今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

シンプルなストーリーに何層にもレイヤーが重ねられている「NOPE ノープ」(2022)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ハリウッドのスター監督の一人ジョーダン・ピール制作で、昨年公開された『NOPE ノープ』ですよー!

公開時から、映画好きの間ではめっちゃ評価の高かった本作。

僕は都合が合わなくて劇場では観られなかったんですが、今回、Amazonレンタルで鑑賞して、評価の高い理由がよく分かりましたねー。

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概要

ゲット・アウト』『アス』などのジョーダン・ピールが監督、脚本、製作を務めたサスペンススリラー。田舎町の上空に現れた謎の飛行物体をカメラに収めようと挑む兄妹が、思わぬ事態に直面する。『ゲット・アウト』でもピール監督と組んだダニエル・カルーヤ、『ハスラーズ』などのキキ・パーマー、『ミナリ』などのスティーヴン・ユァンのほか、マイケル・ウィンコット、ブランドン・ペレアらが出演する。(シネマトゥディより引用)

感想

劇場で観るべき作品だった

2017年公開の「ゲット・アウト」2019年公開の「アス」で世界的に名前を知られたジョーダン・ピール監督。

元はコメディアンとして、キーガン=マイケル・キーとのコンビ「キー&ピール」としてテレビ番組などで活躍。その後、脚本・監督を務めたホラー映画「ゲット・アウト」でアカデミー脚本賞を受賞。続く「アス」でも高い評価を受けて、今やハリウッドを代表するスター監督の一人になったんですね。

本作はそんなジョーダン・ピールの劇場長編第3作とあって、公開時から映画好きの間では高い評価を受けていたんですね。

僕も公開時気になっていたものの、都合が合わず劇場で本作を観ることが出来ず、今回Amazonレンタルに入っていたので早速視聴したんですが………やっぱ劇場の大画面で観るべきだったよねー(´Д`)

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いや、もちろん家のテレビで見ても内容が面白い事には変わりはないんですけどね。
でも、クライマックスのあのシーンは劇場の大画面で、出来ればIMAXで観れば、家で観る3倍楽しめたと思いましたよ。

本作の内容についてはずっと、決定的なネタバレこそ避けてきたものの、ある程度の内容は知った状態で観たわけですが、ストーリー自体はめっちゃシンプル。けれども、そこは、前2作品でも差別や格差社会などの問題を(メタ的に)描いてきたピール監督。

本作も「見る・見られる」という関係性を軸に、様々なメタファーをワンシーンの中に何重もレイヤーを重ねた多層的な作品になっていましたよ。

そこを面白いと感じられるか否かが本作の評価の分かれ目で、前2作以上に扱うテーマが象徴化・多層化されていることで逆に見えづらくなっている部分もあって、それゆえにピール監督の言いたいことが伝わらなかった人も多かったのかもしれません。

というわけで、ここから先はネタバレしていくので、まだ本作を未見の人、ネタバレ嫌いという人はご注意を。

初期スピルバーグAKIRAエヴァ!?

そんな本作の内容でよく言われているのが「未知との遭遇かと思ったらジョーズだった」で、確かに的を得てるなーとw

スピルバーグのファンであることを公言しているピール監督。
本作では、まさに初期スピルバーグのジャンル映画オマージュが、そこまかしこに散りばめられているんですね。

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他にも、大友克洋の名作「AKIRA」の露骨すぎるオマージュや、クライマックスでの「エヴァンゲリオン」を思わせる造形など、この辺はアニメオタクとしても有名なピール監督のボンクラっぷり(ほめ言葉)がよく出ているなーと思ったりしましたねー。

そんな本作のストーリーをざっくり紹介すると、

ある日、田舎町で広大な敷地の牧場を営むOJダニエル・カルーヤ)と父親が仕事中、空中から落ちてきたコインが顔面に当たり父親が(突き刺さり)死亡。

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その後、家業を受け継いだOJと妹エメラルド(キキ・パーマー)でしたが、父が生きていた時から経営は苦しく、元TVドラマの人気子役だったリッキー・“ジュープ”・パーク(スティーヴン・ユァン)の経営するテーマパークに馬を売って何とか生活していたのです。

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そんなある夜、ヘイウッド家の電子機器が全て使用不能となり、彼らは未確認飛行物体(UFO)が馬を連れ去り、父の死の原因となった無機物のかけらを吐き出しているのを発見。

このUFOを撮影し、一攫千金を狙うOJ兄妹は空を映す監視カメラを設置するのだが、実はこのUFOは生きていて目が合った生物を捕食する飛行生物だった――という物語。

OJとエメラルドは、OJが「Gジャン」と名付けたこの飛行生物をビデオカメラに収めようと行動を始めますが、彼らの馬を買い取っていたリッキーは、もっと早くGジャンの存在に気づいていて、買い取った馬をエサにGジャンを飼いならし、テーマパークの目玉にしようと画策していた事が後に分かります。

結果、OJ兄妹、リッキー、パパラッチや各メディアの誰が最初にGジャンの存在を世に知らしめるかという展開になっていくわけですが、相手は生物と見れば何でも食べちゃう空飛ぶ怪物ですからね。

後半、Gジャンに襲われ、OJたちも大ピンチに陥るのだが――という展開になっていくのです。

で、本作では、そんなGジャンの生態が前半から中盤にかけ、じわじわと明らかになっていきます。

1・雲に擬態している。

2・OJの牧場やリッキーのテーマパークなどを縄張りにしている。

3・目を合わせると攻撃してくる(食べられる)

4・無機物は消化できない。布などは器官に詰まるので吐き出す。

5・感情がある。怒らせると嫌がらせしてくる。

それらのルールが示されたところで、クライマックスでのOJ兄妹とGジャンの対決になり、結論から言えば、OJ兄妹がある方法でGジャンをやっつけたところで、物語は終わるんですね。

様々なメタファーと引用

そんな感じで物語自体は非常にシンプルな本作ですが、前述した通り、本作のテーマは「見るものと見られるもの」であり、ワンシーン・ワンカットに、本筋以外の色々なテーマやメッセージがメタ的に含まれています。

旧約聖書のナホム書第3章6節「わたしはあなたに汚物をかけ、あなたをはずかしめ、あなたを見せものとする。」という引用から本作はスタートします。

OJの家業は映画撮影用に調教したタレント馬のレンタルで生計を立てていて、父亡きあと、映画撮影の現場に馬を連れてきたOJですが、言う事を無視した映画スタッフが馬に蹴られそうになったことをOJたちのせいにされクビにされるというシーン。

ここは、映画関係者に馬の調教師が軽んじられているというシーンですが、(恐らくは)意図的にOJが黒人だから軽んじられて見えるように撮られているし、馬が暴れるシーンは、その後のリッキーの子役時代のエピソードや、OJやリッキーがGジャンで一儲けしようという後半のエピソードにも呼応するように作られています。

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リッキーが子役として出演していた「ゴーディ 家に帰る」は、アメリカ人家族とチンパンジーのゴーディのふれあいを描くシットコム(ホームコメディ)です。

しかしある日の撮影中、フーセンの割れる音をキッカケに狂暴化したゴーディによって、出演者が次々襲われるという事件が起こり、ゴーディと直接目を合わせなかったリッキーだけは無事だったというエピソードが明かされます。

映画の冒頭や中盤にかけて、分割される形でこの事件の概要が明かされていくのですが、ゴーディの誕生日プレゼントに父親が腕時計を贈ると、母か娘が「ゴーディは時計の針を読めないでしょ」とツッコミを入れるというギャグが入っていて、その直後にゴーディが暴れ出すんですね。

彼らはゴーディに対して家族ぶっているけど、この白人の父・母・姉は、ゴーディが自分たちより下だという事を笑いのネタにしている。で、ゴーディが暴れると銃殺されるという展開は明らかに白人の黒人差別を暗喩していて、それを、リッキーの視点で見せているんですよね。

他の家族は攻撃したけど、テーブルの下にいたリッキーだけは攻撃されなかったし、一瞬、心が通じたように見えるシーンもある。

本当は、単に風船の音に驚いたゴーディが暴れ出し、テーブルの下に隠れてゴーディと直接目を合わせなかったリッキーだけが攻撃されなかっただけだと思いますが、白人キャストの中で一人アジア系だったリッキーも、(直接は描かれてないけど)撮影中に人種差別を感じ、同じく差別されていたゴーディに仲間意識を感じていた→ゆえに自分は攻撃されなかった。と変換されているわけです。

なので、リッキーはGジャンとも心が通じると思い、餌付けをしていたんだけれど――という後の展開に続くんですね。

で、この二つのエピソードは、冒頭のナホム書の「あなたを~見せものに」にも呼応しているんですよね。

 

OJがこの飛行生物に名付けた「Gジャン」という名前。

これはエメラルドが初めて調教するハズだった馬の名前で、しかし、父親は約束を反故にしてOJにGジャンの調教をさせるんですね。

エメラルドは「父は私を見ていなかった」と言いますが、これは家父長制や女性差別を表していて、父親はエメラルドを跡継ぎとしては見ていなかったけど、兄のOJはそんな妹の事をちゃんと見ていたというエピソードに繋がるのです。

事程左様に、本作では見るもの、見られるものの関係を色々な角度から描くことで、差別や格差など、現代社会の様々な問題を映し出しているんですね。

 

こんな風に書くと、何だか難しい作品のように感じるかもしれませんが、前述した通り、物語自体は主人公vs人食い生物という一本道の単純明快なストーリーだし、特にクライマックスの熱い展開は最高にぶち上るモンスターパニック映画なんですね。

特に、後半でGジャンをカメラに収めるための囮として、愛馬を駆るOJの姿はまさに西部劇で、めっちゃ上がりましたよ。

あえて言えば

そんな感じでめっちゃ楽しんだし、各エピソードを呼応するように配置したり、一つ一つのエピソードで、しっかり前フリしてオチをつけていく丁寧な作劇は「RRR」に近いものを感じました。

ただあえて言えば、後半部分は面白いんだけど、前半部分は後半へのフリのシーンが多く、多少かったるい印象を受けたかも。

あと、事前に想像していたよりは大人しいというか、思ったよりちゃんとしてるなーという印象。

もっとはっちゃけた映画を想像してたんだけど、その辺、ピール監督生来の真面目さが出ちゃったのかなーなんて思ったりもしました。

それでも、十分すぎるほど面白かったですけどね。

興味のある方は是非!!

 

 

最強の座組で描かれる湯浅版どろろ「犬王」(2022)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、古川日出男の原作小説「平家物語 犬王の巻」をアニメーション監督の湯浅政明がアニメ映画化した『犬王』ですよー!

タイミングが合わず、公開時に劇場で観られなかっらんですが、Amazonレンタルに入っていたので視聴しました。

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概要

夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』などの湯浅政明監督が、古川日出男の小説「平家物語 犬王の巻」をアニメ化。室町時代に人々を魅了した実在の能楽師と、その相棒となった琵琶法師の友情を描く。脚本を『罪の声』などの野木亜紀子、キャラクター原案を「ピンポン」などの漫画家・松本大洋、音楽を『花束みたいな恋をした』などの大友良英が担当。ボイスキャストは、犬王をロックバンド「女王蜂」のアヴちゃん、相棒の友魚を『苦役列車』などの森山未來が務める。(シネマトゥデイより引用)

感想

最強の座組で描かれる時代絵巻

本作の原作「平家物語 犬王の巻」は、TVアニメ化された古川日出男原作の「平家物語」のスピンオフとして描かれた物語です。

南北朝から室町初期。後に能楽狂言として体系化される「猿楽」の家に生まれた子・犬王は、観阿弥世阿弥と並ぶ人気猿楽師として活躍。

ところが、観阿弥世阿弥と違い、現在犬王の謡曲は現在一つも残ってなくて、その人生も謎に包まれているらしいんですね。

本作ではそんな犬王を、呪いによって生まれた異形の子として描き、平家の亡霊の声を聴き、無き事にされた平家の物語を演舞することで体のパーツを取り戻していくという設定になっているのです。

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つまりは手塚治虫の「どろろ」と同じ設定なんですが、どろろが、体のパーツを奪った妖怪を倒すことで取り戻すのに対し、本作では時の為政者によって「無かったことにされた」平家の物語を、犬王が演じ舞うことで呪いを解き、自身のパーツを取り戻していくんですね。

それは、障害を持って生まれたことで「いない子供」にされた彼自身の境遇とも重なっているし、この設定自体が現代日本――というよりもっと普遍的な『世界』を映すメタファーでもあり、もっと言えばこの物語は創作や表現そのものを描いた物語でもあるのです。

そんな原作小説を、今や日本を代表するアニメ監督の一人である湯浅政明が監督し、脚本は数々の人気ドラマを手掛ける野木亜紀子、音楽を「あまちゃん」の音楽などで知られる大友良英が担当。

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犬王の声と歌を女王蜂のアヴちゃんが、犬王の親友となる琵琶法師・友魚(友一・友有)を森山未來が演じるなど、豪華すぎる最強の座組で制作されているのが本作「犬王」なんですね。

まるでロックコンサート!? 圧巻のライヴシーン

そんな本作の白眉は、何と言っても犬王と、友有と名を変えた友魚が立ち上げた「友有座」が、二人が出会った橋とその下の河原を使って繰り広げる圧巻のライブシーンではないでしょうか。

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女物の着物を着て化粧を施した友有が、バンド仲間と橋の上で犬王のこれまで(半生)を歌い(客の呼び込み?)、その下の河原では電飾を使ったように思わせるド派手なセットのステージがあり、その中で平家の亡霊から収集した物語をグラムロック調の音楽に合わせて犬王が歌い、舞う。

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天叢雲剣に込められた平家の呪いを受け盲目になった友有が、平家の呪いを身体に受けた犬王の半生を歌い、その犬王が平家の物語を演舞として語ることで己の身体を取り戻す。ライブでは観ている客を煽り、コールアンドレスポンスで大盛り上がり

まさにアニメだからこそ可能な表現というか、もしこれを実写でやったら、(時代考証的に)さすがに「そんなアホな」ってなると思うけど、アニメーションなら受け入れられるし、むしろブチ上がるシーンなのです。

とはいえ、このライブシーンに乗れるか否かが本作の評価の分かれ目というか、このアニメーションならではの飛躍に乗っかって楽しめる人は、「犬王サイコー!」となるだろうし、逆にこのシーンに乗れない人は(´ε`;)ウーン…ってなっちゃうかもです。

個人的に気になったところ

で、僕はと言えばこのライブシーン自体にはかなりぶち上がったんですけど、その一方で気になったのは、ライブシーンの映像、主に観客のリアクションなどのカットに使いまわしが多かったように見えたんですよね。

その辺は予算の問題なのかもだし、もしかしたら使いまわしではなく全部ちゃんと描いているのかもしれないけど、少なくとも僕には「あれ、このカットさっきも見たよな…」というのがノイズになったんですね。

このライブシーンは本作の一番重要なシーンでもあるので、なんなら他のシーンを削ってでも、ここにカロリーをかけて欲しかったなーと。

あと、歌詞がですね、よく分からないというか、聞き取れないところがあり。

何でも東京の劇場では歌詞付き上映があったらしいですが、折角アニメなんだからライブ演出の中に歌詞も盛り込んじゃえば良かったんじゃないかって思ったりしました。

ボカロの歌の歌詞をPVの中に出すじゃないですか。あんな感じ。

それで歌詞も分かれば、よりこのライブシーンの没入感が増したんじゃないかと思ったりしました。

その流れで言うと、湯浅監督のアニメ表現、野木亜紀子さんの作劇、大友良英さんの音楽、アヴちゃんのあの圧倒的な歌声、それぞれは素晴らしいんだけれど、四者の個性がまとまっていないというか、歯車がガッチリと噛み合っていない。やろうとしてることは分かるんだけど、少しだけ上滑りしてるような印象を受けたんですよね。

具体的にどこがどうとは言語化できないんですけども。

とまぁ、多少の個人的な残念ポイントはありながらも流石は湯浅監督。

ラストのあのシーンに至るまでずっと楽しませてもらったし、エンターテイメントに振りながらもかなり明確なメッセージ性が入っているのも、個人的には好みだと思いましたよ。

興味のある方は是非!!

ザ・昭和の人情噺「漁港の肉子ちゃん」(2021)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、あの、西加奈子の同名小説を明石家さんまがプロデュースしたことで話題になったアニメ映画『漁港の肉子ちゃん』ですよー!

お正月にテレビ放映していたので観てみましたが、「あーはいはい、さんまさんっぽいよねー!」って思いましたねー。

というわけで、今回は前半ネタバレなし、後半はネタバレありで感想を書くので、ネタバレイヤンな人は気を付けてください。

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概要

明石家さんまの企画・プロデュースにより、直木賞作家・西加奈子の小説をアニメ映画化。とある漁港に流れ着いた母娘の日常や、そこで出会う人々との交流を描く。アニメーション制作を『鉄コン筋クリート』などのSTUDIO4°C、監督を『海獣の子供』などの渡辺歩、キャラクターデザイン・総作画監督を『かぐや姫の物語』などの小西賢一が担当。ボイスキャストは、主人公・肉子ちゃんを大竹しのぶ、その娘をモデルやフルート奏者として活動するCocomiが務めるほか、花江夏樹中村育二マツコ・デラックス吉岡里帆らが名を連ねる。(シネマトゥディより引用)

感想

どこまでが原作準拠なのか

まず、先に白状しておきたいのは、僕が西加奈子さんの原作を未読だということ。

なので、あくまで映画だけの印象になってしまうんですが、一言で言うと、ザ・昭和の人情噺という感じで、作品に流れるイムズだったり、価値観だったりを含め、いかにもさんまさんが好きそうだし、物語もさんまさんっぽいなと思いました。

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僕の勝手な憶測ですが、西加奈子さんの原作では昭和回顧テイストは入れつつも、もっと現代的で広い年代層にアプローチ出来る作品になってるのではないかと思うんですよね。

例えば肉子こと見須子菊子大竹しのぶ)と、娘のキクコこと喜久子(Cocomi)の関係や、キクコと友達マリア(石井いづみ)の関係とか、キクコの同級生・二宮花江夏樹)の描写とか。

それが本作では、昭和回顧テイストの方をフューチャーしてしまったというか。「三丁目の夕日」とか「とんび」とかの、あの感じになってしまっているんですね。

でも、まぁ、僕も昭和生まれですからね。

この作品で表現したい事や、表現しようとしている事は大体わかるし、部分的には乗れるシーンもある。

でも、もっと若い層、例えばいわゆるZ世代の人が本作に乗れるかと言えば、かなり難しいんじゃないかって思いましたねー。

肉子ちゃんの造形

そんな本作、タイトルは「肉子ちゃん」ですが、実質的な主人公は娘のキクコの方。
基本、冒頭から最後までずっっっっっと、キクコの独白形式で物語は進んでいきます。

太っていて不細工だけど、とても明るくバイタリティーあふれる肉子ちゃんは、男にだまされ、フラれるたびに住む場所を転々と変えながらもひたむきに生き抜いてきた苦労人。

小説家志望の彼氏を追いかけ、瘦せっぽっちの幼い娘キクコと北の小さな漁港にたどり着いた肉子ちゃん。彼氏を見つける事は出来なかったけれど、焼き肉屋「うをがし」の店主サッサン(中村育二)と出会い、住居と仕事を世話してもらう。

最初こそ大変なこともあったものの、3年経った今では毎日賑やかに楽しく暮らしていた二人だが、11歳となって思春期を迎えたキクコは、友人たちとの関係や肉子ちゃんとの不安定な暮らしに頭を悩ませるようになっていく。というストーリー。

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で、そんな本作では他のキャラクターと比べ、肉子の造形や描写が『マンガ的』にキャラ化されているんですね。それは恐らく、作中での肉子の扱いについて嫌悪感を抱く人への対策なのかな。

とはいえ、肉子というキャラクターの持つファンタジー感が、ともすれば暗くキツい物語になりそうな本作の、ある種のクッション役になっているんですね。それでいて、演じる大竹しのぶの演技力によって、肉子は実在感のあるキャラクターにもなっているのです。

というわけでここからはネタバレありの感想になるので、お気を付けください。

なんで!?

もちろんそれだけではなく、監督は「怪獣の子供」の渡辺歩、作画監督スタジオジブリ一期生の小西賢一、脚本は「凪のお暇」の大島里美など、スタッフは超一流。

それだけに、クライマックス以降の展開は、なぜこんなことになってしまったのか、とても不思議なんですよね。

終盤、キクコが急な腹痛に見舞われ緊急入院するクライマックスから、物語は急展開。

それまでずっと、キクコ視点で進んでいたストーリーが、イキナリ肉子視点の回想になり、キクコの本当の母親と肉子、そして幼いキクコのこれまでが語られます。

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そして目を覚ましたキクコは、突然それまで抱えていた不安や「自分は誰にも望まずに生まれた」とオッサンに涙ながらに吐露。

オッサンはそんなキクコに「お前は望まれて生まれてきた!」と無根拠?に励まし、肉子と二人きりになったキクコは、肉子が本当の母でないことを4歳くらいから気づいていた(何故なら似てないから)と言い、その流れで、キクコの実の母は生きていて、しかもキクコを置いて失踪した後、金持ちの男と結婚、子宝に恵まれ幸せに暮らしているということを肉子に知らされ、でも、母親は余裕がなかっただけで、キクコのことをちゃんと愛している。先日の運動会もこっそりキクコの姿を見に来た。と知らされる。

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肉子に、もし本当のお母さんと暮らしたかったら、あたしに気を使わなくてもいいと言われたキクコは、私は肉子ちゃんが大好き!と言って、めでたしめでたし―――

って、そんな訳あるかー!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

っていうか、キクコが自分の出自に悩んでるとか、キクコが肉子は実母じゃないと気づいてたとか、実の母親がキクコを置いて失踪とか、そんな描写それまで1㎜も出てきてませんけど!?

なんか大急ぎで風呂敷を畳んだ感じだけど、そもそもその風呂敷まだ広げてもいませんからー!っていう。

おそらく、原作の小説版の方では、読者がちゃんと納得がいくように描かれていたと思うんですよ。

ところが本作では、何の前振りもなくいきなりキクコの心情吐露が始まり、彼女の出自や母親の新事実が明かされ、それらが何も解決することなく、ふわっと物語が終わっていくんですよね。

多分、キクコの独白からのオッサンのセリフとか、キクコが肉子に「肉子ちゃん大好き!」っていう所とか、普通ならメッチャ感動するシーンのハズなんだけど、あまりの唐突な展開にビックリし過ぎて、感情が追い付かないっていう。

そこまでは、思春期の入り口に立って不安定なキクコの心情を丁寧に描くジュブナイル物語として良い感じに進んでいただけに、このクライマックスからの怒涛の展開はかなり残念でしたねー。

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あと、ラストシーンのあの展開に不快感を示す人もいたかもだけど、ぐだぐだ引きづらずに、最後に『肉子お母さん』の顔のアップでスパっと終わったのは、個人的には良かったと思いました。

興味のある方は是非!!

ずっと匂わしだけかと思ったら――「LAMB/ラム」(2022)

明けましておめでとうございます。ぷらすです。

2023年の「今日観た映画の感想」第1回目は、意識高い系ホラーで名をあげたA24 が北米公開の権利を買い取り、カンヌの「ある視点部門」のオリジナリティ賞を受賞したことで話題になった、『LAMB/ラム』ですよ。

今回は前半はネタバレなし。後半はネタバレありの感想にしようと思うので、ネタバレイヤンな方はお気を付けください。

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概要

アイスランドの人里離れた場所に住む羊飼いの夫婦をめぐるスリラー。羊から生まれた謎の存在を育てる二人の姿を描き、第74回カンヌ国際映画祭のある視点部門「Prize of Originality」を受賞した。監督・脚本は『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』などに携わってきたヴァルディマル・ヨハンソン。『ミレニアム』シリーズなどのノオミ・ラパスが主演と製作を務めるほか、ヒルミル・スナイル・グドゥナソン、ビョルン・フリーヌル・ハラルドソンらが出演する。(シネマトゥデイより引用)

感想

北欧ヤバい系ホラー

北欧と言えば、例えば「特捜部Q」シリーズや「ミレニアム」3部作などの北欧ミステリー、「ぼくのエリ 200歳の少女」「ボーダー 二つの世界」「ミッドサマー」などの北欧ホラーと、ハリウッドとは違う独特な価値観を持っている印象。

本作「ラム」もそうで、舞台はアイスランドの人里離れた羊飼いの夫婦が主人公の物語。

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監督は、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」などで特殊効果を担当し、本作が長編映画デビュー作でもあるヴァルディマル・ヨハンソン

主演兼製作総指揮はスウェーデン版「ミレニアム」3部作で主役のリスベットを演じたノオミ・ラパスです。

そんな布陣で送られる本作、どんな映画かと言えば「北欧マジヤバい系」ホラーでしょうか。

前述したように、独自の価値観と文脈を持ち、北欧の風土に根差した作品の多い北欧ミステリーや北欧ホラーの作品群に連なる作品といいますか。

しかし、これまで僕が観てきた北欧系の作品群の中でも、本作がかなり異質な作品であることは間違いないんですね。

もっと具体的に言うなら、何か起こりそうな不穏な匂わせだけが延々続いて、あれ?このまま終わるのか?と思ったら、最後ど―――ん!「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」っていう映画。

監督自身が言うようにセリフを極限まで削った本作は、情報の少ないだけに、テーマやメッセージ、何のメタファーか、裏設定など、読み取ろうと思えばいくらでも妄想・考察出来てしまうけど、そうやって見ても正直、全然面白くない映画なんですよね。

むしろ、画面で起こっている事をそのまま受け入れた方が圧倒的に楽しく見られるっていう。

というわけで、ここから先はネタバレしていくので、ネタバレイヤンな方は先に映画を観てからこの先をお読みください。

 

 

ざっくりあらすじ解説

クリスマスの夜、動物たちが恐れる“何者か”がマリアノオミ・ラパス)と、夫のイングヴァルヒルミル・スナイル・グドゥナソン)の羊舎に侵入。一匹の雌羊に種付けをします。

それからしばらくして、その雌羊が生んだのは頭部から右半身が羊、左半身から下半身が人間の獣人。

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過去に、何らかの理由で娘を失い深く傷ついていたマリアは、この獣人の赤ちゃんに亡くなった娘と同じアダという名前を付けて可愛がりますが、娘を取られ執拗に抗議を繰り返す母羊(アダの生みの親)の事が疎ましくなったマリアは、ある日、銃で母羊を撃ち殺し埋めてしまうのです。

これでやっと平和な日々が訪れると思った矢先、仲間に捨てられた、イングヴァルの弟であるペートゥル(ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン)が、イングヴァルの家に帰って来てアダを発見。一度はアダを殺そうとしますが、やがてアダの可愛らしさにメロメロになって4人で暮らし始めます。

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今度こそ幸せな日々が訪れると思った矢先、大人三人が酒を飲んで羽目を外した際に表に出ていたアダは牧羊犬を殺し銃を盗んでいく”何か“を目撃。

一方、酒に酔ったイングヴァルが眠った隙にペートゥルがマリアを誘惑。ペートゥルは拒否するマリアに、母羊を殺したことをアダに話すと脅し関係を迫るも、マリアは屈すると見せかけてペートゥルを物置部屋に閉じ込め、翌朝、家を出ることにしたペートゥルをバス停まで送っていき、当面の生活費をペートゥルに渡すのです。

これで家族の幸せを奪うものはいなくなったと安心して帰宅したマリアでしたが、家に二人はおらず、遠くから銃声が聞こえる。

現場では、盗まれた銃で撃ち殺されたイングヴァルと、顔が羊、体は人間の全裸羊男(アダパパ)の姿が。羊男はアダを連れて山に帰り、その後イングヴァルの死体を見つけ、全てを失った事を悟ったマリアは、絶望の淵に突き落とされるのであった。という物語。

どうです?ヘンテコな話しでしょ?

ヨハンソン監督によれば、本作のストーリーは、アイスランドの神話を少し引用しているらしいんですが(冒頭の羊小屋のシーン?)、あとは監督自身の創作らしいです。

で、物語も、何か起こりそうな匂わせはあるけど、実際には何も起こらずの繰り返しで、すっかりこっちが安心した(もしくは色々考察している)その最後に、突如全裸マッチョの羊男が登場して、ちゃぶ台をひっくり返すんでねw

そしてこの映画、セリフが極端に少ない上に映像以外何の情報がほぼないので、キャラクターの感情や行動の意味が上手く読み取れない。

それは逆に、本作に考察の余地が沢山あるということでもあるんですね。

実際に会ったと思われる事

では本作の中で、実際に起こっているであろうことを書き出してみると、

1・マリアとイングヴァルは過去に娘(アダ)を亡くしている。

2・マリアとペートゥルは過去に男女の関係だった。もしくは不倫関係にあった。

3・マリアとイングヴァルが飼っているワンコとニャンコが可愛い。

4・マリアはアダママ(母羊)を撃ち殺して埋めた。

他にもあるけど、確実なのはこの4つだと思われます。

そして、この4つの事実から、彼女らの過去をあれこれ妄想してしまうんですよね。

例えば、亡くした娘アダは本当はマリアとペートゥルの子供だった。のではないか?とか。

そんな分からない物語に、統合性を持たせる一番簡単な方法は、実は犯人はマリアだった説ではないでしょうか。

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過去に娘のアダを失ったショックからおかしくなってしまったマリアは、ただの羊を半獣だと思い込み、夫のイングヴァルはそんなマリアに合わせていた。(映像はすべてマリアの脳内視点)

そんな自分の思い込みから、邪魔な母羊を殺し、アダを羊だと言うペートゥルと、ついでにワンコも殺し、最後に夫イングヴァル(とアダも?)を撃ち殺したところで、我に返ってぎゃ――!っていう。どうですか?筋は通るでしょ?

でもまぁ、仮にこのマリアサイコキラー説がこの物語の真実だったとしても、それってそんなには面白くない。っていうか逆にありふれている。

それより僕みたいなボンクラは、筋骨隆々全裸の羊男が母羊を殺された復讐を果たし、奪われていた娘を連れて山に帰っていった。の方が絶対面白いんですよねww

というわけで、僕的にこの映画は観たまんま、全裸マッチョ羊男の復讐物語に決定しました。

正直、中盤当たりは何も起こらないので結構退屈だし、セリフもBGMも殆どないので途中眠くなるかもですが、クライマックスのアダパパ登場シーンは超絶面白いので、興味のある方は是非!!

 

2021・2022年公開の映画、個人的ベスト10

ぷらすです。

今年も残りわずかとなり、年末恒例、今年公開された作品の中で僕が個人的に気に入った作品ベスト10をランキング形式でご紹介しますよー!

今年は、僕の体力や気力の衰えもあってか、昨年と比べても観た映画の本数が随分減ってしまい、また、観たい映画が僕の地元では公開されなかったり、Amazonレンタルやサブスクにも入ってなくて、まだ観られなかったり。

そんなこんなで、ランキングのジャンルも随分と偏ってしまいましたが、そんな、12月27日までに観た映画43本の中から、今年、2022年公開の作品と、2021年公開で今年観た作品からそれぞれベスト10を選んでみましたよ。

というわけで、まずは昨年、2021年公開で今年観た作品のベスト10からです。

2021年公開映画、個人的ベスト10

10位 ウイリーズ・ワンダーランド

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はい、我らがニコケイこと、ニコラス・ケイジ主演のホラーコメディー?です。

ニコケイといえば、レンタルビデオのビデオスルーB級映画棚の常連で、主演作品の8割がつまらないんですけど、ごく稀に、(決して名作とは言い難いけど)ニコケイの存在感とインパクトが忘れられない珍作・奇作があるんですよね。で、本作はそんな1作。

呪われた田舎町で車が故障したニコケイが、車の修理と引き換えに今は閉鎖している遊園地の清掃バイトをする。という映画。

しかし、その遊園地には殺人鬼たちの魂が乗り移ったマスコットロボが人を襲い食うという呪われた場所で、ニコケイは遊園地のオーナーに送り込まれた生贄だったのです。

しかしそこはニコケイ。オーナーの言いつけを守り、定期的に休憩を挟みながら襲い掛かるマスコットロボを次々に返り討ちにしていくという、一体どんな気持ちで観ればいいのか分からない作品なんですが、劇中一言も話さないニコケイの、狂気じみた何かが強く印象に残る作品でしたねー。

9位 Mr.ノーバディ

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いわゆるナメてた相手が殺人マシーン(©ギンティー小林)映画です。

義父(妻の父)の会社で会計士として働くうだつの上がらない平凡な男ハッチ・マンセル (ボブ・オデンカーク)の家に強盗が入り、ハッチが抵抗せず金を渡したことから、彼は家族やご近所からバカにされる。

ですが、実はこのハッチ、政府公認の殺し屋で、本作はそんな彼がレリゴーしていくという作品なんですね。まぁ、ナメてた相手が――系譜の映画はここ数年作られまくっているけど、このオッサンのレリゴー展開が本作を本作たらしめた、とても印象に残る作品でした。

8位 いとみち(2021)

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人気小説家・越谷オサムの同名人気小説の実写映画化作品。

僕はこの原作小説のファンなので、Amazonレンタルで見つけてすぐに観ました。

正直、原作とは物語も主人公いとのビジュアルも全然違うし、個人的に「うーん…」と思う部分も多々あるんですが、僕は、何故か嫌いになれなかったんですよね。

ただ、原作ファンの人には受け入れがたいかもだし、逆に原作を知らない人には物足りなく感じるかもしれません。

7位 ジャッリカットゥ 牛の怒り

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映画監督・アートディレクターで映画評論家の高橋ヨシキさんが自身のYouTubeチャンネルの中でおススメされていて、凄く気になったのでAmazonレンタルで観たんですが――終始、「なんなんだこれは!?」っていう映画でした。

恐らくは超低予算映画で、画面もリッチとは言い難いんですが、肉屋から逃げ出した牛を村人たちが追いまわすというワンシチュエーションで、こんなにも熱量の高いハイテンションな作品が作れるのかとビックリしましたねー。

そしてある意味、お祭り映画でもあり、宗教映画でもあるという不思議な作品でした。

6位 オールド

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はい。みんな大好き M・ナイト・シャマラン監督作品です。

これはCMでもやってたので書きますが、リゾートホテルに招待された4組の家族が行ったプライベートビーチは、30分で1年分の時間が流れる=4組の家族は異常な早さで成長・老化する場所だった。というストーリー。

その中、最初はプライベートビーチから脱出しようともがく彼らですが、次第に死に向かう宗教観や人生観・死生観へと物語は進んでいくんですね。
これは50代になったシャマラン自身の「老い」に対する恐怖やある種の諦観・希望などを描いた彼の思想・作家性でもあり、それがコロナ禍で多くの人が感じた「人生」と「時間」に対する感覚ともリンクしているんですよね。

5位 アメリカン・ユートピア

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トーキング・ヘッズデヴィッド・バーンによるアルバム「アメリカン・ユートピア」が原案の舞台を映画化した作品。いや、舞台の映画化――というより舞台をそのまま映画にしたという感じでしょうか。

僕はトーキング・ヘッズデヴィッド・バーンも全く知らずにこの作品を観たんですが、ライブというよりはミュージカルという感じで、曲とテーマと舞台構成が完全にリンクしているし、演者=奏者の統制の取れた動き含め、一本のショーとして凄いんですよね。

なので、トーキング・ヘッズにもデヴィッド・バーンにもまったく興味がなくても、十分に楽しめると思いますよ。

4位 ハロウィン KILLS

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「ハロウィン」と言えば「悪魔のいけにえ」と並ぶ、初期スラッシャーホラーの名作。

しかし、実は僕はハロウィンの方は1978年公開の第1作以外はこれまで観ていなくて。

で、2018年公開で第1作の続編として制作された前作を観て、メッチャ面白かったので続編となる本作も観たんですね。

前作では、第1作のヒロイン・ローリーと、殺人鬼マイケル・マイヤーズの対決を主軸に物語が描かれたんですが、本作は前作ラストの直後からスタート。

マイケル・マイヤーズへの恐怖と狂気が、ハドンフィールドの住民に伝染していくという、非常に現代的なテーマ性を持った物語になっていました。
あと、シリーズのどの作品より、景気よく人が死んでいくのが観ていて楽しかったです。

3位 孤狼の血 LEVEL2

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仁義なき戦い」や「県警対組織暴力」といった、いわゆる東映実録シリーズを復活させるという趣向で、柚月裕子の同名小説を原作に白石和彌監督がメガホンを取った前作の、3年後を描いたオリジナルストーリーの続編です。

個人的には前作はあまり乗れなくて、というのも、主役の役所広司はもちろんめっちゃ演技の上手い役者さんですが、あまりに上手すぎて作品自体が役所さんの色にまとまり過ぎちゃってるという印象だったんですね。

しかし今回は役所広司演じる大上の死後の物語ということで、前作では大上の部下だった日岡松坂桃李)と狂気のヤクザ上林成浩(鈴木亮平)との死闘を主軸に描き、同世代の二人のぶつかり合いが、「仁義なき~」に近い熱量の高さで個人的にめっちゃ面白かったです。

2位 ベイビーわるきゅーれ

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「最強殺し屋伝説国岡 完全版」などの作品で脚光を浴びる阪元裕吾監督、2021年の作品です。

公開時、映画好きの間ではかなり話題になっていて僕もずっと気になっていたんですが、残念ながら僕の地元では公開されず、結果、Amazonレンタルで配信されてからやっと観ることが出来たんですよね。

同監督の「最強殺し屋伝説国岡」と世界観を同じくする殺し屋が主人公の日常系アクション映画ですが、監督の過去作品と比べても全てが進歩した大傑作で、とにかく伊澤彩織のアクションが素晴らしいし、相棒役の髙石あかりとのオフビートな掛け合いは日常系アニメのようなポップさで可愛らしい。

まさにアニメと実写のいいとこ取り、いわゆる2.5次元的面白さを体現した作品だと思いましたねー。

1位 マリグナント 狂暴な悪夢

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みんな大好きジェームズ・ワン監督のホラーサスペンスです。

ジェームズ・ワンと言えば、「ソウ」インシディアス」「死霊館」などホラー監督&プロデューサーとしての手腕のみならず、「ワイルドスピード SKY MISSION」「アクアマン」などビッグバジェットのアクション大作でも見事な結果を出し、今やハリウッドでも1・2を争うスター監督。

本作はそんなジェームズ・ワンが、死霊館シリーズ最新作を他の監督に任せて製作したのが作品で、メインストーリーは「サスペリア2」などに代表されるジャッロ映画をベースにしつつも、クライマックスでは今まで誰も観たことのない物凄い映像が展開していくのです。

よくこんな事考えつくな――っていうか、考えついてもやろうと思わないだろうという事を、ワン監督は何の衒いもなく、全力でやってくれるし、それこそがワン監督の凄さであり魅力なのだと思いましたねー。

 

というわけで2021年公開作品のベスト10でした。

ちなみに、11位~19位はこんな感じです。

11位 マトリックス:レザレクションズ
12位 最強殺し屋伝説国岡 完全版
13位 映画大好きポンポさん
14位 ミラベルと魔法だらけの家
15位 死霊館 悪魔のせいなら、無罪。 
16位 シティーコップ 余命30日?!のヒーロー
17位 あの夏のルカ
18位 サイコ・ゴアマン
19位 竜とそばかすの姫

それでは、ここからは2022年公開作品の個人的ベスト10の発表です!

2022年公開映画、個人的ベスト10

10位 THE BATMANザ・バットマン

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お馴染みバットマンが、まだ若かった頃を描いたDC映画です。

MCUに追いつけ追い越せで始めたDCユニバースの低迷で、一時は滅亡の危機に追い込まれたDCヒーロー映画でしたが、ぼんやり世界観を繋げつつ、それぞれの作品を独立した物語として描くという方針にチェンジ。その先鞭をつける形で公開したホアキン・フェニックス主演の「ジョーカー」の成功に乗る形で制作が始まった本作。

ほぼ3時間と非常に長い作品でしたが、個人的にはあまり長さを感じない、面白い作品でした。その後、ジェームズ・ガンがDCユニバースの責任者に就任したことで、この作品を始め、今後のDC作品が先行き不安な感じなのは心配ですが、何とか良い方向に向かう事を祈るばかりです。

 

9位 ゴーストバスターズ/アフターライフ

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みんな大好き、1984年のオリジナル版「ゴーストバスターズ」2作の”その後”を描いた作品。2014年に病死したハロルド・レイミス演じるイゴン・スペングラー博士の孫娘が、祖父の遺品を駆使して田舎町に現れたゴーストを退治する――という物語。

2016年公開の女性版ゴーストバスターズが興行的に失敗しましたが、本作は主人公をスペングラー博士の孫で天才少女のフィービー(マッケナ・グレイス)に据え、兄や友達とのジュブナイルものにしたことや、ビル・マーレイダン・エイクロイドらオリジナルキャストが出演したことで、個人的にはとても面白く観ることができましたねー。

8位 ブラックアダム

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経営陣の交代やジェイムズ・ガンの加入などで先行き不透明なDCEU(現DCユニバース)最新作。主演にロック様ことドウェインジョンソンを迎え、十年近く計画を練られていた本作は、DCEU7作目「シャザム」の敵役(ヴィラン)であり人気キャラでもあるブラックアダムに扮したドウェイン・ジョンソンが大暴れする爽快な物語。

MCU作品やこれまでのDC作品がどんどん社会性を帯びる中、社会性をさらっと入れ込みつつも痛快エンタメアクション映画に振り切ったことで、僕を含め多くのファンが「そうそう、こうゆうのがいいんだよ」と膝を打つ作品になりました。

7位 激怒

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アートディレクター・映画ライター・デザイナーとして知られる高橋ヨシキ長編デビュー作。一部の映画好き界隈では公開前から話題沸騰だった本作ですが、上映館数も決して多くない作品なので、僕の地元での公開はないだろうと、映画館での鑑賞は諦めていたんですね。

ところが、奇跡的に地元のシネコンで公開されたので、喜び勇んで公開初日に観に行ったんですが――うん、とても良かったですねー。

低予算だし、映像も決してリッチとは言えませんでしたが、それでも要所要所に「おっ!」と思わせるシーンもあったし、日本のデストピアものとして、物語的にもすごく良かったなーと。なにより、多くの映画評でヨシキさん自身が話していたアレコレが、本作ではしっかりと活かされていて、そういう意味でとても誠実な作品だと思いましたねー。

 

6位 トップガン マーヴェリック

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ご存じトム・クルーズが、自身の出世作の続編を36年の時を経て製作。
コロナ禍によって公開延期が続いた本作ですが、公開されるや今年上半期の話題を独占したんですよね。

にも拘らず僕の順位が6位なのは、36年前に僕が「トップガン」を通ってこなかったからです。

もし、36年前に僕がトップガンを観てたら、もっと順位は上がっていたと思います。

5位 プレデター/ザ・プレイ

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宇宙最強の狩猟民族プレデターvs人間の闘いを描いた「プレデター」シリーズ第5弾です。この作品、映画館で上映はされてなくて、Disney+で配信されたんですね。

今までの過去4作はシュワちゃんを始めマッチョな男たちと、一人前の戦士になる通過儀礼として地球にやってきて強者を狩る宇宙人、プレデターとの戦いというテンプレで描いてきたんですが、本作の主人公はネイティブアメリカンの少女で、時代設定も過去作より100年以上昔のアメリカという設定。

観る前は、その辺の設定にポリコレ感を感じたものの、実際観てみると、主人公がネイティブアメリカンの少女であることにちゃんと必然性があるし、少女とプレデターの戦いにもしっかりロジックがあって、個人的にはシリーズの中でも1・2を争う面白さでしたねー。あと、プレデターのデザインも凄くカッコ良かったですよ。

4位 スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム

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ご存じMCU27作目にして、トム・ホランドスパイダーマンの3作目。

正直、本作をランキングに入れるべきか否かは結構悩んだんですよ。というのも映画としてはある意味反則技を使っていますしね。

スパイダーマンの実写映画は、2002年公開、サム・ライミ監督版の第1作から始まり、2012年からリスタートしたアメイジングスパイダーマンシリーズ2作を経て、2017年公開の「スパイダーマン:ホーム・カミング」からMCU版がスタート。「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」を経て、MCUスパイダーマンの完結編として本作「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」が公開されたわけですが、流石にもう大丈夫だと思うので書きますが、本作ではサム・ライミ版でスパイダーマンを演じたトビー・マグワイアアメイジングスパイダーマンアンドリュー・ガーフィールド、そしてMCU版のトム・ホランドという、歴代スパイダーマンが揃い踏みしたんですね。

それはサム・ライミ版からスパイダーマンに付き合ってきた僕にしてみれば、まさに奇跡でありご褒美であり。もうそれだけで号泣ものなんですが、でも、映画作品としては反則技だし、物語的にも(´ε`;)ウーン…という展開も結構ある。それは分かってる。分かってるんですがっ!……それでも、こちとら20年間スパイダーマンに付き合ってきたんだもん。そりゃぁこんな胸アツ展開、感動するに決まってるでしょ。

というわけで、スパイダーマンに思い入れのない人にはおススメは出来ませんが、スパイダーマン好きな人は必見の作品です。

3位 ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス

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アメコミ映画ばっかりかよ!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッって思われるかもだし、例年は出来るだけマーベル作品をランキングには入れないようにしてたんですが、今年は観ている作品自体が少なかったし、何より、この作品はMCU作品というよりサム・ライミ作品だし!ということで、入れてしまいました。

いや、本当に終始サム・ライミ節全開の本作ですが、にもかかわらず、しっかりドクストだったし、MCU作品というジャンルに、ある種の答えを出した作品でもあると思いましたよ。さすがはサム・ライミです。

あと、高橋ヨシキさんが「サム・ライミはオカルトヒーローとして、ドクストを監督した」(意訳)的な事を話されてたんですが、まさに我が意を得たりというか、クライマックスの千手観音ゾンビと化したドクストには度肝を抜かれつつ、めっちゃ興奮したんですよねー!

2位 RRR

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日本でも大ヒットしたインド映画「バーフバリ」のS・S・ラージャマウリ監督最新作です。正直、バーフバリがあまりにも面白すぎて、アレを超える映画が作れるのかという不安があったんですが、実際観たら上がり切ったハードルを軽々と超える凄い作品になっていましたよ。

一見、トンデモ映画っぽく見えるけど、実は前半で周到に張りめぐらされた伏線を後半でしっかり回収するなど、実に細密な設計がされた作品なんですね。

それでいて、ザッツ・エンターテイメントとして、普通なら思いついてもやらないようなあれやこれやを、何の衒いもなく大真面目にやっているところに、僕は痺れましたよ。同月に世界中で公開された映画の中で、一番面白い作品なんじゃないかと思いました。

1位  エスト・サイド・ストーリー

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1957年にブロードウェイで上演された同名のミュージカルを映画化し、アカデミー11部門中10部門を受賞した「ウエスト・サイド物語」を、みんな大好きスティーブン・スピルバーグがリブートした作品。

正直観る前は「えー、今さらウエスト・サイド・ストーリーって…」と、あまり観る気が起こらなかったんですが、それでも実際観てみたらスピルバーグはマジで映画上手男だなーと心底感心しましたねー。

ウエスト・サイド物語」が元々持っていた社会的メッセージを、構成自体は変えてないのに現代に通用するようにリブートしてみせた手腕は見事としか言いようがなかったです。

また、ぱっと見過去作をなぞっただけに見える部分も、しっかり現代の作品として変えるべきところは変え、残すところは残す構成も素晴らしいし、ミュージカル映画としてのルックも非常にリッチ。

まだ観ていない人には騙されたと思って観て欲しい作品ですよ。

 

というわけで、個人的2022年公開作品ベスト10でした。

ちなみに、11~20位はこんな感じです。

11位 ムーンフォール
12位 ソー:ラブ&サンダー
13位 バッドマン史上最低のスーパーヒーロー
14位 ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバ
15位 モービウス
16位 アンチャーテッド
17位 シン・ウルトラマン
18位 ジュラシック・ワールド新たなる支配者
19位 KKKをぶっ飛ばせ!
20位 大怪獣のあとしまつ

 

もちろん僕が選んだトップ10と11位以下の作品の間に大きな差がある訳ではなく、あくまで「今日の気分はこっち」程度の差でしかないし、トップ10ランキングも同様です。

今年はあまり映画を観ることが出来ませんでしたが、来年はもっとたくさん映画を見れたらいいなと思いつつ、これで終了です。

ではでは、今年一年お世話になりました。
皆様、良いお年をー!(´∀`)ノシ

 

トーク

パート1 

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パート2

stand.fm

遡ってスピルバーグの凄さが分かる映画「ジュラシック・ワールド新たなる支配者」(2022)*ネタバレあり

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、今年公開されたジュラシックシリーズ完結編?『ジュラシック・ワールド新たなる支配者』ですよー!

本作が劇場公開された時、映画館に観に行こうか行くまいか悩んだんですが、あまり良い評判が聞こえてこなかったので、結局観に行かなかったんですよね。

で、今回の感想の結論を先に書くと「やっぱスピルバーグって凄かったんだなー」でした。

ちなみに今回、本作を含めジュラシックシリーズのネタバレを含むので、これから観る予定の人、ネタバレ絶対イヤという人はお気をつけください。

いいですね? 注意しましたよ?

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概要

現代によみがえった恐竜たちを描く『ジュラシック』シリーズ完結編。人類と恐竜たちが混在する世界を舞台に、両者の行く末が描かれる。監督などを務めるのは『ジュラシック・ワールド』などのコリン・トレヴォロウ。前作にも出演したクリス・プラットブライス・ダラス・ハワードをはじめ、『ジュラシック』シリーズ初期作品のキャストに名を連ねていたローラ・ダーンジェフ・ゴールドブラムサム・ニールらが出演する。(シネマトゥデイより引用)

感想

「ジュラシックシリーズ」とは

まぁ、今更説明の必要もないとは思いますが、1993年公開のジュラシックシリーズ1作目「ジュラシック・パーク」は1990年に発表されたマイケル・クライトンの同名の小説を原作に、みんな大好きスティーヴン・スピルバーグ監督が実写映画化。

当時最先端だったCGとアニマトロニクスを組み合わせて、誰も見たことのなかった恐竜の映像に世界中が驚愕したんですね。

ちなみに僕は公開時ジュラシックパークを観ていなくて、結局それから10年以上経ってからレンタルDVDで始めて観たんですね。

当然その間にCG技術もガンガン進歩していたし、僕もそうした映画を山ほど観ていたにも関わらず、グラント博士一行が最初にブラキオサウルスを見上げるシーンはホント驚いたし、その後のTレックスを始めとした恐竜たちの動きや表情のリアルさにも心底驚いたものです。

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そんな第1作の大ヒットを受けて、1997年に公開された続編「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」では、色々あって失敗した元ジュラシックパークことサイトBことイスラ・ソルナ島から、サンディエゴに連れてきた恐竜が大暴れするというストーリーですが、内容が原作から大幅に改変された事もあってか、スピルバーグ自身が監督したにも関わらず、評判の方は芳しくなかったんですね。

そしてジュラパ3部作完結編で2001年公開の「ジュラシック・パークIII」では、化石発掘の資金難に苦しむアラン・グラント博士が、お金持ち夫婦の依頼で恐竜の自然管理保護区域に指定されると同時に人間の立ち入りが禁止となったイスラ・ソルナ島の上空を回るツアーガイドの依頼を受けるものの、なんやかんやあって飛行機は島に着陸。

一行は恐竜に襲われててんやわんやする。というストーリーでした。

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それから14年後の2015年、ジュラパ3部作の続編にして「ジュラシック・ワールド」3部作1作目として公開されたのが「ジュラシック・ワールド」でした。

主演は、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシークリス・プラット

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監督はその後「ジュラシック・ワールド」三部作を手掛ける事になるコリン・トレヴォロウ

ストーリーは、まぁ、ざっくり言えば、「ジュラシック・パーク」の焼き直し。

オープン前に事故で頓挫したジュラシック・パークを買収したマスラニ社によってオープンした恐竜園「ジュラシック・ワールド」でヴェロキラプトルを飼育するオーウェンクリス・プラット)とパークの運営責任者のクレアブライス・ダラス・ハワード)が主人公。

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遺伝子操作によって生み出されたオリジナル恐竜、インドミナス・レックスの暴走で、結局オープンしたばかりの「ジュラシック・ワールド」が壊滅するというストーリー。

2018年公開の「ジュラシック・ワールド/炎の王国」では、イスラ・ソルナ島の火山噴火によってふたたび絶滅の危機に陥った恐竜を保護するべく「Dinosaur Protection Group(DPG)」を設立したクレアはベンジャミン・ロックウッドの支援・サポートを取り付け北カリフォルニア州にあるベンジャミンの屋敷「ロックウッド・エステート」の地下の施設に恐竜を運ぶが、ベンジャミンに仕えるロックウッド財団の経営者イーライ・ミルズは密かに恐竜を生物兵器として売買することを画策、またまた遺伝子組み換え恐竜インドラプトルを作り出し、色々あってインドラプトルの暴走でてんやわんやの末、毒ガスで恐竜たちを殺害しようとするも、ロックウッドの孫娘かと思いきや実はロックウッドの娘のクローン人間だったメイジー(イザベラ・サーモン)が施設のロック解除ボタンを押し、恐竜たちが野に放たれるという結末になります。

新たなる支配者は恐竜か人間か――?

本作「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」は恐竜が解放された後の世界を描いた作品。

前作からの流れで言えば、ついに野に放たれ恐竜vs人間、地球の支配者はどちらなのか!―――という物語になると思うじゃないですか。

実際、映画冒頭ではモササウルスが蟹漁船を襲ったり、最大の翼竜ケツァルコアトルスが大都市の高層ビルに巣を作ってたり、Tレックスがキャンピングカーを襲ったなどのニュース映像が流れて、おぉぉ!!ってなるんですが――、その割にみんな普通に、今と同じ感じで生活してるんですよね。

いや、恐竜が逃げ出したって言ってんのに、人里離れた山奥でキャンプとか狂気の沙汰でしょ。北海道でクマが目撃されたら周辺の公園とか封鎖されるよ?
そして案の定Tレックスに襲われてるし。

他にもどうやらあちらこちらで、人間が恐竜に食われてるっぽいんだけど、人類?はこの期に及んで恐竜の保護施設を設立して、バイオシン社という会社に管理を任せてるらしいんですね。

で、まぁこのバイオシン社のスティーブ・ジョブズみたいな社長、ルイス・ドジスンキャンベル・スコット)は、表向き恐竜を保護してるんだけど、裏では恐竜売買やら遺伝子改造で巨大イナゴを作り、世界の食料事情を掌握しようとしてる悪いヤツ。

一方、オーウェンとクレアは、こんな世界を引き起こした張本人でクローン人間のメイジ―ちゃんを、彼女の遺伝子を狙う輩から匿うため人里離れた山奥の小屋に住んでるんですよ。しかも、その近くにはオーウェンの相棒ヴェロキラプトルのブルーが子連れで(勝手に)住み着いてるというご都合設定。

しかし、メイジーちゃんは反抗期真っ最中なうえ、クローン人間という自分の素性も相まってオーウェンやクレアに反抗ばかり。

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ちなみに、メイジーちゃんはなぜ狙われるのかというと、天才遺伝学者のシャーロット・ロックウッドが自身のクローン、メイジーちゃんを作る際に、自身の遺伝病をメイジーに継がせないため、恐竜の遺伝子を掛け合わせてなんやかんやしたことで、メイジーちゃんは世界でただ一人のスーパー遺伝子を持つ少女になったらしいです。

で、オーウェン&クレアとケンカしたメイジーちゃんは、家出した途端ドジスンに雇われたゴロツキに誘拐されます。ついでにブルーの子供も誘拐されます。

一方、バイオシン社に雇われ、恐竜の保護施設で教鞭をとっていたイアン・マルコムジェフ・ゴールドブラム)はドジスンの悪だくみに気づき、旧友のエリーローラ・ダーン)とグラントサム・ニール)を呼び、保護区内で飼育されてる巨大イナゴのデーターを盗み、世間に公表して欲しいと依頼。

そこでエリーとグラントは誘拐されてきたメイジーちゃんと合流。メイジーちゃんを救いに来たオーウェン&クレアとも合流。

で、恐竜に襲われたり、巨大イナゴに襲われたりしながら、保護区を無事脱出。

ドジスンの陰謀を暴き、メイジーちゃんの遺伝子でイナゴを撲滅し、ついでに闇の恐竜ビジネスも潰してめでたしめでたし。というストーリー。

―――って、ガチャガチャしてんなー!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

その割にやってることは今までの焼き直しでしかないし、なんか無理矢理「人間と恐竜は共存していけるのだ」みたいないい話風にまとめられてるけど、冒頭と結末で事態が何一つ変わってないんですよね。

登場人物多すぎ問題

そんな本作の問題の一つがこれだと思います。

ぶっちゃけこの物語、ジュラワーレギュラーメンバーオーウェンとクレア、そしてメイジーちゃんがいれば成立するわけですよ。

ところが、そこにグラント、エリー、マルコムというジュラパ―レギュラーの3人を加え、さらにウー博士( B・D・ウォン)だの、ドジスンだの、フランクリンだの、ジア・ロドリゲスだの、バリー・センベーヌだの、過去作に登場したキャラをこれ見よがしに再登場させ、さらに、ケイラ・ワッツ、ラムジー・コール、ソヨナ・サントスという新キャラも入り混じってる。

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正直、キャラ登場のたびに「あれ、コイツは過去作キャラ?それとも新キャラ?」ばかり気になって、物語が全然頭に入ってこないんですよね。

それでも、このキャラクターたちがそれぞれ物語に寄与してればいいんですけど、ぶっちゃけグラント、エリー、マルコムの3人なんかはいなくても物語全然成立する――というか、いない方が物語的にはスッキリ観やすくなるハズで。

恐らく、コリン・トレヴォロウ的にはファンサービスのつもりなんでしょうが、それが逆にノイズになって、物語の邪魔になってるし、キャラ数の分物語の時間も長くなってる。このジュラパ3人組のイナゴ騒動パートがなければ、本作は2時間くらいで収まってたんじゃないですかね。

っていうか、ジュラシックシリーズを観に来る人の多くは恐竜がが見たいわけで、人間のわちゃわちゃとかは別にいらないんじゃないかな。

全体的に雑すぎて

で、これはキャラ多すぎ問題にも関わるかもですが、本作は、脚本、演出、映像の全てが雑なので、本来シンプルな物語なのに、観ててめっちゃ混乱するんですよね。

例えば、ドジスンの腹心としてバイオシン社で働くラムジー・コール
この男は、バイオシン社の広報部長で、ドジスンの悪企みに嫌気がさし、マルコムに教えてグラント&エリーを呼び寄せ、終盤以降協力してバイオシン社の不正を世間に公表してもらおうとしている、いわば内部告発者ですが、これらの設定が劇中でまったく示されないので、こいつが何者で何がしたいのかが終始全く分からず、敵か味方かも分からないまま物語が進むので、潜入捜査してるCIAか、いやいややっぱ2重スパイなのか?で本当は敵か?と気になって、物語が頭に入ってこない。

そして別にドジスンとの関係性も全然描かれないので、終盤裏切りがバレてドジスンに「私たちの絆を忘れたのか!」と詰められ、「絆などなかった」と言い捨てるシーンも、ラムジーになんの感情移入も出来ないんですよね。

っていうか、お前、めっちゃ会社の機密データーにアクセスしてるけど、それが出来るならわざわざよそ者のグラント&エリーに頼まなくても、自分でデーター盗って公表すればよくね?っていう。

また、オーウェン&クレアのジュラワチームが誘拐されたメイジーちゃんを追ってやってきたマルタ島で、ドジスンと組んで恐竜密売の闇市場を牛耳る女ソヨナ・サントス

こいつも特に背景らしきものが説明されないので何者か全くわからず、照射したものをアトロキラプトルに襲わせるレーザーポインターという、まったく理屈の分からない武器を駆使してオーウェンたちを翻弄するんですが、いよいよCIAに捕まりそうになった時、そのレーザーポインターを何故かオーウェンに照射。オーウェンが4頭のアトロキラプトルに追われる展開になるんですね。

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いや、目の前のCIA職員フランクリンにレーザーポインターを照射するなら分かる。フランクリンが襲われてる隙に逃げられますからね。なのになぜオーウェンに照射したかといえば、その後のオーウェンとアトロキラプトルのチェイスシーンに繋げるためなんですよね。

いや、せめてオーウェンにレーザーを照射→オーウェンが恐竜に追われる→その後フランクリンに逮捕されるの順番でしょ。

しかもこのヨソナの登場とほぼ同時に、後にオーウェン&クレアに協力する運び屋ケイラ・ワッツも登場するので、さらに物語がごちゃつくんですよね。

で、元々は違法な運び屋だったケイラが二人に協力した理由ってのが、『このままじゃいけないって思った』って、動機弱すぎやろー!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

映像的な事で言えば、今回は過去作と比べても沢山の恐竜が登場するわけですが、過去作と比べて一番インパクトがないんですよ。

これまでの作品は、新恐竜やTレックスが登場するときに驚きがあったし、恐竜と人間の遭遇シーンではちゃんと、見つかるか見つからないかみたいなサスペンスがあったじゃないですか。

今回はそれが全然なくて、ただ出てるだけだったり、一応サスペンスっぽくはしようとしてるものの全然できてなくて、いや、それ絶対見つかってるでしょ。とか、なんで今その行動をするんだよ!とか、観てるコッチがいちいちツッコミを入れてしまう雑な演出なんですよね。

特にクラマックスでは、グラント、エリー、マルコムの3人はもう年齢も年齢なので、あまりスピーディーには動けず、そのスピードに合わせてるので全然ハラハラ感がない。むしろ恐竜が彼らに気を使ってる――みたいに見えちゃうんですよ。

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あと、今回のラスボスは世界最大の肉食恐竜ギガノトサウルスなんですが、ぶっちゃけそんなに大きく見えないというか、Tレックスと並んでも、さほど対格差を感じないし、迫力もイマイチ。死に方もなんかコントみたいでしたしね。

そんなギガントサウルスとTレックスの闘いでも、噛まれてるのに血の一つも出ないので、じゃれ合ってるように見えたりね。

ほんと、一つ一つ挙げていったらキリがないのでこの辺にしますけど、とにかく全てが。あまりに雑すぎて、シンプルな物語が難解に見えるくらい。

まぁ、振り返ってみればジュラワーはシリーズは1作目から、作劇・演出でのご都合主義や雑さはありましたけど、今回はほんと、それが極まったというか、逆にこのジュラワー三部作を見ることで「あー、やっぱスピルバーグって凄かったんだなー」と再認識してしましたよ。

恐竜はいっぱい

そんな感じで、散々文句を言ってきましたが、本作には過去作より良いところもあって。それは前述したようにとにかく沢山の恐竜がでるところ。

恐竜の研究は日進月歩なので、ジュラパ第1作と今では、恐竜の見た目も変わってるじゃないですか。毛や羽が生えてたり。

本作ではそんな最新の情報に沿ったデザインの恐竜たちがいっぱい見られるので、恐竜好きな人にとっては楽しく観られるんじゃないかって思いました。

興味のある方は是非!!

ロック様ありき!DCのチートヒーロー「ブラックアダム」(2022)

ぷらすです。

先日公開されたDCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)11作目の『ブラックアダム』を観てきました。

主演はロック様こと、みんな大好きドウェイン・ジョンソン

ブラックアダムは、まさにそんなドウェイン・ジョンソンありきで成立しているキャラクターでしたねー。

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概要

ジュマンジ』シリーズなどのドウェイン・ジョンソンDCコミックスアンチヒーロー、ブラックアダムを演じるアクション。『ジャングル・クルーズ』に続きドウェインと組んだジャウマ・コレット=セラが監督を務め、5,000年の眠りから目覚め規格外のパワーで暴れ回る破壊神・ブラックアダムを巡るストーリーが展開。『007』シリーズなどのピアース・ブロスナン、『バレット』などのサラ・シャヒのほか、ノア・センティネオ、オルディス・ホッジ、クインテッサ・スウィンデルらが共演する。(シネマトゥディより引用)

感想

ブラックアダムとは

本作の主役であるブラックアダムは、元々DCコミックのヒーローでDCEU7作目にもなったヒーロー「シャザム」の敵役(ヴィラン)としてスタートしたキャラクターでした。

シャザムは6人のギリシア神話に由来する神々の頭文字をつなげた呪文で、心正しき者が「シャザム」と唱えると神の力を持った超人に変身できるという設定。

対するブラックアダムは、エジプト神話に由来する神々の頭文字で構成された呪文「シャザム」を唱えることで変身。シャザムと同等かそれ以上の能力を有しています。

もともと原作ではテス・アダムという男が、善の魔法使いからヒーローとしての活躍を期待されブラックアダムになったものの、闇落ちしてアンチヒーローになってしまったんですね。

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そんな原作設定を一部引き継いだ本作は、中東にある架空の国カーンダックが舞台。

5000年前、カーンダックを残虐な王の圧政から救うも、力を抑えきれず破壊神となってしまったため魔法の力を封印されたテス・アダム(ブラックアダム/ドウェイン・ジョンソン)が、現代に蘇るというストーリー。

本作は劇場版「シャザム!」との関係は明示されてなくて、映画では初登場のアンチヒーロー「ブラックアダム」が主人公の映画として、DCEUが初めましての人でも楽しめる内容になっています。

スーパーマンにも匹敵するチートキャラクター

そんなブラックアダムの強さは、簡単に言えばスーパーマンとほぼ同じくらい。飛行能力・怪力・不死身の体、そして電撃能力を有するチートキャラです。

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そんなスーパー能力を持つ人気キャラクターだけに、説得力を持って演じる俳優のキャスティングは普通なら難航必至ですが(スーパーマンヘンリー・カヴィルに決まるまで紆余曲折あったし)、ブラックアダム役に我らがロック様ことドウェイン・ジョンソンに決まったことで、このチートすぎるキャラクターに絶大な説得力と安心感が生まれたのです。

なんせ、ドウェイン・ジョンソンは元プロレスラーで筋肉モリモリ。
アーノルド・シュワルツェネッガーシルベスター・スタローンの流れを汲む、”筋肉の説得力”では現状世界一と言っても過言ではないですからね。(ちなみに第2位はマ・ドンソク)

そんなロック様が群がる敵を片っ端から筋肉で粉砕していくのだから、本作が面白いのはもはや自明の理で、実際観てみたら、やっぱり面白かったんですね!!

他にも始めましてのキャラが

そんな本作のストーリーをざっくり説明すると、破壊神となったテス・アダムが封印されてから5000年。中東の国カーンダックは、残虐な王が作らせた悪魔の王冠を狙う組織犯罪シンジケート「インターギャング」によって長年に渡り占領され、大学教授アドリアナ・トマズサラ・シャヒ)らもまた、インターギャングの野望を阻止するべく王冠を探しついに発見。

しかし仲間の裏切りで追い詰められた彼女は、偶然見つけた封印されたテス・アダムを開放する呪文を読み上げ、テス・アダムが復活。

それを察知した政府組織 A.R.G.U.S(アーガス)のアマンダ・ウォラーヴィオラ・デイヴィス)は、カーンダックにヒーローチーム「ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ(JSA」を派遣。

危険分子テス・アダムを捕縛・投獄しようとするのだが――という物語。

本作では、主人公ブラック・アダムの他に、

金属製の翼が付いたアーマーを装着し自由に空を飛ぶJSAのリーダー・ホークマン(オルディス・ホッジ)

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JSAの最古のメンバーで魔術師のドクター・フェイトピアース・ブロスナン

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分子構造を制御し巨大化できるアトム・スマッシャー(ノア・センティネオ)

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邪悪な科学者の人体実験によって嵐をコントロールしたり、音波を出すことが出来る能力を得たサイクロン(クインテッサ・スウィンデル)

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という実写映画(DCEU)では初めましてのヒーローが登場。

ブラックアダム、インターギャング、JSAの三すくみで物語が進んでいくんですね。

予告編を観た時、このヒーロー軍団はブラックアダムに瞬殺される当て馬なんだろうと思っていたんですが、実はこの4人――特にホークマンとドクター・フェイトは、ある意味、ブラックアダムを導くメンター的な重要キャラでした。

ジャウム・コレット=セラ監督の手腕

ドラマシリーズでは先行していたものの映画シリーズではMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に後れを取っていたDCEU。

最初は、MCUと同じくスーパーマンワンダーウーマンなど、DCヒーロー単体の映画を、ヒーローが集合するジャスティス・リーグ(DC版アベンジャーズ)へ繋げるというやり方でしたが、これが中々上手く行かず(理由はあえて語らないけど)一時はDCEU終了の危機に追い込まれます。

しかし、「死霊館」や「ワイルド・スピード SKY MISSION」のジェームズ・ワンが監督した「アクアマン」のヒットが、それまでの暗いシリアス路線を進んでいたDCEUに風穴を開け、Disneyと色々あった「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのジェームズ・ガンが2016年公開の「スーサイド・スクワッド」をリメイクした「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」を監督。その後、スピンオフのドラマシリーズ「ピースメーカー」も手掛け、DCフィルムズの代わりに新設される「DCスタジオ」の共同会長兼CEOに就任。これによってDCEU存続が決定します。

そして本作で主演でプロデューサーでもあるドウェイン・ジョンソンと組んで本作を手掛けたのがジャウム・コレット=セラ監督。

2009年の「エスター」2011年の「アンノウン」2014年の「フライト・ゲーム」などのホラーやスリラー作品を手掛け、ドウェイン・ジョンソンとはディズニー映画「ジャングル・クルーズ」から2度目のタッグとなります。

DCコミックの人気キャラクター、ブラックアダムのオリジンをしっかり描き、さらに今回実写映画初登場のJSAの4人も、観客が感情移入出来るような魅力的なキャラクターとして描いたセラ監督。

ストーリー的にも笑いどころは面白く、感動シーンはエモーショナルたっぷりに、CGを使ったアクションシーンでも新鮮な表現がいくつもありました。

また、ブラックアダムの復活に駆けつけたJSAのヒーローに対し、「あなた方はこの国がインターギャングに支配された25年間、一度も姿を現さなかった」とアドリアナに言われホークマンが言葉に詰まるシーンなどは、そのまま湾岸戦争以降のアメリカや欧米諸国への痛烈な批判にもなっていて、エンタメ作品として盛り上げながらも、その中にピリッとスパイスを利かせているんですよね。

そういう意味で、ジャウム・コレット=セラ監督の手腕は見事でしたが、それでもあえて言えば、やはり序盤から中盤の流れは多少まどろっこしいさはあるし、ストーリー運びがくどくてモッタリしてた印象を受けました。まぁこれは、セラ監督だけの問題ではなく、DCEU作品の作劇セオリーの問題も含んでいるような気もしますが。

それでも、中盤以降は物語にグルーブが掛かって、観ているコッチもどんどん引き込まれていったし、前半の伏線が回収された中盤のある展開などは、結構ビックリしましたねー。

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そしてクラマックスのあの展開
さすがは名優ピアース・ブロスナンだなーと思いましたよ。

今後、DCEUでは来年3月に「シャザム!」の続編「シャザム!〜神々の怒り〜」、6月にはDC人気ヒーローの一人が主役の「ザ・フラッシュ」が公開予定。

また、今回登場したJSAメンバーや、他のヒーローも今後登場するかもなので、来年以降のDCEU作品から目が離せません!

興味のある方は是非!!