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カメ止め!上田慎一郎監督の長編デビュー作「お米とおっぱい。」(2011)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、インディペンデント作品としては空前の大ヒット作品となった「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督の長編デビュー作『お米とおっぱい。』ですよー!

上田監督作品なのと、タイトルに惹かれてレンタルしてきました!

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督が2011年に自主制作で手がけた長編作品。互いに名前も知らない5人の男たちが、ある会議室に集められる。彼らには「おっぱいとお米のどちらかがこの世からなくなるとしたら、どちらを残すか?」という議題が与えられ、全員一致の結論が出るまで議論をしなければならない。わけもわからないまま、とりあえず議論を始める5人だったが……。2018年6月に「カメラを止めるな!」が劇場公開された際に、特別上映作品としてイベント上映された。18年12月15日に「カメラを止めるな!」ソフト化にあわせて、本作のDVDも発売される。(映画.comより引用)

感想

舞台劇的なワンアイデア・ワンシチュエーションコメディ

本作は上田監督が2011年に自主制作した初長編作品です。

公民館?の会議室に集められたお互い名前も素性も分からない5人の男たちが、主催者の出した「おっぱいとお米のどちらかがこの世からなくなるとしたら、どちらを残すか?」という議題を、答えが全員一致になるまで議論し合う。
全員の答えが一致、結論が出た時点で参加者には10万円の謝礼金が支払われるんですね。

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画像出典元URL:http://eiga.com /舞台はほぼ、この会議室

参加者の殆どは「議論するまでもなく、答えは当然お米だろう」と思っているんですが、ただ一人「おっぱい」を譲らない絵描きの若者のせいで議論は長引き、参加者たちは次第に追い詰められていく……。という物語。

 

声だけの出演を除けば、出演者は6人。

主催者に雇われて議長を務める中年男。(大塩武)
自称「社長」で声の大きな中年男。(鐘築健二)
全員がお米を選ぶ中、一人だけおっぱいを譲らない絵かきの若者。(高木公佑)
色々理屈っぽいメガネの男。(山口友和)
チャラくて自分の意見がない通訳の男。(中村だいぞう)
参加者にコーヒーなどを振舞う老人。(リーマン・F・近藤)

という、年齢も職業も違う男たち(給仕の老人を除く)が「お米かおっぱいか」という、世界一どうでもいい議題を喧々諤々議論するうち、徐々に彼ら個々人の抱える内情が見えてくるという趣向なんですね。

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画像出典元URL:http://eiga.com /10万円欲しさに集まった4人の男たち

舞台はほぼ会議室の中だけ、出演者はほぼ議論に望む5人だけというワンアイデア・ワンシチュエーションコメディで、全体的に小劇団の舞台劇っぽい内容。キャストも全員が舞台役者っぽい、映画としては少々過剰な演技なので、まるで舞台演劇に手持ちカメラを持ち込んで撮影しているような雰囲気でしたねー。

上田慎一郎流「レザボア・ドッグス」?

で、上田監督は本作で、タランティーノの「レザボア・ドックス」がやりたかったんじゃないかなって思いました。

名前も素性も分からない男たちがある目的のために集められ、物語が進むうちに男たちの素性が明らかになっていくという展開は「レザボア・ドックス」に重なる部分が多いし、無意味な会話の中でそれぞれのキャラクターを提示していくという手法や、長回しで舞台演劇っぽい感じも少し似てるんじゃないかなと。

恐らく、上田監督は「『レザボア・ドッグス』を日本(しかも低予算で)で作るとしたら…」という発想を出発点に、本作の脚本を書き上げていったのではないかって思うんですよね。いや、全然違うかもですがw

荒削りでいかにも自主制作っぽいけれど

そんな本作、正直に言えばストーリーも映像も荒削りだし、いかにも自主制作映画っぽいチープさは否めないんですが、後の「カメラを止めるな!」に続く上田監督のセンスの一端が見える作品になっています。

だって、この映画102分ありますからね。
名前も知らない俳優たちが、会議室でウダウダガタガタ言い合いしているだけというシチュエーションの自主制作映画を102分観続けるのって、普通なら相当シンドイじゃないですか。

でも、本作では最初に提示された「お米かおっぱい、残すならどっち?」というアホみたいなお題に対して、最終的に5人がどんな決着がつけるのかという観客の興味を牽引力に、それぞれのキャラクターの個性や背景を少しづつ明かしていき、さらに画が単調にならないように、要所要所でハッとするような展開を入れたり、会議室の外に舞台を移して観客を飽きさせないように気を配っているのです。

何より「これは一体どういう映画なの??」と興味を惹かせるタイトルがいいですよね。(そしてまんまと引っかかった)

まぁ、「誰が何故、こんな議論をさせたのか」という最大の謎が明らかになった時のガッカリ感はありましたけどもw

とはいえ、何より上田監督は個性的なキャラ作りが上手いし、キャラを演じる役者選びも絶妙(本作も当て書きなのかな?)で、それぞれのキャラクターのどこかに共感出来る部分があるんじゃないかと思います。

あと、絵かき青年を演じた高木公佑さんは、ネットで調べるとそうでもないんですが、本作では森三中の大島さんに似てるなー」って思いましたねー。(←マジでどうでもいい感想)

興味のある方は是非!!

 

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