今日観た映画の感想

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地獄のウルルン滞在記「ミッドサマー」(2020) *ネタバレあり

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「ヘレディタリー/継承」で世界中の映画ファンを震え上がらせたアリ・アスタ―監督が、スウェーデン夏至祭をモチーフに描いた『ミッドサマー』ですよー!

僕も「ヘレディタリー/継承」を見て、本作も劇場公開時から気にはなってたんですが、ビビりなので「劇場でホラーはムリ―!」とスルーしてて、先日アマプラの見放題に入ったのでやっと観ることが出来ました。

感想を一言で言うと、劇場で観なくてホントよかったですよ。劇場だったら絶対耐えられなかった。

というわけで、本作は結構前の作品だし、ネタバレしても面白さや怖さが薄れるタイプの映画でもないので、今回はネタバレありで感想を書きたいと思います。
なので、ネタバレは嫌って人は先に映画を観てから、この感想を読んで下さいね。

いいですね? 注意しましたよ?

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概要

長編デビュー作『へレディタリー/継承』で注目されたアリ・アスターが監督と脚本を務めた異色ミステリー。スウェーデンの奥地を訪れた大学生たちが遭遇する悪夢を映し出す。ヒロインを『ファイティング・ファミリー』などのフローレンス・ピューが演じ、『ローズの秘密の頁(ぺージ)』などのジャック・レイナー、『メイズ・ランナー』シリーズなどのウィル・ポールターらが共演。(シネマトゥディより引用)

感想

新進気鋭の鬼才・アリ・アスタ―

本作の監督、アリ・アスタ―は2011年から7本の短編映画を世に送り出した後、2018年、自身初の長編映画ヘレディタリー/継承」が2018年のサンダンス映画祭で上映されると批評家たちから「今世紀一番怖いホラー」と激賞され世界的にも大ヒットを記録します。

で、その「へレディタリー」を作る前に、スウェーデンのプロデューサーから「夏至祭を舞台にしたホラー映画の監督を務めて欲しい」とのオファーを受けて製作したのが本作「ミッドサマー」なんですね。

監督のインタビューによれば、「ヘレディタリー」も本作も監督の実体験がアイデアの基になっているって言うんですが、どんなひどい体験したらこんな嫌な映画が作れるのかって感じです。

「へレディタリー/継承」と本作の共通点と違い

前作「へレディタリー」と本作「ミッドサマー」を観る限り、主人公、もしくは登場人物がカルト集団に取り込まれ、彼らが暮らす“実世界“から“異世界”へと連れていかれる。精神が不安定なキャラクターの視点で物語が進む。普通なら見せないゴアシーンの顛末を長尺で見せるという共通点があって、その辺にアリ・アスタ―監督の作家性の源となる「何か」があるのかなって思ったり。

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例えば、前作では主人公一家の長男ピーターが悪魔教団に取り込まれるし、本作では主人公ダニーがスウェーデンのカルト的なコミューンに取り込まれていくんですが、両者の違いは、ピーターが教団によって全てを奪われ絶望した状態、本作で言えば主人公ダニーの恋人クリスチャンに近い立ち位置なのに対し、”現実世界“で居場所がなかった本作のダニーにとって、あのコミューンに取り込まれる事はある種の救いであるように描かれているんですよね。

また前作では主人公アニーの、本作では主人公ダニーの視点で物語が進むわけですが、どちらも精神が不安定であることが劇中冒頭で明かされます。

そんな彼女らの目を通して見た世界を、アリ・アスタ―監督はカメラワークやライティングなどを駆使して演出、それによって何が映っているわけじゃなくても、ずっと不穏で怖くて不安感を煽る映像を作り出しているわけですが、陰影が強くいかにもホラー然としていた前作に対し、本作はずっと光に包まれた美しい自然をバックに、陰惨で常軌を逸した狂気が描かれていくんですよね。

あと、この2作に登場するカルトの人たちが信じる信仰には、今も生贄制度が残っているという共通点もありますね。

前作で生贄にされるのはアニーらピーターの家族であり、本作ではコミューンのメンバーとクリスチャンらよそ者の大学生たちでした。

で、ここがアリ・アスタ―監督最大の特徴なんですが、普通なら途中でカットする、もしくは見せないようなゴアシーンの顛末を長尺で延々見せられるわけですよ。

前作「へレディタリー」では食物アレルギーで苦しむピーターの妹が事故による首チョンパで死んでしまうわけですが、(直接的なシーンはハッキリ映してないけど)妹が死んだあと、車を運転していたピーターがそのまま家に帰ってベッドで眠れぬ一夜を明かし、翌朝車の中の死体を発見したアニーが悲鳴を上げるまでをワンカットで見せるんですよ。でも首チョンパされた妹の死体は見せないんだと安心していると、アニーの悲鳴とオーバーラップするように道路に転がってハエにたかられた妹の首が大映しになるっていう。

対して本作では、夏至祭の儀式が始まって男女の老人が高い崖の上から岩に向かって投身自殺する様子をしっかり見せるというのが最初のゴアシーンなんですが、ここで嫌なのが、お婆さんは岩に頭が直撃して即死だったけど、お爺さんは着地に失敗して即死できずに苦しむんですよね。

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そんな一粒で二度美味しい的な演出はいらないから!っていうw

そしてラストのラスト、ダニーの恋人クリスチャンがクマちゃんのされて、生贄に選ばれた村の若者二人と一緒に丸焼きにされるシーンは嫌すぎて、とても最後まで見てられなかったですよ。

アリ・アスタ―とゴアシーン

ぶっちゃけ、アリ・アスタ―作品は他のスラッシャーホラーに比べればゴアシーン自体は極端に少ないし、音や映像でビックリさせられるシーンもほとんどないんですよ。
本作のラストシーンだって、残酷な殺され方ではあるけど、流血や切り株描写があるわけではないし、映像だけ抜き取れば目を背けるほど凄惨なシーンではないんです。

ただ、アリ・アスタ―の嫌なところは、その数少ないゴアシーンやショックシーンを事の起こりから結末までノーカットでず~~~~~~っと見せてくるんですよ。

もうね、とにかくしつこい!

そしてアリ・アスタ―映画の嫌なシーンって、そのゴアシーンを我が事として観客が見てしまうような演出をするので、ずっっっとダメージだ残るというか、映画を観終わった後もボディーブローみたいにずっと効き続けるんですよね。

ぶっちゃけこの感想も映画を観て3日経ってやっと書き始めましたけど、ラストシーンを思い出すだけで軽く気持ち悪くなりますからね。まだダメージが抜けきってないですからね。

「ミッドサマー」≒「アナ雪」

本作は、ホラー映画でコロナ禍の公開にも関わらず異例の大ヒットとなっているらしいです。しかも、何故か女性の評価が高いという。

僕なりにその理由を考えてみると、まずゴアシーンが少なくビックリシーンもないのでホラーが苦手な人も見やすいという事が一つ。
そしてもう一つは、主人公ダニーが居場所を得て救われる物語であるという事ではないかと思うんですね。

アリ・アスタ―監督はインタビューで本作を「変態の為の『オズの魔法使い』」「(ダニーにとって)本作はおとぎ話」と語っていますし、ジャンル的には「失恋(恋愛)映画」だとも話しています。

ダニーにとって、彼女が住むアメリカ(現実世界)はとても窮屈で生きづらいし、セラピストもクリスチャンも同級生たちも、彼女の苦しみや不安に共感してくれません。

そんな彼女が本作の舞台であるホルガ村に入るとき、彼女らの乗る車を追いかけるカメラがぐるりと回転する映像があるんですけど、あれは彼女たちが此岸から彼岸、現実から異世界に入ったという演出なんですよね。

ホルガ村は、端からみれば自由もプライバシーもないとんだカルト村なんだけど、ダニーにとっては彼女がずっと欲していた(彼女の感情に)共感してくれる仲間に囲まれたある種のユートピアなわけで、彼女にとって本当の自分でいられる「居場所」であり、それは彼女にとっての「救い」でもあるんですよね。

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それって、ディズニーのアナと雪の女王」と同じテーマじゃないですか。

しかもダニーに共感しないバカな男どもは全員ひどい死に方をするし、彼女を裏ぎったクリスチャンはクマちゃんにされたうえ丸焼きの刑ですよ。
はいスッキリ☆っていうw

そう言えば、あのクリスチャンをクマちゃんにして丸焼きって、ライナスの毛布というか、幼女期に大事にしてたぬいぐるみを成長してもういらない(邪魔)ので燃えるゴミの日に捨てる的なイメージなのかなーなんて思ったんですけど、どうですかね?

ちなみに、本作には劇場公開版とディレクターズカット版があって、ディレクターズカット版では、クリスチャンたちのクズなシーンがたっぷり入っているので、ラストのクマちゃんシーンがよりスッキリ観られるらしいですよ。

興味のある方は是非!

 

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15年に渡るダニエル・クレイグ版ボンド終演「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」(2021)

ぷらすです。

観てきましたよ!

ダニエル・クレイグ最後の007となる『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』をね!

(;゚∀゚)=3ハァハァ

いやー、待ちましたよ!
2020年公開のハズがコロナの所為で3度にわたる公開延期の末、やっとの公開ですからね!

マジで待ちくたびれましたけど、その分、個人的には最後の最後までしっかり楽しめる作品になってました!

ちなみに今回は劇場公開したばかりの作品なので、出来るだけネタバレはしないように気を付けて感想を書きますが、「内容を何も知らずに観たいんじゃーい!」という人は、先に映画館で作品を観てから、この感想を読んで下さいね。

いいですね? 注意しましたよ?

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概要

イギリスの敏腕諜報(ちょうほう)員ジェームズ・ボンドの活躍を描く人気シリーズの第25弾。諜報(ちょうほう)の世界から離れていたボンドが、再び過酷なミッションに挑む。メガホンを取るのはドラマ「TRUE DETECTIVE」シリーズなどのキャリー・フクナガダニエル・クレイグレイフ・ファインズナオミ・ハリスらおなじみの面々が出演し、新たに『ボヘミアン・ラプソディ』などのラミ・マレックらが参加する。(シネマトゥデイより引用)

感想

007というレガシー

007シリーズは、ショーン・コネリー主演で公開された第1作「007は殺しの番号」(原題「Dr. No」)から本作まで、58年間の間に25作品が製作・公開された(イーオン・プロダクションズ製作以外の作品も2作品はノーカンで)大人気長尺シリーズ。
当然、主人公の007ジェームズ・ボンド役の役者も代替わりしてるので、ファンも世代によって見ていたボンドのイメージが違うんですよね。

ちなみに僕はロジャー・ムーア世代で、初代ボンドのショーン・コネリー版はテレビ洋画劇場で何作か見たことがある程度だったりします。

で、ジョージ・レーゼンビーティモシー・ダルトンピアース・ブロスナン版の007は1作も観たことがなくて、ちゃんと作品を追ってたのはロジャー・ムーアの時とダニエル・クレイグ版になってからなので、決して熱心なファンというわけではないんですね。(〃ω〃)>

ただ、6代目ボンドにダニエル・クレイグが決まった時の事は覚えていて、それまで黒髪・青灰色の瞳が特徴だったボンドが金髪碧眼のクレイグに変わることに対してのアンチはかなり多かったし、ぶっちゃけ僕も彼は007っていうより敵キャラっぽいって思いましたしね。

そんな中、「カジノ・ロワイヤル」(2006)で原作のイメージに限りなく近い、寡黙でタフなボンドを演じた彼は、まさに実力でダニエル・クレイグジェームズ・ボンドを世界に認めさせ、そこから「慰めの報酬」(2008)「スカイフォール」(2012)「スペクター」(2015)、そして本作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」までの5作品に渡り、新時代のジェームズ・ボンドを演じきってみせたんですね。

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新時代のジェームズボンド

じゃぁ新時代のボンドってなんじゃいって話ですが、ジェームズ・ボンドはそもそも前時代的の恐竜みたいなキャラクターでして、一流の服や装飾品を身につけ、一流の車を乗り回し、世界の名所を回って一流の酒・食事を嗜み、夜な夜な美女とHして、その一方で、任務のためなら女性も道具のように次々使い捨てるっていう非情なスーパースパイでもあります。

そんなスパイ映画であると同時に、海外旅行のハードルが今より高くネットもなかった時代、超カッコいいスパイのジェームズ・ボンドが一流のファッションに身を包んで世界の名所を回り、その土地の美女とのお色気シーンもありっていう、「PLAYBOY」的な役割も担っていたわけです。

もちろんイアン・フレミングの原作小説や、それまでの映画シリーズが公開された1960~90年代までなら通じたそれらの価値観やヒーロー像は、2000年代に入り加速度的に変わりゆく価値観のなかで一気に古臭くなり、世界基準からもズレて通じなくなっていきます。

そこで、ダニエル・クレイグ版007は、(それまでの007の文脈やスタイルは受け継ぎつつ)「スペクター」という敵組織との戦いを縦軸に、これまでのシリーズではあまり描かれてこなかったジェームズ・ボンドという男の感情面や生い立ちにスポットを当てながら、時に必死で泥臭く、時に繊細でナイーブな人間・ジェームズ・ボンドの半生を15年5作品の連続ドラマとして描いたんですね。

前述したように、僕は007シリーズ全作品を追ってるわけではないので断言はできませんが、それまでの007はそれぞれの作品が一話完結のオムニバス的なシリーズで、一人の役者が演じるジェームズ・ボンドというキャラクターのドラマを連続的に描いたのは、このダニエル・クレイグ版が初めてだと思うんですよね。

そんな、ダニエル・クレイグ版007シリーズの集大成と言えるのが本作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」なのです。

2時間43分

そんな本作の感想を一言でまとめると、とにかく長い!w
上映時間なんと2時間43分ですよ!

そもそも007のファンは(僕も含め)中高年の人が圧倒的に多いですからね。
途中トイレに立つ人がめっちゃ多かったし、僕は辛うじて最後まで座ってられましたけど、膀胱の容量はギリギリでしたよw

なので、これから本作を観る時は出来るだけ水分を取らない事をおススメします。

ざっくりストーリー紹介(*前作のネタバレあり)

前作でのスペクターとの戦いから5年後、引退しジャマイカで穏やかな日々を過ごしていたボンドのもとに、旧友でもあるCIAエージェントのフェリックス・ライタージェフリー・ライト)が訪れ、誘拐されたロシアの細菌学者ヴァルド・オブルチェフデヴィッド・デンシック)を救い出してほしいと依頼。最初は乗り気ではないボンドでしたが、事件に宿敵スペクターが絡んでいると知ってフェリックスの依頼を受ける――というストーリー。

で、フィリックスからCIAエージェントと会うように言われキューバを訪れたボンドを待っていたのが、この仕事がデビューのCIAエージェントのパロマ(アナ・デ・アルマス)なんですが、なんと彼女はドジっ子なのです!w

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めっちゃ美人な女スパイのパロマですが、初めての任務に緊張してあたふたバタバタ。その様子はまるでマンガのドジっ子みたいでめっちゃ可愛いんですよね。

「へー、007でもこういうマンガ的なキャラが出るようになったか」なんて思いながら微笑ましい気持ちで観てると、敵アジトでのアクションシーンでは一変、ダンスを踊るように優雅なガンアクションをビシッと決める姿がめっちゃカッコよく、序盤のドジっ子キャラとのギャップもあって、すっかりファンになってしまいましたw

まぁ、その後のシーンでは一切出てこないんですけど、彼女主役の番外編とか作って欲しいと思いましたねー。

新007(微ネタバレ)

本作では、引退したボンドに変わってノーミ(ラシャーナ・リンチ)という黒人女性が新007になってるわけですが、個人的にはその扱いがいかにもイマドキのポリコレ的に案じました。

彼女は物語の役割的にボンドが007に復帰するための繋ぎ、そして引き立て役以上のキャラクター的な役割がなくて、ぶっちゃけ彼女が007じゃなくても001だろうが009だろうが物語は成立するんですよ。

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なんていうか、この程度の扱いなら彼女を007にする必要あるかなー?って思ったり。
これは本作に限ったことではないけど、性別・人種的マイノリティーが映画で重要な役を演じる事自体は大賛成ですけど、マイノリティーありきのキャスティングは違うんじゃない?っていう感じ。ラシャーナ・リンチ本人は良い役者さんなだけに、勿体ないなーって思いましたねー。

悪役

予告編でも登場してるのでネタバレにはならないと思うんですが、今回の悪役サフィンを演じるのは、「ボヘミアン・ラプソディ」でフレディ役を演じたラミ・マレックなんですが、正直(悪役として)うっすいなーって思いましたねー。

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基本的にダニエル・クレイグ版007では、スペクターという組織、その首領ブロフェルドクリストフ・ヴァルツ)が終始一貫した敵なんですけど、そのスペクターとの闘いは前作「スペクター」で完結しちゃってるんですよね。
なのでまぁ本作自体が蛇足っていうか、ある種のボーナストラック的要素もあったりするんですが、007を作るからには敵も必要ってことで登場したのがこのサフィンなわけです。

ただ、これは仕方ないことではあるんですが、正直唐突感が否めないっていうか、え、いきなり出てきたあなたはどちら様ですか? っていう。

例えるなら、長年続いたラブコメの最終回で、突然主人公に猛アタックをかける新キャラ登場みたいな。しかもヤンデレでしたっていう。

壊れた能面を被って登場するビジュアルはカッコいいしキャラ設定もイマドキっぽいけど、イマイチ背景が見えてこないというか、彼の目的や、なぜボンドやマドレーヌたちを執拗に狙うのかがイマイチ理解出来ない――っていうか、理解はできるが飲み込みづらいんですよね。

彼の本拠地は北方領土っぽいので、日本かロシアにルーツがあるのかな?
能面被ってるし、庭には枯山水、アジトには畳も敷いてますしね。
まぁ、日系のキャリー・ジョージ・フクナガが監督を務めてるからかもですが。

そういう見た目のインパクトは強いし、彼の武器はある意味最強でもあるんだけど、もう少しストーリー的にも映像的にもキャラ説明が欲しかったなぁって思いました。
でも、それやるとさらに上映時間が伸びるのか。うーん悩ましいw

まとめ

まぁ、そんな感じで色々文句も書いてしまいましたけど、前述したように、基本的には2時間43分めっちゃ楽しみました。

あの賛否の分かれそうな衝撃のラストも個人的には納得だし、ダニエルクレイグ版ボンドの幕引きとしては申し分ないと思いましたしね。

何度も進退に悩みながらも、15年間ジェームズ・ボンド役を完走してくれたダニエル・クレイグにはありがとうしかないし、(ストーリーや設定的にはツッコミどころも多いけど)劇中にはファンには嬉しいイースターエッグや歴代シリーズへのオマージュもふんだんに盛り込まれていて、大・満・足でしたよ!!

興味のある方は是非!!

 

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ノルウェーの伝承を現代的に再解釈「トロール・ハンター」(2012)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「スケアリーストーリーズ 怖い本」 (2019)や「ジェーン・ドウの解剖」 (2016)のアンドレ・ウーヴレダル監督、2010年の作品『トロール・ハンター』ですよー!

昨日、Amazonレンタルで100円セールしてたので観てみました。

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概要

ノルウェーなどの北欧に住む伝説の妖精トロールの衝撃的な実態に迫った異色映画。取材中にノルウェーで“トロール・ハンター”と出会った学生たちが、ハンターと行動を共にする中で、誰も知らなかったトロールの生態を暴き出す。謎の多いトロール・ハンターを演じるのは、ノルウェーのコメディアンであるオットー・イェスパーセン。サンダンス映画祭など各国の映画祭を席巻した、モンスターのような迫力あるトロールの姿や、ブラック・ユーモアあふれるストーリーや描写は必見だ。(シネマトゥディより引用)

感想

ノルウェーの伝承を現代的に再解釈

本作は、熊の密猟事件を取材していた大学生3人組が密猟者だと睨んだ男を追いかけたら、男は密猟者ではなくトロールハンターで、三人は男と行動を共にしながらトロールの実態に迫っていく――というPOV形式の疑似ドキュメンタリー(モキュメンタリー)です。

トロールとは北欧の民間伝承に登場する妖精で、日本では「ムーミン」や「トトロ」が有名ですよね。

しかし、北欧の伝承に登場するトロールはそんな可愛いものではなくて、森や山をテリトリーにしていて、悪臭を放ち、知能が低く、醜悪な容姿で狂暴なのだとか。
サイズや容姿はさまざまで、本作で登場するヨットナールというトロールはなんと60mもあるんですよね。

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本作では国に雇われて、テリトリーを離れて人畜に害をなすトロールを処分するハンターのハンス(オットー・イェスパーセン)を通して、想像上の妖精トロールノルウェーの在来生物として再解釈、その生態をドキュメンタリー風にみせているのが面白いところなんですね。

肉食性で寿命は1000年から1200年。
例えば頭が3個あるリングルフィンチというトロールの場合、本物の頭は一個だけで残り2個はただの突起物だそうです。
その頭(突起)が立派なほどリングフィンチの中で優れているとされ、それが雌へのセックスアピールにもなっているのだとか。

そんなトロールに共通する弱点が日光(紫外線)で、紫外線を浴びると血管にガスがたまって爆発したり、高齢の場合は身体が骨化するらしいんですね。
だからハンスはトロールに対し、銃火器ではなく強い紫外線を発するライトを武器に戦うのです。

ただ、トロールの生態の一つに、キリスト教徒の匂いを嗅ぎ分け襲い掛かるっていうのがあって、これはキリスト教の伝来によって信仰の対象としての立場を追われた恨みが原因らしいのですが。
この設定、キリスト教圏では常識なのかもだけど、日本人でキリスト教に疎い僕には、ちょっと飲み込みずらいというか、劇中でトロールがどのようにキリスト教徒と非キリスト教徒を嗅ぎ分けてるのか分からないし、生物の生態(設定)として違和感を感じてしまいましたねー。

細やかさと荒さが混在

一方、トロール・ハンターのハンスは、国の機関であるトロール保安機関(TST)からトロール出現の連絡を受けて現場に向かいトロールを狩るんですが、彼が住居にしているトレーラーハウスの電灯には紫外線ライトが取り付けられていて、彼は日焼け止めを塗って紫外線ライトの中で暮らしているわけです。

まぁ、そこはちょっとした笑いのシーンでもあるけど、ハンスの「暗いと眠れない」という一言で、これまでトロールとの闘いの中で彼がどれだけ恐ろしい思いをしてきたかが分かる上手い演出でもあるんですね。

その一方で、トロールが登場するまでのシーンはテンポも悪くて冗長だし、トロールの存在を隠蔽しているハズのTSTの職員が、3人が撮影してるカメラやデーターを取り上げないのもよく分からない。
映像的にもPOV形式を意識してか、繋ぎがやたら荒かったり何がどうなってるか分からないような荒いシーンも多々あったり。

トロールのCG描写がショボいとかもあるけど、それでもデジカメのナイトモードの画面を通すなど、安っぽさを隠そうともったいぶらず、割と序盤からトロールの姿をガンガン見せるのは好感が持てましたねー。

あと、本物のノルウェー大統領の「トロールガス田のこと」について話している演説を、トロールの実在を仄めかす失言に見えるよう切り張りして使うラストシーンなんかは気が利いてるし面白いって思いました。

トータルで見れば映像が安っぽかったり諸々荒かったりする小作品ながら、アンドレ・ウーヴレダル監督の後の作品に通じる一筋縄ではいかない作家性が垣間見える、見ごたえのある作品でした。

興味のある方は是非!!

 

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観てる間は楽しいポップコーンムービー「モンスターハンター」(2021)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、カプコンの大人気ゲームを「バイオハザード」シリーズのポール・W・S・アンダーソンとミラ・ジョボヴィッチ夫妻が実写映画化した『モンスターハンター』ですよー!

個人的には楽しかったけど、原作(ゲーム)ファンの人たちはどう思うのかなー?なんて考えながら観てましたねー。

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概要

世界的にヒットしたカプコンのゲームを『バイオハザード』シリーズなどを手掛けたポール・W・S・アンダーソン監督が実写映画化。アンダーソン監督の妻ミラ・ジョヴォヴィッチを主演に迎え、モンスターが存在する異世界に迷い込んだ戦闘軍のサバイバルを描く。『マッハ!』シリーズなどのトニー・ジャー、ラッパーのティップ・“T.I.”・ハリス、『殺し屋』などのロン・パールマン、ドラマ「平成物語 なんでもないけれど、かけがえのない瞬間」などの山崎紘菜らが出演。(シネマトゥディより引用)

感想

ポール・W・S・アンダーソンの戦略

本作の監督であるポール・W・S・アンダーソンと言えば、世界三大映画賞で監督賞を受賞している名監督ポール・トーマス・アンダーソンと名前が酷似してるばっかりに、映画ファンからは「じゃない方のポール・アンダーソン」なんて不名誉な呼び方をされたりもしていますが、実は1994年のデビューから今まで、ほぼ途切れることなく作品を発表し続けてるんですよね。

カルト的な人気を誇った「デス・レース2000年」のリメイクシリーズや、ジャンル映画界の2大キャラクターを対決させた「エイリアンVSプレデター」など人気映画のリメイク。

世界的大ヒットとなりアンダーソン監督の代名詞にもなった「バイオハザード」シリーズや今年リメイク版が公開された「モータル・コンバット」(1995)などビデオゲームの実写映画化など、これまで数多のボンクラ映画を手掛けてきた”こっち側”の監督で、しかもバイオシリーズで主演を務めたミラ・ジョボヴィッチと結婚するなど、まさにオタクドリームを手にした勝ち組。つまり、本来は僕らボンクラ映画ファンにとってポール・アンダーソンと言えば、”トーマス”ではなく、”W・S”のハズなのです。

ところがこのポール・W・S・アンダーソン監督、何故かボンクラ映画ファンからも、イマイチ評価されてない感じなんですよねーw

まぁ、僕も彼の作品をすべて観てるわけではないので断定はできませんが、多分この人の作品って、ネタ元作品のツボっていうか、一番の「核」になる部分を外しちゃってる感じがするんですよねー。
むしろ元ネタの設定だけ頂いてキャラや物語は自分勝手に変えちゃうというか、「ぼくのかんがえたさいきょうの〇〇」にしちゃうというか。

日本の映画監督で言うと山崎たk……げふんげふん。

要するに原作や元ネタに対してリスペクトが感じられないところが、原作ファンやボンクラ映画ファンからも評価されない理由なのかなと。

その一方、人気ゲームやカルト映画などある程度の集客を見込める、いわゆるオタクカルチャー作品を実写映画化&フランチャイズ化することで、コンスタントに作品を作り続けるという戦略自体は上手いし賢いなーと思ったりするんですよね。

ざっくりストーリー紹介

そんなポール・W・S・アンダーソン監督がバイオハザードの次に目をつけたのが、カプコンの大人気ゲーム「モンスターハンター」です。
主役のナタリー・アルテミス大尉を演じるのは奥さんのミラ・ジョボヴィッチで、救援メッセージを残して砂漠で行方不明になったチームの捜索にきていたナタリーの小隊が謎の砂嵐に巻き込まれ、気が付けばモンスターの住む異世界に引き込まれていた――というストーリー。

で、右も左も分からない彼女らは、砂の中を泳ぐディアブロスや、毒グモっぽいネルスキュラに襲われ壊滅。何とか生き残ったナタリーは異世界人で仲間とはぐれたハンタートニー・ジャー)と出会い、お互い家(ホーム)に戻るため共闘するんですね。

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僕はゲームってほとんどしてなくて、「モンハン」もタイトルと、モンスターをハントするらしいくらいは知ってますが、あとはYouTubeのゲーム実況でちらっと見た程度で。

なので、どこまでが元ネタに沿っていて、どこからがアンダーソン監督のオリジナル設定なのか全然分からないんですよね。

いや、ミラ・ジョボヴィッチたち陸軍がモンハンワールドに迷い込むのは絶対に映画オリジナル設定だと思いますけどね。

いいところも悪いところも

でもまぁ、予算的にも時間的にも、(怪獣を含めた)モンハンのキャラや世界観をイチから説明するのは大変なので、軍隊を登場させることで現実世界との接点を作り、重火器が効かないことでモンスターの強さを表現するのは、映画用の改変としては悪くないと思いました。あと、異世界人のトニー・ジャーとミラ・ジョボヴィッチがまったく言葉の通じないままボディーランゲージや表情でコミュニケーションをとるとか、モンスターのいない世界から来た兵士たちの目を通して、モンスターの怖さをホラーテイストで描く冒頭シーンも個人的には面白かったです。

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まぁ、ネルスキュラの描写はいくら何でもエイリアンに寄せすぎじゃね?とは思いましたけどもw

そんな感じで良い部分も沢山ある映画なんですが、一方で、予算の都合か部隊が砂漠ばかりで画変わりしないとか、それゆえアクションシーンでのキャラの立ち位置や行動が把握できず観てて混乱するとか、映像的にもストーリー的にもテンプレの使いまわしで新しさや驚きは一切ないとか、アイルー(ネコ獣人?)があんまり可愛くないとか、ディテールの描き込みが雑で映像が安っぽく見えるとか、まぁ気になるところも多々あったり。

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あと、あちこちにほったらかしな伏線や設定が、シリーズ化する気満々だなーと思いましたねー。露骨すぎだろって言うw

まぁ、色々気になるところもあるし、結局モンハン風味のポール・W・S・アンダーソン映画ではあるものの、良いところもあるし少なくとも観てる間は退屈せずに楽しめるポップコーンムービーだったと思いますねー。

興味のある方は是非!!

 

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80年代アクション映画をオマージュ「ガンズ・アキンボ」(2021)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ハリー・ポッター役として一世を風靡したダニエル・ラドクリフ主演の英・独・新共同映画『ガンズ・アキンボ』ですよー!

実生活のうっ憤をネット荒らしで晴らしてたD・ラドクリフが、両手に拳銃をネジ止めされデスゲームに参加させられるという、ぶっ飛んだ物語でした!

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』などのダニエル・ラドクリフ主演のアクション。闇サイトを運営する組織の怒りを買ったプログラマーが、両手に拳銃を固定された状態で殺し屋との戦いを強いられる。監督は『デビルズ・メタル』などのジェイソン・レイ・ハウデン。『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』などのサマラ・ウィーヴィング、『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』などのネッド・デネヒーらが共演する。(シネマトゥディより引用)

感想

低予算の小作品ながら

D・ラドクリフと言えば、「ハリー・ポッター」シリーズの主役として世界中にその名を知られる俳優ですが、個人的にはその後、代表作と言われるような作品には中々巡り合えていない印象があります。

とはいえ、例えば2016年の「スイス・アーミー・マン」の死体のように、ぱっと見アホぽいというかマンガっぽいんだけど印象深い役柄も演じていて、もしかしたら低予算の小作品ながらメッセージ性や作家性の強い作品を自ら選んでいるのかも?なんて、本作を観ながら思ってしまいました。

暴力とは無縁な主人公が何らかの理由で殺し合いゲームに強制参加させられる。というストーリー自体は、いわゆる「デスゲームもの」のテンプレではありますが、本作の主人公のマイルズソーシャルゲームプログラマーで、彼女のノヴァ(ナターシャ・リュー・ボルディッゾ)にはフラれ、会社では体育会系上司にいびられ、溜まりに溜まったうっ憤をSNSYouTubeのコメント欄を荒らすことで晴らしているオタクなんですね。

ざっくりストーリー紹介

そんなある日、参加者同士の殺し合いを中継する闇サイト、「スキズム」を見つけたマイルズは酔いに任せて嵐コメントを投稿。
これがスキズムの運営元であるギャングのボス・リクター(ネッド・デネヒー)の怒りを買い、アパートに乗り込まれ、麻酔銃で眠らされ、気がついたら銃を両手にネジ止めされて、スキズム最強のプレイヤー・ニックスサマラ・ウィーヴィング )と闘わされることになる――というストーリー。

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デスゲームもの主人公の多くが、理不尽にデスゲームに参加させられる被害者であるのに対し、本作のマイルズはある意味で自業自得というか、因果関係がハッキリしているんですね。

メタ的に現代社会の縮図を示唆!?

また、ネットE・スポーツのように中継していることや、殺し合い自体を、街を舞台にオープンワールドのように描写することで、これまで限られた舞台で箱庭的に描かれてきた「デスゲームもの」というジャンルを現代的にアップデートしているのです。

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それは(マイルズのキャラクターを含め)現代のネット社会やSNSに広がる闇も同時に描いているんですよね。

とはいえ、街中で堂々と殺人ゲームが行われ、それがネット中継されているという本作の設定だと「一体、警察や国は何をしてるんだ」っていう違和感に繋がってしまうんですが、ラストのマイルズの独白で本作が(意識的に)マンガっぽい世界観にしている事が分かるんですね。

それは「スキズム」やそれを見ている視聴者たちの姿が、メタ的に現代社会の縮図になっていることの示唆にもなっている――みたいな感じなのかなーと思ったり。

いやいや、それは考え過ぎですねw

80年代アクション映画をオマージュ

本作の監督のジェイソン・レイ・ハウデンは、デビュー作「デビルズ・メタル」で悪魔を召喚してしまったヘビメタ少年たちの騒動を描き、1980年代に量産されたホラー映画のテイストをオマージュしていたオタク監督。

本作でも、主人公マイルズの部屋には「ランボー/怒りの脱出」や「コマンドー」のポスターが貼られてたり、ロングコートの代わりにナイトガウンの裾をはためかせての二丁拳銃&スローモーションは「男たちの挽歌」だったりと、80年代アクション映画オマージュ満載で、多分、彼が本作に込めたメッセージはシンプルに「クソリプするやつは地獄に落ちろ!」なんでしょうねw

タイトルの「アキンボ」とは

ちなみに、本作のタイトル「ガンズ・アキンボ」はそのまま「2丁拳銃」のこと。
アキンボとは元々「両肘を張って両手を腰に当てた」不屈の決心を表すポーズ(「前へ倣え」の先頭の人のポーズね)らしいんですが、両腕の”くの字”がホルスターから銃を抜く時のポーズに似ていることから、二丁拳銃を意味する言葉になったのだそうですよ。

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ともあれ、ダニエル・ラドクリフが両手に銃をネジ止めされて困った顔をしてる、あのビジュアルのインパクト一発で観たくなっちゃうと思うし、実際に観てみるとテンポもいいしポップで楽しく、時間もほぼ90分とコンパクトにまとめられてるので観やすいし、気楽に楽しめると思います。

興味のある方は是非!!

 

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MCU初のアジア系ヒーロー登場!「シャン・チー/テン・リングスの伝説」(2021)

ぷらすです。

2021年9月3日公開のMCU劇場新作『シャン・チー』を劇場で観てきましたよー!

いやー、面白かった!!
いや、もちろん100点満点とまでは言えないし、劇中、気になるところもないではないですが、MCUヒーローのオリジン(紹介編)としては十分に楽しめる映画でしたよ!

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概要

アベンジャーズ』シリーズなどを手掛けるマーベル・スタジオによるヒーローアクション。悪の組織を率いる父親の恐ろしい計画に巻き込まれていく主人公の姿を描く。『黒い司法 0%からの奇跡』などのデスティン・ダニエル・クレットンがメガホンを取る。シム・リウが主人公、『インファナル・アフェア』シリーズなどのトニー・レオンが父親を演じ、『クレイジー・リッチ!』などのミシェル・ヨー、『フェアウェル』などのオークワフィナらが共演する。(シネマトゥディより引用)

感想

MCU初のアジア系ヒーロー登場!

MCU(劇場版)前作「ブラック・ウィドウ」の感想で、僕はなぜフェーズ4の第1弾が「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」ではなかったかついて「フェーズ4以降のMCUでは、国籍、人種関係なく様々なヒーローが活躍する」というマーベルの宣言ではないかと考察しました。

実際ディズニープラスのドラマ版では(コロナの影響で「ブラック・ウィドウ」と順番が入れ替わってしまったけれど)『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)後の世界を舞台に、スカーレット・ウィッチことワンダ・マキシモフ が真の力に目覚める? 「ワンダヴィジョン」や、ファルコンことサム・ウィルソンが2代目キャプテン・アメリカを襲名するまでを描いた?「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」など、新たな流れを感じずにはいられません。(説明に?がついてるのは僕がまだMCUドラマを未見だからです)
まぁ「ロキ」や「ホワット・イフ...?」なんかは、今後MCU作品の中核となる“マルチバース”を説明する感じ?だと思いますが。(まだ観てないけど)

そんなMCUフエーズ4劇場第2弾として作られたのが本作、MCU初のアジア人ヒーロー「シャン・チー」なのです。

原作コミックでは1973年初登場と以外に古株で、カンフーマスターではあるけれど特別な能力はない普通の人間っていうクリリン的キャラクターらしいんですが、それでも超能力を持つヴィランと肉弾戦を繰り広げ、何人ものヴィランをやっつけてきたそうですよ。

ちなみに、そんなシャン・チーのモデルは、あのブルース・リーだそう。
1973年と言えば「燃えよドラゴン」の公開で一大カンフーブームが起こっていた頃で、そこにインスピレーションを受けたスタン・リーが、カンフーで戦うヒーローを生み出したんですね。

っていう情報を聞いていたので、最初に本作の予告編を観た時は「え……この人が主役なの…?」と不安になるくらいシャン・チー役のシム・リウは見た目が地味だったんですよねーw

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画像出展元URL: http://eiga.com

さらに、本作のヒロインでありシャン・チーの親友兼サイドキックでもあるケイティを演じるオークワフィナは、見た目ちょっとおばちゃんっぽいし声の方もかなりのハスキーボイス。

日本やアジア圏製作の映画だったら絶対主人公やヒロインにはならなそうな2人です。

いかにも西洋人がイメージするアジア人って感じで、ホント、色々大丈夫なのかなぁ? って思ったわけですが、いざ蓋を開けてみれば、序盤こそ多少の違和感を感じたものの、物語が進むにつれシャンチーとケイティ、さらにシャンチーの妹シャーリンメンガー・チャン)もみんな大好きになっちゃいましたよ!

本作は、そんなシャン・チーがマーベルヒーロー「シャン・チー」になるまでの物語、つまりはオリジンなので、まだMCU作品を1本も観たことがない人でも十分楽しめると思いますよ!

ざっくりストーリー紹介

そんな本作はシャン・チーの父親であるシュー・ウェンウートニー・レオン)と、彼が持つテンリングスという10本の腕輪の伝説からスタート。
なんと、シャン・チーのお父さんはテン・リングスの力で不老不死となり、現在1000歳オーバーのスーパーご長寿ですが、「テン・リングス」という組織を作って長年世界を裏から牛耳っているのです。

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そう、「アイアンマン」が誕生するキッカケになったあの組織です!

まぁ、結局「アイアンマン3」でトニーが対峙した「テン・リングス」とマンダリンは真っ赤な偽物だったわけですが、本作のテン・リングス、そして本家マンダリンこそがシャン・チーの父親でもあるシュー・ウェンウーなんですね。

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で、場面変わってアメリカでホテルの駐車場係をしているボンクラ青年シャン・チーは、相棒で親友のケイティとカラオケしたり共通の友人にもっとちゃんとするよう説教されたり、それなりに楽しく暮らしていたんですが、ある日、通勤バスで突如、腕が刀の厳つい男にママの形見のペンダントを寄越せと迫られます。
最初は「人違いでは?」と逃げ腰のシャン・チーでしたが、男がケイティに暴力を振るったことで激おこ☆
バスの中で男やその部下を相手に大立ち回りを始め――という物語。(まだネタバレしてないよ!)

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ちなみにウェンウーの登場シーンではジェット・リー主演の「HERO」、シャン・チーママとの出会いのシーンでは「グリーン・ディスティニー」をオマージュ。
シャン・チーのバスの格闘シーンは多分ジャッキー・チェンの「ポリス・ストーリー」がオマージュだし、序盤のビルの足場を舞台に戦うシーンは「プロジェクトA2」のオマージュではないかと。

天下のマーベル映画ですから、どの作品でもアクションが凄いのはもはや誰もが知るところですが、本作では思った以上にしっかりカンフー映画してくれてたのは嬉しかったですねー。

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まぁ、終盤~クライマックスにかけてはMCU作品というよりディズニー映画感の方が強かったですけどもw
もっと言うと、クライマックスは2000年以降のお金持ちになった中国が大予算で作ったファンタジー映画寄りの絵面というか、例えばCGの作り方なんかがハリウッドのリアルを目指したソレではなく色合いが無駄にキラキラしてるというか。
まぁCGにするものが、ビルとか車とか爆発などの無機物ではないし、今回のシャン・チーはドクター・ストレンジ寄りのファンタジー系な世界観なので仕方ないのかもでけどね。

ただ、それをもって「MCUが中国資本におもねった――」的な見方は些か短絡的に過ぎると思うし、ましてや、観てもいないのに批判してるような阿呆は何をか言わんやです。
お前らはもう一生映画観るな。

「ブラック・パンサー」的違和感

あと、本作で感じたのは以前観た「ブラック・パンサー」と同じ違和感でした。
つまり一言で言うと「アメリカ人がイメージするアジア」ですよね。

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ブラック・パンサーではアフリカの架空の国ワカンダや部族同士のしきたりが出てきましたが、本作でもいかにもアメリカ人が考える中国(というかアジア)が描かれていて、まぁそれは物語内リアリティーがそうなっているのだからと言われればそれまでですが、MCUに今後も登場するであろう他国のヒーローを映画化する時に、ヒーローの母国をどう描くかは、多様性を目指すMCUの今後の課題でもあるような気がします。

という感じで、アチコチ気になるところはあるし、物語的にも100点満点とは言えませんが、それでも本作が初登場のアジア系ヒーローのオリジン(=紹介編)であると考えれば、個人的には十分面白かったんじゃないかと思いましたねー。
特に、シャンチー、ケイティ、妹のシャーリンの三人が、今後MCUでどんな活躍をするのかは、めっちゃ気になるし楽しみですよー!

興味のある方は是非!!!

 

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現代の西部劇でありイージーライダーの続編でもあり「ノマドランド」(2021)

ぷらすです。
今回ご紹介するのは、今年の冬に公開予定のマーベル映画「エターナルズ」の監督作品でもあり、また今年のアカデミー賞では監督賞を受賞したクロエ・ジャオ監督作『ノマドランド』ですよー!!
Amazonレンタルで視聴。前作「ザ・ライダー」は未見の状態。
今年3月公開ということで、ある程度の内容や事情は把握して見たんだけど、最初に感じたのは「映画館で観るべきだった」という後悔でしたねー。

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション小説を原作に、「ノマド(遊牧民)」と呼ばれる車上生活者の生きざまを描いたロードムービー金融危機により全てを失いノマドになった女性が、生きる希望を求めて放浪の旅を続ける。オスカー女優フランシスマクドーマンドが主人公を演じ、『グッドナイト&グッドラック』などのデヴィッド・ストラザーンをはじめ、実際にノマドとして生活する人たちが出演。『ザ・ライダー』などのクロエ・ジャオがメガホンを取り、第77回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で金獅子賞を獲得した。(シネマトゥディより引用)

感想

「物語」というよりはセミドキュメンタリー

本作では主人公のファーンを演じるフランシス・マクドーマンドと、ファーンに想いを寄せるデイブを演じるデヴィッド・ストラザーン以外、本当にノマド生活を送る人たちをキャストに起用しているそうです。

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画像出展元URL:http://eiga.com  /実際にノマド生活を送るリンダ・メイ

それはクロエ監督の前作「ザ・ライダー」とほぼ同じ手法らしく、「ザ・ライダー」では主人公を始め、登場人物は役者さんではなく本人らしいんですね。

つまり本作は、役者さんの演技でストーリーを見せるタイプの作品ではなく、映像で物語を語るタイプの作品であり、彼ら、彼女らの背後に映る雄大な自然もまた本作の重要なファクターなのです。
という事を踏まえると、自室の36インチテレビの画面では、本作本来の魅力がかなり目減りしてしまうのは間違いないんですよねー。

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画像出展元URL:http://eiga.com

画面に映し出される雄大で美しい自然の中で、開拓時代を思わせる放浪生活を送るノマドの人々。
本作の、そうした絵画のように美しい画は、映画館の大画面で観てこそ100%の魅力が伝わる様に設計されていたんですね。

現代の西部劇であり「イージーライダー」の続編でもあり

本作に登場するノマドの人たちは総じて高齢者であり、日本で言えば団塊の世代
つまり、美しい理想の世界と自由を求めたヒッピー(フラワーチルドレン)世代なんじゃないかと思います。

しかしながら、夢破れて社会の一部に収まったハズの彼ら彼女らが老年を迎えた今、様々な事情で社会から放り出され、幌馬車のようなRV車で季節労働をしながら国中を放浪するとは、何とも皮肉な話だと思わずにいられない。
しかもその原因がかの悪名高きリーマンショックですからね。
放浪はしないまでも家を失いトレーラー生活の人も沢山いると聞くし、もっと酷い生活をしたり、全てを失った人々も。
にもかかわらず、リーマンショックの責任者は莫大な年金をもらって悠々自適の老後とか、もう、ふざけるのもいい加減にしろ!って話ですよ。
主人公のファーンが住んでいたネバダ州の企業城下町エンパイアの町は企業の倒産によって郵便番号までなくなり、住人はみんな町を追い出されたわけですね。
で、夫を亡くしていたファーンは、自ら改造したオンボロRV車に最低限の荷物と夫との思い出の品を積み込んでノマド生活を始めるのです。

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画像出展元URL:http://eiga.com

これって何もアメリカだけの話ではなく、日本だってリーマンショックの余波を喰らって以降めっちゃ不景気状態が続いてるし、毎年のように起こる自然災害に加え、コロナ禍によって事態は悪化の一途で明るい未来が見えない。
なので、僕くらいの年齢になると本作のノマドたちは近い未来の自分の姿かもしれないと思ってしまうんですよね。とても他人事だとは割り切れない。

劇中、自由を謳歌する誇り高きノマドたちの後ろに迫る「老い」と「自己責任」という名の不安に、どうしても目が行ってしまって心の奥がザワザワするというか。

僕は原作は未読だけど、内容的には彼ら高齢のノマドを安い賃金で使い搾取するAmazonを始めとしたアメリカの大企業や政府への問題提起がメインのノンフィクションらしいんですね。

ただ、本作はそんな原作とは少々趣を変え、ファーンの目を通して見聞きしたノマドの人たちの自由で誇り高き暮らしぶりを、壮大な自然をバックに(その厳しさも含めて)抒情的に描いているように見えました。
それは決して原作の意向を無視しているわけではなく、ノマドという生き方を送る人々に対する最大限の敬意なのだと思いましました。

冒頭、バッタリ出会った臨時教師時代の教え子に「先生はホームレスになったの?」と聞かれ、「ホームレスではなくハウスレス。全然違うのよ」と答えたファーンが、後半で大きな”ホーム”を手に入れる。
ストーリーを要約すると、本作はそういう物語なんですよね。

興味のある方は是非!!

 

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