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やつらがまたやってくれた「サマー・オブ・84/SUMMER・OF・84」(2019)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、一部のボンクラ映画ファンを熱狂させたカルト映画「ターボキッド」を制作したカナダの映像集団ROADKILL SUPERSTARS(RKSS)の新作『サマー・オブ・84』ですよー!

「ターボ・キッド」はメンバーが少年期に熱狂した80年代コンテンツへの愛とオマージュに溢れたバイオレンス映画でしたが、対する本作はPKSSメンバーの分身のようなキャラたちの、84年を舞台に一夏の冒険とその結末を描いたノスタルジー溢れる作品でしたねー。

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概要

E.T.』『スタンド・バイ・ミー』などが公開された1980年代にオマージュをささげた青春ドラマ。近隣で起きた連続殺人事件の犯人を突き止めようとする少年たちを描く。 RKSSというユニット名でさまざまな短編を撮り、『ターボキッド』の監督を務めたフランソワ・シマール、アヌーク・ウィッセル、ヨアン=カール・ウィッセルがメガホンを取る。グラハム・バーシャー、ジュダ・ルイスらが出演した。(シネマトゥディより引用)

感想

RKSS版「スタンド・バイ・ミー

80年代と言えば、スピルバーグやルーカスを始めとしたスター監督のビックバジェット映画が次々大ヒット作を生み出し、スタローンやシュワルツェネッガーのアクション大作や「13日の金曜日」「エルム街の悪夢」などのスラッシャーホラーが量産された
サブカルチャーや各種コンテンツが最も花開いた時代です。

そんな80年代コンテンツに囲まれて少年期を過ごし、立派なボンクラに育ったカナダの映像集団ROADKILL SUPERSTARS(RKSS)は、短編作品を次々に発表。

そして、本作の監督でもあるフランソワ・シマール、アヌーク・ウィッセル、ヨアン=カール・ウィッセルの3人は、2015年、SFアクション「ターボキッド」で長編デビュー。

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「ターボ・キッド」は名作「マッドマックス2」の世界観と同じポストアポカリプスもので、文明が崩壊し荒れ果てた荒野で主人公が悪の軍団と戦うという物語。
ただし、文明崩壊によって水も石油燃料も尽きているため、彼らが乗り回しているのは車でもバイクでもなく自転車っていう。
そこにアンドロイドの少女が登場したり、むやみに血しぶきや人体破損といったB級SFやスラッシャー映画のような要素と、電子音バリバリのBGMが入れ込まれるというカオスっぷりに、一部のボンクラ映画ファンが熱狂。
今も、カルト的人気を誇っているんですね。

そんな彼らが本作で挑んだのが、RKSS版「スタンド・バイ・ミー
80年代に少年期を過ごした彼らの原体験を元に、84年のアメリオレゴン州の郊外を舞台にしたジュブナイル映画を作り上げたのです。

ジュブナイルでありホラー

都市伝説や陰謀論大好きな15歳のオタク少年デイヴィー( グラハム・ヴァーチャー)、エロで頭がいっぱいのイーツ(ジュダ・ルイス)、精神が不安定な母を持つ太っちょのウッディ(ケイレブ・エメリー)、科学オタクでメガネ小僧のファラデイ(コリー・グルーター=アンドリュー)の4人が、ある事をキッカケに、少年ばかりを狙う連続殺人事件を調査するという物語。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 秘密基地に集まるボンクラ4人組

スタンド・バイ・ミー」は、少年たちが死体を探しに行く=少年から大人への通過儀礼を描いた物語でしたが、本作ではシリアルキラーの正体を暴く事が通過儀礼となるんですね。

深夜、同年代の少年たちと隠れんぼをしていたデイヴィーは、隣人で警官のマッキー(リッチ・ソマー)の部屋で、MTVのTシャツを着た少年といるのを見かけます。
しかしマッキーは独身。デイヴィーは訝しく思い、彼が近年巷を賑わせるシリアルキラーではないかと疑いを持つようになるんですが、話を聞いた3人は警官であるマッキーが犯人のハズがないと、デイヴィーの話を信じません。

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それでも、半信半疑でマッキーの調査を始めた4人は、次々と怪しげな事実を見つけていき――という物語。

もちろん物語の中心は、シリアルキラーの正体が本当に警察官のマッキーなのか、それともただのデイヴィーの妄想かという部分なんですが、そこにサブストーリーとして年上のヒロイン、ニッキー(ティエラ・スコビー)への淡い恋心だったり、仲間たちの複雑な家庭事情や思春期の少年らしいエピソードが織り込まれて行くんですね。

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その辺は、まさに名作「スタンド・バイ・ミー」や、近年なら「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」にも通じる正統派ジュブナイル映画といった流れなんですが、中盤以降はガラリと様相を変えて、一気にホラー展開になっていくのです。

そして(おそらく)誰もが驚愕するであろうラストの展開には、観ていて思わず「(゚д゚)ファッ!?」っと変な声が出ちゃいましたよw

しかもこのラストの展開が、本作を「少年が大人に成長するジュブナイル作品として完成させるさせるわけです。
しかも爽やかさとは無縁の、苦々しい形で。

ほんと「やられた!」って思いましたよ。RKSS怖い子!!

正直、(衝撃的なラストも含めて)万人にオススメ出来る作品ではないですが、ホラー映画が好きな人なら、きっと楽しめると思いますよ。

興味のある方は是非!!

 

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