読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

「裏切りのサーカス」(2012) 感想

映画レビュー

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、イギリス・フランス・ドイツ合作のスパイ映画裏切りのサーカスですよー!
僕は一度、本作を鑑賞済みなんですが最初に観たときはちょっと内容が把握しきれなかったので、今回再チャレンジすることにしましたー!

http://image.eiga.k-img.com/images/movie/57526/poster.jpg?1347980400
画像出典元URL:http://eiga.com/

概要

スパイ小説で有名なイギリス人作家、ジョン・ル・カレが1974年に発表した小説『ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ』をベースにしたスパイ映画。

主人公ジョージ・スマイリー役のゲイリー・オールドマンを始め、コリン・ファーストム・ハーディー、ジョン・ハートトビー・ジョーンズマーク・ストロングベネディクト・カンバーバッチ、キーラン・ハインズなど、実力派人気俳優が顔を揃える。

監督は『ぼくのエリ~200歳の少女』のトーマス・アルフレッドソン

 

あらすじ

東西冷戦下のイギリスが舞台。
イギリス秘密諜報部(Secret Intelligence ServiceSIS)通称『サーカス』とソ連情報部は水面下で様々な情報戦を繰り広げていた。
長年の作戦失敗や情報漏洩から、サーカスのトップであるコントロール(ジョン・ハート)は内部にソ連情報部の二重スパイ「もぐら」がいることを確信。
そこで「もぐら」の正体に関する情報源と接触するため、ジム・プリドー(マーク・ストロング)をハンガリーに送り込むも作戦は失敗、コントロールと右腕のスマイリー(ゲイリー・オールドマン)は失脚、引退からほどなくコントロールは死亡してしまう。

同時期にイスタンブールに派遣されていた特殊部隊(スカルプハンター)のリッキー・ター(トム・ハーディー)の報告によって、サーカス内部に「もぐら」がいる事を知ったオリバー・レイコン外務次官(サイモンマク・バーニー)は、自分が引退させたスマイリーに、「もぐら」の正体調査を命じる。

 

感想

冒頭でも書いたように、僕はこの映画を一度観ているんですが、その時は正直自分がこの映画の内容をちゃんと把握できているか自信がありませんでした。

ストーリーは、イギリスの秘密諜報部『サーカス』の情報をソ連に流している二重スパイは誰かを探るという非常にシンプルな構造です。

最初にざっくり説明すると、
サーカスの情報が何故か、ソ連の諜報部に漏れまくってる。
サーカス内部にソ連のスパイがいるんじゃないかと疑ったコントロールが秘密裏に部下をベルギーに部下をやって「もぐら」の正体を突き止めようとするけど、それもソ連にバレてて、部下のジムは撃たれたり捕まったり拷問されたりする。
昔気質のコントロールは上にウケが悪く、サーカス幹部のパーシー・アレリン(トビージョーンズ)がソ連のスパイを抱き込んで情報を得る「ウィッチクラフト作戦」に飛びついた大臣やレイコンは、ベルギーの作戦失敗を理由に、コントロールを引退させる(右腕のスマイリーも巻き添え)
特殊部隊のリッキー・ターが、ソ連の女スパイと通じて「もぐら」の情報を入手、レイコンに報告→レイコンがスマイリーに調査を命令する。
「もぐら」はサーカス幹部の「誰か」らしい。
っていう感じ。

ただ、主軸以外の枝葉が多いのとトーマス・アルフレッドソン監督の余計な説明がない、悪く言えば説明不足な演出で、登場人物や内容がイマイチ把握しきれなかったんですね。

というわけで、今回リベンジの意味も込めて再挑戦してみたわけです。

アクションなしのスパイミステリー

本作はスパイ映画ですが、007やミッション・インポッシブルのような派手なアクションは一切ありません。

腕利きの老スパイ、スマイリーが『サーカス内部』に潜む二重スパイ、通称「もぐら」の正体を追っていくだけの、非常に地味なミステリー仕立てになっています。

そんなスマイリーを演じるのは、みんな大好きゲイリー・オールドマン
ただ、「バットマンダークナイト」シリーズの苦労人ジム・ゴードンや、「レオン」でジャン・レノを追い詰めるぶっ飛んだ敵 ノーマンの印象を持ってる人は、一瞬気づかないかもしれません。
本作でのゲイリー・オールドマンは、トレードマークの口ひげもなく、大きなおじさんメガネにオールバックの渋々な老スパイ役で「あれ?ゲイリー・オールドマンってこんなに老けてたっけ?」と思うくらい。

ぐっと抑えた静かな演技が、ロンドンの持つ陰鬱な空気感と相まって、とっても重厚な印象です。

そんなスマイリーが事件解決のためにタッグを組むのが、イギリスのTVシリーズ「シャーロック」のベネディクト・カンバーバッチ演じるピーター・ギラム。
「もぐら」の正体を探るため、退職したスマイリーに変わって海千山千のスパイの巣窟サーカス内部の証拠書類を集めるという苦労人の役。
怖い(元)上司スマイリーと勝手な部下リッキーのせいで、幹部に疑われたり、怒られたり、脅されたり、恋人と別れたりと散々な目にあいます。

物語の枝葉こそが重要

そんな感じで、スマイリーとピーターは証拠を集め聞き込みをしながら「もぐら」の正体に迫っていくわけですが、実は本作の本質は『犯人当て』ではありません。

上述したように、本作は非常に物語の枝葉が多いんですが、実はその枝葉こそがこの作品の本質というか、監督が一番描きたかったことなんだと僕は思います。

全ての元凶となった謎の男「カーラー」とスマイリーの因縁。
「サーカス」内部のヒエラルキーや差別。
「もぐら」に売られハンガリーで捕まったジムが開放されたあと、小学校の教師になるんですが、そこでのいじめられっ子との交流。
リッキーの恋、ピーターの恋、ジムの恋、スマイリーと奥さんとの関係等々。

複雑に絡み合う人間模様や、祖国に振り回され使い捨てられるスパイの悲哀と怒り。
それでも、道を変えることのできない諦観と狂気を、主軸のミステリーに絡めながら、同時に展開していくわけです。

しかもそれだけの情報量にも関わらず、セリフによる説明はほとんどないので、
そりゃ1回観ただけじゃ解らないわけですよ。

あらゆる無駄を削ぎ落とした精密機械のような機能美

しかし、物語全体の大まかな流れを踏まえたうえでもう一度観てみると、本作が恐ろしく機能的であることがよく分かります。

128分という時間の中に詰め込まれた映像やセリフには全部意味があって、それらが全て精密な機械の部品のように噛み合って物語が進んでいくわけです。
一見、説明不足に見えるけれど、よく見ると映像の一つ一つや何てことない短いセリフの中に、物語上凄く重要な事や、複雑に絡み合った物語をスムーズに見せる為の『説明』がそれとなく盛り込まれてて、さながら職人が組み上げた機械時計のよう。
本当によく出来た作品です。

多分3回、4回と見直しても、まだ新しい発見があるんじゃないかと思わされてしまうし、気づけば気づくほど、物語の深さに感動するんですよねー。

もちろん、そういう小難しいことは置いておいても、紳士萌えの人にはたまらない映画になってますよー!

興味のある方は是非!!

 

トーマス・アルフレッドソン監督作品「ぼくエリ」感想▼

note.mu

 

広告を非表示にする