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面白い! けど“窮屈”な映画「search/サーチ」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、“ストーリーの全てがパソコンの画面上で展開される”という異色のサスペンススリラー『search/サーチ』ですよー!

公開時、ネットを中心に話題になっていたので気にはなってはいたんですが、タイミングが合わなくて劇場では観られず、今回レンタルしてきましたー!

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概要

スター・トレック』シリーズなどのジョン・チョーを主演に迎えたサスペンス。失踪した娘を捜すために彼女のパソコンを操作する父親の姿を描く。『ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR』の監督を務めたティムール・ベクマンベトフが製作、眼鏡型端末 Google Glass だけで撮影した短編が話題を呼んだアニーシュ・チャガティが監督と共同脚本を担当。ドラマシリーズ「ウィル&グレイス」などのデブラ・メッシングらが共演した。パソコンの画面の中で全てのストーリーが展開する。(シネマトゥディより引用)

 

感想

発想やストーリーは面白いが…

2015年公開の米露合作映画「ハードコア」は、主人公の完全一人称視点(POV)でアクション映画を作るという実験的な作品でした。
で、本作「search/サーチ」はネットのモニターに映し出された、チャット、スカイプ、SNS、動画サイトなどの映像だけで物語を進めるという異色作。

ストーリーは、ある日突然行方不明になった娘マーゴット(ミシェル・ラー)の行方を探すため、システムエンジニア? のデビッド・キムジョン・チョー)が、ネットサービスやSNSを駆使して捜査するというストーリー。

その発想自体は面白いし、二転三転するストーリー展開も「なるほど、これは話題になるわ」と納得の面白さでしたねー。

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ただ、「ストーリーの全てがパソコンの画面上で展開」という発想ありきの作品なので、どうしても映像・ストーリー的な違和感や無理矢理感を感じてしまって、100%ストーリーに没頭できないのがもったいないなーとも思いました。

ネト充すぎる娘と、ネット探偵のパパ

幸せいっぱいだったコリア系アメリカ人のキム一家でしたが、お母さんがガンで亡くなって以降、パパと娘の関係はギクシャク。
そんなある日、勉強会のため友人の家に行ったまま帰ってこない娘に、最初は気楽に構えていたパパでしたが、いつまで経っても帰ってこない娘に次第に不安が募っていきます。

娘の友達に連絡したいけど友達を一人も知らないパパは、娘の名前&亡くなった奥さんのアカウントでPCにログインすると、娘のTwitterフェイスブック・タンブラー・LINE・スカイプメッセンジャー・インスタ・YouCast(ツイキャスみたいなやつ)などなど、片っ端から(パスワードを変更して)ログイン。

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事件性を認めた警察とも協力して捜査を進めるうちに、今まで知らなかった娘の素顔が浮かび上がってきて……というストーリー。

ぶっちゃけ、マーゴットどんだけネト充やねんと思わなくもないですが、16歳の子ならこれくらいは普通なのかな?

パパがシステムエンジニアだからSNSの操作に詳しいという設定も上手いと思うし、SNSから行方不明になった娘の足跡を追っていく中で、実は娘は学校で孤独だったとか、麻薬売買→逃亡の疑いが出てきたり、誘拐犯ではないのかと思われる怪しげな奴が次々に浮上しては消え、そもそも誘拐なのか、それとも失踪なのか、生きているのか、すでに死んでいるのか…と物語は二転三転する様子を、基本的にはパパ デビッドの一人称視点で観せているので、観客もパパと一緒にハラハラドキドキする構成は上手いなーと思いましたねー。
あと、パパには「そんなに彼女と親しくないしー」なんて言ってた友達が、事件が話題になると急に親友面で動画で泣いてみたり(「いいね」欲しさ)、YouTubeに無断アップされたニュース映像に、パパを犯人扱いする無責任なコメントが寄せられたりと、ネットやSNSの醜い部分を皮肉る毒っ気とのバランスも良かったです。

 “売り”のせいで窮屈な映画に

本作の“売り”は前述したように「ストーリーの全てがパソコンの画面上で~」というイデアなんですが、このアイデア自体が縛りになって映画ならではのアクション(動き)が封じられてしまい、作品として“窮屈”になっている感じは否めないんですよね。

とはいえ、普通の映画と同じように撮ってたなら、ここまで話題にはならずに埋もれてしまっただろう事も想像に難くないので痛し痒しですけども。

なので本作面白かったけど、続編や同じ手法の作品が登場したとしても、多分僕は観ないだろうしヒットもしないんじゃないかなと思うんですよね。

アジア系俳優の起用

本作でもう一つ重要なのは、主人公を演じるのが「スタートレック」でヒカル・スールーを演じた韓国系アメリカ人のジョン・チョーだということ。

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ポリティカル・コレクトネスやダイバーシティの流れで、黒人やヒスパニッシュ系の俳優の活躍が目立つようになったハリウッドですが、近年ではアジア系の俳優や監督の活躍もじわじわ増えてきている印象。(本作が公開される1週間前、主要キャストをアジア系俳優のみで固めた映画『クレイジー・リッチ!』も大ヒットを記録)

本作の監督もインド系アメリカ人の アニーシュ・チャガンティが務めています。
この作品のヒットを足がかりに、次にどんな作品を作るのかが楽しみですねー。

興味のある方は是非!!

 

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