなみに、ファンやGtoGキャスト・スタッフらの嘆願と(多分)金の卵をDCに引き抜かれた焦りから、ディズニーは慌ててガンを呼び戻し、GtoG3もめでたく製作される運びになり、彼はDCEUとMCUを股にかけて作品を製作する稀有な監督となったわけです。

その辺はガン監督の人望と実力あればこそだと思いますし、個人的に件のトランプ派の男を一生許す気はありませんが、結果として彼のおかげでマーベル・DC両社でガン監督作品が観られることになったのは行幸というほかなく、まぁ結果オーライなのかなとw

めっちゃお金をかけたトロマ映画=これがザ・スーサイド・スクワッド!!

というわけで、新生スーサイド・スクワッドを観てきたわけですが、感想を一言で言うならめっちゃお金をかけたトロマ映画でしたw

お行儀のいいディズニー傘下のマーベルでは絶対不可能であろう超露悪的な切り株ゴア描写満載、もろもろ不謹慎な描写も満載、お下品&超くだらないギャグも満載。

これぞトロマ魂!っていうか本来ジェームズ・ガンはこっち側の人だった!と思い出させてくれる超楽しい一作だったし、スースクのキャラクターって基本、ジョーカーやペンギンなどの人気ヴィランとは違い、DCヴィランの中でも二流三流の使い捨てヴィランばかりで、そのへんが本作での”トロマ感”ともピッタリハマっていたんですよね。

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画像出展元URL:http://eiga.com / カイジュウも登場!?

それでも観ていて不快にならないのは、作品の根底に弱者やはぐれ者たちに対して徹底的に寄りそう、ガン監督の姿勢…というか視線?あればこそ。

その姿勢は、インディー時代の「スリザー 」 (2006) や「スーパー!」(2010)から一貫しているし、その一方で「正義(ジャスティス)」もしくは「正義の味方(ヒーロー)」に対してガンは、常に懐疑的な視線も投げかけているんですよね。正義そのものというよりは力(権力)の傲慢さや暴走なのかな。

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画像出展元URL:http://eiga.com / ハーレイ・クインは今回も最高!

ジェームズ・ガン作品では常にこの2つの視線が混在していて、それが彼の作家性にも繋がってるし本作もまさにそういう物語で、ネタバレになっちゃうので詳しくは書けませんが、本作の悪役はそのままアメリカという国のメタファーになってるし、だからアレも星の形になってるのかなーなんて勘ぐったりしました。
そういう意味で本作は非常に政治的メッセージを含んだ物語で、極めて露悪的なグロ描写は本作のテーマを絵的に表現しているとも言えますが、逆にそのメッセージ性を盾にエログロやりたい放題している面もあって、その辺は表裏一体なのかなとw

また、ガンは元々脚本家ということもあって、ストーリー構成が見事なんですよね。
本作も132分と昨今のビックバジェット作品としては短めですが、その枠の中にストーリーに必要な情報、テーマ性、笑いやアクションなどなどエンターテイメントに重要なものは全部キッチリと収めているのが実に見事です。

さらにワードセンスも抜群で、例えば、敵地潜入の休憩中、眠ってしまったラットキャッチャー2ことクレオ・カゾ (ダニエラ・メルシオール)を、お腹を空かせたキング・シャーク(シルベスタ・スタローン)が頭から丸かじりしようとするシーン。

そこはブラッドスポートイドリス・エルバ)が間一髪止めるんですが、その後クレオが「友達も食べるの?」と聞くと、キング・シャークは「友達はいない」って答える。

その短いやりとりと周りの表情を映すことで、キング・シャークのこれまでの人生だけでなく、彼ら(スースクメンバー)が同じ孤独を抱えている事が分かるわけですねー。

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画像出展元URL:http://eiga.com / 嘘みたいだろ…こいつ、スタローンなんだぜ…

ぶっ飛んだ展開やバカバカしい笑いの合間に、こういうちょっとしたワードやシーンを積み重なることでキャラが立ち、だからクライマックスのあるシーンでは観てるこっちも、爆笑しつつも思わずグッときてしまう。

まさにジェームズ・ガンの真骨頂と言った感じだったし、これがスースクだろ!って思いましたよ。

もちろん劇中挿入される楽曲選びや、ポップでカラフルでちょっとレトロフューチャーな色使いも最高でした。

興味のある方はぜひ!!!

 

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車大喜利ここに極まる!「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」(2021)

ぷらすです。

今日、劇場に見に行ってきましたよ。
ワイルドスピード/ジェットブレイク」をね!

いやー、間にホブス&デッカードW主演のスピンオフを挟んでいるとはいえ約5年ぶりのシリーズ最新作は、最初から最後まで見せ場山盛りアクション全部乗せって感じでしたねー!

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

人気カーアクション『ワイルド・スピード』シリーズの9作目。主人公ドミニクと苦楽を共にしてきたファミリーの絆を揺るがす新たな試練が描かれる。ドミニク役のヴィン・ディーゼルをはじめ、ミシェル・ロドリゲスジョーダナ・ブリュースターらおなじみの面々が集結し、『ワイルド・スピード ICE BREAK』に出演したシャーリーズ・セロン、プロレスラーのジョン・シナらが共演。『ワイルド・スピード EURO MISSION』などシリーズ4作の監督を務めたジャスティン・リンがメガホンを取る。(シネマトゥディより引用)

感想

ワイスピ・クロニクル

2001年公開の「ワイルドスピード」から約20年をかけシリーズ9作目となる本作は、本来昨年公開の予定がコロナ騒動で1年延期され、また劇中の人気キャラ・ホブス&デッカードW主演のスピンオフ作品「ワイルドスピード/スーパーコンボ」(2019)を挟んだとはいえ、前作「ワイルド・スピード/ ICE BREAK」(2017年)から約5年ぶり。まさにファン待望の新作になります。

今でこそマッスルカ―やスポーツカーを使ったド派手過ぎるおバカアクションが売りの本シリーズですが、2001年の第1作は低予算ではないけど今ほどビックバジェットでもなく、わりと中規模でストーリーもしっかり練られた硬派な映画という印象でした。

続く第2作「ワイルド・スピードX2」(2003年)では主役の一人ドミニク・トレット役のヴィン・ディーゼルと監督のロブ・コーエンが降りたことで、もう一人の主役ブライアン・オコナー役のポール・ウォーカーを単独主演にジョン・シングルトン監督で制作するも、前作ほどのインパクトや面白さには届かず。

3作となる「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」(2006)では、ヴィン・ディーゼルに続き、ポール・ウォーカーら前作までのメインキャストを確保できなかったことから、舞台を東京に移して独自の文化「ドリフト」にスポットを当てた作品を制作。
ここで初めて、後に6作目までシリーズを牽引することになるジャスティン・リン監督が初登板するんですが、そもそも主役の二人が出ない「ワイルド・スピード」の評価は低く、興行成績もイマイチの結果に。

一方、ヴィン・ディーゼルの方も、この間に出演した主演作がことごとく失敗。
そこで、ジャスティン・リンが監督を続投し、ヴィン・ディーゼルポール・ウォーカーミシェル・ロドリゲスジョーダナ・ブリュースターらオリジナルメンバーが再度集結する形で続く第4作「ワイルド・スピード/MAX」(2009)を公開。評価は割れたものの久しぶりのヴィン、ウォーカーのW主演ということで作品はヒットします。

続く5作目「ワイルド・スピード/MEGA MAX」では、ストリートレースやカーマニア要素はほぼ排して車を使った強盗アクションシリーズに転換。
銃撃戦や乱闘、強盗などのアクションとチームプレイがメインになり、また元プロレスラーで人気アクション俳優の“ロック様“ことドウェイン・ジョンソンがホブス捜査官として初登場した事でも話題に。

そして2013年公開の第6作「ワイルド・スピード EURO MISSION」では、第4作で死んだはずのドミニクの恋人レティ(ミシェル・ロドリゲス)が実は生きていたり、ドミニカたちがレーシングカーやスポーツカーで戦車と戦うなど、盛りだくさんの内容に。

この勢いのまま製作に入った第7作「ワイルド・スピード/SKY MISSION」(2015)では、監督をジャスティン・リンから「ソウ」シリーズなどのジェームズ・ワンに交代。
ところが、撮影途中で主役格の一人ポール・ウォーカーが突然の交通事故により死亡。
残りのシーンを彼の兄弟などの協力を得て撮影し、また、ヴィン・ディーゼルドウェイン・ジョンソンジェイソン・ステイサムら豪華キャスト集結ということで作品はシリーズ最高の興行収入を叩き出し、ここに「ワイルドスピード」シリーズは一つの頂点を迎えるんですね。

ちなみに、ポール・ウォーカーが演じていたブライアンは、劇中ではドムたちと分かれて家族と平穏暮らすことを選んだ(つまり生きている)という設定になっています。

続く8作目「ワイルド・スピード/ICE BREAK」(2017)では、敵役に「MADMAX:怒りのデスロード」のシャーリーズ・セロンを迎え、ついには車で潜水艦と戦ったり、魚雷を素手で掴んで敵に投げつけたりと、何かもう行くところまで行った感じでしたが、前作ほどのインパクトは残せずという印象。

そして、前述したようにホブス&デッカードを主役に据えたスピンオフ「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」を挟む形で、2021年の今年、ヴィン・ディーゼルと共にワイスピシリーズを支えてきた功労者、ジャスティン・リンが2作品ぶりに監督に復帰して本作「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」が製作・公開されたんですねー。

あらすじ紹介

そんな本作のあらすじをざっくりご紹介すると、息子のリトルB(なんとヴィン・ディーゼルの実の息子らしい)と人里離れた田舎で平穏に暮らすドムヴィン・ディーゼル)とレティミシェル・ロドリゲス)夫婦のもとに、ある日、チームの仲間テズ(クリス・“リュダクリス”・ブリッジス)、ローマン(タイリース・ギブソン)、ラムジー(ナタリー・エマニュエル)の三人が訪ねてきます。

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画像出展元URL:http://eiga.com

と言うのも、彼らの素にCIAのミスター・ノーバディカート・ラッセル)から救難要請が送られてきたというんですね。

どうも、ノーバディーは専用機で超ヤバイ兵器(というかガジェット)を輸送中に襲われたようで、彼らがGPSを辿って墜落場所に着くと、当然のように襲い掛かってきた敵の中に、なんとドムの実の弟ジェイコブジョン・シナ)の姿が。

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画像出展元URL:http://eiga.com プロレスラーで俳優のジョン・シナと前作から引き続き登場のシャーリーズ姐さん

ちなみにそのヤバい兵器とは、世界中のコンピューターをハック出来る装置らしく、ジェイコブと仲間たちはそれを使って世界転覆を企んでいるらしい。

ドムと仲間たちは、そんなジェイコブらの計画から世界を守るため世界を駆け巡り――という物語。

うん、まぁ、つまりはいつものワイスピですよw

これは予告編でもバンバン流れているのでネタバレじゃないですが、第9作目にしてドムに弟がいたとか、3作目で死んだハズの仲間ハン(サン・カン)が実は生きてたとか、もう今さら驚きもしませんよ。

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画像出展元URL:http://eiga.com すっかりオッサンになったサン・カン演じるハン

ワイスピシリーズでは後付け設定なんて普通だし、死んだハズのキャラは実は生きてた――も当たり前ですからね。

とはいえ一応、今回語られるドムとジェイコブの過去の因縁(の原因)については、第1作で語られてはいるんですが、これは第1作の時点で本作の構想(ドムに兄弟がいる設定)を考えていたわけではなく、多分、本作の設定を考えてる時に第1作で語られた設定を思い出したって感じなんでしょうね。

さらに本作では、第3作「TOKYO DRIFT」の主役ショーン・ボズウェル(ルーカス・ブラック)を始め過去作で登場したキャラクターたちが次々に登場。

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画像出展元URL:http://eiga.com こちらもすっかりオッサンになったルーカス・ブラック

さしずめワイスピ版「アベンジャーズ」的なお祭り感満載なんですよね。

というのも、本作はワイスピ最終章三部作の第1作に位置付けられていて、残り2作でワイスピはシリーズの幕を閉じるという事らしいです。

大喜利ここに極まれり!

さて、そんなワイスピのもう一つの魅力と言えば、ドムが駆るマッスルカ―、ダッジ・チャージャーを始めとしたスーパーカーを使って何が出来るのかっていう、いわば”車大喜利

その始まりは多分、第5作「MEGA MAX」で、巨大金庫を二台のチャージャーSRT-8で街中引っ張りまわすというカーアクションからだと思うんですね。
で、これでリミッターが外れたというか、続く「EURO MISSION」ではハイウェイ上で戦車と戦い、第7作「SKY MISSION」では車でスカイダイビング。高層ビルと高層ビルの間をジャンプ、そしてクライマックスでは軍事ヘリを撃破。

あげく「ICE BREAK」では潜水艦と戦闘・撃破するなど、本数を重ねるごとに大喜利はインフレを重ね、そして本作では車でバンジーしたり超強力磁石を使ったり、そしてクライマックスではとうとう――。

と、その先は是非ご自身の目で確かめて欲しいんですが、もうね、さすがに行きつくところまで行きついちゃったっていうか、それ以上はありませんよっていう。

ただ、ここでそれをしたのがテズとローマンってところが、第1作から追っているファン的には熱い展開でしてね。

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画像出展元URL:http://eiga.com 古参キャラとしてワイスピを支えるテズとローマン

2人は第2作から登場している古参キャラながら、次々に新キャラが登場する本シリーズでは(元々の資質もあるけど)徐々に脇に追いやられている感じだったんですが、本作では割と序盤からフューチャーされていて、そしてクライマックスではヘタレのローマンがついに男を見せるっていう。

その辺は、やはり4作目~6作目にかけてシリーズやキャラクターをずっと支えてきたジャスティン・リン監督だからこそって感じの展開なんですよねー。

とはいえ、2時間25分はさすがに長すぎるとは思ったりしましたけども。

リアルだからこその迫力

で、本作の白眉でもある超強力磁石を使った街中でのカーチェイスシーン。
予告編でも使われているので観ている人も多いと思うんですが、実はこのシーン、ほぼほぼCGではなく実車を使ってのカースタントなんですよね。
YouTubeで探すと公式で短いメイキングが観られるんですが、走行してる車や停車してる車をワイヤーで引っ張って衝突させたり、跳ね上げ機を使って車を吹っ飛ばしたり。

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画像出展元URL:http://eiga.com

もちろんCGは使われてるんでしょうけど、それはあくまでワイヤーを消すとか補助的な役割であって、実はワイスピってシリーズ1作目から、人間と実車によるスタントやアクションにこだわっているし、だからこそ車の質感や質量を伴ったリアリティーと迫力溢れる映像になってるんですよね。

まぁ、さすがにやり過ぎてて毎回笑っちゃうんですけどもw

あと、本作でもブライアンがちゃんと“いる”ことにしてくれているところは、思わずグッときてしまいました。

そんなわけでシリーズも残すところあと2作。楽しみにしたいと思います!

興味のある方は是非!!

 

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