ぷらすです。
漫画家つくしあきひとの同名コミックのアニメ化劇場作品『メイドインアビス-深き魂の黎明-』を観てきましたよー!
いやー、もうね。覚悟はしてたんだけど……案の定しんどかったですねーww
画像出店元URL:http://eiga.com
概要
つくしあきひとのコミックを原作にしたアニメの劇場版。大穴“アビス”の謎を探る探窟家になることを夢見る少女の冒険が描かれる。ボイスキャストには富田美憂をはじめ、伊瀬茉莉也、井澤詩織、森川智之、水瀬いのりらがそろう。アニメーション制作をキネマシトラス、監督を本シリーズを担当してきたアニメ「ブラック・ブレット BLACK BULLET [黒い銃弾]」などの小島正幸が務める。(シネマトゥデイ)
感想
メイドインアビスとは
とはいえ、「メイドインアビス」を知らない人もいると思うので、ざっくり説明すると、漫画家つくしあきひと氏が「WEBコミックガンマ」で不定期連載の人気コミックで、現在、単行本が8巻まで発刊中。
約1900年前に南ベオルスカの孤島で発見された直径約1000メートル、深さ不明の縦穴「アビス」が舞台の物語。
「アビス」は特異な生態系を持ち、また人知を遙かに超える技術で造られた「遺物」が数多く出土することから、大穴の縁に作られた街には、アビスの探検を行う「探窟家」たちが多く暮らしているわけです。
主人公リコはその街に暮らす探窟家の卵でしたが、ある日、アビスで不思議なロボット少年のレグと出会い、また、消息不明の「白笛」(最上位の探窟家)でリコの母ライザの笛と伝言が10年ぶりに発見されたのをキッカケに、レグと共に「アビスの底」を目指すという物語。
この「アビス」というのが、あまりに深すぎる上にヤバい生き物も多くいるので降りるだけでも大変なんですが、地上に向かって上がろうとすると「上昇負荷」が掛かって身体や精神に色々な影響が出たり最悪死亡する「アビスの呪い」ってのがあるんですね。
分からない人は、深海への素潜りや高山への登頂などをイメージしてもらうと分かりやすいかもです。
で、この漫画がアニメ化され、2017年7月から9月まで13話が放送。
その後、TV版を再編集した「総集編」が前後編に分けて劇場アニメとして上映され、現在TV未放送の”続編”である本作が劇場公開中なのです。
僕は原作は未だ未読なんですが、TVアニメ版と総集編を観てまして、その続編が公開されるとなれば、これはもう観に行くしかないじゃないですか!
覚悟はしていたけれど…
で、観てきたわけですが……。
いえね、TV版で内容は知っているし、R-15指定ですからね。
それなりに覚悟は決めていたわけですが……しんどかったですねー!
もうね、原作者のつくし先生を始め、監督・スタッフ全員に正座させて小一時間説教したいですよ。
お前らの血は何色だ。と。
「メイドインアビス」のもう一つの特徴として、とにかく子供がとんでもなく酷い目に合う(抑え目な表現)っていうのがありましてね。
TV放送分でも10話以降は、観てるこっちが引くくらいリコ、レグ、ナナチ、ミーティたちが悲惨な目に遭うわけです。
それでも、そこまでの経緯やキャラ同士の関係性、リコたちの目的などが12話かけてじっくり描かれているので、コッチもすっかり感情移入しているし、ストーリーの組み立ても素晴らしく、またアビスという地上とはまったくルールの違う壮絶な環境でサバイブするという設定もあって、辛さや嫌悪感よりも物語的説得力や感動の方が上回っていたから乗れたわけです。
で、約1時間(2話分)かけて放送された13話では、白笛の探窟家ボンドルドというキャラが登場するんですが、こいつがマ・ジ・で、スーパー腐れど外道でして。
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貧民街などから身寄りのない子供を連れてきてはアビス深くにある自分の基地に連れてきて、とんでもなく非人道的な人体実験を繰り返しているわけです。
物語後半で登場するミーティとナナチはその犠牲者なんですが、ここでボンドルドの腐れ外道っぷりがナナチの回想として余すところなくたっっっぷり描かれる。
そしてTV版はリコ、レグ、ナナチがボンドルドの待つ第5層へと旅立つところで終わっているんですね。
つまり、13話はいわば「子供たちvsボンドルド編:前編」なわけです。
そして、総集編2作を挟み、本作はいよいよ「~後編」となるわけで、これはもう、リコたちがただでは済まない事は、TV版(もしくは劇場版前2作)を観た人なら誰もが容易に想像できるわけですよ。
分かるんだけど……
で、まぁ……結論としては想像以上にしんどかったですよと。
ネタバレになっちゃうので詳しいことは書けませんけども、「あー、そこも見せちゃうんだ」「あー、そこも描いちゃうんだ……」って感じ。
いや、必要な情報をTV版13話に絡めながら、過不足なく入れ込んだ見事な脚本だったし、映像も動きも音楽も素晴らしいクオリティーなんです。
で、本作の設定上、リコ、レグ、ナナチの3人がアビス第6層へ降りるためには、第5層でボンドルドが管理している前線基地(イドフロント)を避けて通ることは出来ないわけですね。
で、前線基地に到着した3人を出迎えるのが、ボンドルドの“娘“であるプルシュカという少女。
この基地で生まれ育ちリコと同じく白笛の親を持つ彼女は、同年代の3人に対して友好的だし、3人もまた彼女に心を許す(特にリコは)わけですが、当然、それはこれから起こる展開の前振りでしかなく。
で、この後、案の定物語は凄惨なことになっていくわけですが、ここで問題なのがプルシュカと3人の関係性がTV版ほど時間をかけて描かれてないことで。(正確には、脚本では限られた時間の中で頑張って描いているんだけど、観ているこっちにそれを消化する時間の余裕がない)
多くの時間はボンドルド安定のど外道っぷりや、3人対ボンドルドの対決の方に割かれているので、子供が酷い目に合う嫌さの方が先に立ってしまうんですよね。
それでも、もし本作がTVアニメ終了から間を開けずに公開されていれば、コッチも13話分の熱を持ったまま観られただろうから印象も違ったかもですが、やはりTV版から時間が経ち、一度熱が冷めた状態で本作を観てしまうと、感動よりも嫌悪感の方が先に立ってしまうというか。ただただ、嫌でしんどい展開が続くので観終わった後グッタリしてしまうんですよね。
かといって、ここで生ぬるい描写でお茶を濁してしまうと、これまでつくし先生の原作とTVアニメ版でスタッフが築き上げてきた「メイドインアビス」ではなくなってしまうので、あえてキツい描写も避けずに描いたスタッフの決断も分かるだけに、何とも複雑な気持ちになりました。
そういう意味で、「メイドインアビス」は幸せな作品と言えるかもしれません。
そして、どうやらTV版2期も決定したらしい今、ファンとしてこの作品を避けては通れないところが、本作の内容と現実がリンクしているっていうw
そこまで計算して本作が作られているんだとしたら、それはそれで凄いですけどねw
映倫GJ!
ちなみにこの作品、当初はPG12指定だったのが、映倫の最終審査の結果R15+指定に引き上げられたという経緯があるのだそうです。
僕は基本的に、作品に映倫が介入することに対して否定的なんですけど、今回のこの判断に関しては初めて「映倫グッジョブ!」って思いましたねーw
っていうか、PG12指定って小学生以下の子供でも保護者同伴なら鑑賞OKってことですからね。
こんなもん、うっかり何も知らない親子連れが「可愛い絵のアニメだわー」なんて観たら大騒ぎになるわ!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ
まぁ、製作者側はこうなる事は最初から分かっていて、(話題作りも含め)確信犯だと思いますけどねw
興味のある方は是非!!
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