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今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

イケてなさ過ぎる少年の青春!「バス男(ナポレオン・ダイナマイト)」(2004)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、本国アメリカで2004年に公開(日本ではDVDスルー)され、カルト的人気を博したコメディー『バス男』(ナポレオン・ダイナマイト)ですよー!

アメリカの片田舎を舞台にした青春コメディーなんですが、何ていうか見てる間中ずっと膝カックンされ続けてるような映画でしたww

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51NFJXWGP8L.jpg

画像出典元URL:https://www.amazon.co.jp

あらすじと概要

製作費わずか400万円ほどの超インディーズ作品ながら、全米で大ヒットを記録した脱力系学園コメディ。アメリカの片田舎に暮らす冴えない高校生のイケてない日常が独特のダルなリズムで綴られてゆく。アイダホの高校生ナポレオン・ダイナマイト。ルックスもダサければ頭も良くない彼は、当然のように学校でも友達もなくイジメにあってばかりの毎日。そんな彼にも、メキシコ人の転校生ペドロという友だちが出来た。女の子にモテたいペドロは無謀にも生徒会長に立候補、ナポレオンも彼の応援に精を出すが…。(allcinema ONLINEより引用)

 

感想

邦題問題

まず、最初に触れておかないといけないのは、何と言ってもこのバス男という邦題ですねw
この邦題は、当時流行っていた「電車男」にあやかって付けられたんですが、主人公がバス通学っていうだけで(しかも最初の一回くらいしか出てこないしストーリーにも絡まない)「電車男」とはまったく共通点がなかったため「日本一最悪な日本語題」と大ブーイング。
2013年10月には、電車男ブームに便乗したタイトルを付けたことに対する謝罪文を付けて、原題の『ナポレオン・ダイナマイト』へ改題して再発売されたそうです。
ちなみに、「ナポレオン・ダイナマイト」は主人公の名前です。

正直、観る前は僕も「非道いタイトルだなー」と思ってたんですが、実際映画を観てみると、邦題考えたの人の気持ちも少しは分からなくはないなーと思ったりww
庇うわけじゃないですが、どうにも掴みどころのない作品だし、役者陣も有名な人は一切出てないし、「これ、どうやって売ればいいんだ」って頭を抱えた末に、思い余ってこの邦題にたどり着いてしまったんだろうなぁって思いましたね。
まぁ、それにしたって非道いセンスですけども。

イケてなさすぎる主人公の痛い青春描写がリアル

本作はアメリカの片田舎に住む、ぼっちのいじめられっ子が主人公の青春映画です。
いわゆるスクールカーストも出てくるし、イケてるグループ(ジョックス)にイケてないグループ(ギーク)が虐げられる様子は、昨今の青春映画でよく観ますよね。

ただ、本作が他の作品と一線を画すのが、そのキャラ描写のリアルさ。

ジョン・ヘダー演じる主人公のナポレオンは、ぼっちでいじめられっ子の高校生。ノッポでくせっ毛でいつも口が半開きで、一発で嘘とバレる見栄を張り、すぐ仮病で帰ろうとするし、そのくせ内弁慶で、体育の時間はポールにロープで繋がれたボールを叩いてグルグル回す謎のスポーツ? をしていいるっていう、学年に一人はいるコミュニケーション超ど下手な少年です。

僕も地元のコミケでこういう人よく見ましたよ。

二枚目役者が“演じる“「映画のイケてないグループのいじめられっ子」じゃなくて、もうこれ素なんじゃないの!? っていうくらいのリアルさw

で、ジョックスのいじめっ子や、イケてる女子ももちろん登場するんですが、総じて全員ダサいんですよね。
アメリカの田舎の高校って、多分本当にこんな感じなんだろうなーって思っちゃう。(もちろんそんな事はないんでしょうけどw)
ほら、他の映画だと同じ設定でも役者自体に華があるし、そこはかとなくオシャレさや都会感が出ちゃうじゃないですか。
本作にはそういう嘘っぽさが皆無なんですよね。

その他の主要キャラクターは、
引きこもりで出会いチャットばっかしてる兄のキップ(アーロン・ルーエル)
元ジョックス? でラグビー部だった過去の栄光にすがる叔父リコ(ジョン・グリース
メキシコ人の転校生でナポレオンの友達ペドロ(エフレン・ラミレッツ)
本作のヒロインで進学資金を稼ぐために「デビーのグラマラスショット」という写真屋をしてるイケてない女子のデビー(ティナ・マジョリーノ)

本作は、そんな彼ら(彼女ら)のイケてなさ過ぎる日常を描いた作品なのです。

ねぇ、いつになったら物語が動くの??

とはいえ映画ですからね、コッチは何かをキッカケにナポレオンに変化が訪れて成長し、学校でフューチャーされる的な展開になるんだろうと思って観てるわけですよ。
ところが、いつまで経っても何も起こらないっていうww

ぼっちだったナポレオンに、ペドロっていう友達ができたり、デビーっていう気になる女の子が出てきたり、兄貴と謎武術のジムに見学に行ったり、養鶏場にアルバイトに行ったり、利き牛乳コンテストに出場したり、ダンスパーティーで女の子誘ったり、タイムマシーンを使ったり、兄貴がチャット相手の女性と会ったりする。
そんなエピソードの度に「お、ここから物語が動くのか!?」と期待するんですが、ナポレオンには何の変化も起こりませんw

というのも本作は、クライマックスの「あるシーン」一点に物語のカタルシスを集約してるからなんですね。

で、思い返してみれば上記のエピソードで、実はダメダメ少年のナポレオンが、
すこーーーーーーーーーーーしずつ成長してるっていう、本当に小さな小さな青春ストーリーなのです。

イケてなさすぎるキャラクターたちに寄り添う作品

そして見ているコッチも、最初こそナポレオンに対して全く感情移入できず、むしろちょっとイライラしてしまうんですが、ストーリーが進むうち、いつの間にかナポレオンに感情移入してしまっているんですよね。

それは、本作の監督 ジャレッド・ヘスが、ナポレオンやその周囲のダメダメだけど、どこか憎めないキャラを、単なる笑いものとして描くのではなく、彼ら彼女らに寄り添うような視点で物語を紡いでいるからなんだと思います。

だからこそ、ラストシーンではコッチも爽やかな気持ちになれるし、本作がカルト的人気を博すのも分かる気がしました。

ただ、公開後に追加撮影されたという、エンディングロールのあとのおまけシーンは蛇足だったような気がしますがww

好みは分かれそうな作品ですが、個人的には観て良かったですよー!

興味のある方は是非!!