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ライカの長編劇場アニメ第1弾「コララインとボタンの魔女」(2010)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「KUBO/クボ 二本の弦の秘密.」や、このブログでもご紹介した「パラノーマン ブライス・ホローの謎」で知られるストップモーションアニメのトップランナー「ライカ」による長編劇場アニメ第1弾『コララインとボタンの魔女 』ですよー!

本作を一言で言うなら、ゴシック風ダークファンタジーという感じの作品で、監督は「ナイトメア・ビフォアー・クリスマス」のヘンリー・セリックです!

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あらすじと概要

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の鬼才、ヘンリー・セリック監督が手掛けるダークで幻想的なアニメーション。世界中で愛されている同名のファンタジー小説を映画化し、パラレルワールドに迷い込むヒロインの冒険と成長を生き生きと描く。ちょっと生意気な主人公の声を担当するのは名子役、ダコタ・ファニング。1コマごとに人形やセットを動かしつつ撮影するストップモーションアニメを、さらに3Dにした驚異の映像を目に焼き付けたい。

ストーリー:コララインは両親と新しい街に引っ越して来るが、二人とも仕事が忙しくてちっとも自分にかまってくれず不満に思っていた。一人で外出すると、ワイビーという少年が黒猫と共にどこからともなく現れ、また姿を消す。コララインは退屈しのぎに築150年のアパートの探検を始め、その最中にレンガで封印された小さなドアを発見する。(シネマトゥディより引用)

感想

本作は、ヒューゴー賞を受賞したニール・ゲイマンの児童文学作品「コララインとボタンの魔女」を原作に、「KUBO/クボ 二本の弦の秘密.」「パラノーマン ブライス・ホローの謎」のストップアニメーションスタジオ Laika, LLC.(ライカ)が制作した長編劇場アニメ。監督を務めるのは、ティム・バートン製作の「ナイトメア・ビフォアー・クリスマス」の監督として知られるヘンリー・セリックです。

 

圧倒的な映像のコンセプトアートを担当したのは日本人

ライカといえば、細部にまでこだわり抜いた精緻なストップモーションで、今やストップモーションアニメのトップランナー
そんなライカの劇場アニメ第1弾である本作は、後の2作の雛形とも言える作品で、動きだけでなく美術や色彩など、技術と工夫を凝らした映像はやっぱり凄いんですよね。

そんな本作のコンセプトアートを担当したのは、日本人イラストレーターの上杉忠弘。
僕は、本作を観たあとにネット情報で知ったんですが、言われてみれば桜並木や学生帽など、日本的な記号も入っていたりしましたねー。(学生帽の方は、来日の際に監督が息子さんに買ってきた学生帽を被って貰えなかったので、本作で主人公に被らせたらしいですけどw)

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ストーリーの方は、両親とともに築150年の「ピンクパレスアパート」に引越してきた11歳の少女コララインが、壁紙に隠された小さなドア見つけ、トビネズミに導かれて入っていくとそこはワクワクするような刺激的な世界で、現実では自分を相手にしてくれない両親もこの世界では優しいんですね。
でも実は、そこはコララインを罠に掛けようとしているボタンの魔女の作り出した世界だったという物語で、「不思議の国のアリス」や、「ヘンゼルとグレーテル」的でもあり、日本で言えば「千と千尋の神隠し」的とも言える、普遍的な物語です。

ビジュアルの方は、「ナイトメア~」的なので、ティム・バートンの世界感が好きな人なら楽しめるんじゃないかと思いましたねー。

誰でも一度は考える原初的な恐怖

そんなボタンの魔女の世界は、ぱっと見、現実のピンクパレスアパートと同じに見えるんですが、そこの住人たちは皆、目がボタンになってるわけです。

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もちろんコララインのママもパパも目がボタンになっていて、コララインの望みが全て叶う夢のような世界にも関わらず、常に不穏な雰囲気が漂っているんですね。

これは、「自分の母親は本物ではないかもしれない」という誰でも子供時代に一度は考える原初的な恐怖や不安が物語の根底になっているから。

僕が子供の頃に呼んだ永井豪先生のマンガで、ある日突然母親が自分を殺そうとするというのがあって、小学生の僕は震え上がった記憶がありますww(今だったらコンプラ的に絶対出版できないw)

子供にとって母親は絶対的な存在ですからねー。
その母親が自分を害する存在になるのって、子供にとっては超怖いですよね。

本作では、そんな不安感を印象づけるために、冒頭でぬいぐるみの人形を解体して主人公そっくりに作り直す様子が描かれていて、それがまた、何とも言えない不安感を煽るのです。

っていうか、それをストップモーションアニメでやるのも凄いですけどもw

結局、不思議世界のママの正体はボタンの魔女で、コララインは“野良猫”や、(現実世界)の住人たちの助言や助けを借りながら魔女と対決するんですが、物語前半では(大人視点だと)自己中心的で、何ならちょっと嫌な感じにさえ見えるコララインの性格が、このクライマックスに役立つし、この「冒険」を通して、前半ではただの変人だと思っていたアパートの住人たちや、同い年の男の子ワイビー(ワイボーン)の「本当の姿」に気づくという展開になっていくんですねー。

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ただ、僕が「パラノーマン~」から遡って観ている事もあって、ストーリーの方は少々食い足りなさは感じましたけども。

それでも、ストップモーションアニメのクオリティーや、映像の美しさなど見どころは多い作品なので、観ておいて損はない作品だと思いますよー(´∀`)ノ

興味のある方は是非!!

 

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