ぷらすです。
今回ご紹介するのは、人食い巨大蜂が人類を襲うパニックムービー、
『スタング 人食い巨大蜂の襲来』ですよー!
DVDジャケットの地雷臭があまりにスゴくて、手が出す勇気が持てなかった作品なんですが、「未体験ゾーンの映画たち2016」上映作品と知って、今回思い切って観てみることにしましたよー!
なお、今回はネタバレ全開、悪口も満載になると思うので、本作が好きな方、ネタバレが嫌な方は、スルーしていただけると嬉しいです。
いいですね? 注意しましたよ?
画像出典元URL:https://www.amazon.co.jp このジャケットの地雷臭w
あらすじと概要
「武器人間」「ザ・レイド」の制作会社・XYZ Filmsが手がけ、巨大スズメバチに襲撃され地獄と化したパーティ会場の惨劇を描いたモンスターパニックアクション。
ストーリー:ケータリング会社を営むポールとジュリアは、田舎の豪邸で開かれるホームパーティに出張する。ところが、華やかなパーティ会場を突如として獰猛なスズメバチの大群が襲撃。参加者たちがパニックに陥る中、刺された人々の体内からさらに巨大化したスズメバチが這い出してくる。
出演は「エデン」のマット・オリアリー、「パシフィック・リム」のクリフトン・コリンズ・Jr.、「エイリアン2」のランス・ヘンリクセン。監督は、ラース・フォン・トリアーの「メランコリア」でVFXを担当したベニ・ディエズ。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2016」上映作品。(映画.comより引用)
感想
ざっくりストーリー紹介
父が急死し、ケータリング会社の社長を務めることになったジュリア(ジェシカ・クック)と従業員のポール(マット・オリアリー)は、金持ちが集まる郊外の豪邸に向かいます。
その車中での会話で、ジェシカは会社を守ろうと必死、一方のポールは頼りないボンクラだと分かるんですね。
で、そのパーティーの主は怪しげな製薬会社の社長を亡くした未亡人のおばあちゃんと、いかにもなボンクラ息子シドニー。(クリフトン・コリンズ・Jr.)
パーティーには市長(ランス・ヘンリクセン)を始め地元の名士が集って盛況なんですが、突如現れた手のひらほどもあるスズメバチ(というかジバチ?)が襲来。
しかもその蜂は襲った人間に卵を産み付け、あっという間に孵化した卵はあっという間に人間大の成虫となって体内を突き破り次の人間を襲うわけです。
襲われた人間の体から、次々と巨大蜂が生まれる地獄絵図の中、何とか屋敷に逃げ込み生き残ったジェシカ、ポール、市長、シドニーの4人でしたが、実はこの巨大蜂はシドニーが市販の肥料に父親の作った成長ホルモンを混ぜたせいだった事が判明。
しかも、シドニーも蜂に刺されていて、ハイブリット蜂人間になった彼は、三人に襲いかかってくるのです。
映像は悪くない
とまぁ、いかにも低予算のB級映画といった内容の作品なんですが、意外にも(失礼)
映像のルックはそんなに悪くなかったんですよねー。
卵を産み付けられた人の身体を突き破って出てくる巨大蜂のシーンは、80年代の特撮ホラーを連想するいい感じの作りだったし、巨大蜂の頭部に人間の顔の一部が残ってる演出なんかも気持ち悪くていい感じでしたねー。
画像出典元URL:http://eiga.com どこか80年代を思わせる造形
CGの方も、思ったほど悪くなくて、(暗い画面だからって事もあるんですが)いかにもな安物CGって感じはしませんでしたねー。
セットもちゃんと作られていたし、映画全体のルックはそれほど悪くないのです。
問題は余計な詰め込みと間の悪さ
ただ、(多分ですが)脚本と演出に問題があったんじゃないかなと。
まず、物語にメリハリがない。
例えば4人が地下のワインセラーに立てこもって、それぞれの過去を語るシーン。
そこで、バカ息子のシドニーが蜂に刺されて体内で蜂が動いてるのが分かるんですけど、その様子が何度も何度も小分けに撮されるわけですよ。
市長(ランス・ヘンリクセン、エイリアン2に出てた人なんですね)とポールが、
どーでもいい過去を語っている合間合間にシドニーのそのシーンが細切れに挟まれてて………
お前が邪魔で話に集中できないわー!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ
ってイライラ。しかも、間が悪いので「くるぞくるぞ…」っていうサスペンスにもなってないんですよねー。
しかも、シドニーが襲いかかる様子は、カメラが外にいるポールを追いかけてるので映ってないっていうね。
豪邸から逃げ出そうとするも、蜂に邪魔されるシーンも、似たようなシーンが何度も繰り返されてグダグダグダグダギダグダグダ……
そんなにいらんわー!(`ロ´)ノムキー!
しかも合間合間で、ポールのズッコケシーンみたいのを挟むので更にテンポはグダグダ。こっちが物語に乗りかけても、そういう余計な演出で冷めちゃうのです。
カッコつけてるけど様にならないキャラなのは分かるんですけど、なんかこう中途半端でイライラしてしまう。
役立たずなら役立たずに振り切ればいいし、ヒーロー感出したいならそっちに振り切ればいいのに、何だかどっちつかずなので、ジュリアの男前な活躍も活きないのです。
あと、いつ蜂が出てくるかとドキドキ…からのドーン! な美味しいシーンも、間が悪いので全然ビックリしないんですよ。お、おう…的な。
ちなみに役者さんたちは、ちゃんと熱演してるんです。
なのに、演出と編集の間の悪さがせっかくの熱演を台無しにしてるように思ったし、上狙いは分かるけど出来てないなーと。
とはいえ、冒頭の映像は面白くなりそうな期待が持てたし、ポールとジェシカの車中のやりとりがラストに繋がってる伏線なんかは、割と気が利いてるなと思いました。
あと一回助かったと思ったら~的なラストは鉄板だけど中々いい感じでしたしね。
そこも正直、もうちょっといい感じに〆られたんじゃないの?とは思いましたけども。
まぁ、この手の映画に文句をつけるのが野暮なのは重々承知してはいるんですが、「B級映画だから」とか「低予算だから」の問題じゃなく、間の悪さとかとっ散らかってる部分が気になっちゃうのはもったいないなーと思うんですよね。
前述したように映像自体はそんなに悪くないだけに、もし、違う監督が撮ったら意外といい感じの映画になってたかもと思うと、かなり残念な気持ちになりました。
ただ、ほかの人のネット評を読んでみると概ね好評なので、単純に好みの問題なのかなー?
そんな訳で僕の好みには合わない作品でしたが、映像や造形は結構良かったし時間も短いので、サクッと観るにはいいかもしれません。
興味のある方は是非