今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

ラストフェス開幕!!「ワイルド・スピード/ファイヤーブースト」(2023)

ぷらすです。

公開初日・朝イチの回で観てきましたよ!

みんな大好きシリーズ最新作「ワイルド・スピード/ファイヤーブースト」をね!

2001年からスタートしたワイスピサーガもついに最終章。

本作はそんな最終章 前・後編の前編となり、予算もアクションもキャストも最後に相応しく超ド級。ワイスピ耐性のない人は胸焼け胃もたれ必至の超山盛り状態でしたよ!

というわけで今回は、まだ公開したばかりの作品でもあるので出来るだけネタバレしないよう気を付けて書きますが(ただし過去作のネタバレはあり)、これから本作を観る予定の人、ネタバレ絶対許さん!と言う人は、先に映画を観てからこの感想を読んで下さいね。

いいですね?注意しましたよ?

https://eiga.k-img.com/images/movie/98652/photo/b223eadf4c34f082.jpg?1681355574

画像出展元URL:http://eiga.com

概要

世界的にヒットを記録したカーアクション『ワイルド・スピード』シリーズの10作目。主人公ドミニクと固い絆で結ばれたファミリーの前に凶悪な敵が現れ、激しいバトルを繰り広げる。ヴィン・ディーゼルミシェル・ロドリゲスジョーダナ・ブリュースターらおなじみのメンバーのほか、『スランバーランド』などのジェイソン・モモアジェイソン・ステイサムヘレン・ミレンシャーリーズ・セロンらが出演。『トランスポーター』シリーズなどのルイ・ルテリエが監督を務める。(シネマトゥデイより引用)

感想

ワイスピ過去作の流れをざっくりと説明

ますは、「ワイスピ」をよく知らない人にざっくりとこのシリーズの内容をご紹介。

既に知っている人、興味のない人は次の章まで読み飛ばしてください。

ワイスピことワイルドスピード(現題:Fast & Furious)シリーズは、2001年に公開された第1作から本作まで本編10作、ドウェイン・ジョンソンジェイソン・ステイサムが主演のスピンオフ作品「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」を含む11作が現在公開中で、2025年公開予定の「Fast X Part 2(邦題未定)」で完結を迎える予定なのだそう。

https://eiga.k-img.com/images/movie/51478/photo/252f527a37376367/640.jpg?1469166415

画像出展元URL:http://eiga.com

そんなシリーズ第1作「ワイルド・スピード」は、FBI捜査官のブライアン・オコナーポール・ウォーカー)が、スポーツカーを使う走り屋の強盗団に潜入。リーダーのドミニク・トレットヴィン・ディーゼル)らの犯罪の証拠を掴もうとするもいろいろあって彼らの仲間になってしまう。というストーリー。

この第1作は普通によく出来たカーアクションもの+潜入捜査もの+バディものでしたが、この時点ではまだ、シリーズ化の予定はなかったんですね。

 

しかし第1作の人気を受けて続く第2作「ワイルド・スピードX2」は、ドミニクを逃がした罪で自らも追われる立場になったブライアンが、犯罪歴の帳消しと引き換えにマイアミを牛耳る麻薬組織に運び屋として潜入するというストーリー。

この第2作ではドミニク役のヴィン・ディーゼルは不参加で、評価の方もイマイチだったと記憶しています。

 

続く第3作「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」は、素行の悪さから母親に愛想を尽かされ、日本の米軍基地に勤務する軍人の父に引き取られ日本の学校に通う高校生ショーン・ボズウェル(ルーカス・ブラック)が主人公。

https://eiga.k-img.com/images/movie/1748/gallery/1_large.jpg?1396887455

画像出展元URL:http://eiga.com

そんなショーンが、なぜか東京に来ていたドミニクの仲間ハン(サン・カン)に鍛えられたドリフトテクニックを駆使してヤクザと対決するという物語。

ポール・ウォーカーヴィン・ディーゼルという、シリーズの2枚看板が二人とも不参加なうえ主人公変更、舞台も東京ということで、実質ほぼスピンオフ作品ですが、作中でハンが「事故」死、そして最後の最後にヴィン・ディーゼルカメオ出演したことで、ギリギリシリーズ本編に組み込まれました。

 

続く4作目「ワイルド・スピード MAX」では、ロスから逃亡したあと、ドミニカで仲間とガソリン強盗を行っていたドミニクですが、そんな彼らに警察の捜査の手が。

https://eiga.k-img.com/images/movie/54557/gallery/sub4_large.jpg?1396891780

画像出展元URL:http://eiga.com

仲間や恋人のレティ・オルティスミシェル・ロドリゲス)に危害が及ぶのを恐れたドミニクは1人彼らの元を去ります。そんなドミニクの元に妹のミヤジョーダナ・ブリュースター)からレティが殺されたとの連絡があり、ドミニクは復讐のため犯人を捜すんですね。その過程で前前作の功績で再びFBIに戻っていたブライアンとも合流。全ての黒幕である麻薬王と対決・見事レティの敵を取るのです。

この第4作でついにドミニクとブライアンが合流。また前作で死んだハズのハンも登場することから、本作が前作「TOKIOドリフト」より時系列的に前の出来事である事が分かります。また、本作では後に「ワンダーウーマン」を演じるガル・ガドット麻薬王の部下役で登場しますよ。

 

続く第5作「ワイルド・スピード MEGA MAX」では、前作ラストで逮捕され、懲役25年を言い渡されたドミニクでしたが、ブライアンと妹のミアらの手引きにより護送車からの脱出に成功。国際指名手配された3人はブラジルに潜伏します。

https://eiga.k-img.com/images/movie/55916/gallery/2394_d026_00392r_large.jpg?1396886935

画像出展元URL:http://eiga.com /我らがドウェイン・ジョンソン登場!

ブライアンとミアは、そこで再会したかつての仲間から麻薬取締局が押収した車を盗む仕事を引き受けます。列車の貨物車から車を運び出した一団でしたが、仕事を持ち掛けてきたかつての仲間に裏切られた三人。何とかミヤは逃がしたものの、ブライアンとドミニクはリオを仕切るマフィアのボス、エルナン・レイエスに捕まってしまいます。そしてあっという間に脱出します。

エルナンの目的はミヤが乗って逃げた車。その車のカーナビのチップにエルナンの闇金の流れが記録されていたんですね。

一方、ドミニクとブライアンを追ってリオに降り立ったアメリ外交保安局(DSS)の捜査官ルーク・ホブスドウェイン・ジョンソン)は、現地での通訳兼追加捜査員にエレナ・ネベスエルサ・パタキー)を指名。ドミニクたちを急襲するも、そこにエレナンの部下も現れ、三者入り乱れての銃撃戦に。何とかホブス、エレナンの部下を振り切ったドミニクたちだったが、ここでミヤがブライアンの子供を妊娠している事を告白。

ドミニクとブライアンは生まれてくる子供のためにもこれを「最後の仕事」として、レイエス闇金1億ドル強奪を計画するのだが。という物語。

ここでついに、我らがロック様ことドウェイン・ジョンソンがワイスピシリーズに合流。また、これまでは方向性が定まらなかったりシリアスで暗かったシリーズがこの作品から吹っ切れたというか、敵の財産をどでかい金庫ごと車で引っ張って盗む&金庫をを振り回しながら敵の車を破壊するというクライマックスに驚いたファンも多いのではないでしょうか。

 

続く第6作「ワイルド・スピード EURO MISSION」では、前作で手に入れた大金で静かに暮らしていたブライアン一家とドミニク。ドミニクは前作でホブスの部下だったエレナと付き合っています。

https://eiga.k-img.com/images/movie/77678/gallery/2418_dn_tnk_4795_v034_1001_large.jpg?1396887926

画像出展元URL:http://eiga.com /戦車と闘うよ!

そんなドミニクの元にホブスがやってきて、モスクワから超やばいチップを盗み出した元英国特殊部隊のオーウェン・ショウ率いる国際的犯罪組織壊滅のため協力を要請します。しかし協力を渋るドミニクにホブスは4作目で死んだハズのレティが組織の一員として生きている事を知らせ、ドミニクは真相を解明するため、自分たちの犯罪歴抹消を条件に協力することに。

チームで情報収集続けるうち、ショウは第4作の麻薬王と繋がっていて、殺そうとしたレティが記憶喪失になったのを利用。仲間として働かせていた事が分かります。そして彼の目的は盗んだ軍事部品を集め「ナイトシェード」と呼ばれる軍の通信網を24時間遮断する特殊装置を作り上げること。

そこからなんやかんやあって、ドミニクたちはショウを倒しますが、4作目で麻薬王の部下だったものの見捨てられ殺されかけたところをドミニクに救われ、ハンの恋人だったジゼルガル・ガドット)を失ってしまます。
ミッドクレジット。傷心から東京で暮らしていたハンの車に、何者かが車で突っ込み横転し爆発。(TOKIOドリフトのシーン)

そこからドミニクの元に電話をかけた何者かは「俺を知らないだろうが、やがて知る」と言った後、ドミニクの家を爆破します。

この作品から、ワイスピの車大喜利が始まります。本作でドミニクたちが対決したのは戦車。さらには離陸しようとする輸送機にワイヤーを引っかけ、車2台で引っ張ったり。ここから車=地面を走るものという概念が崩されていくんですね。

 

続く第7作「ワイルド・スピード SKY MISSION」は、シリーズ最高傑作の呼び声も高い作品ながら、実はこの作品の撮影中にブライアン役のポール・ウォーカーが事故で亡くなってしまったんですね。

https://eiga.k-img.com/images/movie/81183/gallery/wssm_gallery1_large.jpg?1427682597

画像出展元URL:http://eiga.com /車でスカイダイビング!

そんな本作の内容は、前作で恋人レティを敵組織から取り戻し、平和に暮らすドミニクたち。

一方、アメリカ外交保安部(DSS)のホブスのオフィスで、前作の敵オーウェン・ショウの兄、デッカード・ショウジェイソン・ステイサム)がPCをハッキング。元イギリス特殊部隊員のデッカードは弟の復讐のためホブスのPCからドミニクファミリーの居場所を調べ、東京に住んでいたハンを殺害、さらにドミニクの家を爆破するんですね。

デッカードとの対決で負傷、入院中のホブスからそのことを知らされたドミニクは、ファミリーの命を狙うデッカード打倒を決意。そんなドミニクの元に政府所属の秘密組織のボス、Mr・ノーバディーカート・ラッセル)という男が現れ、民間軍事組織によって捕えられたハッカーラムジー(ナタリー・エマニュエルの奪回を依頼。

彼女を救助し彼女が開発した監視プログラム「ゴッド・アイ」を入手すれば、その装置でデッカードを探し出すという条件に乗ったドミニクたちは、敵組織の車両部隊に察知されないよう車でスカイダイビングして急襲。みごとラムジーを救出。

それから色々あって、敵組織とデッカードが手を組んでいた事を知ったドミニクたちは、ドミニクがデッカードを、他のメンバーが敵組織を倒すべく、ホームタウン・ロスアンゼルスで最終決戦。デッカードとの対決中、敵組織のボスが急襲を仕掛けた軍用ヘリに向けドミニクは車でジャンプ、デッカードの持っていた手榴弾入りのバックを引っかけるとホブスが銃で手榴弾を撃って爆破。デッカードもホブスによって逮捕されます。

そして、この一件でファミリーを離れ家族と暮らす事を選んだブライアンは、しばしドミニクと並走したあと、互いの道に分かれていくというラストでした。

撮影途中でポール・ウォーカーが亡くなってしまったため、彼の兄弟やCGを使い不足したシーンを埋めたわけですが、ポールの死を知っていたファンにとっては号泣ものの見事なラストシーンでした。

 

続く8作目「ワイルド・スピード ICE BREAK」では、キューバハバナでレティとバカンスを楽しんでいたドミニクの元にサイファシャーリーズ・セロン)と名乗る女が接近。6作目で恋人だったエレナと彼女がドミニクに内緒で産んだ息子を人質に取り、自分の部下として働くように強要します。

https://eiga.k-img.com/images/movie/86133/photo/c961345ce157753a/640.jpg?1481770062

画像出展元URL:http://eiga.com /vs潜水艦!

仕方なく仲間を裏切りサイファーにつくドミニクでしたが、任務中彼の前に立ちはだかったレティを撃てなかったことから、サイファーはエレナを射殺。

そこから色々あって愛する息子を取り戻したドミニクにサイファーは潜水艦の魚雷で攻撃。しかし、サイファーが発射した熱伝導ミサイルを車で誘導したドミニクは、ミサイルで潜水艦を爆破。見事サイファーを倒しエレナの敵を取ったドミニクは、息子を「ブライアン」と名付けたのでした。

ここで、ついに「マッドマックス怒りのデスロード」や「アトミック・ブロンド」の壮絶アクションによってアクションスターとして名をあげた我らがシャーリーズ姐さんことシャーリーズ・セロンが悪役としてワイスピに合流。

ロック様、ステイサム、ガル・ガドットなどなど、名だたるアクションスターを取り込みながら、ワイスピは進んでいくんですね。

 

続く第9作「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」はドミニクの過去の回想から物語がスタートします。

レーサーだったお父さんがレース中の事故で亡くなり、ドミニクは事故の原因となったレーサーへの暴行で実刑を喰らい、最後に父の車を整備した弟ジェイコブ・トレットジョン・シナ)との縁を切っていた事が分かります。

そして現在、息子ブライアン(リトルB)の良き父となるべくレティと共に社会からひっそりと身を隠し平穏な毎日を過ごしていました。

そんなドミニク家に現れたローマン、テズ、ラムジーの仲間たち。

彼らによれば、サイファーの生け捕りに成功したMr・ノーバディが、彼女の移送中仲間の裏切りによってモンテキントと言う国に飛行機が墜落。これを受けてチームが現地に向かうもノーバディはおろか誰一人いない様子。ドミニクたちはとりあえず残っていた積み荷の回収に成功するも、直後軍隊に襲われ地雷原を何とか逃げ延びるもそこで新たな勢力の襲撃に会い、積み荷を弟ジェイコブに横取りされます。

動揺しつつもジェイコブを追うドミニクとファミリーはノーバディの基地にてミアと合流。積み荷の正体が世界中のコンピュータをハッキングできる「アリエス」だと判明。これが悪の手に渡れば世界滅亡の危機と危惧したノーバディが装置を二分し、さらにこの一件に東京で死んだハンが関わっている事が分かります。

一方、サイファーの協力でアリエスの残りのパーツを盗み出す事に成功したジェイコブでしたが、そこに現れたドミニクによって捕まり、東京に来ていたミアとレティはハンが生きていた事を知ります。

デッカードの襲撃直前、Mr・ノーバディによって死亡を偽装してもらい、匿われていたハンは、アリエスの開発者の娘とひっそり暮らしていたんですね。

そんな過去話が終わると、ドミニクたち隠れ家に捕らえていたジェイコブの部下が突入。アリエスと、起動のキーとなる娘を奪ったジェイコブは装置を乗せた衛星を発射。

ドミニクたちはジェイコブの目論見を阻止するべく、娘奪還チームと衛星破壊チームに分かれて、ローマンとテズは、「TOKIOドリフト」のショーンが作った車で宇宙に飛び、衛星を破壊。一方のドミニクは目的達成直前にサイファーに裏切られたジェイコブを救い、兄弟でサイファーの目論見を阻止したのでした。

https://eiga.k-img.com/images/movie/92575/photo/6137ed93bf360552/640.jpg?1618542795

画像出展元URL:http://eiga.com /そして宇宙へ…

この「~ジェットブレイク」では、とうとう車で宇宙に飛び立つ始末。もはや車大喜利も極まれりで、いや、普通にロケットで行けば良くね?って話ですが、どうしても車じゃなければダメなんですね。なぜならそれがワイスピだから。

 

というわけで、1作目から前作までのざっくりしたストーリー紹介でした。

登場キャラがやたら多いので、「あれ?これ誰だっけ??」が頻繁に起こるシリーズですが、そんなのは気にする必要なし。劇中で何かしらの説明がされるので、「そういうもの」として飲み込んじゃえばいいのです。

この過去9作では、近々超デカいサメと再戦するステイサム、マッドマックスのシャーリーズ姐さん、後にDC映画でワンダーウーマンを演じる事になるガル・ガドット、ブラックアダムを演じるドウェイン・ジョンソン、ピースメーカーを演じるジョン・シナが登場し、そして最新作となる本作の悪役はアクアマンを演じたジェイソン・モモア、Mr・ノーバディの娘役でキャプテン・マーベルブリー・ラーソンが登場します。

旧世代のアクション俳優、夢の詰め合わせ映画が「エクスペンタブルズ」なら、このワイスピシリーズは新世代のアクション&ヒーロー俳優、夢の詰め合わせ映画なのです。

まさにラストフェスに相応しい特盛体験

個人的な感覚として、ワイスピを映画館で観るのは「映画を観る」というより、体験として「フェスに参加している」感覚に近い感じがします。

基本オタクだし、引きこもり気味だし、友人も決して多いとは言えないこんな僕でも、ワイスピを観ている間はドミニクたちと一緒に、レースサイコー!BBQサイコー!俺たちファミリーウエイウエイ!って言っちゃえるような、リア充的多幸感を味わえるんですよね。

前作では命のやり取りをするほど憎しみあっていた強敵が、次の作品ではサクッと仲間になって協力しあうジャンプ感も楽しいし、死んだと思ってたキャラが舌の根も乾かないうちに「実は生きてました」と再登場するのだって、慣れれば、うん、まぁ、楽しい。何より、どんな強敵が出てきても負けないし死なないドミニクことヴィン・ディーゼルの絶対的安心感!

正直スター度で言えば、ドウェイン・ジョンソンジェイソン・ステイサムよりは一枚落ちるけれど、ロック様がゴジラ、ステイサムがキングギドラなら、ヴィン・ディーゼルガメラ的なカッコ良さがあるわけですよ。そんなガメラゴジラキングギドラと共闘して敵を倒すとか、もう、最高じゃないですか!

最終章前編となる本作では、そんなワイスピ要素が特盛!

モモアは巨大中性子爆弾バチカンを破壊しようとし、インディージョーンズよろしく街中を転がりまわる中性子爆弾に車で体当たりしながら、ドミニクは町を流れる川に導いていくわけですよ。(水圧で爆発力が1/10に抑えられるらしい)

https://eiga.k-img.com/images/movie/98652/photo/bdf3bd34c2149af2/640.jpg?1677456913

画像出展元URL:http://eiga.com ローマの街を転がる中性子爆弾

しかもそれ、まだぜんぜん序盤なんだぜ!?

さらに本作ではいつものメンバーに加え、サイファーや前回の敵役でドミニクの弟ジェイコブも早速登場。ちょっと大きくなったリトルBとタッグを組み、サイファーのシャーリーズ姐さんは、ドミニクの妻レティことミシェル・ロドリゲス姐さんと肉弾相打つ超凄い格闘アクションを繰り広げますよ!

そして今回最凶の敵、ダンテを演じるジェイソン・モモア

https://eiga.k-img.com/images/movie/98652/photo/506ec428b0418e26/640.jpg?1677456913

画像出展元URL:http://eiga.com /モモアーー!

バチカンを爆破しようとするだけでもヤバイのに、先手先手を打ちながら超怖い、でもちょっとかわいいところもある、でもやっぱ超絶ヤバイ敵としてドミニクを追い詰めていくんですね!

もう、モモア、アクアマンの100倍楽しそうに演じてるじゃーーん!

そして今回の僕は、完全に語彙力が崩壊してるじゃーーん!

でもいいのです!観ている者の語彙力を奪う、それがワイスピの魔法なのです!

これ以上はネタバレになるかもなので書けませんが、それ以外にも色々サプライズがあるので、ファンの人もそうでない人も、本作と次回の最終作は劇場で観る事をお勧めしますよ!

興味のある方は是非!!!

 

 

 

シリーズ完結に相応しい作品「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3」(2023)

ぷらすです。

今朝、朝イチの回でGotG第3作にしてシリーズ完結編となる「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3」を観てきました。

もうね、シリーズ完結に相応しい作品で、ただただ最高でした!

というわけで今回は、公開したばかりの作品なので出来るだけネタバレしないよう気を付けて感想を書きますが、これから本作を観る予定の方、ネタバレ絶対許さないという方は、先に映画を観てからこの感想を読んで下さい。

いいですね? 注意しましたよ?

https://eiga.k-img.com/images/movie/95011/photo/28137226837bb9f7.jpg?1678925542

画像出展元URL:http://eiga.com

概要

銀河のはみ出し者たちから成る異色ヒーローチームの冒険を描く『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ第3弾。落ちこぼれチームのガーディアンズが銀河を救うため、強大な敵に立ち向かう。監督は前2作と同じく『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』などのジェームズ・ガン。『ジュラシック・ワールド』シリーズなどのクリス・プラットをはじめ、ブラッドリー・クーパーヴィン・ディーゼルゾーイ・サルダナ、カレン・ギランらおなじみのキャストが集結する。(シネマトゥディより引用)

感想

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」という衝撃

MCU10作目として、2014年にGotG第1作が公開されるという情報が出た時、僕も含めた多くのファンは正直「え、誰?」となっていました。
というのも、アイアンマン、ソー、ハルク、スパイダーマンなど、他のマーベルコミックのヒーローと比べて、GotGの原作はマイナーで、人気も決して高いとは言えなかったからです。

そんなマイナーヒーローチームを、これまた当時映画監督としては無名だったジェームズ・ガンが監督するということで、正直、公開前のファンの期待度は低かったし、ロケットのビジュアルにスポットを当てた宣伝の打ち方にも、配給会社の苦悩が垣間見えてたんですよね。

しかし、そんな空気は公開ともに吹っ飛びます。

僕の場合、ラッパーの宇多丸さんのラジオでの激熱な紹介を聞き、宇多丸さんがそこまで言うなら…と、正直半信半疑で観に行ったんですね。

https://eiga.k-img.com/images/movie/77789/poster2.jpg?1404883781

画像出展元URL:http://eiga.com

そしたら、これがもう……凄かった!

映画の帰りに、GotG関連のおもちゃが売ってないのかとトイザらスに車を走らせちゃうくらい、居ても立っても居られないというか、もっと言えば世代ど真ん中でありながら「スターウォーズ」にイマイチハマれなかった僕にとっては、「あぁ、スターウォーズにハマった人の気持ちって、きっとこういう事だったんだ!」と。

そのくらいの衝撃があったんですよね。

では一体何がそんなに凄かったのかと言えば、まずは音楽の使い方。
本作用に作曲したのではなく、70~80年代のポップミュージックを使うという方法は、ある意味既にタランティーノがやっていた事ではありますが、タランティーノが結構知る人ぞ知るマニアックな選曲だったのに対し、GotGはもっとポップというか誰もが耳馴染みのある曲を使っていて、それが映画にがっつりハマっていたんですね。

つぎに色使い。

GotGが登場するまで、「スターウォーズ」を含むスペースオペラで描かれる宇宙空間って、ある程度テンプレが決まっていたというか、むしろ「スターウォーズ」によって決定されたというか。

しかし本作で登場する宇宙は、70年代~80年代のSFアートを思わせるカラービジュアルで、羽のついた宇宙船などレトロフューチャー的デザインのメカなどとも相まって、カラフルでポップな世界(宇宙)観がファンのハートをがっちり掴んだんですね。

https://eiga.k-img.com/images/movie/77789/photo/34b73ef8c1e5023e/640.jpg?1657518984

画像出展元URL:http://eiga.com

そうしたビジュアル、音楽に、元々脚本家としてキャリアをスタートさせたガンの作劇がガッチリと噛み合って、GotG第1作は、MCU作品というよりGotGシリーズとしてファンに広く認知されたのです。

表のピーター・裏のロケット

そんなGotGの主人公と言えば、スターロードことピーター・クイル(クリス・プラット)ですが、実はこのシリーズには主人公が2人いて、表の主人公がピーターなら、裏の主人公はロケットなんですね。

https://eiga.k-img.com/images/movie/95011/photo/625dd60408c573c2/640.jpg?1680854630

画像出展元URL:http://eiga.com

第1作ではピーターが強くフューチャーされていますが二人はある意味で鏡合わせの存在であり、第2作となる「~リミックス」では、ピーターの育ての親でもあるヨンドゥを中心に置く形で、ロケットの物語の比重がグッと上がり、そして本作「~VOLUME 3」では完全にロケットが主人公になっていたんですね。

本作ではこれまで要所要所で気配は感じさせていたものの、しっかり描かれる事のなかったロケットの過去が回想シーンとして描かれ、ガーディアンズがその決着をつけることで、ガーディアンズとして次への一歩を踏み出すところに着地しているんですね。

https://eiga.k-img.com/images/movie/95011/photo/e2fb2425ba064f5c/640.jpg?1680654794

画像出展元URL:http://eiga.com

まさに、シリーズ完結編に相応しい展開と言えると思います。

もうね、後半のクライマックスからはずっと泣きっぱなしでしたよ。

メインキャラクター全員に見せ場と相応しい着地を

そんなロケットが主人公の本作ではありますが、GotGシリーズ完結編としてもしっかり機能していて、ピーター、ガモーラ、グルート、ドラックス、マンティス、ネヴュラ、クラグリンや宇宙犬コスモに至るまで、全員にちゃんと見せ場があり、そしてそれぞれに相応しい着地が用意されています。

本作の上映時間は150分とやや長めではありますが、逆にこんだけぶち込めば150分かかるわ……ていうか、これだけの要素を150分に詰め込んだガンの手腕に驚かされました。

ガン風味強め

ジェームズ・ガン監督は二つの大きな作家性があって、一つはエモーショナルをしっかり描くということ、それがある意味「お涙頂戴」的に見えて嫌がる人もいると思いますが、個人的にはこうしたエモ描写を衒いなく、真剣に「良きもの・良きこと」として描けるのはガンの作家としての強みだと思うんですよね。

もう一つは、露悪的な描写。

GotGだけしか観ていない人は驚くかもですが、インディ時代の作品やDCの「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」、そのスピンオフであるドラマ「ピースメーカー」を観た人には、ジェームズ・ガン露悪ギャグはお馴染みだと思います。

大量虐殺や残酷描写をギャグとして描いたりね。GotGシリーズでは(親会社がディズニーということもあり)そうした露悪的な描写はかなり抑えられていますが、露悪性こそがガン本来の作家性と言う人も少なくないかもしれません。

まぁ、エモと露悪の両立こそがガンの作家性なのだと個人的には思ったりするんですけども。

で、本作はガンのMCUラストの作品ということもあり、これまで抑えていた露悪性が割としっかり描かれているんですね。

それを体現するのが、回想で登場するライラ、ティーフ、フロアと今回のヴィランであるハイ・エボリューショナリー

https://eiga.k-img.com/images/movie/95011/photo/eab36105eafc3cb5/640.jpg?1680654794

画像出展元URL:http://eiga.com

いや、直接的に残酷なシーンは描かれてないですけど、幼い頃のロケットの姿などからその残酷シーンが想像できてしまうんですよね。あぁ、痛い痛い。

そういう意味でハイ・エボリューショナリーというヴィランは、完結編に相応しいラスボスというか、演じるチュクウディ・イウジの演技も相まって、ここ10年でこれほど憎ったらしいと思った悪役はいなかったですねー!!

今回は最後のディズニー作品ということで露悪的なシーン強めなだけに、クライマックスのエモシーンも一際グッときてしまいましたよ。

ただ……

とまぁそんな感じで、本作はマジで完結編として素晴らしい作品だったし、3作に渡って楽しませてくれたGotGとジェームズ・ガンにはホント、ありがとう以外の言葉はないんですが、ただ一つ。いや、これはガンやキャスト、スタッフへの苦情ではないんですけど………正直、最後のあの一文はいらなかったなーと。

なんかこう「あ、そうなんだ…」って感じで、せっかくの感動がスッと冷めちゃうというかね。いや、まぁ、いいんだけどさ……。うーん。

ともあれ、ジェームズ・ガン監督、および、スタッフキャストのみなさん、最後まで楽しませてくれて、本当にありがとーございました!

興味のある方は是非!!

 

 

 

ほぼエブエブ「私ときどきレッサーパンダ」(2022)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ディズニーピクサー25作目で、日本では昨年Disney+で独占配信された『私ときどきレッサーパンダ』ですよー!

観よう観ようと思いながらも中々気分が乗らず放置してたんですが、先日、意を決して観たらメッチャ面白かったです。

https://eiga.k-img.com/images/movie/96090/photo/e628b05d4426a4ce.jpg?1643270345

画像出展元URL:http://eiga.com

概要

トイ・ストーリー』シリーズなどのディズニー&ピクサーによるアニメーション。レッサーパンダに変身してしまう女の子が、友人や母親との関係を通して本当の自分を見つけようとする。監督を手掛けるのは、ピクサーの短編アニメーション『Bao』で第91回アカデミー賞短編アニメ映画賞を受賞したドミー・シー。ロザリー・シアンをはじめ、ドラマシリーズ「グレイズ・アナトミー」などのサンドラ・オーらがボイスキャストを担当する。(シネマトゥデイより引用)

感想

Disney+配信作品

本作はディズニーピクサー作品としては25作目に当たりますが、新型コロナ感染拡大の影響を受け、「ソウルフル・ワールド」「あの夏のルカ」に続き劇場公開はされず、Disney+での独占配信作品になってしまったんですね。

僕はDisney+に加入しているので、いつでも観る事が出来る環境ではあったんですが、観よう観ようとは思いながらも、いつでも見られると思うと中々気分が乗らず放置してしまってたんですよね。

ピクサーアニメと言えば社会的なメッセージ性の強さと、スタッフの体験・経験を作品に落とし込む「作家性」が特徴で、それゆえ好き嫌いの分かれるところではあるんですが、それも「ソウルフル・ワールド」で極まったというか。

個人的な感覚で言えば、前作「あの夏のルカ」はもっとミニマムで、誤解を恐れずに言えばこれまでより「軽い」作品という印象でした。

そして本作もそれまでの「観る方にある程度の覚悟を強いる作風」と比べるといい意味でポップで軽い作品になっていて、ピクサー映画は苦手という人でも見やすい作品なのではないかと思いましたねー。

ほぼ「エブエブ」!?

そんな本作を観た感想を一言で言うと、ほぼ「エブエブ」でしたよ。

「エブエブ」とはダニエルズ監督、ミシェル・ヨー主演、A24配給で、本年度アカデミー賞7部門を受賞した「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の事。

エブエブは中国系アメリカ人、本作は中国系カナダ人と家族が主人公で、両作品とも奇しくも同じテーマを扱っているんですね。

あえて僕の嫌いな言い方で言うなら、いわゆる毒親問題というか、目上の人間を敬うというアジア圏の儒教思想と家族、西洋で暮らすアジア人というアイデンティティに対し、二世・三世がどう向き合うのかを、エブエブは母親視点から、本作は娘視点から描いているんですね。

監督は自身もチャイニーズ・カナディアンであるドミー・シーシェリダンカレッジでアニメーションを学んだあとピクサーでキャリアを積み、同年に短編アニメーション「Bao」を制作した後、本作で長編監督デビューしたんですね。

ざっくりストーリー紹介

カナダ・トロントのチャイナタウンに暮らす、由緒ある寺の家系に生まれた少女メイリン・"メイ"・リーは、活発で成績優秀。家庭内では両親を敬い期待に応えようとする、いわゆる“真面目ないい子“だが、人気ボーイ・バンド「4TOWN」の大ファンという年相応なところも。

https://eiga.k-img.com/images/movie/96090/photo/c29e3b5555ead2ed/640.jpg?1646284437

画像出展元URL:http://eiga.com

そんなメイリン13歳のある日、コンビニのアルバイト店員デヴォンに今までにない感情を抱き、翌朝目覚めるとレッサーパンダに変わっていた。

そこで両親から、一族の女性は思春期を迎え感情が高ぶるとレッサーパンダに変身してしまうことを知らされ――という物語。

レッサーパンダはいわば、思春期の心身の変化と自我の強烈な発露のメタファーで、体と心の変化、母親の期待に応えたい自分とアイドル好きな等身大の自分、母親に親友たちを認めて欲しいという思い、過保護ゆえ時に無神経な母親への反発心などなど、本作はそんな彼女が「レッサーパンダ」の自分を受け入れるまでの成長譚でもあるんですね。

https://eiga.k-img.com/images/movie/96090/photo/c53402e610976e76/640.jpg?1645057187

画像出展元URL:http://eiga.com

親友で「4TOWN」仲間のミリアム、プリヤ、アビーに遊びに誘われるも、家の手伝いがあるからと断って帰るメイリンの背中に「洗脳されてるなー」と呟くミリアムたち。

それまでメイリンは母親の期待に応えるのが当たり前だと思っていたし母親も同様に思っていて、しかしレッサーパンダになったのをキッカケに、戸惑い、悩みながらも自分を見つけようとするんですね。

「アニメ」的表現

そんなピクサー作品といえば、カートゥーン的なキャラクターながら、その質感や動きなどは実写と見まごうばかりのリアリティーを追求していたんですが、本作はインタビューで監督やスタッフが言及するように、動きや表情の表現を日本の「アニメ」に寄せているんですね。

https://eiga.k-img.com/images/movie/96090/photo/6cd3cb46b4dcd707/640.jpg?1646284432

画像出展元URL:http://eiga.com

とはいえ、キャラクターはピクサーの3DCGなので、結果ディズニーピクサーの「アニメーション」とも日本の「アニメ」とも違う、本作独自の表現になっていると思いました。

その西洋と東洋の中間にあるような表現方法が、(自覚的か無意識か分かりませんが)メイリンというキャラクターや、本作のテーマとも呼応しているように感じましたねー。

まぁ、物語自体は親の反対を押し切って、親友たちとアイドルのコンサートに行くか行かないかというミニマムな物語ではあるんですが、そんな誰でも一度は経験のある普遍的なエピソードを通して、少女から大人への成長をきっちり描いているのが素晴らしいと思いました。

興味のある方は是非!!

ナメてた相手が――「PIG ピッグ」(2022)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、我らがニコケイこと、ニコラス・ケイジ主演作『PIG ピッグ』ですよー!本作はニコラス・ケイジ長編映画100本目であり、自ら製作も務めていたのだそう。

というわけで、今回は2022年公開作でネタバレしたからつまらなくなるタイプの作品でもないと思うので、ネタバレありで感想を書いていきます。

なのでもし、これから本作を観るという方や、ネタバレは絶対許さんという方は、先に映画を観てからこの感想を読んで下さい。

良いですね?注意しましたよ?

https://eiga.k-img.com/images/movie/95414/photo/3cdb37af35c4fc7b.jpg?1657077905

画像出展元URL:http://eiga.com

概要

プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』などのニコラス・ケイジが主演を務めたドラマ。トリュフ採取に必要なブタを盗まれた男が、取り戻そうとする中で自身の過去と向き合う。メガホンを取るのはマイケル・サルノスキ。『ヘレディタリー/継承』などのアレックス・ウルフらが出演する。(シネマトゥディより引用)

感想

きれいなニコラス・ケイジ

ニコケイ主演映画の時は毎回枕詞みたいに書いてますが、ニコケイと言えば大巨匠フランシス・コッポラの甥っ子でアカデミー俳優でありながら、アメコミキャラの名前を芸名につけるくらいのオタクで超のつく浪費家、度重なる離婚などで抱えた多額の負債を返済する為、作品を選ばずB級・C級・なんならZ級作品にも積極的に出演しています。

なので、レンタルビデオ屋で日本では劇場公開されない、いわゆるビデオスルーの棚には、ニコケイ主演の作品が大量に並んでいるんですね。
まぁ、これには諸説あって、ニコケイがB級・C級作品に出演するのは彼がその手の作品が好きだからという噂もあったりしますけども。

そんなこんなで玉石混合、やたら出演作の多いニコケイの、長編映画100本目に当たるのが本作「PIG ピッグ」なのです

で、本作はそのあらすじから、またぞろ下らないB級映画化と思いきや、映画評価サイト・ロッテントマトでは批評家支持率は97%、平均点は10点満点で8.2点という高得点をマーク。

それもそのはず。この作品、色物かと思いきや「愛と喪失を廻る美しい物語」で、主演のニコケイも本作で、アカデミー俳優の凄みを体現した、静かながらも深みのある鮮烈な演技を見せてくれているんですね。
いつものぶっ飛び面白おじさんではなく、アカデミー俳優の「きれいなニコケイ」でしたよ。

ナメてた相手が実は――系作品

そんな本作のあらすじをざっくり紹介すると、人里離れたオレゴン州の山中、相棒の豚とトリュフハンターで生計を立てていたロブ(ニコケイ)は、ある夜、家を襲撃され相棒の豚を誘拐されてしまう。

https://eiga.k-img.com/images/movie/95414/photo/24fd0014de0995db/640.jpg?1657077808

画像出展元URL:http://eiga.com

愛する豚を取り戻すべく、ロブは若きバイヤーのアミールと共に、ポートランドの街に向かうのだが――と言うストーリー。

このあらすじだけ読むと、“リベンジ・スリラー”という煽り文句も手伝って、誰もが「ナメてた相手が実は殺人マシーンでした映画」(©ギンティー小林)だって思うじゃないですか。

怒りに燃えるニコケイが、豚を誘拐した組織に乗り込んで、血で血を洗う激闘の末に皆殺しにする血沸き肉躍る展開になるのだろうと。

ところがどっこい。

本作のニコケイ演ずるロブはポートランドでは伝説の料理人だった。つまり本作は「ナメてた相手が実は伝説の料理人でした映画」なんですねー。

なので本作には格闘シーンや銃撃シーンなどは殆どなく(ニコケイが一方的に殴られるシーンはある)、ロブはかつての知人たちを尋ねて情報を集め、昔の部下で今はレストランのシェフに「本当にやりたかったのはレストランじゃなくパブだったろ」と諭し、ラスボスに自らの料理を食べさせて倒すのです。

お前は何を言ってるんだと思われるでしょうが、でも、ホントにそういう映画なんだってばw

そんな本作のストーリーを詳しく説明すると、

ロブは10数年前までは、ポートランドでは有名な伝説のシェフでしたが、愛する奥さんを亡くしたショックから、人里離れた山中の山小屋に引きこもり、愛豚と共にトリュフハンターとして静かに暮らしているんですね。

そんな彼の採ったトリュフを扱うのが、街を牛耳る実業家の父・ダリウス(アダム・アーキン)に認められたくてトリュフのバイヤーになったアミール(アレックス・ウルフ)。しかし、それを面白く思わないダリウスはチンピラを金で雇って豚を誘拐させることでアミールにバイヤーの道を諦めさせようとしていたわけです。

https://eiga.k-img.com/images/movie/95414/photo/6647456463cd0258/640.jpg?1657077816

画像出展元URL:http://eiga.com

ロブは愛豚を盗んだ犯人を捜すため、まずはトリュフハンターの元締め的な人物に会いに行き実行犯を見つけますが、豚はすでに「都会の金持ち」に渡してしまったと。

そこでロブはアミールの車で、かつて愛する妻と暮らしたポートランドの街に乗り込むんですね。

街についたロブは昔の知り合いで裏社会のビジネスをしているエドガーに会いに行き、豚の行方を尋ねるも「今のお前に価値はない」と教えてはもらえません。

そこでロブはエドガーが経営する地下格闘技に参加。ここで戦うのかと思ったらそうではなく、殴られダウンするまでの時間を賭けるギャンブルっぽいんですが、ロブはこの殴られ屋?でエドガーに大勝ちさせることで「デレック」と言う名前の情報を得ます。

アミールの家で目を覚ましたロブ。朝食を食べながらアミールは、普段から夫婦仲が悪く喧嘩の絶えない両親を笑顔にしたレストランのシェフがロビン・フェルド(ロブのフルネーム)という名前だったと語ります。しかしロブが街から消え、母は自殺未遂の末植物状態になり父が変わってしまったのだと。

ロブはデレックが料理長を務めるレストランに、豚の居場所を知る手がかりがあると考え、アミールはロブのためにそのレストランを予約します。

実はそのレストランはダリウスの支配下であり、デレックは元はロブの部下だったんですね。あいさつに来たデレックにロブは「お前はイギリス式のパブをやりたいと言っていたろ」と言い「このレストランが偽物なのはお前が本気じゃない、偽物の料理を出しているからだ」と諭します。そして豚の行方を聞くと、「あの人に逆らったらこの町では生きていけない」と、暗に豚泥棒の黒幕がダリウスであることを仄めかすんですね。

怒りに燃えたロブはダリウス邸に突撃。ダリウスは豚を盗んだことを認め、アミールにトリュフビジネスから身を引かせるためだった事を告白。多額の金と引き換えに豚を諦める様言い、ロブを家から追い出します。

しかしロブは豚を諦める気は毛頭なく、“あの夜”ダリウス夫妻に提供した料理を作ってダリウスに食べさせるんですね。

https://eiga.k-img.com/images/movie/95414/photo/51a55bb5e0bdef54/640.jpg?1657077816

画像出展元URL:http://eiga.com

その料理を食べたダリウスは過去を思い出して泣き崩れ、しかし、豚はチンピラが死なせてしまった事を告白します。

その後落ち込んだロブはアミールの車で家に帰り、ずっと聴くことが出来なかった妻の歌声が入ったカセットテープを聞いて、物語は静かに幕を閉じるのです。

悲しみや辛さを受け入れて生きる

奥さんを失ったロブはその事実を受け入れられず、愛豚を心の支えに山奥に引きこもってしまう。しかしそれが原因でダリウスの奥さんは自殺未遂の末に植物状態に。つまりロブとダリウスは因果で結ばれた鏡合わせの存在であり、そんな二人を繋ぐのがダリウスの息子アミールというわけなのです。

アミールがトリュフバイヤーになったのも、恐らく夫婦仲の悪かった両親がロブの店で食事をした夜だけは笑顔だったことに起因していると思われ、しかしそれが逆に、ダリウスの傷口に塩を塗る結果になってしまったんですね。

そのせいでロブは心の支えだった豚を奪われてしまい、豚を取り返すため自身の過去と向き合うことになる。

最終的に豚を取り返す手段が料理だというのはビックリしましたが、料理を食べたダリウスは幸せだった過去の記憶を思い出すも、しかしだからと言ってもう取り返しはつかないし、結果、ロブの豚も戻ってはこないしで、本作は結論だけ見ればどこにも救いがないバットエンドとも言えます。

しかし、豚を取り戻すため自身の過去と向き合ったロブは、奥さんの死を受け入れることを出来たわけで、それが本作唯一の救いでもあるわけですね。

一度失ってしまったものを取り戻すことは出来ないけれど、それでも人は、悲しみや辛さを受け入れて生きていくしかないのだという、非常に大人のメッセージが本作には込められているのだと思ったし、一見トンデモ映画のようで、実に深く心に残る映画でした。

興味のある方は是非!!

 

アバンは最高だった「シン・仮面ライダー」(2023)

ぷらすです。

庵野秀明最新作『シン・仮面ライダー』を劇場で観てきました。

公開2日目で土曜日ということもあって、お客さんの数はかなり多かった印象。

年齢層・性別は、「シン・ウルトラマン」の時に比べて、老若男女バランスよく入っていたように思いました。(とはいえ同世代のおじさん多めでしたがw)

というわけで、まだ公開されたばかりの作品でもあるので、出来るだけネタバレには気をつけますが、まだ未見でこれから本作を観る予定の人や、ネタバレ絶対許さないという人は気を付けてください。

いいですね?注意しましたよ?

https://eiga.k-img.com/images/movie/94843/photo/8da1951d5617e01f.jpg?1676031795

画像出展元URL:http://eiga.com

概要

1971年から1973年にかけて放送された石ノ森章太郎原作の「仮面ライダー」50周年プロジェクトとして、『シン・ゴジラ』などの庵野秀明が監督を務めた特撮アクション。仮面ライダーこと本郷猛を池松壮亮、ヒロインの緑川ルリ子を浜辺美波仮面ライダー第2号こと一文字隼人を柄本佑が演じ、西野七瀬塚本晋也森山未來などが共演する。(シネマトゥディより引用)

感想

ゴジラウルトラマン

今や日本を代表する監督の一人である庵野秀明

代表作エヴァンゲリオンシリーズを始めとしたアニメ作品のみならず、「ラブ&ポップ」や「式日」などの実写作品を手掛け、2016年公開の「シン・ゴジラ」の大ヒット、続く「シン・ウルトラマン」とヒット作を連発する彼が手掛けた最新作が、本作、「シン・仮面ライダー」なんですね。

で、僕は庵野秀明監督の中には二人の庵野秀明がいるって思っていて、一人は客観的視点を持つ「シン・ゴジラ」の庵野秀明。もう一人は”俺の考えた最強の○○”を衒いなく作っちゃう「シン・ウルトラマン」の庵野秀明

では、果たして本作は「シン・ゴジラ」と「シン・ウルトラマン」のどっち寄りなんだろうと思いながら劇場に行ったんですが、結論から言うとどちらでもなく、まさかの「キューティー・ハニー」でしたよw

https://eiga.k-img.com/images/movie/1349/gallery/1_large.jpg?1396889528

画像出展元URL:http://eiga.com

いや、こう書くとバカにしてるみたいに取られるかもですが、世間の評価はともかく、僕は庵野版「キューティー・ハニー」はかなり好きなのです。

特に、戦闘アクションシーンでの、実写とアニメを融合したようなあのCG描写は、リアリティを追求するハリウッドのCG表現とは違う、ジャパニメーションの監督ならではのオリジナリティと可能性を感じていましたしね。

で、本作の戦闘シーンを見て最初に思ったのが、「キューティー・ハニーみたい!」だったんですよね。まぁ、今回に限ってはそのCG描写が必ずしも良い方に働いてるとは言い難かったんですが。

アバンタイトル・サイコー!

映画は仮面ライダー/本郷猛と緑川ルリ子がショッカーに追われるチェイスシーンからスタート。

で、このチェイスシーンから森での戦闘シーンに移るんですが、このライダーと戦闘員の格闘シーンが個人的にはめっちゃツボで、仮面ライダーが敵戦闘員を殴ると顔が潰れてブシャッと血しぶきが出る。(そんなにグロくはないです)
それによって、仮面ライダーの強さを表現してるわけですが、このシーンがもうめっちゃカッコよくて「そうそう、こういうライダーが見たかった!」ってぶち上りましたよ。

その後、隠れ家に逃げ延びてヘルメットを取った本郷猛の素顔が見えるシーンも、おぉ、そう来たか!って感じで。

つまり、人間の顔や身体が仮面ライダー(や怪人)のあの形に変形するのではなく、ベースはあくまで強化人間である彼らが防護スーツやヘルメットで肉体を守って(強化して)いるという設定は、個人的にめっちゃ好きでしたよ。この辺の設定は恐らく原作から引用してるのかな。

https://eiga.k-img.com/images/movie/94843/photo/f16bb25e46a27c1e/640.jpg?1641089122

画像出展元URL:http://eiga.com

あとは普段は普通のバイクからサイクロンに変形するとことか、ライダーの変身とライダーベルトの関係とか、ライダー状態で話すと口の部分が少し動くトコとか、変身の瞬間、ヘルメットから素顔が少しだけ覗くトコとか、そういうガジェットのカッコよさにぶち上ってしまいましたよ。

なんていうか、子供時代の僕が感じてた(変身すると人間がライダーの身体になるという)違和感に、ちゃんと理屈をつけてくれていることで、仮面ライダーの実在を信じられるようになってるというか。

同じ事は「シン・ウルトラマン」でもやってるんですが、あっちはちょっとやり過ぎちゃってるというか、明らかに無理な元の設定を通そうとして逆にリアリティーがなくなっちゃうみたいな。ねぇ?

そんな感じでアバンからクモオーグとの対決シーンくらいまではホント最高で、「これは面白くなりそうだ!」とワクワクしたんですが、それが後半に行くにしたがって少しづつ尻すぼみになっていく感じが、個人的にはちょっと残念でしたねー。

で、その尻すぼみ感の原因の大部分はアクションシーンのCG描写にあって、観ていて「雑なCGだなー」って思っちゃう描写が中盤からクライマックスに続いちゃうんですよね。

ほら、マンガとかで早いパンチ連打を表現するのに拳を沢山描いたりするじゃないですか。僕はそもそもあの表現が嫌いで、それを実写映画のCGでやられちゃうと、正直(´ε`;)ウーン…ってなっちゃうというか。

これなら、普通に格闘アクションとカメラワークで見せたほうがカッコよくなるのになーと思うシーンが結構ありました。

https://eiga.k-img.com/images/movie/94843/photo/a6994d2b6d31d58b/640.jpg?1641089127

画像出展元URL:http://eiga.com

あと、緑川ルリ子(浜辺美波)を始めとした女性キャラのキャラ付けや仕草が、いかにもアニメ演出なのも気になりましたねー。ウルトラマンの時の長澤まさみもそうでしたが、やっぱ実写でアニメキャラ的な性格付けや仕草をされちゃうとちょっと違和感を感じちゃうというか。まぁ、庵野さんは元々アニメ畑に人だし仕方ないっちゃ仕方ないんでしょうけど、それ以前に女性キャラ全員に既視感があるというか、それ、エヴァで見ましたけどー!的な。庵野さん、女性キャラのバリエーション少ないよねっていう。

それで言えば、設定や感情を全部役者にセリフで説明させるのもどうかとは思うけど、これについてはもう庵野節というか庵野さんの作家性と考えた方がいいのかもですね。

連続ドラマの映画化

で、「シン・ウルトラマン」もそうでしたが、今回も「仮面ライダー」という連続ドラマの映画化ということで、物語がダイジェストっぽく見えちゃうのが気になりました。

本作には、ラスボスを除けば5人のヴィランが登場するわけですが、やっぱ2時間で描くには数が多すぎるし、その分、一人ひとりのドラマは希薄になってるんですよね。

もちろんそれは、約1年続いた連続ドラマを2時間前後にまとめるんだから致し方ない部分ではありますけども。ただ倒されるためだけに登場する怪人たちの使い捨て感は、もうちょっと何とかならなかったのかなって思ってしまいました。

キャスト

これだけ文句を書いていると「じゃぁ面白くなかったのかよ」って思われるかもですがそんな事は全然なくて、むしろウルトラマンの時よりも個人的には楽しく観たし、上記のアバンシーンじゃないですが、おぉ!と唸る部分も多々あったんですよ。

例えば主演の本郷武を演じた池松壮亮さんは、 藤岡弘、の本郷猛を知ってる人にしてみれば「なんかナヨナヨしてない?」と思うかもですが、本作の本郷は優しすぎて苦しんでいる男という、今風なキャラ設定に変わっていて、そんな彼のキャラクターは、池松壮亮さんのあの表情や佇まいにピッタリあっているんですよね。

また、こっちは多分観た人が全員好きになるであろう一文字隼人 / 仮面ライダー第2号。本郷とは正反対の明るくサッパリしたこのキャラ造形。こちらも観る前は演じる柄本佑さんに違和感があったんですが、実際観てみると柄本さんが本来持っている陽性のキャラクターも相まって、めっちゃ合ってたんですよね!

それで言えば、前述したようにアニメっぽいキャラ造形が気になった緑川ルリ子ですが、演じる浜辺美波さんの演技はとても良かったですしね。

https://eiga.k-img.com/images/movie/94843/photo/3bb04cf1965d37de/640.jpg?1670212983

画像出展元URL:http://eiga.com

観る前は違和感があったキャスティングでしたが、観終わってみれば全員納得でしたよ。

エヴァっぽい問題

あと、本作についてエヴァっぽいという批判もちらほら見かけたんですが、恐らくはショッカーの目的がいかにもアレのアレっぽいからって事なんでしょうねw

ただ、そこは庵野監督も分かった上で意図的にそうしているわけで、そもそも庵野さんは、本作もゴジラウルトラマンも、もっと言えば「巨神兵東京に現る」や「ふしぎの海のナディア」に他の全監督作品、DAICOMフィルム時代の「帰ってきたウルトラマン」すらエヴァンゲリオンに繋げてて、その総称が「シン・ユニバース」なんですよね。

帰ってきた庵野秀明

シン・ゴジラ」は3.11と原発問題、「シン・ウルトラマン」は世界情勢など、シン・シリーズの実写2作では作品を通して社会問題にコミットしていた庵野監督ですが、本作は「絶望と救済」というより大きく日本や世界全体を覆う概念的な問題と本郷猛・緑川ルリ子らキャラクターの物語を直結させる、庵野さんが「エヴァンゲリオン」でやっていた、いわゆる”セカイ系“的な作劇法に戻ってきたなという印象でした。

シンジ君に自分自身を乗せて私小説的としてエヴァンゲリオンを描いていた庵野監督ですが、本作では本郷猛に自分自身を乗せている感じがしました。

そういう意味では、実写の中では本作が一番エヴァに近い作品なのかなと思ったりしました。

色々賛否は分かれていますが、例えば仮面ライダーを一本も見たことがないと言う人でも、本作だけ観れば内容は分かるし、僕も文句言いながらこんなに長文で感想を書くほどには面白かったですよ。

興味のある方は是非!!

前作よりはパワーダウンだが「シャザム!~神々の怒り~」(2023)

ぷらすです。

本日公開、「シャザム!~神々の怒り~」を初回上映で観てきました。

先に個人的な感想を一言で言うと、物語的には前作に比べパワーダウンも、シンプルな構成ゆえの面白さは健在。って感じでしたねー。

というわけで今回は、まだ公開したばかりの作品なので出来るだけネタバレはしないよう気をつけますが、まだ本作を観ていない方、ネタバレ絶対許さないという方はご注意ください。

いいですね?注意しましたよ?

https://eiga.k-img.com/images/movie/96537/photo/fdabbd49a67f503a.jpg?1676617664

画像出展元URL:http://eiga.com

概要

最強のヒーローに変身した少年が、騒動を巻き起こすさまを描く『シャザム!』の続編。半人前のヒーローのシャザムが神々の怒りを買い、神々の娘たちが地球に来襲する事態になる。デヴィッド・F・サンドバーグが、前作に引き続きメガホンを取る。ザカリー・リーヴァイ、アッシャー・エンジェル、ジャック・ディラン・グレイザー、ジャイモン・フンスーらキャストも続投し、『ウエスト・サイド・ストーリー』などのレイチェル・ゼグラーのほか、ルーシー・リューヘレン・ミレンらが出演する。(シネマトゥデイより引用)

感想

「シャザム!」とは(前作のネタバレあり)

「シャザム!」はDCコミックスのヒーロー。

元々はフォーセットコミックスという出版社で描かれていたヒーローで、少年が魔法の力で大人のスーパーヒーローになるというミンキーモモ的な設定が子供たちにウケて、一時はスーパーマンをも凌ぐ人気だったそうです。

しかし、その後いろいろあって雑誌は廃刊。現在は版権を取得したDCコミックのヒーローになっているんですね。

そして2013年からスタートしたDCヒーローを実写映画化するプロジェクト「DCエクステンデッド・ユニバース」の7作目として映画化。

それまでヒットはするも、重い・暗い・長いの三拍子で、評価がイマイチだった同プロジェクト作品の中で、コミカルで明るく、ジュブナイル的成長譚としてサクッと観られる作品として、ファンの間で高い評価を受けました。

そんな「シャザム!」の主人公ビリー・バットソン(アッシャー・エンジェル)は孤児で幼い頃離ればなれになった母親に会いたさに23回も家出を繰り返している問題児。彼は新たな里親バスケス夫妻が運営するグループホームに入居するも、中々馴染めずにいたんですね。

学校に通い始めたビリーは義兄弟であるフレディ(ジャック・ディラン・グレイザー)がいじめっ子に暴行される現場に出くわし、彼を助けた正義感を見込まれて魔術師からスーパーヒーロー・シャザムへの変身能力を与えられ――というストーリー。

そんな本作の魅力は、ビリーやフレディらメインキャラクターの孤児という設定がそのまま物語と深く絡んでいて、なおかつその本質は普遍的な「家族」の物語であるということ。そして少年が主人公ゆえ、スーパーヒーローものとして奇をてらわず真っすぐだということ。

https://eiga.k-img.com/images/movie/96537/photo/f8611480ca807143/640.jpg?1673401621

画像出展元URL:http://eiga.com

シャザムに変身する能力を得たビリーが、親友でバディでもあるフレディとともに失敗を繰り返しながらも心身ともに成長していく様子はジュブナイル的面白さに満ちていたし、ラストのオチのつけ方や、その後のオマケシーンに至るまで、とても多幸感に満ちた楽しい作品だったのです。

続編ゆえの難しさ

その続きとなる本作は、すでに物語の核となるビリーやフレディたちの成長が前作で描かれ終わっているため、物語的推進力に欠けていて、正直パワーダウンは否めません。

ビリーは前作で克服したはずの悩みを再び繰り返しているし、フレディの学校でのいじめられっ子という立ち位置も変わってはいない。

2人(と義兄弟たち)がヒーロー活動している以外は、前作のリピートを観ている様で、正直、前半部分はちょっと退屈でした。

もちろん、それは本作に限った事ではなく、人気作、ヒット作の続編が常に抱える問題でもあるんですよね。

そんな本作のヴィランとして登場するのは、ギリシャ神話の神アトラスの娘ヘスペラヘレン・ミレン)、カリプソルーシー・リュー)、アン(レイチェル・ゼグラー)の3人。

https://eiga.k-img.com/images/movie/96537/photo/952232f5d66a26a7/640.jpg?1677227364

画像出展元URL:http://eiga.com

彼女たちは魔術師シャザムジャイモン・フンスー)によって、魔法の力を盗まれ別世界に封印されていたものの、前作でビリーがうっかり封印を解いてしまったため、復讐のため現世にやってきたのです。

そんな3人とビリーたちの戦いは、序盤はコミカルに、しかし中盤以降は徐々に物語にドライブがかかっていき、どんどん映画に引き込まれていくんですよね。

https://eiga.k-img.com/images/movie/96537/photo/3f0d081c59bde7af/640.jpg?1658708700

画像出展元URL:http://eiga.com

そしてクライマックスのあの展開には、思わずグッときて泣いてしまいました。

さらにラストのあの展開も、「まぁ、そうだよね」と思いながらも納得。

なにより前半での展開もあり、あのキャラクターがあそこで登場するとは思いませんでした。美味しいトコ持っていくわー。

そんな感じで、物語は前作に比べてパワーダウンは否めないものの、少年の成長譚と家族の物語という普遍的な物語の骨格自体は失われていないし、キャラクターの魅力もあって一定の面白さは担保されているという作品でした。

出来れば、前作を観てから本作を観た方が楽しめると思いますが、なんなら本作からいきなり見ちゃっても楽しめると思うし、本作を観て面白いと思ったら、遡って前作を観てみるのもアリじゃないかと思いますよ。

興味のある方は是非!!

良い意味でぶっ飛んだ傑作!「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(2023)

ぷらすです。

3/3日の公開日から話題沸騰の「エブエブ」こと『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を観てきました!

監督が「スイス・アーミー・マン」のダニエル・クワン&ダニエル・シャイナートということで楽しみにしていたんですが、実際観たら期待をはるかに超える面白さでしたねー!

https://eiga.k-img.com/images/movie/96942/photo/6bdac0b7b883bdb7.jpg?1673913804

画像出展元URL:http://eiga.com

概要

『ムーンライト』『ミッドサマー』などのA24が製作し、『スイス・アーミー・マン』などのダニエル・クワンダニエル・シャイナートが監督を務めるアクションコメディー。破産寸前のコインランドリーを経営している女性が、並行世界で驚異的な身体能力を得て人類を救うための闘いを繰り広げる。主人公を『グリーン・デスティニー』などのミシェル・ヨーが演じ、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』などのキー・ホイ・クァンや『ハロウィン』シリーズなどのジェイミー・リー・カーティスらが共演する。(シネマトゥディより引用)

感想

あの「スイス・アーミー・マン」のダニエルズ・監督最新作はさらにぶっ飛んだ映画だった

本作でメガホンを取るのはダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート(通称ダニエルズ)。ハリーポッターダニエル・ラドクリフが動く水死体を演じた「スイス・アー・ミーマン」では、そのぶっ飛んだ物語と哲学的な内容が相まって大きな話題を呼びました。

本作では「ポリス・ストーリー3」や「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」など洋の東西を問わず数々の作品に出演したミシェル・ヨー、「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」のキー・ホイ・クァンら中国系キャストを揃え、今にも潰れそうなコインランドリーを経営する人生に疲れた中年女性がマルチバース世界を救うという、「スイス~」以上にぶっ飛んだ映画を制作したのです。

ざっくりストーリー紹介

本作のストーリーをざっくり紹介すると、今にも潰れそうなコインランドリーを経営するエヴリンミシェル・ヨー)は、ボケかけた父(ジェームズ・ホン)の介護に疲れ、優しいだけの呑気な夫ウェイモンドキー・ホイ・クァン)にいら立ち、同性愛者の娘ジョイ(ステファニー・スー)を受け入れられない人生に疲れきった中年女性。

そんな彼女が確定申告に行った国税局で、突如、別宇宙(ユニバース)のウェイモンドが現れ、全ユニバースにカオスをもたらす強大な敵 ジョブ・トゥパキとの戦いに巻き込まれる――という物語。

ミシェル・ヨー演じる主人公エブリンはこれまで様々な夢に挫折。残ったのは潰れかけのコインランドリーと、優しいだけで役立たずな夫、彼女を否定し続けた父、同性愛者の娘。そして大量の領収書と確定申告を抱えいっぱいいっぱいになっています。

そんな彼女が国税局に行くと、エレベーターの中で突如様子の変わったウェイモンドが監視カメラを避けるため傘を開き、エブリンの両耳に通信機のようなものをつけさせ「君に危険が迫ってる」と意味不明な事を矢継ぎ早に言ってアプリを起動。

そして「またすぐ会おう」と言うと、元の夫に戻りエレベーターが開くんですね。

https://eiga.k-img.com/images/movie/96942/photo/4d7482bb585952ce/640.jpg?1675155288

画像出展元URL:http://eiga.com

そんな夫の様子が気になって税務職員ディアドラジェイミー・リー・カーティス)の言葉も上の空のエブリンは、ウェイモンドから手渡された指示書に従って、靴を反対に履き替え、用具室の扉をイメージしながら緑に光った耳の機器を押してみると、謎の感覚が彼女を襲い、用具室の中で様子の違うウェイモンドと一緒にいたのです。

そこで彼は、自分は別アース(並行宇宙)のウェイモンドであり、全ユニバースを破壊しようとしている強大な敵、 ジョブ・トゥパキと闘えるのは君だけだと伝えるんですね。

お前は何を言ってるんだ?と思われるかもですが、そういう内容なんだから仕方がないw

マルチバース

マルチバースと言えばMCU作品などのアメコミ映画で登場するようになった並行宇宙。馴染み深い言葉で言えばパラレルワールドのことで、可能性の分だけあり得たかもしれない自分が存在する宇宙が枝分かれして存在しているという概念。

本作でエブリンは、別アースのエブリンが作った装置を使い、全ての並行宇宙を破壊せんとするジョブ・トゥパキとマルチバースをまたにかけて闘うハメになるんですが、面白いのは、別アースに移動できるのは肉体ではなく精神のみで、別アースの自分を体験することでその世界の自分が得た能力を使えるようになる。ということ。

https://eiga.k-img.com/images/movie/96942/photo/3a46c69d444aed68/640.jpg?1670891817

画像出展元URL:http://eiga.com

もう一つは、思いつく限りバカバカしい行為をすればするほど移動のためのエネルギーを得られるということ。

最初の靴を左右反対に履くもそうですが、その行為がより常識から外れるほど得られるエネルギーは大きくなり、より強力な自分にアクセスできるんですね。

それはエブリンだけでなく、全ての登場キャラがそうなので画面上ではとんでもなくバカバカしい、もしくはお下品な光景が映し出される事になるのです。

https://eiga.k-img.com/images/movie/96942/photo/a553a50e01b7aecd/640.jpg?1675155288

画像出展元URL:http://eiga.com

そこを笑えるかどうかが本作の評価の分かれ目と言う感じなんですが、「スイス・アーミー・マン」を観た人なら何となく分かると思いますが、まるで小学生男子がゲラゲラ笑いながら考えたようなバカバカしい展開に呆れていると、急に哲学的だったり、深い人間ドラマに連れていかれるのがダニエルズ監督の凄いところ。

普遍的な愛の物語

本作でも扱われているテーマは、家族、多様性、毒親問題、ミドルエイジクライシスなど、ともすれば重く、デリケートなものばかり。

エブリンは娘のジョイがレズビアンであることを認められず、事あるごとにジョイに対して「あんたは太り過ぎ。食事に気をつけろ」と否定的な事ばかり言う、いわゆる毒親なんですが、実は彼女自身も、父親から否定されて育っていた事が明かされます。

なので、父親にジョイのガールフレンドを「友達」と紹介。ジョイを失望させたりするんですね。

https://eiga.k-img.com/images/movie/96942/photo/1b1804b53756951d/640.jpg?1676359905

画像出展元URL:http://eiga.com

また、中年期に突入し「自分にはこの潰れかけのコインランドリーと役立たずの夫、年老いた父親と自分に反抗的な娘しかない」と絶望。テレビに映るミュージカルに、あったかもしれない自分を重ねて妄想に耽ったりしている。まさにミドルエイジクライシス(中年の鬱)なんですよね。

しかし、本作はそこにマルチバース設定を絡める事で、限りなくポップで楽しいコメディとして見せてくれるんですね。

それでいて中盤以降、エブリンがあらゆるユニバースを経験しながら自分と向き合っていく深い展開には唸らされるし、そこから彼女が導き出されたある答えには、爆笑しながらも思わず泣いてしまいました。さすがダニエルズ。

さらにそのまま終わるのかな?と思ったら、そこからもうひと捻り。

いわゆる多様性を受け入れるとは何か、家族とは何かを示すラストは、僕らの“これから”に、一つの可能性を示してくれる展開で、本当に素晴らしかったですよ。

とはいえ、劇中ではバカみたいなギャグや下ネタも結構あるし、その辺、合う人合わない人がいるかもしれません。

キャスト陣

そんな本作の主人公エブリンを演じるのは、洋の東西を問わず多くの映画に出演しているミシェル・ヨー。エブリンの優しいけど頼りない夫ウェイモンドを演じるのは子役時代「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説 」や「グーニーズ」にも出演したキー・ホイ・クァン。彼は役者から裏方へと活躍の場を移していましたが、本作で俳優として本格的にカムバックしたそうです。

https://eiga.k-img.com/images/movie/96942/photo/16718a356bae2db3/640.jpg?1670891816

画像出展元URL:http://eiga.com

この対照的なキャラを演じる二人の演技はもちろん素晴らしかったんですが、個人的に驚いたのは、二人の娘ジョイを演じたステファニー・スー
彼女はこれまで舞台を中心に活躍していたようですが、本作ではミシェル・ヨーにも負けない存在感を発揮していたと思うし、本作でアカデミー助演女優賞にもノミネートされたようですね。

ポップでキッチュな映像体験

そんな本作、恐らくはそこまでビックバジェットではないと思うんですが、その分、ポップキッチュな色使いやデザイン、ダニエルズらしい映像センスで決して安っぽくはみえないような画作りがされていたと思うし、この映像だけでも観る価値があるように思いました。

興味のある方は是非!!