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“シーザー三部作”の完結編として申し分なし!「猿の惑星 聖戦記(グレート・ウォー)」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、1960年代後半から70年代にかけて記録的大ヒットした映画「猿の惑星」の前日譚を描いた「創世記」「新世紀」に続く“シーザー”三部作完結編『猿の惑星 聖戦記(グレート・ウォー)』ですよー!

前作・前々作で、「抱かれたいエイプ ナンバー1」の地位を不動のものにした主人公シーザーと、絶滅危惧種となった人間たちが最後の戦いに臨む一大叙事詩です!

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概要

猿の惑星』の前日譚(たん)を描いた『猿の惑星:創世記ジェネシス)』『猿の惑星:新世紀(ライジング)』の続編となるSF大作。猿と人類が地球の支配者を決する戦いの一方で、自らの種族を守るべく行動する猿のリーダー・シーザーの心の葛藤も映す。シーザーは、前2作に続きアンディ・サーキスが演じる。共演は、ジュディ・グリアウディ・ハレルソンら。監督は前作と同じくマット・リーヴスが務める。(シネマトゥデイより引用)

感想

猿の惑星」とは

1963年フランスの作家ピエール・ブールが出版したSF小説猿の惑星』を、1968年にチャールトン・ヘストン主演で映画化。

宇宙飛行士を乗せた宇宙船が地球への帰還中、トラブルで謎の惑星に不時着したら、そこは進化した猿が人間を支配する惑星だったという内容と衝撃的なラストで大ヒット。
その後、5作に渡りシリーズ化された伝説的な映画です。

2001年にティム・バートン監督で「PLANET OF THE APES/猿の惑星」としてリブートされたものの評判は悪く一本で打ち切り。

2011年、オリジナル版の前日譚としてリブートされたのが、「猿の惑星 創世記」でした。
モーションキャプチャーでリアルに描かれた主人公シーザーや、仲間となる猿たちが人間の作り出した新薬によって進化、自由のために人間に反乱を起こすという内容で大ヒット。

2014年に公開された続編「~新世紀」では、人間との共存を図るシーザーと、人間に深い恨みを持つコバの対立や、猿インフルエンザウィルスの蔓延によって滅び行く人間との戦いを描き、昨年公開された本作では人間と猿との最後の戦いを描いているんですねー。

復讐の鬼と化したシーザーと大佐

本作は猿(エイプ)たちが暮らす森を兵士(人間)たちが急襲するシーンからスタート。過激派のコバが引き起こした戦争が、未だ続いている事がわかります。

多くの犠牲を払いながらも兵士を返り討ちにしたシーザー率いるエイプたちは、生き残った兵士に「自分たちを放っておけば、戦争は終わる」とリーダーである“大佐”(ウディ・ハレルソン)に伝えるように言って開放。

その日、安住の地を探しに出ていた息子ブルーアイズたちが戻り、エイプたちは翌日森を出て移動を開始する予定を立てます。

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しかしその夜、大佐率いる兵士の急襲によってシーザーは最愛の妻と息子ブルーアイズを失い、復讐のために大佐を追う――という物語なんですね。

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そんな本作で鍵となるのが、ALZ113こと猿インフルエンザ。

元々はアルツハイマー治療の新薬として開発されたワクチンでしたが、実験のためエイプに投与したところエイプの知性が進化。しかし、エイプの体内でワクチンは変異し、多くの人命を奪う恐ろしいウィルスになってしまったんですね。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 張り詰めた物語の中、少女ノヴァ(アミア・ミラー)とモーリスの触れ合いにホッとする。

本作では、そのALZ113が更なる変異を遂げ……と、オリジナル版に繋がるブリッジの役割を果たします。

重厚な展開とシーザーの苦悩

前作で決定的に対立したコバとシーザー。激しい対決の末、シーザーはコバを殺してしまいます。
この事で、人間のようにはならないと誓い「エイプはエイプを殺さない」という掟を掲げたシーザーは自ら、人間と同じ原罪を背負ってしまうんですね。

そして本作でシーザーはコバの亡霊(幻影)に苦しむ事になります。

さらには、長く続く戦いで多くの仲間を失い、また人間側についたゴリラのレッドなどエイプの中にも裏切り者が出て、シーザーの心は限界まで磨り減り、大佐に息子と妻を殺されたことで、ついに闇落ちしてしまうんですねー。

このシリーズでのシーザーは、エイプたちを導くいわばモーセ的な立ち位置で、彼の前に立ちはだかる様々な困難をどう克服していくのかという物語でもあるので、良く言えば重厚、悪く言えばひたすら重苦しい展開が続くのは致し方ない部分ではあると思うし、そこが好き嫌いの分かれるところかもしれません。
また、2時間を越える長い作品の割にストーリーの進みは遅いので、鈍重と感じる人も多いのかもですね。

ただ、前作「~新世紀」で準備期間が短かったこともあって本作では、監督と脚本の二人は十分な準備期間を取り、戦争映画を始め多くの映画を観ながら本作の構想を練ったそうです。
なので、本作には「地獄の黙示録」「戦場にかける橋」「大脱走」「ベン・ハー」「十戒」など、映画好きな人が観ればそれとわかるようなオマージュも沢山盛り込まれていて、それがただのオマージュに終わらずに、本作の物語にとって重要な役割も果たしているんですよね。(もちろん元ネタは知らなくても楽しめます)

そういうアレコレも含めて、個人的には“シーザー”三部作の完結編として申し分ない内容だと思ったし、十分に楽しめましたねー。

それでもあえて言うなら、人間側の基地のセキュリティー甘すぎじゃね? とは思いましたけどもw

進化する映像表現とアンディ・サーキスの名演

このシリーズを支えたのは、何と言っても進化し続けるCG技術です。
「~創世記」で、特殊メイクではなくモーションキャプチャーによって描かれたリアルなエイプたちには本当に驚かされたけど、この6年間でCG技術はさらに進歩して、最早CGの凄さで驚くんじゃなく、普通にエイプたちに感情移入して物語に感動するところまで来てるんですよね。

そして、それはVFX技術だけではなく、モーションアクターとして主人公のシーザーを3作にわたって演じ続けたアンディ・サーキスの名演あればこそ。

「創世記」では青年期の、「新世紀」では中年期の、そして本作では白髪まじりの毛と皺の深くなった初老のシーザーをVFXによって見事に再現し、アンディ・サーキスの素晴らしい演技によって、実在感のある“一人のキャラクター”として観客はシーザーに感情移入して応援していたと思います。

 

ぶっちゃけこのシリーズは、「ロードオブザリング」や「スターウォーズ」などほかのシリーズものと同じで、1作づつではあまり評価出来なくて、あくまで3作で一本の映画として観たほうがいいんじゃないかなって思います。

なので、このシリーズをまだ観ていない人は、「~創世記」から3本一気に観るとより深く楽しめるんじゃないかと思いましたねー。

興味のある方は是非!!

 

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