今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

“俺たちが観たかったMCU”が帰ってきた!「デッドプール&ウルヴァリン」(2024)

ぷらすです。

デッドプールウルヴァリン』を初日・初回の上映で観てきました!

いやもうね、個人的に近年MCUに感じていたモヤモヤを全部吹っ飛ばしてくれる作品でしたよ!

「そうそう。俺たちはこういうヒーロー映画が観たかったんだよ!」って。

というわけで今回はまだ公開直後の作品ということで、物語の根幹に関わるようなネタバレはしないよう気をつけますが、一切ネタバレして欲しくないという人はお気を付けください。

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概要

ライアン・レイノルズ演じるデッドプールヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンが共闘を繰り広げるアクション。世界の命運を左右する、あるミッションをめぐって、鍵を握るウルヴァリンデッドプールが助けを要請する。監督を『ナイト ミュージアム』シリーズや『フリー・ガイ』などのショーン・レヴィが務める。(シネマトゥディより引用)

感想

規格外のチートヒーロー。デッドプール

本作はマーベルの大人気ヒーロー「デッドプール」シリーズ第3弾であり、MCU作品としては第1作となります。

どういうことかと言うと、前2作は「X-MEN」シリーズのスピンオフ作品として20世紀フォックスによって制作・公開されていましたが、2019年のディズニーによる20世紀フォックス買収により今回MCUへと編入することになった、その第一弾になるわけです。

で、もしかしたらデッドプールを知らない人もいるかもなので、ざっくりどんなキャラクターかを説明すると、

デッドプールことウェイド・ウィルソンはニューヨークでトラブルシューターをしながら日銭を稼ぎ生活している傭兵でした。

そんな彼はある日、高級娼婦のヴァネッサと出会い、交際を経て結婚を約束。そんな幸せの絶頂だったウェイドを末期がんが襲います。

がんの治療と引き換えに極秘の人体実験の被験者となることを決めた彼は、エイジャックスというミュータントからミュータント細胞を活性化する血清を投与され、色々あって不死身の身体を手に入れるも容姿は醜く変容。もうヴァネッサと会う事は出来ないと絶望したウェイドは自作のコスチュームとマスクを身に着け、デッドプールとしてエイジャックへの復讐を果たすと、そのまま不死身の肉体と特殊部隊で培った武器術を駆使してヒーローとして活躍するようになるんですね。

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そんな彼の特徴と言えば、止まらないおしゃべりと下品で不謹慎なジョーク、そして「自身がコミックのキャラクターであることを自覚」していて、いわゆる“第4の壁“を突破してコミック読者や映画の観客に話しかけたり、映画の演出に口を出したり、主演のライアン・レイノルズが演じるも超不評だった「グリーンランタン」や「X-MEN版のデッドプール」を殺すなどのメタ的なギャグも普通にしちゃうという、いわゆるチートキャラです。

あと、普通にセンシティブネタやコカインネタ、オタク的にヒーロー映画ネタなどを持ち出して皮肉ったり、もう、なんでもありの超自由なヒーローなんですね。

そんなデップーがディズニー傘下のMCU編入ということで、上記のような毒気を全部抜かれて漂白されてしまうのでは?と、僕も含め危惧していたファンも多かったと思いますが、いざ蓋を開けてみればデップーはやっぱりデップーで、コカインを欲しがるブラインド・アルに「コカインネタはNGだとディズニーに言われている」とディズニーから言われた事を逆手に取ってネタにするなどアクセル全開。
まぁ、それでも前2作に比べれば、表現はややマイルドになってる感じもしましたが。

それでも、監督はあのライアン・レイノルズ主演の大傑作「フリー・ガイ」のショーン・レヴィなので、個人的に物足りなさを感じることはありませんでした。

ヒュー・ジャックマン復活!

そんな本作は、タイトルにもある通りデップーとX-MENの大人気ヒーローであるウルヴァリンがタッグを組むという、「マジンガーZvsデビルマン」「ジェイソンvsフレディ」「エイリアンvsプレデター」的なファンにとっては夢の企画。しかも本作でウルヴァリンを演じるのは、20世紀フォックスX-MENシリーズの顔として長年に渡りウルヴァリンを演じ、2017年公開の「LOGAN/ローガン」で壮絶な最後を遂げた、あの、ヒュー・ジャックマンなんですねー。

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公開前は、「LOGAN/ローガン」で綺麗に幕を閉じたヒュー・ジャックマンウルヴァリンが復活には賛否両論あったし、あのMCU総責任者ケヴィン・ファイギからも「戻ってきちゃダメだ、『LOGAN』が最高だったから」と言われたりしていましたがw

でもね、「ロッキー5/最後のドラマ」よりも「ロッキー・ザ・ファイナル」がサイコーだったし、誰に何と言われたって「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」で三人のピーターが揃った瞬間は号泣する。

そ・れ・が、ファン心理ってものでしょう。

確かに「LOGAN/ローガン」は良かったし感動もしたけど、ファン心理として「プロフェッサーやウルヴァリンの最後があんなに寂しく終わるなんて嫌だなー……」という思いがあったのも事実だし、やっぱウルヴァリンは不死身でカッコ良くて大暴れしてほしい。

そんなファン心理を大いに満足させてくれるのがこの作品ってわけなのです。

とはいえ、あれだけ壮絶な最後を遂げたウルヴァリンをどうやって復活させるのか問題はありまして、多くの人は「いや、『マルチバース』にいる別次元のウルヴァリンでしょ」って思うだろうし、実際そこはその通りなんです。

ただ、マルチバース設定は劇中で死んでしまったキャラクターを復活させることを容易にするけれど、それだけに安易に復活をさせれば、そのキャラクターや物語に思い入れがあったファンほど白けてしまう諸刃の剣。

そんなマルチバース設定が許されるマーベル唯一のキャラクターこそが、我らがデップーなんですよね!

元々なんでもありで死の概念も軽いチートキャラであるデップーの世界なら、どんな人気キャラクターを復活させても納得だし、あのキャラやあのキャラを復活させたあと雑に殺すのもメタギャグとして成立してしまう。

そういう意味でデップーだけが、ヒーロー界隈でマルチバースを正しく扱える唯一無二のヒーローと言えるかもしれません。

そして今回のウルヴァリンは予告編でも分かるように、原作準拠バージョン!

これにはうるさ型のファンもニッコリなのではないでしょうか。

瀕死のMCUを救う起死回生の作品

と、ここでちょっとフェーズ4以降(マルチバース ・サーガ)MCUから離れていったファンが多かった原因についてお話をしたいんですが、その大きな理由としてフェーズ3の「アベンジャーズ/エンドゲーム」でアベンジャーズがラスボスのサノスを倒したことで大きな物語に一区切りついたことが大きな要因の一つなのは間違いないでしょう。

そして続くフェーズ4からは

・新旧アベンジャーズの交代があまり上手くいかなかった。
マルチバースという概念を取り入れ複雑化したストーリーがファンに受け入れられなかった。
・そして(フェイズ3の後半から)シリーズが続くにつれ一本の映画で物語が完結しなくなった事や、ディズニープラスのドラマシリーズ乱発により、映画を見ているだけでは全体の流れに追いつけなくなったことなど。

・作品の乱発によりストーリーや映像のクオリティーが下がったことなどなど。

そんな複数の理由から多くのファンがMCUに疲れて、離れていったと思うんですね。

実際、2023年公開の「マーベルズ」はMCU史上最低の興行収益で大赤字だったと言われていますが、それは3人の主人公のうち2人がドラマ版でしか登場してないキャラだったことが大きかったように思います。(個人的には大好き)

まぁ、他にも初代アベンジャーズの後継者の多くが女性や有色人種になっていることで、MCUがポリコレ化していると言われたり、映画の内容とは別に出演俳優のトラブルなど作品外での様々なアレコレもファンのMCU離れを加速させていったのだと思います。

僕は基本的に(「シークレット・インベージョン」以外の)MCU作品は全て褒めるスタンスですが、そんな僕ですら心情的に多少の忖度はしていますしね。

しかし、本作は個人的に久しぶりに忖度一切なしでメッチャ楽しめた作品で、笑ったし、興奮したし感動したし、「そうそう、僕が大好きだったマーベル作品はこういうヤツなんだよなー」って思ったし、もしかしたら本作が瀕死のMCUを救う起爆剤になるかもしれないと思いました。

ただし一般受けはしない

とはいえ、それはこの映画が広く一般にウケるという意味ではなくて、むしろその逆。

比較的コアなMCU…っていうかマーベル映画のオールドファンにこそ受け入れられる作品と言う意味なんですよね。

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1996年には業績不振のため、自社作品の映画化権を20世紀FOXソニーピクチャーズエンターテイメントなどに売るほどのピンチに陥ったマーベル。

その当時は技術的な事もあって、多くのヒーロー映画は子供だましのB級映画扱いだったんですが、そんなヒーロー映画が今日のMCUへと続く「大人も楽しめるエンタメ映画」の先駆けとなったのが1998年~公開の「ブレイド」シリーズと言われていて、その後数々の大人も楽しめる内容のヒーロー映画が製作されました。

そして2000年~公開の「X-MEN」シリーズの世界的大ヒットによって、マーベル自体も持ち直し、今日のMCUへと続いているんですね。

本作では、ディズニーの買収もあって何となく尻すぼみに終わった感のある20世紀フォックス版のマーベル作品やキャラクターにしっかり花道を用意していてくれていて、これにはオールドファンもグッとくるんじゃないでしょうか。

元々、デップー自体が幼少期からずっと恵まれない、不遇な環境を笑い飛ばしてきたキャラクターですしね。

同時に、今回もデップーは昨今のMCUソニー版マーベル、DC作品、さらには親会社ディズニーなど、全方位をおちょくり倒しつつ、フェーズ4以降の「マルチバースサーガ」に対してマーベルファンの声を代弁してくれていて、あぁやっぱデップーは信頼できるなーと思いましたよ。これは最初から最後までふざけ倒してるけど、やるべきことはしっかりやるというデップーのキャラクターそのものでもあるんですよね。

ただ、その一方でMCUからファンになった人やデップーを知らない人には、「何のこっちゃ?」なシーン満載だし「お前誰やねん」なキャラも多数登場します。

「じゃぁ結局他作品も見てないと楽しめないじゃん!」って思われるかもしれないし、デップーに限ってはそういう側面も否めないんですよね。でも個人的にそういう内輪ネタやイースターエッグって知っていれば作品への解像度は上がるけど、それと映画の面白さは別物ってんですよね。

例えば劇中登場する様々な設定とかキャラクターの関係性とか、ぶっちゃけ僕も知らないキャラも何人か登場してましたけど、それも映画観てればどういうことかは文脈で大体わかるので、何のこっちゃなシーンや知らないキャラが登場しても、「それはそうゆうもの」として丸のみしてしまえば十分に楽しめると思います。

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なので、観るのを躊躇している人は臆することなく一度見てほしいと思うし、それでもし面白かったら、前2作もぜひ観て貰えればと思います。

興味のある方は是非!!

前作の解像度を上げる「マッドマックス :フュリオサ」(2024)

ぷらすです。

あの超・超・超・超・大傑作だった前作「マッドマックス/怒りのデスロードの前日譚であり、主人公フュリオサの半生を描いた叙事詩『マッドマックス :フュリオサ』を初日、初回の上映で観てきました!

というわけで今回は、まだ公開したばかりの作品でもあり、また、まだ前作を観ていない人もいると思うので、出来る限り両作のネタバレしないよう気をつけて感想を書きますが、気になる方はご注意ください。

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概要

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に続き、シリーズの生みの親であるジョージ・ミラーが監督を務めるアクション。世界崩壊から45年後、故郷からさらわれたフュリオサがバイカーたちの軍門に降り、荒廃した世界で城塞都市の支配者イモータン・ジョーとの戦いに巻き込まれる。主人公フュリオサを『ラストナイト・イン・ソーホー』などのアニャ・テイラー=ジョイ、バイカー軍団のリーダーを『アベンジャーズ』シリーズなどのクリス・ヘムズワースが演じる。(シネマトゥディより引用)

感想

マッドマックスとジョージ・ミラー

本作は、ジョージ・ミラー監督の伝説的シリーズ「マッドマックス」4作目となる「マッドマックス/怒りのデスロード」(2015)で、実質W主人公の一人だったフュリオサのオリジンを描いたスピンオフ作品です。

というか、そもそも「マッドマックス」シリーズを知らないor観たことがない方もいると思うのでザックリと説明すると、1979年に公開された『マッドマックス』第1作はジョージ・ミラー監督の長編映画デビュー作です。

医者を志して医科大学に進学するも、学生時代に映画コンクールに出品した短編映画がグランプリを獲得したのをきっかけに、テレビと映画界で働くようになったジョージ・ミラーが、数本の短編映画を制作した後オーストラリアで手掛けた低予算のアクション映画で、近未来の荒廃したオーストラリアを舞台に警察官マックスと凶悪な暴走族の戦いを描く復讐劇です。

この作品のヒットで注目を集めたジョージ・ミラーとマックス役を務めたメル・ギブソンはハリウッドに進出。

核戦争によって荒廃した世界を舞台にした続編『マッドマックス2』(1981)は、世界的大ヒットを収め、モヒカンヘアーで暴れまわる暴走族などを描いた世界観は、1980年代全般のSF映画ををはじめ、ジャンプのマンガ「北斗の拳」など多くの作品に多大な影響を与えました。

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そんな社会現象にもなった「マッドマックス2」の勢いを受けて製作された『マッドマックス/サンダードーム』は大物歌手のティナ・ターナーを起用するなど、ハリウッドと大きくコミットしエンタメ色を強めた作品で大ヒットしましたが、マッドマックスのファンの間では賛否両論ではありました。

この三部作でシリーズは一旦ピリオドを打ったものの、1998年に第4弾のアイデアを思い付いたジョージ・ミラーは制作に乗り出しますが9.11、イラク戦争など、度重なるアクシデントによって製作は延期。

紆余曲折を経て2015年、マックス役をトム・ハーディ―に変更しシリーズの世界観を引き継ぐ形で公開された『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、幾度もの延期によって世界観やキャラクターが練り込まれたことでシリーズ屈指の大傑作となり、シリーズのファンのみならず、新たなファンも獲得し世界的な大ヒット作品となりました。

そんな「/怒りのデスロード」でマックスとタッグを組んだのがシャーリーズ・セロン演じるフュリオサで、この時は彼女の壮絶な過去を匂わせる程度でしたが、「怒りのデスロード」へと続くフュリオサのオリジンを描いたのが本作なんですね。

若きフュリオサ役をアニャ・テイラー=ジョイが演じ、そんな彼女の宿敵でバイカー集団「バイカー・ホード」を率いる悪役ディメンタスを、「マイティー・ソー」のクリス・ヘムズワースが演じました。

前作の解像度を上げる作品

そんな本作の感想を一言で言うと、メッチャ面白かったです。

前作の世界観を引き継ぐ形で登場する、改造自動車とバイクの数々は相変わらず狂っていて、前作で登場しフュリオサが運転した「ウォータンク」の前身となる初代ウォータンクは光沢のあるステンレススチールとクローム仕様。
ギラギラに輝くタンクの側面にはイモータン・ジョーの伝説の物語が浅浮き彫りで施されているんですね!

このウォータンクの最後部は鎖で繋がれたトゲトゲ鉄球がぶら下がったドリルになっていて、スイッチを入れるとドリルが回転! 
遠心力で回る鉄球が敵を巻き込んで破壊するという、小学五年生男子が考えたようなメッチャ燃える仕様になってましたよ!!

officialページより

また、今回はバイクが多く登場するんですが、バイクで引っ張ったパラセーリング状態の敵や、後部にプロペラを積んだハンググライダーバイクで空から攻撃。
ディメンタスが駆るのは三台のバイクをくっつけて人が乗る台車を引っ張る「モーターサイクルチャリオット」です。「ベン・ハー」とかで馬が台車を引っ張て闘技場を走るアレのバイク版ですよ!

officialページより

うっは!カッコイイ!!

 

他にも相変わらず狂った車やバイクがジャンジャン登場しては破壊される中盤のチェイスシーンは見どころ満点ですよ!

そして、そんな本作には前作でも登場したイモータン・ジョー(前作でイモータンを演じたヒュー・キース・バーンは亡くなっているので、ラッキー・ヒュームが演じている)やTKBクリクリおじさんこと人喰い男爵や武器将軍などお馴染みの顔も登場。もちろんウォーボーイズたちも登場しますよ!

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あと、前作ではマックスがフェリオサの相棒役でしたが、本作では警護隊長のジャックというキャラクターが彼女の相棒役となります。

ざっくりストーリー紹介

そんな本作のストーリーをザックリ紹介すると、滅亡した世界にあったオアシス「母なる緑の地」から攫われ、愛する母をディメンタスに殺された少女フュリオサが、復讐を誓い「バイカー・ホード」やイモータン・ジョーが統治するシタデルの中で生き抜くというストーリー。

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その過程で、彼女が片腕を失い義手になった経緯や警護隊長としてウォータンクを任される過程が描かれています。

そして、面白いのは本作の悪役ディメンタスが、境遇的にフュリオサと鏡合わせの存在であるということ。彼もまた、愛する娘を失っていて、ゆえに幼いフュリオサをリトルDと呼んで自分の娘と重ねているんですね。

また、イモータンと比べるとディメンタスは明らかに浅慮で小物として描かれていて、相対的にイモータンの方が人としてはクズだけど統治者としては優れているのが分かるという描写も前作の解像度を上げているし、ディメンタスもどこか憎めないんですよね。

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演じるアニャ・テイラー=ジョイとクリス・ヘムズワースの演技も良いし、フュリオサの幼少期を演じたアリーラ・ブラウンもとても良かったです。

メッチャ面白いけれど

そんな本作、前述したようにメッチャ面白いし、いわゆる昨今のビッグバジェット作品の中では平均点を軽くクリアしている名作なのは間違いないんですが、ただ、前作「マッドマックス/怒りのデスロード」があまりにも傑作すぎだし、その前日単ということでハードルが上がり切っての公開ということもあり、その期待を上回るのは正直至難の業。さらに世界観が同じだけにアクションの絵面的にも前作の繰り返しに見えてしまう部分も正直あったんですよね。

あと、前作はアクションとディテールの解像度を上げることで、その向こうにある物語を映像で語っていたんですが、本作はフュリオサの物語を通して前作の、そしてマッドマックスの世界観の解像度を上げる手法を取っているので、前作のテンションで観るとあれ?ってなっちゃうかもしれません。

あと、本作は前作より30分ほど長かったんですが、その分、物語もやや間延びして見えたし、正直やや冗長に感じましたねー。

それだけ、ジョージ・ミラー監督がフュリオサと言うキャラに思い入れがあったということかもですが、個人的にはもう少しエピソードを刈り込んでテンポよく見せてほしかったと思いました。

他のシリーズ作品観なきゃ楽しめない??

ところで、マッドマックスを観たことがない人は、「この作品を楽しむには他のシリーズも観ないとダメ?」と不安に思うかもしれませんが、答えはNO

基本、マッドマックスシリーズはどの作品も一本の映画として完結しているので、他作品を未見の人でも本作だけ見れば十分に楽しめると思います。

officialページより

その上で、もし面白くて他の作品にも興味が湧いたら、ぜひ超・超・超・超・大傑作「マッドマックス/怒りのデスロード」も見てみてください。きっと楽しめると思いますよ!!

興味のある方は是非!!!

 

100年周年を迎えディズニーの魔法が解ける「ウィッシュ」(2023)

ぷらすです。

今回ご紹介するのはDisney100周年記念作品の『ウィッシュ』ですよ。

うん、まぁ、うん。

僕にとって本作は、やりたい事、言いたい事は分かるんだけど「これが本当に、“あの”ディズニー作品なのか!?」って思ってしまう内容でした。なので、本作をメッチャ楽しめた。面白かったという人は、この感想は読まないでください。多分、最初から最後までけなす事になると思うので。

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概要

ウォルト・ディズニー・カンパニーの創立100周年記念作品で、願いの力をテーマにしたミュージカルアニメ。最も大切な願いを王様にささげることで願いがかなうとされる国を舞台に、王国の秘密を知った17歳の少女アーシャが悪に立ち向かう。『アナと雪の女王』シリーズなどのクリス・バックがファウン・ヴィーラスンソーンと共に監督を務め、『アナと雪の女王』シリーズなどの共同監督であるジェニファー・リーが脚本を担当。ヒロインの声を『ウエスト・サイド・ストーリー』などのアリアナ・デボーズが担当する。(シネマトゥディより引用)

感想

ディズニーとポリコレ

僕は本作をDisney+で観たんですが、それは個人的に、昨今のディズニー作品に対して映画館で観ようと思うほどの魅力を感じなかったからです。

その大きな理由が今西洋を中心に問題になっているポリコレ。

ポリコレはポリティカルコレクトネスの略称で、 社会制度やあらゆる表現を差別・偏見のないものに変え、人種や性別、年齢、障害の有無などによるマイノリティ・社会的弱者を守るための運動のこと。

個人的にこの理念自体が悪いとは思わないし、まだまだ世界中に差別や偏見が蔓延っているのも事実。とはいえ、行き過ぎたポリコレ思想の押し付けは、逆に反発と分断を呼ぶだけではないかとも思うんです。まぁ、一方でマイノリティーが主人公のエンタメ作品というわけで過剰反応し叩きたがる層もいるので、どっちもどっちという感じではあるんですが。

で、現状エンタメ業界でそんなポリコレ最前線にいるのがディズニー。

僕は、ディズニー作品とのつきあいは決して長くはないけれど、それでも昨今のディズニー作品を観ていると「うーん……」となってしまうんですよね。

また、Disney+の登場とコロナ騒動によって、ディズニー関連作品は劇場公開から1・2か月もしないうちにDisney+で観られるため、わざわざお金を払って劇場で観なくても——という人も増えているんじゃないでしょうか。僕も正直そうだったりします。

まぁ、そんなアレコレもあって、中々本作に手が出せなかったんですが、先日やっと重い腰を上げてDisney+で視聴したわけです。

これがディズニー100周年作品…だと

で、そんな「ウィッシュ」を観た感想なんですが、内容の好き嫌いは抜きにして個人的には今まで観たディズニー作品の中でもかなりヤバいって思いましたねー。もちろん悪い意味で。

本作はディズニー作品「ピノキオ」の主題歌でもある名曲「星に願いを」が本作のモチーフになっていて、どんな“願い”も叶うと言われている “ロサス王国”を舞台に、17歳の少女アーシャが、ある出来事によって王国に隠された秘密を知り、ディズニー史上最恐のヴィラン(悪役)マグニフィコ王に立ち向かうというあらすじなんですけど、実際に観るとその印象はかなり変わると思います。

まずは映像なんですが、こちらはディズニー100周年ということもあって、現在の3DCGアニメに、古き良き手書きアニメのデザインや雰囲気を反映させようという試みがされているんですね。

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ところが、これがどうも上手くいってないからか、人物も背景もなんだか書き割りのように薄っぺらく感じてしまうんですよね。手書きと3DCDがケンカして互いの良さを消し合ってるというか。

でもそれは多分、単純に技術の問題ではなく、むしろ問題なのは演出や作劇。

例えば冒頭。主人公アーシャが国外から来た親子に、本作の舞台であるロサス王国を歌とダンスに乗せて案内するというシーンがあるんですが、このシーンでのロサスの風景がちっとも魅力的に見えないのです。

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これまでのディズニー、「アナと雪の女王」の戴冠式のミュージカルシーンや「ズートピア」の街の様子は見ているだけでワクワクするし、「塔の上のラプンツェル」のランタンのシーンは観ているこっちが震えるくらい美しかったじゃないですか。

本作のこのシーンもそうあるべきで、まずは観ている観客に「この国に住みたい」と思わせるくらい魅力的に町を描くことで、後にアーシャがこの国の真実を知った時とのギャップが活きるハズだし、この冒頭とラストの町の描写と上手く描き分ければ、特に説明はなくても観客は納得できたはず。

ところが本作では終始、この町の描写が平坦で何の魅力も感じないんですよね。

それは人物描写も同じで、主人公アーシャは優しすぎるのが“欠点”に思えるくらい優しい女の子という設定らしいんですけど、それを親友のダリアに言わせるんですよね。

これまでのディズニー作品なら、そこまでにアーシャが優しい女の子である事を映像で見せる描写が入ってたハズだけど、そういう描写は一切なし。
なのでこの設定にもまったく説得力がなくて、その後の彼女の行動にまったく感情移入が出来ず、ただ浅慮で身勝手な小娘に見えてしまうのです。

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今回のヴィランであるマグニフィコ王の王妃アマヤは、長年マグニフィコと寄り添ってきたハズで、彼の人生の苦難も思いも知っているハズなのに、マグニフィコが道を踏み外した瞬間に手のひらを返し、夫をあっさり見捨ててあまつさえ地下牢に閉じ込める薄情な妻に見えてしまうし、アーシャの親友の一人サイモンは作劇の不味さとその後の物語的なフォローがないからただ友人を裏切ったヤツのまま終わってしまう。

アーシャの親友ダリアは見た目アジア人で聡明で足(というか脳)に障害がある女の子。

でも、この足の障害については作中一切触れらる事はなくて、物語にも何の貢献もしないんですね。だったら別に障害の設定とかいらなくね?っていう。

ディズニーの前作「ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界」でも主人公の男の子がゲイだったり、飼い犬の足が一本無かったりしたけど、その設定も、物語に一切関係がなかったんですよね。

前にも書いたけど、アニメの場合、映像に映る物や人には必ず製作者の意思・意図が反映されるわけで、その設定に物語的な関係がない場合、それはただ、ポリコレの為と思われても仕方ない……っていうか、確実に彼女はポリコレ要員で、僕はそこにとてつもなく嫌な何かを感じてしまうんですよね。

そんな本作で唯一、僕が感情移入出来たのがヴィランであるマグニフィコ王でした。

彼は幼い頃、家族を盗賊の凶行によって失い、その悔しさから鍛錬を重ねて魔法使いになったという過去があり、ロサスの王になり、様々な理由で踏みにじられてきた弱き人々を受け入れて平和に暮らせる国を作った、いわば名君なわけですよ。

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そんな彼を信じて国民は「願い」を預けているわけで、彼自身(少なくとも中盤までは)、国民の願いを大事に保管しているし、最初から全員の願いを叶える約束はしてないわけです。年に1人?願いを叶えますよという約束に、国民も納得していたはず。

なのに、弟子募集に応募した小娘が、自分の祖父(100歳)の願いを叶えないのはおかしいとテロ活動を始めて、今まで散々世話してやった国民もそれに同調しはじめたら、それは「この恩知らずどもが!」ってブチ切れて当たり前でしょ。

お前ら今まで散々よくしてやった俺より、そのヘンテコマスコットを信じるのかよ!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッって。

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もちろ、「願いは人に適えてもらうものじゃなく、自分で叶えるもの」っていう本作のテーマは分かっているし、本作でやろうとしていたことも分かるけれど、それらを上手く物語に落とし込めていない——っていうか、そもそも作劇が破綻し、演出が杜撰すぎるから、ディズニーの主張ばかりが悪目立ちしてしまっているし、本作唯一の美点であるミュージカルシーンの魅力も半減しちゃってるんですよね。

全体的に作ろうとしているモノに対して、クリエイターのレベルが達していないという印象でした。

現実と物語がリンクしている

っていうか、さすがに意図はしてないと思うけど、本作のマグニフィコ王と国民の関係が、今のディズニーとユーザー(ファン)の関係とまるっと被っているように見えるのは何とも皮肉で、もしもディズニークリエイターが、昨今のディズニー作品に反発するファンたちを揶揄するつもりで本作を作ったのなら、逆に凄い!と思いますけど……まさかね?

来年は、何かと話題なレイチェル・ゼグラー主演の実写版「白雪姫」の公開も控えていているディズニーですけど、この感じが続くなら僕はもういいかな…って正直思ってしまいましたねー。

興味のある方は是非。

 

 

昭和と令和をバランスよくMIX「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」(2013)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』ですよ。

昨年公開されネット上ではかなりの高評価だった本作。僕は先日Amazonprimeで鑑賞したんですが、評判通りメッチャ面白かったですねー!

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概要

水木しげる原作の「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する鬼太郎の父と、水木という男との出会いを描いたアニメーション。行方不明になった妻を捜すため、とある村を訪れた鬼太郎の父と、密命を帯びたサラリーマンの水木が惨劇に遭遇する。ボイスキャスト関俊彦木内秀信古川登志夫沢城みゆき野沢雅子など。監督を『劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!』なども担当した古賀豪が務める。(シネマトゥディより引用)

感想

原作版とアニメ版の融合

ゲゲゲの鬼太郎」は、1954年の紙芝居「ハカバキタロウ」からスタート。その後、漫画、アニメ、映画、小説、ドラマ、ゲーム、舞台などに展開しながら、半世紀以上に亘って様々な関連作品が作られ続けている日本を代表するオカルトヒーローです。

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TVアニメ版は1968年の第1期から、キャラデザやストーリーを時代に合わせて変えながら現在第6期まで放送されていて、この第6期をベースに、2008年フジテレビで放送され水木先生の貸本時代のマンガ版鬼太郎をフューチャーした深夜アニメ「墓場鬼太郎」第1話で描かれた鬼太郎出生の物語を融合。その前日譚となるのが本作なんですね。

ざっくりストーリー紹介

そんな本作のストーリーは、血液銀行の職員で龍賀製薬を担当する水木は、龍賀一族の当主・時貞の死に伴い、ある密命を帯びて村を訪れる。そこで謎の男“ゲゲ郎”と出会い最初は反目するも、やがて二人で龍賀一族と、彼らが牛耳る哭倉村のおぞましい秘密に迫る。という物語。

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これはネタバレにはならないと思うので書きますが、このゲゲ郎という男は幽霊族の生き残りであり、生き別れの妻を探してこの哭倉村に来ていて、ゲゲ郎と妻の子供が鬼太郎なんですね。

本作の主人公はゲゲ郎と水木で、鬼太郎は最初と最後以外は登場しないので、鬼太郎の活躍を期待している人は期待外れだと思うし、ストーリーの方は横溝正史の「犬神家の一族」的な、龍賀財閥の遺産相続のイザコザと、一族に支配され外界から閉鎖された村のドロドロした因習や因縁がメインの物語なので、一応PG12指定ですが、実質R-15くらいの内容だと思いましたねー。

絶妙なバランス感覚

鬼太郎の原作者、水木しげる先生といえば戦争で片腕を亡くし、何度も死にかけたという壮絶な体験をされています。
なので貸本時代の鬼太郎は、当時の世相や権力体制を皮肉るようなシニカルなブラックジョークが満載でしたが、「週刊少年マガジン」掲載の1967年に「墓場鬼太郎」から「ゲゲゲの鬼太郎」にタイトルが変更されてから、鬼太郎は悪い妖怪を倒すヒーローとして描かれるようになり、テレビアニメ化以降はみんなが知っているオカルトヒーローの鬼太郎になっていくんですね。

しかし本作はアニメ版第6期をベースにしながらも、ストーリーの時代背景は戦中・戦後になっていて、戦地での上官の保身による理不尽な扱いや無茶な命令によって、無駄に命を落とす仲間の姿を見てきた水木の描写には、明らかに原作者である水木先生自身の体験を基にしています。

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戦後、水木を始め大人たちが会社と言わず列車内と言わずどこでもブカブカ煙草を吸っている描写や、龍賀製薬が開発した眠らなくても戦える(働ける)薬は、当時は合法だった麻薬、ヒロポンがモデルになっていて、「三丁目の夕日」的“古き良き時代”として描かれがちな戦後日本の嫌だ味の部分にフォーカスを当てて描いています。
また龍賀一族の家父長主義や家制度など、前時代的かつ、もしかしたら今も続く日本の権力構造。その理不尽さや嫌だ味と、それらに利用され奪われる龍賀沙代や長田時弥といった被害者たちの姿も容赦なく描いているんですね。

その物語にはまったく救いがなく、結論を言えば誰一人幸せにはならないんですけど、それでも本作を観ていてそこまで辛い気持ちにならないのは、アニメ版「墓場鬼太郎」をブリッジに第6期のイマドキな絵柄で水木とゲゲ郎のホモソーシャル的な関係性を物語の中心に置き、キャラ萌え要素を入れ込んでいる事。

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それと悪役を絞って物語をある程度単純化しつつ、ある種の伝奇ファンタジーとして描く事で、物語の嫌だ味をある程度オブラートに包んでいる事で、エグみの強い物語とのバランスを取っているからだと思いました。

もちろん、それをこのレベルで表現出来るのは、鬼太郎というキャラクターの持つ歴史と、どの時代にも通用する柔軟でありながら普遍的な強度を持つ設定ゆえであり、それは突き詰めていけば水木先生自身の人間性にも通じるんですよね。

アクションとガジェット

そんな本作では、鬼太郎の父親であるゲゲ郎のアクションシーンも見どころになっています。龍賀一族を陰から支え鬼太郎の宿敵でもある鬼道衆との闘いでは、まるでフリーハンドで描いたような線でぬるぬる動くアニメーションと、体内電気やリモコン下駄など鬼太郎でもお馴染みのガジェットが大活躍。また今まで描かれる事が無かった鬼太郎の霊毛ちゃんちゃんこの誕生シーンも描かれています。

そんなガジェットを使いこなして鬼道衆や妖怪たちと闘うゲゲ郎のアクションは、鬼太郎のそれと似ているけど、迫力満点にカッコよく描かれているので、ああ、この人は鬼太郎の父親なんだなと納得できるんですよね。

また、ここまでしっかりとストーリー、メッセージ、アクションを盛り込みながら、わずか105分に収めているのは見事だと思いました。

あと、前日譚ということで関連作品をチェックしないと楽しめないのではないかと心配している人もいるかもですが、基本、何となくでも鬼太郎を知っていれば、本作だけでも十分に物語は分かるし楽しめるようになっているので、安心して観てらえればと思いますよ。

興味のある方は是非!!

フランケンシュタインを現代にアップデート「哀れなるものたち」(2024)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ヨルゴス・ランティモス監督、エマ・ストーン主演。第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門での金獅子賞を始め数々の賞を受賞した『哀れなるものたち』ですよ。

先日、Disney+で公開されたので早速観てみました。

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概要

女王陛下のお気に入り』などのヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンが再び組み、スコットランドの作家アラスター・グレイによる小説を映画化。天才外科医の手により不幸な死からよみがえった若い女性が、世界を知るための冒険の旅を通じて成長していく。エマふんするヒロインと共に旅する弁護士を『スポットライト 世紀のスクープ』などのマーク・ラファロ、外科医を『永遠の門 ゴッホの見た未来』などのウィレム・デフォーが演じる。第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で金獅子賞を受賞。(シネマトゥディより引用)

感想

始めましてのヨルゴス・ランティモス作品

本作「哀れなるものたち」と言えば、日本では 2024年1月26日に劇場公開されたばかりなのにもうDisney+で配信が始まっていてビックリしたんですが、都合が合わなくて劇場では観る事が出来なかったので、さっそく視聴しました。

本作の監督ヨルゴス・ランティモスといえば、子孫を残せない人間は動物に変えられてしまう「ロブスター」や、エウリピデスの「アウリスのイピゲネイア」を基にしたというサイコホラー「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」などを手掛けた鬼才。
好き嫌いはあれど映画好きの間では知られた映画監督なんですが、僕はヨルゴス・ランティモス作品は本作が初めましてなんですね。

別に意識して避けていたわけではないけど、ちょっと難しい印象がある作品の評判に観る前はちょっと身構えてしまいましたが、実際に本作を観てみるとポップで観やすい作品でした。まぁ、この作品だけかもしれませんけども。

主演は「ラ・ラ・ランド」と本作で2度のアカデミー賞主演女優賞を受賞したエマ・ストーン。ランティモス監督とは「女王陛下のお気に入り」で1度タッグを組んでいて、本作では自らプロデュースにも名を連ね監督の次回作「憐れみの3章」にも出演しています。

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本作は1992年に発表されたアラスター・グレイの同名小説を原作にしていて、僕が観た印象としてはメアリー・シェリーの小説「フランケンシュタイン」の女性版という印象を受けたんですが、映画評論家の町山智浩氏によれば、アラスター・グレイが本作の主人公ベラのモデルにしたのはメアリー・シェリー自身だったそう。そこに彼女の代表作である「フランケンシュタイン」の設定を絡めたということらしいんですね。

本作ではそんな原作を、より現代的に再構築・アップデートしていると思いました。

ざっくりストーリー紹介

そんな本作のストーリーをざっくりご紹介すると、超天才外科医のゴッドは橋から飛び降り自殺をしたヴィクトリアという妊婦のお腹にいた胎児の脳を彼女の肉体に移植。ベラと名付けて自宅で成長の過程を記録しています。

そんなゴッドを慕う医学生マックスは、ゴッドからベラの観察記録を依頼され引き受けますが、驚くべきスピードで成長するベラに心惹かれるようになり、やがてゴッドの励ましを受けベラに結婚を申し込み、ベラもそれを受け入れるんですね。

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しかし、知性が急速に発達したベラは外の世界に興味を持ち、結婚の契約のために家に上がり込んだ弁護士でプレイボーイのダンカン・ウェダバーンに誘惑されて駆け落ちをしてしまうのだが——という物語。

(主に)様々な男たちとのセックスを通してベラが“セカイ”を知り、やがて自己を確立していくというのが物語の主軸になるんだけど、そこに悲壮感がないのは、それらの展開が常にベラ自身の選択だからなんだと思います。

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逆に、父親から実験動物的虐待を受けて育ったゴッドはそれ以外の愛し方を知らないし、無知なベラを自分の思い通り弄び、飽きたら捨てるつもりだったのに成長するベラに執着するようになるダンカン。そして娼館で働くようになるベラが相手をする様々な性癖の客たちや、ベラの生前であるヴィクトリアの元夫など、彼らは総じてベラ(=女性)を物扱いして、または自分の所有物にしようとするんですが、本作はベラの視点でそんな男たちの様子を時に醜く、時に滑稽に描いています。
そしてそんな男たちは、ベラの視点で見ると狭い視界に囚われた酷く不自由な「哀れなるものたち」なんですよね。

文脈的には、無知な主人公がさまざまな体験を通して内面的に成長していくビルディングスロマン的作品であり、上記の描写からフェミニズム的な内容とも言えるんだけど、映像的にはかなりカラフルでポップ。絵本やマンガのようなデフォルメされた世界で、物語的にも寓話的なので観ていて小難しい感じはしないんですよね。
だけど、しっかり現代社会への風刺や皮肉。批判や批評も入れ込んでいて、観終わった後も色々考えさせられる内容でした。

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ただ、本作ではかなり過激?なセックスシーンが描かれる(Disney+で見る限りぼかしなども入っていない)ので、その辺に抵抗のある人はちょっと受け付けないかもしれませんが、個人的には面白い映画でしたよ。

興味のある方は是非!!

 

 

 

もはや怪獣ではないが「ゴジラxコング/新たなる帝国」(2024)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、2024GW公開のハリウッド超大作『ゴジラxコング/新たなる帝国』ですよ。

レジェンダリー・ピクチャーズ制作の「モンスター・ヴァース」の第5作であり、2021年公開の『ゴジラvsコング』の続編となる本作。いわゆる日本のゴジラ映画とは違うけど約2時間ずっとニコニコしながら観ていましたよ。

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概要

ゴジラキングコングの二大怪獣が対決する『ゴジラvsコング』の続編。ゴジラキングコングが再び激突したことで、それぞれがテリトリーにする地上世界と地下空洞の世界が交錯し、新たな脅威が出現する。監督のアダム・ウィンガード、アイリーン役のレベッカ・ホール、バーニー役のブライアン・タイリー・ヘンリー、ジア役のケイリー・ホトルら、前作のスタッフとキャストが顔をそろえるほか、『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』などのダン・スティーヴンスらが新たに出演する。(シネマトゥディより引用)

感想

レジェンダリー版「モンスターヴァース」最新作

本作を制作するレジェンダリー・ピクチャーズは、2005年からワーナー・ブラザースと共同で映画を製作し、「バットマン ビギンズ」や「スーパーマン リターンズ」「300〈スリーハンドレッド〉 」など、主にアメコミ原作やアクション・ホラーなどのジャンル映画を製作。

その後、東宝と提携。2014年に公開したギャレス・エドワーズ監督『GODZILLA ゴジラ』を皮切りにゴジラキングコングなどを登場させる怪獣映画シリーズ「モンスターヴァース」を製作している、僕らボンクラ映画オタクにとっては信頼安心の映画制作会社です。

2017年には米国の代表的なモンスター映画「キングコング」をリブートした『キングコング:髑髏島の巨神』

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2019年はゴジラと巨大怪獣たちが戦う『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』

2021年には、ついにゴジラキングコングが初対決する『ゴジラvsコング』が公開されます。

そう、モンスターヴァースとは、日本を代表する怪獣ゴジラアメリカを代表するモンスター・キングコングが対決した1962年の東宝映画『キングコング対ゴジラ』のリブートシリーズなんですね。

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そしてシリーズ最新版となる本作は前作の対決以降、地上と地下空洞世界に分かれていた両雄が再び相まみえるという物語なのです。

ざっくりストーリー紹介

そんな本作のストーリーをざっくりご紹介すると、前作で地上世界はゴジラ、地底空洞世界はコングとそれぞれ住み分けが出来ていたわけですが、そんなある日、地下世界からの謎の波長の電波信号が感知されたのを機に両者が再び相まみえるという物語。

これは予告編でも登場していたのでネタバレではないと思うので書きますが、コングの同族であり凶悪な支配者スカーキングと地球を氷河期に陥れたという超恐ろしい怪獣シーモも登場。

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そんな両者との対決に地上世界のゴジラ、地下世界のコングがタッグを組んで闘うんですねー。

コングvsスカー、コングvsゴジラゴジラvsシーモと、怪獣プロレス極まれりという、メッチャ楽しい映画なのです。

猿の惑星&バットボーイズ

で、別に狙ったわけではないと思いますが、本作が始まる前に映画館で「バットボーイズRIDE OR DIE」と「猿の惑星/キングダム」の予告が掛かっていたわけですが、本作はまさにこの2本を足して2で割ったような作品でしたねーw

猿の惑星」はそもそも猿が人間化していく物語だし、前作「ゴジラvsコング」ではコングだけでなくゴジラもかなり擬人化されていたんですが、本作の予告にも出ていた両者が走るシーンなどは擬人化ここに極まれりという感じで、どこかバッドボーイズっぽいなーなんて思ってしまったんですよね。

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庵野監督の「シン・ゴジラ」や山崎貴監督の「ゴジラ-1.0」など日本版ゴジラは1954年のオリジナルへ原点回帰していっていることを考えると、このハリウッドゴジラはもはや別物というか、少なくとも僕が思う怪獣映画ではなくなっている感じですが、コングがモナークに虫歯を治してもらったり、敵を倒すためコングが専用のメリケンサックをハメたり。スカーキングの武器が怪獣の骨で出来たムチだったり、理屈は分からないけど最強の怪獣シーモを操っていたり。

そしてエジプトで相まみえたコングにゴジラがブレーンバスターを仕掛けたシーンは、“怪獣プロレス”そのまんま過ぎて思わず笑ってしまったし、これはこれで怪獣映画の面白さというか、“そういうもの”として観れば楽しいんですよね。

もちろん作劇的にツッコミどころは満点ですが、もはやそこをツッコむのも野暮だし日本版ゴジラと比べる事も意味はなく。そもそもがゴジラキングコングを戦わせようというボンクラ映画シリーズですからねw

めっちゃお金のかかった「東宝チャンピオンまつり」だと思って、ポップコーンを抱えながら観るのが吉だと思いましたねー。

興味のある方は是非!!

 

小粒な作品だけど好ましい「ドミノ」(2023)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは昨年公開されたロバート・ロドリゲス監督、ベン・アフレック主演のサスペンス映画『ドミノ』ですよ。

みんな大好きロバート・ロドリゲス監督が構想20年をかけたという作品で、ジャンルとしてはSF?サスペンスになるのかな?

映画のスケールとしては小規模な作品ですが、個人的にはメッチャ楽しめましたねー。

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概要

行方不明の娘を捜す刑事が、現実と見まがう世界に入り込んでいくサスペンス。銀行強盗の現場である男を見つけた刑事が、その男を追って不思議な世界に足を踏み入れる。監督などを手掛けるのは『シン・シティ』シリーズなどのロバート・ロドリゲス。『底知れぬ愛の闇』などのベン・アフレック、『アイ・アム・レジェンド』などのアリシー・ブラガのほか、J・D・パルド、ジャッキー・アール・ヘイリーウィリアム・フィクトナーらが出演している。(シネマトゥディより引用)

感想

ハードルを上げなければ楽しめる?

この作品、僕は予告も観てないしロドリゲス監督・ベンアフ主演以外の事前情報もまったく入れずに観たからか、劇中の仕掛け全部にビックリしたしメッチャ楽しんだんですが、ネットの評価を観ると割と低めだったりするんですよね。

というのも、映画評論家の寺沢ホーク氏が「下町のインセプション」と命名したように、確かに本作の予告編を観たらクリストファー・ノーラン監督の「インセプション」的な作品を期待してしまうかもしれません。

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いや、両作でやろうとしている事は近いと言えなくもないんですけど、映像や世界観、ストーリーなどなど、全体的にインセプションの1/10くらいの規模だし、ぶっちゃけ観た後に思い返しながら考察したくなるタイプの複雑なストーリーでもないので、ノーランの理屈っぽい作風が好きでインセプションをイメージして観てしまうと肩透かしを食らってしまうかもしれませんね。

逆に、本作の事を何も知らない状態でたまたま(例えば午後ローとかで)遭遇したら「メッチャ面白いじゃん!」って思うタイプの、作品としては小粒だけどサクッと観られて少なくとも観ている間は楽しめる良作だと思います。

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まぁ、設定とかジャンル的なルールに対して、観終わった後思い返して「あれ?あそこおかしくね?」って首をかしげる部分もあるにはあるんですが、少なくとも観ている間は全然気にならなかったのは、物語的な粗の部分を気にさせないロドリゲス監督の上手さというか、インディ体制で数々の小規模なジャンル映画を製作してきた手腕が活きているのだろうと思いました。

特に、クライマックス——というかいわゆるネタばらしの“あの展開”には普通にビックリしたし、その仕掛け自体が映画そのものの構造ともリンクしていて、感心してしまいましたねー。なるほど、それがやりたかったのかと。

まぁ、絵面がアレなので若干バカっぽく見えちゃうかもですけど、そこはロドリゲス監督の愛嬌でもあるんですよね。

というわけで、ここからはややネタバレになるので、気になる方はご注意ください。

 

リバイバルレトロフューチャー

どのジャンルでもそうですが、一時期流行ったけど消えていったネタやアイデア、ファッションなどがある程度時間を置くと新しく感じる現象ってあるじゃないですか。
例えばオカルトのジャンルで言うと、結構昔(多分1970年代?)に人面瘡ブームってのがありまして。人面瘡の設定は色々ですがザックリ言えば、体のオデキが成長して人の顔のようになり、最終的には宿主を乗っ取ってしまうor入れ替わる的な感じ。

これは一時期映画やマンガなどで結構流行って一代ジャンルになっていたんですが、次第に下火になって最近はほとんど見かけなくなっているんですよね。

もう一つは「ジャッロ映画」というジャンル。
こちらは(美女の)過度な流血をフィーチャーし引き伸ばされた殺人シーンが特徴。スプラッタ映画の前身ともいえるジャンルで、心理サスペンスとホラーの融合した作品群でしょうか。イタリアが本場でダリオ・アルジェント監督が有名ですよね。

で、そんな今はすっかり下火になった二つのジャンルを融合させたのが、我らがジェームズ・ワン監督の傑作ホラー「マリグナント 狂暴な悪夢」なんですね。

また、SF?で言うと人間は脳の10%しか使っていないという「脳の10パーセント神話」という例のアレ。現在、これが間違いなのは脳科学者の中では常識で、紛れもない誤情報・都市伝説とされているんですが、僕が子供の頃は、この10パーセント神話はまことしやかに囁かれていたし、SF小説やマンガ、映画の設定でも結構使われていたと思います。

しかし、この設定も次第に下火になって誰も使わなくなった2014年に公開されたのがリュック・ベッソン監督の「LUCY/ルーシー」で、麻薬の影響で脳を100%覚醒させた主人公ルーシーが大変なことになるという作品でした。

で、本作「ドミノ」で使われたのは催眠術。

催眠術や洗脳によって人を自在に操るという設定自体は、前者2例に比べると比較的メジャーというか、手を変え品を変えしながら定期的に映画に登場するんですけど、とはいえ、本作で登場するのは催眠術を超えたスーパー催眠術「ヒプノティック」で、声を聴いた瞬間、いや、一瞬相手を観たその瞬間、いやいや相手の射程距離に入った瞬間に、すでに敵の術中にはまってしまうという。もはや催眠術というより普通に超能力なんですよね。

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本作では、過去に愛する娘を何者かに誘拐された主人公の刑事ダニー・ロークが銀行強盗のタレコミを受け、そこで出会った最強のヒプノティックの使い手デルレーンに翻弄されながらも、自身と家族の真実に迫っていくという物語なんですが、この超能力設定を使って物語を二転三転させながら最後の大どんでん返しにもっていくストーリーテリングや、そんなトンデモ設定にほぼ違和感を抱かせる隙を与えない怒涛の展開は、さすがロドリゲス監督だと思いました。

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ロドリゲス監督といえばケレンの人という印象を持つ人も多いかもですが、そのケレンを十分に発揮するには、ケレンを活かす丁寧なフリや、適度な「抜き」が必要ですしね。

あと、ミッドクレジットの“あの展開”も、続編作る気マンマンだという意見も見ましたが、個人的には続編云々より「“あの展開”を入れる方が映画が締まる」から入れたと思うんですよね。もちろん続編を作るチャンスがあればやりたいのも本音だと思いますが。
ほぼ90分というコンパクトな上映時間も含め、一切ストレスなく観られる作品全体のストーリーテリングや、小規模ながら低予算に見せないスケール感もとても好ましい作品だと思いましたよ。

興味のある方は是非!!