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ゾンビがいる世界のラブストーリー「ゾンビの中心で、愛を叫ぶ」(2019)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、北欧からやってきたゾンビ映画ゾンビの中心で、愛を叫ぶ』ですよー!
まぁ、近年希に見る、アレな邦題ですけど、もちろん“あの映画”とは何の関係もありませんよw

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概要

ゾンビがまん延した世界を舞台に、離婚秒読みの夫婦に訪れたサバイバル生活を描いた北欧発のホラーコメディー。アントニオ・スティーヴ・トゥブレンがメガホンを取り、脚本や音楽なども担当した。『クレアモントホテル』などのゾーイ・タッパー、ドラマシリーズ「ダウントン・アビー」などのエド・スペリーアスのほか、アントニア・キャンベル=ヒューズ、ヤン・ベイヴートらが出演。(シネマトゥディより引用)

感想

ゾンビ映画の現在

1968年公開の「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」から52年。
映画だけに留まらず、コミック、ドラマ、ゲームなどさまざまなメディアに進出し、一方で低予算で作れることから、若手映画人の登竜門的に次々世に送り出される「ゾンビもの」は、現在ではレンタルビデオ店でも一大ジャンルになっています。

それゆえ、近年では他作品との差別化を図るため、例えばミュージカルとゾンビを合体させた「アナと世界の終わり」や古典文学と合体させた「高慢と偏見とゾンビ」のように別ジャンルと合体させたり、一方で「ショーン・オブ・ザ・デッド」や「ゾンビランド」のようにゾンビ映画の構造をパロディーにしたコメディ路線や、逆に韓国映画の「新感染」やシュワちゃん主演の「マギー」、ゾンビウィルスに感染した父親が赤ん坊を誰かに託すため旅に出る7分の短編「Cargo」などの、いわゆる“泣けるゾンビ映画”など、細分化された作品も増えています。

本作もまた、そんな細分化されたゾンビ映画の系譜にある作品で、ある事をキッカケに冷え切ってしまった夫婦が、ゾンビウィルスの蔓延する世界でマンションの一室に閉じ込められ、サバイブするうちに愛を取り戻すのだが――という物語。

本作の中でのゾンビは、あくまでこの夫婦を自宅マンションから出さない為の装置であり、本質的にゾンビ映画というよりラブストーリーなんですよね。

ざっくりストーリー紹介

北欧のタワーマンションの一室、教師のジョンエド・スペリーアス)と警察で働くカレン(ゾーイ・タッパー)は、“あること”がキッカケで夫婦仲が冷え切ってしまった倦怠期の夫婦。
カレンは離婚を考えていて、今日明日にもジョンに伝えようと考えているんですね。

そんな矢先、ゾンビウィルスの蔓延によって二人はマンションから出られなくなり、自宅で救助を待つことに。

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とりあえず、当面の食料を確保するためカレンは、住人のいない同じ階の部屋から飲食物を盗むことを提案するんですが、真面目なジョンは抵抗感があるんですね。
しかし、背に腹は変えられぬと食料や衣服を“調達”するうち、二人の行動は次第にエスカレート。大型テレビやお気に入りのドレスなども盗み出すんですね。

また、カレンはジョンが出かけている昼間からワインを飲んでいたり、職場で押収された各種ドラッグや拳銃までパクって隠し持っている事も判明。

呆れるジョンでしたが、閉塞的な環境の中で二人は酒とドラッグとセックスに明け暮れ冷え切っていた愛が再燃。

そんなある日、マンションのコインランドリーに閉じ込められていたというお隣さん夫婦が助けを求めてきたため、二人は部屋に招き入れるのだが――という物語。

この前半から中盤にかけては、いわゆる(ブラック?)コメディーとして進むんですが、その後、後半からクライマックスにかけて物語は予想もしない方向へと進んでいくんですねー。

邦題問題

で、本作の原題は「ZOO(動物園)」なんですが、まぁ、意図はわかるけど正直そんなに的を得たタイトルというわけではないんですよね。
そういう意味では「ゾンビの中心で、愛を叫ぶ」という、例の映画を句読点までまるっとパクった邦題に最初は如何なものかと思いましたが、少なくとも日本人的には、この邦題の方が内容に沿っていると言えなくもないというか。

低予算の地味でコレといった売りのない本作に、せめてものインパクトをっていう配給会社の苦労も透けて見えますしね。

ラブストーリー

で、本作は前述したようにゾンビのいる世界の中で進むワンシチュエーションのラブストーリーです。

ゾンビ映画の定義が「ゾンビのいる世界」を舞台に人間の醜さや美しさ、社会への風刺を描くことなので、そういう意味では本作もゾンビ映画の定義から大きく外れているわけではないんですが、基本的に殆どゾンビが出てこないのでホラーパニックを期待して本作を観ると肩透かしを食らってしまうかもしれません。

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また、ストーリー構成も上手いとは言い難く、特に中盤はかなり中弛みしていてもう少し何か展開が欲しいと思いましたねー。

95分しかない作品なのに、やけに時間が長く感じてしまったのは、やはり中盤以降の工夫が足りないと言わざるを得ないですしね。

でも、ありきたりと言えばそうなんですけど、個人的にラストシーンは結構好きでしたよ。

興味のある方は是非!

 

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