読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

絵本がそのまま動き出したようなアニメ映画「くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ」(2015) 感想

映画レビュー

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、本国フランスでは2012年、日本では2015年に公開されたフランスの長編アニメ映画『くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ』ですよー!

まるで絵本がそのまま動いているような、可愛らしい作品ながら、風刺も効かせて子供から大人まで楽しめる素敵な作品でしたー!

http://img.eiga.k-img.com/images/movie/79458/poster2.jpg?1439461476

画像出典元URL:http://eiga.com/

あらすじと概要

ベルギーの絵本作家ガブリエル・バンサンの代表作で、世界中で親しまれている「くまのアーネストおじさん」シリーズをアニメ映画化。無愛想で大きなくまの音楽家アーネストおじさんと、小さなネズミの女の子セレスティーヌの出会いと冒険、そして種の違いを超えて育まれる関係を描く。優しいタッチでつづられる心温まるストーリーは、第86回アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされた。

ストーリー:大きなくまの音楽家アーネストおじさんは空腹でゴミ箱をあさっていたとき、小さなねずみの女の子セレスティーヌを見つけて食べようとする。その後セレスティーヌは、アーネストに菓子屋の倉庫に潜り込む方法を教え、難を逃れた。やがて両者の間には、種の違いを超えた友情が芽生えるが……。(シネマトゥディより引用)

 

 

感想

僕は原作の方は、表紙を見かけたことがあるかなー? くらいで読んだことは一度もなく、恥ずかしながら本作もまったくのノーチェックでした。。
で、ネットのお友達に教えて貰い今回初めて観たんですが、これ、すごくね?

と思ったら、第86回アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされてたんですねー。

本作の世界観

まず、本作の世界観をザックリ説明すると、この世界ではくまとねずみがそれぞれ地上と地下に棲み分けていて、お互い対立しているんですね。

双方それぞれに文明的な暮らしをしているので、雰囲気的にはディズニー・ピクサーの「ズートピア」の世界観を連想する方も多いかもしれません。

そして、本作の主人公は、無愛想で嫌われ者のくまアーネストと、絵を描くのが好きで、園長先生の語る恐ろしい熊像に疑問を持つねずみの少女セレスティーヌ。
周囲に馴染めない二人は、互いの世界でそれぞれ一人ぼっちなんですね。

ねずみの世界の文明を支えているのは、丈夫な前歯。
孤児のセレスティーヌたちは、夜中地上でくまの家に忍び込み、子ぐまから抜けた乳歯を盗んでくるのが仕事で、彼女らが盗んできた丈夫なクマの歯を加工して、前歯の抜けたねずみの差し歯にしているんですね。

一方のアーネストは、人里離れたボロ屋に住む音楽家。
食べ物がなくなると街に出てきて、路上パフォーマンスをしてお金や食べ物を貰っているみたいです。ただ、路上でのパフォーマンス(というかほぼ物乞い)行為は禁止されてるらしく(迷惑行為なのかな?)、警察に見つかると捕まっちゃうっぽいんですね。

そんな二人が偶然出会うものの、ある事がキッカケで二人はくま、ねずみ、それぞれの世界からお尋ね者になってしまうという物語です。

CGと手書きのいいとこ取り?

今や、ディズニーピクサーを筆頭に海外は3DCGアニメが主流ですが、本作はそんな流れに逆行するように、まるで水彩の絵を動かしている手書きアニメのような味わいがあります。そのルックに高畑勲監督の「かぐや姫」を連想する人もいるかもですが、実はこの作品はキャラ造形はPCで、背景などは水彩で描き、コンピューターで合成しているようです。

http://img.eiga.k-img.com/images/movie/79458/gallery/m0000000790_sub1_large.jpg?1435113585

また、特にねずみの世界の描写や、ねずみのおまわりさんが大挙して押し寄せるシーンなんかは、宮崎作品を連想させるんですが、本作がデビュー作バンジャマン・レネール監督はインタビューで、宮崎監督の「ルパン三世 カリオストロの城」に影響を受けていると語っていて、なるほどなーって感じですね。

さまざまなメタファーと風刺が効いた大人にも楽しめる作品

そんな絵本の世界をそのままアニメにしたような、可愛らしくてワクワクしてしまう本作ですが、ただ可愛いだけの物語ではありません。
くまとねずみに置き換えてはいるものの、本作は人間社会を寓話化した作品で、民族対立を主軸に、同調圧力や、価値観の押し付けなどの風刺が随所に組み込まれていて、それらが本作のスパイスにもなっているんですね。

セレスティーヌは絵描きに、アーネストは音楽家に憧れますが、ふたりの周囲は絵も音楽も無価値なものとして認めようとしません。
中盤、一緒に暮らすことになった二人ですが、セレスティーヌの絵を初めて認めてくれて、どんどん描かせてくれるのがアーネストなんですね。

あと、ピリリと皮肉が利いてるなーと思わず笑ってしまったのが、序盤でセレスティーヌが忍び込んだくまの家でのエピソード。
乳歯が抜けた子供に、母親が「ねずみの妖精が、歯とコインを交換してくれる」的な話をするんですが、セレスティーヌを見つけると悲鳴を上げて追い出そうとするんですよね。

そんな人間社会が抱える様々な問題を組み込みながら、本作は極めてシンプルに80分という短い時間で観せてくれるんですねー。
なので、小さな子供から大人まで楽しめると思うし、もしお子さんがいらっしゃる方は、是非是非親子で観て欲しい作品だと思いました!

興味のある方は是非!!