ぷらすです。
今回ご紹介するのは、ティム・バートン監督の「バットマン」(89)「バットマン リターンズ」(92)からスタッフ・キャストが一新され、それまでの方向性を大きく変えた『バットマン フォーエバー』ですよー!
先日TSUTAYAに行ったとき、「そういえば公開時に観てなかったっけ」とレンタルしてきたんですが、…うん。劇場で観なくてホント良かったって思いましたねー。
画像出典元URL:http://eiga.com
概要
スタッフ・キャスト、それにデザインをも一新してのNEWバットマン。トゥー・フェイス&リドラーの強敵に、待望久しいロビンが登場するというにぎやか編で、前2作のダークなイメージをうまく陽性に転化している。(allcinema ONLINEより引用)
感想
僕にとって実写版「バットマン」はティム・バートン版がスタートです。
なので、第3作となる本作から監督が交代すると聞いて、「だったら観なくてもいいか」と、本作と 「バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲」はずっとスルーしてたんですね。
その後、2005年からスタートしたクリストファー・ノーラン版のダークナイト3部作で、バットマン=ダークヒーローのイメージが決定づけられるわけです。(ティム・バートン版ではまだバットマンのキャラがそれほど浸透してなかった)
ノーラン版については、言いたいことがないわけではないけど、とはいえ、ティム・バートン版、ノーラン版はどちらも「(バットマンも含む)キャラクターの狂気」を描く描いているし、特にティム・バートン2作目の「バットマン リターンズ」はティム・バートンの持ち味が活かされた傑作だと思うんですが……。
この、ジョエル・シュマッカー版の2作は、ティム・バートンのダーク路線からファミリー路線にシフトチェンジ。
概要でもあるように、陽性なバットマンになってるわけです。
って、陽性なバットマンってなんだよ!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ
豪華キャストの無駄遣い
そして、本作からはキャストも一新。
マイケル・キートンに変わりバットマンを演じるのは、「トップガン」でアイスマン、「ドアーズ」で主役のジム・モリスンを演じたヴァル・キルマー。
いや、確かにマイケル・キートンのバットマンも「それはどうかなー? 」って思いましたよ。だってビートルジュースだもん。
それに比べたら、ヴァル・キルマーは確かにニ枚目だし背も高い。
だけど、なんかこう……うっっっっっすいんですよ。
如何にもエエとこのボンボンって感じの風貌。いや、実際ブルース・ウェインはエエとこのボンですけどね。でも、幼少期に目の前で両親を殺されたことで心に深い闇と狂気を持ってしまうっていう、かなり屈折したキャラクターなんですよ。
で、本作ではしっかりその描写もあるんですが、肝心のヴァル・キルマーからは一切、狂気を感じないわけです。
一目惚れした精神科医のニコール・キッドマンに「毎晩悪夢を見るんだ」なんてメソメソ相談したりしやがって。
まぁ、それも、多分ファミリー向けに希釈したバットマン/ブルース・ウェイン像ってことなんでしょうけども。
じゃぁ、狂気の部分は誰が背負ってるかというと、当然、本作のヴィラんであるトゥーフェイスとリドラーです。
どちらも、バットマンの敵役として人気のキャラ。(トゥーフェイスは「ダークナイト」でも登場しますよね)
本作で、トゥーフェイスを演じるのは缶コーヒーのボスの宣伝でもお馴染みトミー・リー・ジョーンズ、リドラーは「マスク」のジム・キャリーです。
二人共言わずと知れたハリウッドのビックネーム。
な・ん・で・す・が!この二人、肝心のバットマンそっちのけでずぅぅぅぅぅっとコントを繰り広げてます。
トゥーフェイスは、部下を率いて強盗しまくるただの輩だし、リドラーはブルースの会社の社員時代からずっとイっちゃってるアレなやつだし。
で、ただただ、二人共「ギャハハハ」「ウヒヒヒヒ」と笑いながら暴れているだけで、何の中身もないんですよね。
っていうか、リドラーの作り出した装置の理屈が全くわかりません。
そんな二人の(誰が見ても一瞬で見抜けるような策略に)ブルースとアルフレッド(マイケル・ガフ)はまんまと引っかかり、バットケイブやバットモービルを破壊されるわ、ニコール・キッドマンを誘拐されるわ。
いや、お前ら間抜けすぎだろ。っていうか、ブルースに至っては自分から正体バラシにいってるしね!
事のついでに言うと、ブルースとラブラブしてるニコール・キッドマンも、全然精神科医に見えなくて、なんか安いコルガールみたいでしたよ。
これはもう、完全に脚本と撮り方の問題で、特に撮り方には悪意さえ感じました。
唯一、まともなのは、バットマンの相棒であるロビン(クリス・オドネル)くらい。……いや、そうでもないか?
で、まぁ色々あってリドラーにバットケイブを破壊されたブルース、ニコール・キッドマンを助けるためにバットスーツに着替えていざ出陣! となるわけですが、この時、バットマンの尻がアップになるという謎演には思わず笑ってしまいましたねーw
なぜ尻w(いや、ホントはちゃんと分かってますよ?)
事ほど左様に、超豪華キャスト&大予算にも関わらず、隅から隅まで酷い出来で、特にアクションシーンは目も当てられない有様。
観終わったあと、「色々文句言ってゴメンねノーラン。これに比べたら『バットマンビギンズ』も『ダークナイトライジング』も超いい映画だったよ…」と反省することしきりでしたねー。
まぁ、ダークナイト三部作を観たあとで、友達と集まってツッコミを入れながら観るには丁度いい映画なんじゃないでしょうか。
興味のある方は是非。
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