今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

ヌーヴェルバーグの旗手、ゴダールの長編デビュー作「勝手にしやがれ」(1960)*ネタバレあり

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、現在の映画界や名監督たちに大きな影響を与えたヌーベルバーグの旗手、 ジャン=リュック・ゴダールの長編デビュー作勝手にしやがれですよー!

今まで何度となくその名前は聞いてたものの作品は未鑑だったんですが、先日ふと思い立って初めてレンタルしてきましたー!

で、今回は1960年の映画なのでネタバレは一切気にせずに書いていきます。
なので、ネタバレイヤンという方は、先に映画を観てからこの感想を読んでくださいねー。

いいですね? 注意しましたよ?

 

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51BsgWxL3AL.jpg

画像出典元URL:https://www.amazon.co.jp/

あらすじと概要

フランス、ヌーヴェル・ヴァーグの決定打と言わしめたジャン=リュック・ゴダール監督の最高傑作。警官を殺してパリに逃げて来た自転車泥棒のミシェルは、アメリカ人の恋人パトリシアとお互い自由で束縛のない関係を楽しんでいた。そんなある日、彼の元に警察の手が及んでくる。パトリシアはミシェルの愛を確かめる為、彼の居場所を警察に密告、そして彼にも同様に警察が追ってきた事を伝えるが……。(allcinema ONLINEより引用)

 

感想

ヌーベルバーグとは

ざっくり書くと、1950年代末にフランス映画界で起こったムーブメントのことです。助監督などの下積みなしにデビューした若い監督たちの作品で、低予算で映画を作るためにセットは使わずロケ撮影が中心。アフレコなしの同時録音、脚本に頼らない即興演出などなど、それまでの映画製作の常識をひっくり返したことから「新しい波=ヌーベルバーグ」と呼ばれるようになったそうです。

日本、香港、台湾、アメリカ、イギリスなどでも、その自由で革新的な作風に影響を受けた作品が数多く制作されたんだそうですよ。

で、そんなヌーベルバーグの旗手と言われたジャン=リュック・ゴダールも、元々は映画評論家から監督になった人で、本作がその長編デビュー作なんだそうです。

トーリー

本作を一言で言うと、クズ男が恋して裏切られて死ぬ話です。

本作の主人公ミシェル(ジャン=ポール・ベルモンド)は、ハンフリー・ボガードに憧れるプレイボーイの自動車泥棒で、盗んだ自動車でパリに向かう途中に白バイ警官を撃ち殺して指名手配中。

彼がパリに向かったのは、本気で惚れた? アメリカ人のパトリシア(ジーン・セバーグ)とローマに逃げるためですが、結局パトリシアに通報され、絶望して警察に射殺されてしまうというストーリーなんですねー。

で、このミシェル、お金がなくなるとガールフレンドを訪ねて借りようとしたり、断られるとガールフレンドが着替えてる間にお金を盗んだり、パトリシアをストーキングしたり部屋に勝手に忍び込んだりする中々困ったクズ男。

対するパトリシアはマスコミ志望の大学生で、新聞売りのバイトをしながら記者を目指す意識高い系のインテリなベリーショートの可愛い女の子です。

なので、ミシェルと二人でいるときも文学や映画、クラシック音楽の話をするんですが、ミシェルの方は「いいから脱げよ」の一点張りで、まったく話が噛み合わないんですね。

そして、映画の大半がこの二人の噛み合わない会話(というか双方人の話を聞かないで勝手に話してる感じ)のシーンです。
その「会話」の内容も、ポエムチックというか哲学的というかフランス映画っぽいというか(フランス映画ですが)、何か意味深で頭良さげなオシャレ禅問答って感じで、観ていても、まったく頭に入ってこなくってほんっっとぅぅに、つらいw

二回寝オチしては巻き戻してなんとか最後まで観ましたよ(o´Д`)=з

革新的な表現技法

本作は世界中の映画関係者や監督に大きな影響を与えました。
例えば日本ヌーベルバーグだったり、アメリカン・ニューシネマだったり、イギリス・ニューウェーブや香港ニューウェーブなどなど。

クエンティン・タランティーノも、本作(というかゴダール)に強い影響を受けているのは有名ですが、確かにミシェルとパトリシアが延々無駄話をしているシーンなんかは、タランティーノ脚本の「トゥルー・ロマンス」を連想しましたねー。。

また、今では当たり前に使われているジャンプカット、手持ちカメラでの街頭撮影、高感度フィルムを使うことで照明を使わずに撮影、即興演出、唐突なクローズアップ、役者が画面に向かって喋るなど、本作を始めとしたヌーベルバーグ作品から始まった技法も多いようです。

それまでは、スタジオにセットを作って、照明を当てて、据え置きのカメラの前で役者が芝居するのが当たり前だったようなので、初めて本作を観た観客はきっとかなりのショックを受けたんじゃないかと思いますねー。

上記の技法が当たり前になって、さらに洗練された使われ方をしている作品から観始めた僕から今観ると、「なんか大学の映研が作った映画みたい」って思っちゃうんですけどねw

例えるなら、浦沢直樹の「PLUTO/プルートゥ」を読んでから、手塚治虫の「地上最大のロボット」を読むような感じなんでしょうね。多分。

純愛映画

この作品、内容的には決して難解な作品ではないです。
要は、男と女のすれ違いを描いた作品で、アウトローな人生に疲れた男ミシェルが、本気で惚れた女パトリシアと共に生きようとして失恋するという普遍的な悲恋の物語なんですね。

そういうのは頭では理解出来るし、一見全然関係ない無駄話やシーンの中に、本作の確信に触れるワードがいくつも入っているというのは、むしろ現代的だと思いました。

ただ、それと感覚的に面白いかどうかは別の問題ですけどもw

そんな感じで、当時を知らない映画ファンが観るには、正直ちょっとキツい作品かもですが、映画史に興味のある人なら資料的な価値のある作品と言えるかもしれませんし、そうでなくても、案外好きな人は好きな作品なのかもですねー。

興味のある方は是非!

 

▼面白かったらポチっとお願いします▼


映画レビューランキング

 

 ▼関連作品レビュー▼

note.mu

“役立たず”たちの逆転劇「バグズ・ライフ」(1999)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ピクサースタジオの長編劇場用アニメ2作目『バグズ・ライフ』ですよー!

僕はディズニーもピクサーもハマるのが遅くて、結構見逃している作品があったりするんですが、本作もまさにそんな一作で、実終わったあとは今まで観なかった事を後悔しましたよー!

 

http://eiga.k-img.com/images/movie/47878/photo/530049cc2ac60be1.jpg?1469167335

画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

ホッパー率いるバッタ軍団におさめる食べ物を集めるため、重労働を強いられるアント・アイランドのアリたち。その収穫期の最中、発明家の働きアリ、フリックのミスからバッタ用の食料が川に流される事件が勃発。責任を感じたフリックは、バッタに対抗する助っ人を探しに、ひとり都会へ旅立った。そこで彼がスカウトしたのは、サーカスをクビになった芸人の集団。彼らを英雄と勘違いしたフリックと、新しい余興の仕事にありついたと勘違いしたサーカス虫たちは、意気揚々とアント・アイランドに引き上げてくるのだが……。(allcinema ONLINE より引用)

 

感想

映像クオリティーの進歩がスゴイ!

本作を観て、まず驚いたのが映像のクオリティーでした。
本作が全米公開されたのが1998年。「トイ・ストーリー」公開からわずか3年です。コンピューターやソフトの進歩もあるんでしょうが、草木や風、土など有機物の描写はまるで実写でしたよ!

特に驚いたのは、アリの主人公フリックがタンポポの綿毛に乗って乾季の干上がった川を渡るシーン。
綿毛の質感や軽さまでもほぼ完璧に表現されていて、ピクサー恐るべし! って思いましたねー!

役立たずな負け犬たちの逆転劇

そんな本作のストーリーをざっくり書くと、無法者のバッタから身を守るためバッタのために食べ物を集めて献上するアリたち。
しかし、ドジな発明家フリックが起こしたアクシデントで今まで集めた食べ物を全て失ってしまい、バッタと戦うために用心棒の虫を呼びに行くのだが……というお話。

つまり物語の骨格は西部劇「荒野の七人」です。西部劇好きなジョン・ラセター監督らしいチョイスです。

ところが、ある勘違いから田舎者のフリックが用心棒を頼んだのは売れないサーカス団の芸人たち。つまり偽物の英雄なんですが、彼らはアリたちとの交流を経て本当の英雄になっていくわけですが、こちらの流れはコメディー映画「サボテン・ブラザーズ」かな? まぁ「サボテン・ブラザース」も「荒野の七人」を元に作られたコメディー映画ですしねー。

そしてもちろん本作のモチーフになっているのは、童話の「アリとキリギリス」だし、描かれるテーマは「がんばれベアーズ」や「ロッキー」といった多くの映画で描かれている負け犬たちの逆転劇です。

そうした様々なモチーフをギュッとまとめて、非常に高いクオリティーのストーリーに練り上げたのが本作「バグズ・ライフ」なんですねー。

本作のメインキャラクターたちは、全員「役立たず」「負け犬」「厄介者」と見られ、コンプレックスを抱えています。

アントアイランドの王女・アッタ姫は、もうすぐ王位を継ぐ立場にあるものの、自分には統率力がないことにコンプレックスやプレッシャーを感じているし、羽が生えかけの妹ドット姫はアッタ姫や女王のように空が飛べないことがコンプレックス。

主人公フリックは、みんなの役に立ちたくて様々な発明品を作るものの、いつもドジばかりで厄介者扱いをされています。

そんなフリックが連れてきた用心棒たちは、三流サーカス団の三流芸人で人々の喝采とは程遠い荒れた生活をしていて、ついにはサーカス団から追い出されてしまうし、そもそもアリたちはそもそもバッタ軍団の横暴に立ち向かおうという発想すらなく、奴隷扱いされているんですよね。

本作はそんな虫けらの負け犬たち が、数々の偶然や勘違いと厄介者だけど前向きなフリックの行動力に引っ張られて少しづつ変わっていって、ついに勝利自己実現を手に入れるという、みんな大好きな王道の物語に西部劇のテイストと現代的味付けを加えて、大人も子供も楽しめる極上のエンターテイメント作品に仕上げたのです。
そこには絵や動き以上に、ストーリーありきなピクサーの姿勢があるし、だからこそピクサー作品は世界中の人に愛されているんだと思います。

伏線の上手さ

ピクサーの徹底したストーリー第一主義は有名ですが、それゆえスタッフ全員で練り上げるストーリーはいつも素晴らしく、特に伏線の張り方と回収の仕方はいつも感心させられてしまいます。

本作で言うと、冒頭・クライマックス前・終盤に登場する「石」のシークエンスですかね。冒頭シーンで例え話のために使われた石が、クライマックス前ではフリックを奮い立たせ、終盤では勘違いギャグの道具として上手く使われていて、ネタ振りから回収まで完璧だと思いましたねー。

とまれ、97分という今の映画としては短い時間の中に、色んな要素のギュッと詰まったとても面白い作品でしたよー!

興味のある方は是非!

 

 ▼面白かったらポチっとお願いします▼


映画レビューランキング

 

弾圧と戦い続けた脚本家の物語「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」(2016)*ネタバレあり

ぷらすです。

今回ご紹介するのは米国の脚本家ダルトン・トランボの半生を描いた伝記映画
『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』ですよー!

アメリカの脚本家ダルトン・トランボが、マッカーシズム・いわゆる赤狩りによって逮捕されてから、アカデミー賞で自身の名前を刻んだオスカー像を受け取るまでの28年間を描いた作品です。

本作は事実に基づいた伝記映画なので感想にはネタバレも含まれてしまいます。
なので本作をこれから観る予定の方は、映画のあとに感想を読んで下さいねー。

いいですね? 注意しましたよ?

http://eiga.k-img.com/images/movie/83938/poster2.jpg?1458292096

画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

ローマの休日』『ジョニーは戦場へ行った』などの名作を手掛けてきた脚本家ダルトン・トランボの半生を描く伝記映画。東西冷戦下のアメリカで起きた赤狩りにより映画界から追放されながらも偽名で執筆を続けたトランボを、テレビドラマ「ブレイキング・バッド」シリーズなどのブライアン・クランストンが演じる。共演は『運命の女』などのダイアン・レイン、『SOMEWHERE』などのエル・ファニング、オスカー女優ヘレン・ミレンら。監督を、『ミート・ザ・ペアレンツ』シリーズなどのジェイ・ローチが務める。

トーリー:『恋愛手帖』で第13回アカデミー賞脚色賞にノミネートされ、着実にキャリアを積んできたダルトン・トランボ(ブライアン・クランストン)。しかし、第2次世界大戦後の冷戦下に起きた赤狩りの標的となり、下院非米活動委員会への協力を拒否したことで投獄されてしまう。釈放後、彼は偽名で執筆を続け、『ローマの休日』をはじめ数々の傑作を世に送り出す。(シネマトゥデイより引用)

 

感想

マッカーシズム赤狩り)とは

ざっくり言うと、第二次世界大戦後、冷戦初期の1948年頃より1950年代前半にかけて行われたアメリカ保守派による共産党員、および共産党シンパと見られる人々の排除の動きのことです。

下院議員で積極的に「赤狩り」を進めた共和党右派のジョセフ・マッカーシー上院議員の名をとって、この名がつけられました。

ハリウッドでも多くのアメリカ共産党員・共産党シンパが「ブラックリスト」に入れられ、仕事や家族を失うこととなり、中には自殺してしまった人もいたようです。

本作の主人公ダルトン・トランボもアメリカ共産党員で、映画スタッフの賃上げストライキなどのリーダーとして活動していたことから保守派に目をつけられ、反共キャンペーン下院非米活動委員会による第1回聴聞会に仲間らとともに呼ばれます。

この様子はテレビやラジオで中継され、仲間の名前を明かすことを迫られるわけですが、トランボを含む10人の脚本家(ハリウッド10)は仲間の名前を言わず、議会侮辱罪で逮捕され、禁固刑の実刑判決を受けてしまいます。

さらに出所後もジョン・ウェインらを筆頭とする「アメリカの理想を守る映画連盟」という組織の監視を受け、ハリウッドから完全に干されてしまうんですね。

そこでトランボは、『ローマの休日』の脚本を仲間の名前で売り込み、B級専門の映画会社キング・ブラザーズ社で多くの脚本の手直しをするスプリクト・ドクター兼脚本家として偽名を使って仕事をこなす日々を送り、やがて『スパルタカス』『栄光への脱出』で実名でクレジットされていくのです。

有名人が実名で登場

で、そんな本作では色んな有名人が実名で登場します。
「アメリカの理想を守る映画連盟」のジョン・ウェイン( デヴィッド・ジェームズ・エリオット)
元ハリウッド女優で劇中トランボの宿敵となるゴシップ記者のヘッダ・ホッパー( ヘレン・ミレン

http://eiga.k-img.com/images/movie/83938/photo/909fefec68150130/640.jpg?1460970664

画像出典元URL:http://eiga.com /イヤーなババアヘッダ・ホッパー役の ヘレン・ミレン

スパルタカス』で主役兼制作で、トランボの救世主となったカーク・ダグラス( ディーン・オゴーマン)
などなど。

なので「え、この人にそんな過去が!? とか、この人ってそんな人だったの!?」 と驚くことも。
また、非米活動委員会審問会のテレビ映像や劇中で流れる映画など、当時の映像がふんだんに使われていて、それらの映像から当時のアメリカの空気感が伝わって来るんですよね。

そして、それぞれ実在の人物を演じた役者陣の演技も素晴らしく、とくに主役のトランボを演じたブライアン・クランストンの飄々とした演技や、宿敵ヘッダ・ホッパーを演じたヘレン・ミレンの実に憎々しい演技は素晴らしかったですねー!

思想弾圧という全体的に重いテーマながら、観ていて重苦しい気持ちにならないのは、ブライアン・クランストンの演技が大きいような気がします。

本作の真の主役

本作の主役はタイトル通りダルトン・トランボだし、物語は彼の視線で描かれていくわけですが、実はこの映画は「赤狩り」という潮流の被害者・加害者となってしまった映画関係者たちの群像劇なんですね。

なので、真の主役は「赤狩り」という潮流そのものなのかなーなんて思ったりしました。
アメリカの保守派の人たちは本作に対して、「トランボの(故意に)思想やアメリカ共産党員としての行動を描いていない」的なバッシングをしたそうで、確かに本作ではトランボ自身が英雄的に描かれすぎのようにも見えます。

ただ、前述したように、本作のテーマは思想の違いによるレッテル貼りだったり、冷戦時代の集団ヒステリー状態からくる「赤狩り」という個々人の思想や考えの違いを踏み潰して平らにならしてしまう「大きな流れ」に対する警告だと思うので、左右派閥の思想云々で語るのは筋が違うと思うし、アメリカだけの話ではなく、昨今の日本を含む世界的な問題をトランボという人物を通して描いているんじゃないかと思いました。

ラストシーンで、オスカーを獲ったトランボの演説は、そうした大きな流れに対しての一つの回答で、それまであまり感情的な言動のなかったトランボが、声を震わせながら語る言葉に、思わず胸が熱くなってしまったし、まさに今だから観るべき映画なんじゃないかと思いました。

興味のある方は是非!!!

 

 ▼面白かったらポチっとお願いします▼


映画レビューランキング

  

中二アクションてんこ盛り!「ヒットマン エージェント47 」(2015/日本劇場未公開)*ネタバレあり

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、スーツとネクタイにシルバーの二丁拳銃で敵をバンバンやっつける『ヒットマン エージェント47 』ですよー!

設定、ストーリー、アクション全てが中二心満載の、まるでマンガかアニメのような作品でしたよ(´∀`)

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/91Gj6DiCuvL._SL1500_.jpg

画像出典元URL:http://www.amazon.co.jp/

あらすじと概要

人気ゲーム「ヒットマン」を映画化し、DNA操作により生み出された史上最高の暗殺者、エージェント47の戦いを描いたアクションサスペンス。何の感情も恐怖心も抱かず、与えられたミッションを完璧に遂行する暗殺者のエージェント47は、48時間以内にカティアという女性を見つけるという新しい任務を与えられるが、カティアのもとには別の組織からも男が送り込まれていた。47と男は激しい銃撃戦を繰り広げ、カティアはどちらが敵なのか味方なのかもわからないまま、危険な事態に巻き込まれていく。ブラックスーツで華麗に戦う47を演じたのは、テレビシリーズ「HOMELAND ホームランド」のルパート・フレンド。「スター・トレック」のザッカリー・クイント、イギリスの若手女優ハンナ・ウェアが共演。(映画.comより引用)

 

感想

人気ゲームが原作

この映画、全編通してマンガみたいな設定なんですが、原作となったのは「ヒットマン」という人気ゲームだそうで、そう聞けばバリバリ中二全開設定にも納得でした。

黒のスーツに白ワイシャツ、赤いネクタイにシルバーの二丁拳銃を持ち、坊主頭の後頭部にはバーコードがついた完全無欠の殺し屋、エージェント「47」(ルパート・フレンド)が主人公。

実は一度2007年に一度実写化されていて、本作はその続編ではなくリブート作品になっているんですね。

ざっくりストーリー紹介

ざっくりとストーリーを書くと……あ、*ここからネタバレになるのでこれから本作を観ようかなという方は映画のあとに続きをお読みください。

 

超絶強い改造人間暗殺者のエージェント47は、組織の任務でカティア(ハンナ・ウェア)という女性を探しています。

このカティアは、47の生みの親でDNAを操作した超強い暗殺者軍団を作る計画のリーダー・リトヴェンコの娘で、独自に父親を探しているんですね。

そんな彼女に近づいてきたのが、ジョン・スミス(ザッカリー・クイント)と名乗るで、彼女の命を狙う47から守ると言われ、半信半疑ながらもカティアはスミスと行動を共にすることに。
と、そこに47が現れ……という「ターミネーター」的なスタートなんですが、実はスミスはリトヴェンコの研究を狙う組織のエージェントで、47はスミスの組織のボスを暗殺するのが任務だったんですねー。

さらにカティアも47と同類のスーパー人間で、二人で協力して悪の組織を倒すという物語です。

キャラクターの中二感がスゴイ!

まぁそんな感じでスーパー人間によるスーパーアクションが繰り広げられるわけですが、DNA操作によって超絶強い暗殺者になった47、実は47の後にリトヴェンコよって作られたカティア、そして敵のクローン人間ジョン・スミスはそれぞれに特徴が違っていて、47は身体能力、反射能力、頭脳がそれぞれレベルアップ。

カティアも同じですが、彼女の場合はさらに聴力と視力? のアップで少し先の未来を予測できる? 能力があります。

http://eiga.k-img.com/images/movie/82808/photo/36a84ac1b7f2f10b/640.jpg?1470389606

画像出典元URL:http://eiga.com

そして敵のジョン・スミスは、皮膚と筋肉に間に刃物や弾丸を通さない“何か”が仕込まれているっていうね。

http://eiga.k-img.com/images/movie/82808/photo/0739a2064b850167/640.jpg?1470389618

画像出典元URL:http://eiga.com

もうね、何でもアリですよ!w

また、劇中冒頭では能力を自覚しつつも、まだ目覚めていないカティアを、47が荒療治で目覚めさせ、成長させる師匠的な立ち位置でもあります。

アクションてんこ盛り!

そんなメンバーが揃えば、当然アクションシーンてんこ盛りの映画になるわけで、本作は劇中のほとんどがアクションで構成されています。

それも近年流行りのリアル志向のアクションではなく、一昔前に流行った「マトリックス」やリュック・ベッソン監督的な、中二全開のカッコイイアクションです。

ちなみに、本作を観ながら「リュック・ベッソンの映画みたい」って思ったら、2007年版の方ではベッソンが制作で関わってましたよw

シルバーの二丁拳銃を超絶カッコイイ感じで撃ちまくる47。打撃・投げ・関節技・ナイフや暗器などでサクサク敵を殺しまくる47。カティアと連携しながら敵を殺しまくる47。

http://eiga.k-img.com/images/movie/82808/photo/3e88abf24ff3962d/640.jpg?1470389601

画像出典元URL:http://eiga.com

そんなにもアクション満載なのに、途中で飽きないのはそれぞれのアクションシーンにコーディネーターがしっかりバリエーションをつけて、ワンパターンにならないように気をつけているからだと思いました。また、キャラクターごとに、少しづつ戦い方の特徴があるんですよね。

アクションそのものは一昔前に流行った、スロー・チャカチャカ・スロー・チャカチャカ系アクションなんですが、そんなにダサい感じがしなかったのは、スローの使い所が上手かったからなんじゃないかなと。

カッコイイは正義

そんなクション以外のシーン、例えば47の登場シーンとかアクションの決めのシーンとか、とにかく随所に中二感満載のカコイイ画面がジャンジャン出てくるので、心に中二男子を飼っている僕みたいなボンクラ映画ファンにはたまらない作品なのです。

これが中途半端にリアル志向な部分を入れたりしてたら、鼻持ちならない嫌な感じになってたと思うんですが、リアリティーとかどーでもいいんだよー! という監督やスタッフの声が聞こえてきそうな、カッコよさだけを追求したマンガ的アクションや画面に振り切ったところに、「そんな馬鹿なw」と思うながらも燃えてしまうんですよねー!

あと、一見大味に見えて、案外細かいディテールにも気を配っていて、何が起こっているのか混乱しないようにしてるのも好感が持てましたねー。

その分、ストーリーの方はどこかで見たような新鮮味のない展開が続きますが、誰がカティアの味方なのか分からないようにしている序盤はわりとハラハラして良かったです。

全体的に見れば、決して傑作とは呼べない作品ではありますが、きっと好きな人は好きだと思うし、個人的にはかなり楽しめた作品でしたよー!

興味のある方は是非!!

 

▼面白かったらポチっとお願いします▼


映画レビューランキング

 

あの西部劇の名作を現代的にアレンジ「マグニフィセント・セブン」(2017)

 ぷらすです。

今回ご紹介するのは、西部劇の名作『荒野の七人』のリメイク作品『マグニフィセント・セブン』ですよー!

公開時かなり評判が良かったのでずっと気になっていたんですが、レンタルが始まってたので早速観てみましたー!

で、まだレンタルの始まったばかりの作品なので、出来るだけ重大なネタバレはしないように気をつけますが、これから観る予定の方は映画を観てから、この感想を読んでくださいねー!

いいですね? 注意しましたよ?

 

http://eiga.k-img.com/images/movie/85244/photo/8b1145d0190a6866.jpg?1473125427

画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

黒澤明の傑作『七人の侍』と同作を西部劇としてリメイクした『荒野の七人』を原案にした西部劇。冷酷非道な悪に支配された町の住人から彼を倒してほしいと雇われた、賞金稼ぎやギャンブラーといったアウトロー7人の活躍を追う。メガホンを取るのは、『サウスポー』などのアントワーン・フークア。『トレーニング デイ』『イコライザー』でフークア監督とタッグを組んだデンゼル・ワシントンクリス・プラットイーサン・ホークイ・ビョンホンらが結集する。熱いストーリーと迫力のアクションに注目。

トーリー:悪漢バーソロミュー・ボーグ(ピーター・サースガード)によって牛耳られ、絶望を感じながら生きているローズ・クリークの町の人々。住民の一人であるエマ・カレン(ヘイリー・ベネット)は、賞金稼ぎのサム(デンゼル・ワシントン)、ギャンブラーのジョシュ(クリス・プラット)、流れ者、拳銃の達人といった7人の男を雇って、バーソロミューの手から町を救い出すように頼む。金のためと割り切って戦いに身を投じるサムやジョシュだったが……。(シネマトゥディより引用)

 

感想

現代的アレンジ

本作は一応「荒野の七人」のリメイク作品という位置づけではありますが、内容的にもキャラクター的にもかなり変更されています。(ちなみに、僕は「荒野の七人」テレビとかで観ているハズなんですが、なんせかなり子供の頃に観ていたので、内容は殆ど覚えてません。なのでこれはネットで調べた情報)

「荒野の~」では仲間にルーキーがいたり、村人や子供達との交流などが描かれているらしいんですが、本作ではその辺はバッサリ切り落とし、それぞれプロ中のプロが自分たちの技や特技を活かして悪に立ち向かうという設定に変わっているし、「荒野の~」のメンバーが白人ばかりだったのに対し、本作では主演のデンゼル・ワシントンを始め、多種多様な人種でメンバーが構成されているのも特徴です。

また「荒野の~」ではそれほど重要視されていなかった、戦いのロジックみたいなものがしっかり描かれていて、そこにメンバーそれぞれの特徴を生かしたアクションづくりになっているので、アクションシーンなどは見やすく分かりやすいです。

ざっくり内容紹介

ローズ・クリークの金山採掘の権利を持つ資本家のバーソロミュー・ボーグは、ローズ・クリークの町を手に入れるため、保安官を買収、用心棒も雇って、彼に抗議した町人を見せしめに殺したりとやりたい放題。

そんなボーグに夫を殺されたエマ・カレン(ヘイリー・ベネット)は、ボーグへの復讐と町を取り戻して欲しいと賞金稼ぎのサム・チザム(デンゼル・ワシントン)に依頼。

http://eiga.k-img.com/images/movie/85244/photo/550cd7d02cf50d8e/640.jpg?1473738531

画像出典元URL:http://eiga.com /男前なエマ姐さん(ヘイリー・ベネット)

最初は乗り気ではなかったサムでしたが、相手がボーグと知って依頼を引き受け、道すがら6人の仲間をスカウトし、町の男集とともにボーグ率いる軍団と戦う。というストーリー。

で、このボーグっていうのが、今時珍しいくらい分かりやすく悪い奴でして。
映画冒頭で描かれるボーグの悪逆非道な行動に「コイツぶっ殺すしかねーι(`ロ´)ノムキー」って観る側に思わせる演出は、西部劇としてはテンプレ的ではあるものの非常にスマートだと思いましたねー。

そして、ボーグに夫を殺されたエマが町を守るために用心棒探しで出会った凄腕の賞金稼ぎで元軍人のサム・チザムを始めとしたメンバーが徐々に集まっていく様子、ボーグとの決戦にむけ、町の男集&金山で奴隷扱いだった男集と共に大軍勢を相手に戦う準備をするシーンにはワクワクしてしまいます。

7人のメンバー

http://eiga.k-img.com/images/movie/85244/photo/ad149ed70d44b2d8/640.jpg?1473738527

画像出典元URL:http://eiga.com

そして、そんなサムの呼びかけで集まったメンバーが上の写真。

左から順に紹介していくと、

ジャック・ホーン(ヴィンセント・ドノフリオ

山中で狩猟をしながら暮らす怪力の山男です。
ネイティブアメリカンのクロウ族を300人殺した実績があり、ガンマンからも恐れられる伝説の男。一方で信心深さもあるようです。

レッドハーベスト(マーティン・センズメアー)

ネイティブ・アメリカンコマンチ族の若者。旅の途中でたまたまメンバーに出会って合流します。長老から「お前の道は違う」と言われ、以降ぼっちで行動してたんですが、サムと一緒に鹿のレバーを食べて仲間になるんですね。

バスケス(マヌエル・ガルシア・ルルフォ)

メキシコ人の強盗で500ドルの賞金。たまたまサムに見つかり、見逃す代わりに仲間になることを強要されて仲間入りします。陽気で気のいいヤツ。

グッドナイト・ロビショー(イーサン・ホーク

南北戦争では南軍の凄腕スナイパーとして恐れられたものの、PTSDになって銃が撃てなくなってます。サムとは旧知の仲で、相棒のビリーと放浪生活中にスカウトされて仲間入りします。

サム・チザム(デンゼル・ワシントン

表向きは委任保安官、裏の顔は冷徹な賞金稼ぎ。ある事情からボーグと因縁があり、エマの誘いを受けます。メンバーの作戦参謀にしてリーダー。

ジョシュ・ファラデー(クリス・プラット

さすらいのイカサマギャンブラーで凄腕のガンマン。酒好き女好きでいい加減で陽気な性格ですが、いざという時は頼りになる男です。
ギャンブルに負けて取られた馬の代金をサムに肩代わりしてもらう代わりにメンバーに加わります。

ビリー・ロックス(イ・ビョンホン

中国から移民として渡ってきた細身の東洋人で、子供の頃から差別を受け、身を守るためにナイフ術と銃の扱いを覚え、いつしかアウトローに。
兵士から賞金稼ぎにジョブチェンジしたグッドナイトに見初められ、以来コンビを組んで放浪の旅を続けていましたが、グッドナイトと共にメンバーになります。

と、こんな感じ。

それぞれ非常に特徴的なキャラクターで役割も違うので、観ていて誰が誰だか分からなくなるってことはないし、全員が何らかの理由で差別的な扱いを受けているんですよね。
サム、ビリー、バスケス・レッドはそれぞれ人種が違うし、ジョシュは白人だけどアイリッシュ系なので当時は差別対象だったわけです。
ジャックはインディアン狩りで活躍したものの、南北戦争後は山でぼっち生活だし。
で、唯一白人のグッドナイトはPTSDポンコツになってるっていうね。

そうしたはみ出し者たちが、悪漢から弱き人々を守るために命を賭して戦うという物語なのです。

ただ、サムはともかく他のメンバーがこの戦いに参加する動機がどうもピンと来ないんですよね。

「死に場所を探している」っていうのも理屈としては分かるものの、心情的に同調しづらいというか。

レッドなんか、鹿の生レバーを食べただけで何が通じ合ったのか仲間に加わるので、なんで!? ってなります。

テンポをよく悪漢との戦いの部分を観せたいというのも、それ以外の不要なシーンを削っているのも意図としては分かるんですが、もう少しそれぞれの背景が見えてこないと、感情移入しずらいなーって思いました。

この当時に黒人で北軍上がりのサムと白人で南軍あがりのグッドナイトが、どういう経緯で仲良くなったのかとか、バスケスやジョシュがなぜそこまで命懸けで戦えるのかとかの理由が分からないので、肝心の戦いのシーンもイマイチ乗れないんですよねー。

あと、それ以前から何となく匂わせてはいるものの、クライマックスのサムが過去を明かすシーンでは、「結局お前の私恨じゃねーか!」って思っちゃって、終わったあとも何かモヤモヤしてしまいました。

メンバーそれぞれに、ボーグとの戦いに命を懸けるに足るだけの明確な理由が提示されば、別に気にならなかったんでしょうけども。

 

アクションはカッコイイし、好きなシーンもあるし、全体的には面白かっただけに、そうした物語上の説明不足な部分が何かもったいないなーって思いました。

そういう意味で個人的には乗り切れなかった作品でしたが、西部劇やガンアクション好きな人なら面白いかもしれませんねー。

興味のある方は是非!

 

▼面白かったらポチっとお願いします▼


映画レビューランキング

 

ピクサーが作り上げた初の長編アニメシリーズ堂々の完結編!?「トイ・ストーリー3」(2010)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ピクサーが初めて作り上げ世界中で愛された長編CGアニメ「トイ・ストーリー」シリーズ三部作完結編? 『トイ・ストーリー3』ですよー!

「そういえば、まだ観てなかったし、この際最初から観直してみるか」と前2作を観て、今回ついに本作に追いつきましたー!

 

http://eiga.k-img.com/images/movie/53487/photo/b50a9bbbef8f999c.jpg?1495097324

画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

カウボーイ人形のウッディたちが織り成す、おもちゃの世界を描いて世界中で大ヒットした『トイ・ストーリー』シリーズの第3弾作品。持ち主のアンディの元を去っていくおもちゃたちの友情を、感動的かつダイナミックに描き出す。前2作の監督だったジョン・ラセターが製作に携わり、メガホンを取るのは『ファインディング・ニモ』『モンスターズ・インク』の共同監督、リー・アンクリッチ。おもちゃたちが繰り広げるアクション満載の冒険に胸が躍る。

トーリー:アンディがおもちゃで遊んでいたのも今は昔。アンディは大学に入学する年齢になり、カウボーイ人形のウッディたちおもちゃは託児施設に寄付されることになった。しかし、そこに待っていたのは乱暴な子どもたち。ウッディは脱出に成功するものの、アンディの元へ行くか、仲間たちを助けに戻るかの究極の選択を迫られる。(シネマトゥデイより引用)

 

感想

第一作から足掛け15年。おもちゃたちの物語がついに完結!?

ピクサースタジオ初のフルCG長編劇場アニメーション「トイ・ストーリー」の大ヒットから15年、3本目となる本作はシリーズ完結編となるハズの作品でした。
ところがその後、続編の制作が決定しちゃったわけですね。
が、今回はあくまで本作を3部作の完結編として感想を書いていこうと思います。

完結編にふさわしく、1・2で暗示されていたウッディたちの未来がついに現実のものに……というのが本作の大まかなストーリー。つまり、アンディ(子供)の成長です。

第一作で9歳だったアンディも本作では17歳。大学に合格して実家を離れることになります。
長年遊ばれなくなったウッディたちは何とか彼の気を引こうと、おもちゃ箱にアンディのケータイを隠して鳴らしてみるものの、大きくなったアンディはもう、彼らで遊んではくれません。

それでも長年一緒にいた彼らのせめてもの望みは、みんな揃って屋根裏部屋に置いてもらうこと。なんとも切ないスタートです。

アンディが大学に持っていこうと決めたウッディ以外のメンバーは、ゴミ袋に入れられ屋根裏部屋に……と思ったら、ママの勘違いで捨てられそうになり(いつものやつ)
アンディに捨てられたと勘違いし絶望した彼らは、新天地を求めてママが寄付するダンボール箱に入り、楽園(保育園)に到着するのだが……というストーリー。

結果、最終的にはアンディと彼らは束の間過去に戻ったような幸せな時間を過ごし、別れを告げることになるんですが、あのラストはズルい!

そりゃ号泣するよ!・゜・(ノД`)・゜・

まさに、完結編にふさわしいほぼ完璧な幕引きでした。(それだけに続編の話を聞いた時は「え!? 続編!?」ってなるわけですがw)

映像の進化

1995年の第一作、99年公開の前作から時間と数々の作品を経て、ピクサーの技術とテクノロジーの進歩が詰まった本作。
ウッディーたちだけでなく、有機物・無機物の質感や動きなども格段にアップして、非常に見ごたえのある映像になっていました。

第一作でオモチャを主人公にしたのは、当時の技術の限界もあり、プラスチックや金属などの無機物が一番CGで表現しやすかったからですが、その後作品ごとにテーマを決めて草木や動物、そして近年では「ファインディング・ドリー」で最も表現の難しい水など、様々なCG映像表現に挑戦し技術を進化させてきたピクサー
そうした技術の蓄積が常に新作で生かされていくシステムは本当に素晴らしいって思います。更に本作では、その技術の進歩がストーリーを盛り上げる演出の底上げにも繋がっているわけで、ただただ感心するばかりです。

ジェシーとロッツォ

前作で登場した、持ち主に捨てられた過去を持つ人形のジェシー
本作では、そんなジェシーによく似た境遇のキャラクターが登場します。
それが今回の悪役でクマのぬいぐるみのロッツォ。

見た目はピンクのカワイイ熊ちゃんですが、裏の顔は保育園のオモチャを牛耳る独裁者という設定。
なぜ彼がそんな事になったかというと、持ち主(養女)のピクニックに同行→持ち主がお昼寝→帰りに忘れられちゃう→必死に家に帰ったら「代わりの自分」がいたのを発見→ダークサイドに堕ちる→辿り着いた保育園を牛耳るボスに。っていう流れ。

つまりジェシーとロッツォは、殆ど同じ境遇を辿っていて、ジェシーはダークサイドに堕ちかけたもののウッディに救われ、ロッツォには救ってくれる仲間がいなかったっていう合わせ鏡なキャラクターなんですねー。

で、ロッツォは保育園で(オモチャ的)悪の限りを尽くし、最後にはその報いを受けるわけですが、個人的にはもう少し彼に救いがあっても良かったような気がしなくもないというか。まぁ、あのウッディにすら見捨てられるような行為(そして第一作のウッディとも対になってる)をしたんだから、自業自得と言えなくもないんですが。

まぁ、「世の中には救えない(分かり合えない)ヤツもいる」っていう展開は、ピクサーらしいと言えるんですけどね。

ラストシーン

で、なんと言っても本作の白眉はラストシーンですよね。
前二作では、基本常にウッディたちオモチャ側の視点で物語が語られてきたわけですが、本作のラストシーンでは初めて人間側の視点が入るんですよね。
更に、前作ではただウッディのセリフだけで語られていた「オモチャの幸せとは」というテーマに映像的な回答を示しているのが、とにかく感動的だし、本作でウッディが下したある決断は、ある意味で自分の役割を果たして「子離れ」する父親のようでもあります。

前作では色々な事情から短期間で作り上げなくてはならなかった事もあり、ストーリー的にもスタッフにもある程度の悔いが残ってしまったようですが、本作では前作で残された『宿題』をシッカリ片付けた感じがしましたねー。

続編の情報を読むと、本作で僅かに残された『宿題』をジョン・ラセターが監督として自ら片付ける内容になりそうですけどね。うーん、不安なような楽しみなようなw

ともあれ、今回三作を観て思ったのは「トイ・ストーリー」は一本づつが単体の作品ではなく、3作まとめて「トイ・ストーリー」という一本の作品なんじゃないかということでした。シリーズものなので当然といえば当然のことなんですが、全作通して観ることで改めて見えてくる部分もあるなーと。

もしかしたら、僕のように「トイ・ストーリー」をうっかりスルーしてしまっている人も結構いるんじゃないかと思いますが、面白い作品なので機会があれば三作通して観ることをオススメします。

興味のある方は是非!!

 

▼面白かったらポチっとお願いします▼


映画レビューランキング

 

▼関連記事▼

aozprapurasu.hatenablog.com

 

キューブリックが世界の終焉を描いた風刺ブラックコメディー「博士の異常な愛情」(1964)*ネタバレあり

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、スタンリー・キューブリック監督の『博士の異常な愛情』ですよー!
実はこの映画『博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』(原題:Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb)というのが正式なタイトルなんですが、あまりに長いので頭の部分だけで呼ばれるようになったみたいですねw

今回は古い作品でもあるので、ネタバレは気にせず感想を書いていこうと思います。
なので、何も知らずに観たいという方は、この感想の前に映画を観てくださいねー。

いいですね? 注意しましたよ?

 

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51W43WCJ3EL.jpg

画像出典元URL:http://www.amazon.co.jp/

あらすじと概要

巨匠キューブリックが近未来を舞台に、核による世界破滅を描いたブラック・コメディ。アメリカ軍基地の司令官が、ソ連の核基地の爆撃指令を発した。
司令官の狂気を知った副官は、司令官を止めようとするが逆に監禁されてしまう。大統領は、ソ連と連絡を取って事態の収拾を図る。しかし、迎撃機によって無線を破壊された1機が、ついに目標に到達してしまう……。(allcinema ONLINEより引用)

 

感想

キューブリック唯一のコメディー作品!?

本作が制作されたのは1963年。
米ソ冷戦の真っ只中であり、年間50回以上の核実験が行われ、その2年前にはキューバ危機が起きていたという一触即発の物騒な時代です。

当時ソ連の核攻撃や侵略にヒステリー状態の米国内では1948年頃より1950年代前半にかけて共産党員、および共産党シンパと見られる人々の排除(赤狩り)が行われ、映画界でも自分の気に入らない人間を共産党員だと告発する動きなどもあり、『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』(2016)という映画になったりもしていますよね。

で、そんな危機的状況をキューブリックが徹底的に皮肉り茶化した風刺ブラックコメディーが本作『博士の異常な愛情~』なんですねー。

こんなストーリー

本作のストーリーをざっくり説明すると、陰謀論に取り憑かれたアメリカ空軍基地の司令官リッパー准将が精神に異常をきたし、勝手にソ連への核爆撃を命令して基地に立てこもるところから物語はスタートします。

普通だったら、下士官が勝手に核攻撃の命令なんか出来るわけがないんですが、ソ連からの核攻撃で命令系統が混乱したときに、下士官が報復の核攻撃命令を出せる「R作戦」というのがあって、それを利用されちゃうわけですね。

で、それを食い止めるべく大統領や政府、軍のお偉方が集まって会議したり、ソ連の首相に電話したりするんですが、どいつもこいつもスットコドッコイな上に、ソ連ソ連で核攻撃を食らったら全自動で地球を滅亡させちゃう「皆殺し爆弾」っていうのを持ってて、結局地球は滅亡するという物語で、キューブリックはこの作品で人間の愚かしさを上から目線でシニカルに皮肉っています。

元々キューブリックは 核戦争の危機を描いたピーター・ジョージの小説『赤い警報』をベースに、シリアスなサスペンスドラマとして描こうとしたらしいんですが、風刺コメディーにしたのはその方が小説で描かれた水爆のジレンマが伝わりやすいと判断したということみたいですね。

そこには、自分たちを破滅に導く兵器を自らせっせと作っている両大国のバカさ加減に対するキューブリックの怒りと、恐怖から愚かしい行動に出てしまう人間に対する諦観もあったんだと思います。

映画冒頭にアメリカ空軍にから「映画はフィクションであり、現実には起こりえない」と解説がつくんですが、それが逆に映画の皮肉を際立たせてるような気がしました。

一人三役

本作では、アメリカ空軍基地の司令官リッパー准将から命令解除の暗号を聞き出そうと奮闘するイギリス軍のマンドレイク大佐、米国のマフリー大統領、元々ナチ党員だったストレンジラヴ博士を、『ピンクパンサー』シリーズのジャック・クルーゾー警部役で有名なピーター・セラーズが一人三役で演じています。

ただ、言われなければ三人が同一人物とは気づかない人も多いんじゃないでしょうか。
もちろん髪型やメイクを変えているのもあるんですが、三人のそれぞれ全く違う役柄をピーター・セラーズは見事に演じ分けているんですよね。

僕は事前情報を殆ど入れずに観ていたので、三人を同じ役者が演じていると後で知ってビックリしましたよ!

普段は完璧主義で、絶対に指示通りでなければ許さないと言われているキューブリックですが、セラーズにはアドリブを許し、その演出が本作を成功に導いたとも言われているそうですね。

唐突なエンディング

本作を観た人の中には、あのラストに対して唐突な印象を受けた人も多いのではないかと思います。正直僕も随分イキナリだなーと思いました。

たった一人の男の独断と数々偶然から、ソ連の基地に核爆撃をしてしまうアメリカ。
対してソ連は自国に核攻撃をされた瞬間に自動で作動し、地球上の全ての動植物を死なせてしまう「皆殺し爆弾」を密かに持っていて、結局地球が皆殺し爆弾による死の灰に包まれてしまうんですが、そんな時でもストレンジラヴ博士は、選ばれた男女だけが炭鉱に避難してそこで新世界を創るという選民思想に基づくハーレム計画(男性1:女性10の割合で残して子孫を作りまくる)を提案し、そこまで比較的まともだった大統領はその提案に満更でもない表情を見せ、ソ連大使は地球が滅亡するって言ってるのに会議室の様子をカメラで隠し撮りしてるというホントにどうしようもない状態。

で、実はそこでソ連大使のスパイ活動が見つかって、揉めてすったもんだの挙句にパイ投げ合戦に発展、パイに腰までうまった大統領とソ連大使が、砂浜で遊ぶ子供のように大きなパイのお城をつくり、やがてその場にいる全員で『For he's a jolly good fellow(彼はいいやつ)』を歌い、それがエンディングのヴェラ・リンの『We'll meet again(また会いましょう)』に繋がるというラストだったようですが、公開前の試写をした際に評判がよくなかったので、このパイ投げのシーンはカットしたらしいんですね。

このパイ投げシーンは核戦争のメタファーということらしいんですが、まぁ確かに言われないと分からないかも?w

邦題について

ちなみに本作の原題は「Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb」直訳すると、「ストレンジラブ博士は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」(合ってるかな?)なんですが、長い割にイマイチ分かりづらい。しかし、キューブリック原題とかけ離れた訳の題を付けることを許可しなかったので、苦肉の策として「Dr.(博士)『の』 Strange(異常)『な』love(愛情)」と、登場キャラクターの名前を直訳して邦題にしちゃったってことらしいですね。

もしも今こんなタイトルをつけたら炎上必至かもですが、個人的にはインパクトが強くて印象に残るセンスのいいタイトルになってるなーと思いますねー。

 

1963年製作の作品なので、今観れば映像自体はチープではあるんですが、でもところどころ「どうやって撮ってるんだろう」というシーンがあったり、リッパー准将を止めるために基地を攻撃する陸軍と基地隊員との戦闘シーンなんかは、ドキュメンタリータッチで超リアルだったり、この辺は後のキューブリック作品の原点だなーって思ったり、突拍子もないのに見ているうちにどんどん引き込まれていくストーリーの構成だったり、ナチ・権力者・核・冷戦など、一まとめに皮肉りつつ、どうしようもない人間の愚かな一面を暴き出す手腕も、さすがキューブリックだなーって思いましたよ。

本作は本編93分しかないので、サクッと観られるのも良いですしね。

興味のある方は是非!!

 

 ▼面白かったらポチっとお願いします▼


映画レビューランキング