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今日観た映画の感想

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「クリムゾン・ピーク」(2016) 感想

映画レビュー

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「パシフィック・リム」で世界中のボンクラから熱狂的支持を受けているギレルモ・デル・トロ監督の新作『クリムゾン・ピーク』ですよー!

タイミングが合わず劇場で観ることが出来なかったので、レンタルを心待ちにしてましたー!!

http://image.eiga.k-img.com/images/movie/83321/poster2.jpg?1446798208
画像出典元URL:http://eiga.com/

 

あらすじと概要

徹底したディテールへのこだわりで数々の名作を世に送り出してきたギレルモ・デル・トロが監督した『ゴシック・ロマンス』映画。

20世紀初頭のニューヨーク州北西部のバッファロー。10歳にしてコレラで母を亡くした少女イーディス(ミア・ワシコウスカ)は、実業家の父カーター(ジム・ビーヴァー)と暮らしていた。

彼女は死者と通じ合う力があり、母親の幽霊に「クリムゾン・ピークに気をつけて」と謎の警告を受ける。
そんなある日、父のもとに自動掘削機の事業案を持って、イギリスから準男爵の称号を持つトーマス・シャープ(トム・ヒドルストン)という男が現れた。
イーディスは物腰が柔らかく自分の小説を褒めてくれたトーマスに心惹かれるが、トーマスと姉ルシール(ジェシカ・チャステイン)の素性を知ったカーターは二人に金を渡し、イギリスに追い返そうとする。しかし、その翌日、カーターは謎の死を遂げ、傷心のイーディスはトーマスと結婚し彼の朽ち果てた屋敷へと移り住む。

愛する人と結ばれ、幸せになるはずだったイーディスだったが、シャープ姉弟とその屋敷には恐ろしい秘密が隠されていたのだった。

 

感想

ギレルモ・デル・トロといえば、日本のアニメや特撮に造詣が深く、巨大ロボとカイジュウが戦う「パシフィック・リム」などのSF作品でファンから熱い支持を集める一方、彼の名を世に知らしめた名作「パンズ・ラビリンス」「ヘル・ボーイ」など、ダークファンタジーの名手としても知られる監督です。

その特徴は、出来るだけCGに頼らずセットや衣装、小物など、予算の中で出来る限り実物を使うことで有名。
また、それら造形一つ一つの動きやディテールに徹底的にこだわり、画面に映らない部分ですら手を抜かないというディテールの変態でもあります。

そんなギレルモ監督が作りあげた、本格ゴシック・ロマンス映画(宣伝などではゴシック・ホラーと言われているが、本人は「この映画はゴシック・ロマンスだ」と言っている)なら、ファンとしては見逃せないってものです!

ディテールの変態の面目躍如!

そんな本作を観た感想としては、「ギレルモ作品だなー」と。
20世紀初頭のニューヨークの風景、本作のメインの舞台となるシャープ姉弟の住む屋敷、衣装、音楽、小物、色調、特殊メイクに至るまで、徹底したディテールへのこだわりは本作でも健在。
劇中登場する幽霊も、CGではなく、スーツアクターに幽霊の特殊メイクをして演じさせたあとに、CGで加工するという徹底ぶり。

まさに、ディテールの変態の面目躍如ですよ!

また、時代が産業革命期でもあり、ギレルモ監督の大好きな蒸気で動く機械やゼンマイで動くカラクリも登場します。

ギレルモ初? のラブロマンス映画

僕の知る限り、本作はギレルモ監督が初めて挑んだ本格ラブロマンス映画でもあります。いや、まぁ、幽霊とか登場しますけど、それでも本作のメインはミア・ワシコウスカ演じるイーディスとトム・ヒドルストン演じるトーマスの恋愛が主軸なのです。

だから、「ゴシック・ホラー」ではなく、「ゴシック・ロマンス」なんですね。

ギレルモ監督が大いに影響を受けたゴシック・ロマンス小説へのリスペクトが垣間見える本作のストーリーは、ゆえに、かなり古典的。
ぶっちゃけ、物語序盤で「こういう話なんだろうなー」という観客の想像通りの展開に終始します。
僕は、観ながらなんとなく横溝正史の映画を連想したりもしました。

なので、ストーリーメインで映画を観る人にとっては、少々物足りなく感じるかも。
ただ、多分ゴシック好きの人には、たまらない映画なんじゃないですかねー。
映画から漂う本物感は業の深いマニアの人ほどハマる作品になってると思います。

ほら、真のメイド萌えの人は「エマ」に辿り着く的な?

鏡合わせのような二人

本作の主人公イーディスとトーマスの姉ルシールは、全てにおいて対照的で、鏡合わせのような関係です。
そんな二人を象徴するモチーフとなるのが、蝶と蛾。
イーディスは裕福な家に生まれ、母を早くに亡くしたものの父親にも可愛がられ、男社会の中で小説家として自立を目指す、いわば陽の光の中を飛び回る蝶で、ルシールの方は過去にとらわれつ続け、過去を維持するために蝶を捕食する蛾です。
本作ではドレスの形や色彩など、隅々まで計算され尽くされた演出でそんな対照的な二人を画面上で際立たせています。

あと、これは余談ですが、主人公のイーディスは色白で金髪で眉毛が薄くて、お人形さんのよう。ギレルモ作品のファンなら彼の業の深さを味わえると思いますよーw

箱庭映画

本作でメインの舞台になる屋敷ですが、これはシーンごと部屋だけのセットではなく、なんとスタジオの中に屋敷をまるごと建ててしまったそうです。さすが変態。
その様子や屋敷の中はブルーレイの映像特典でたっぷり観ることが出来るので、ブルーレイが観られる環境の方は、絶対そっちのほうがオススメ
きっと、あまりのこだわりっぷりに呆れること請け合いです

あと、トーマスの自動掘削機が置かれている屋敷の庭も、オープンセットかと思ったら室内に作られたセットでした。
だから、どこか現実感のない箱庭的な雰囲気だったんだなーと改めて納得。

実はギレルモ監督は、舞台を限定しスタジオの中に一つの世界を作り上げて撮影する、箱庭映画の名手でもあるんですよねー。
一つの空間の中に、ディテールにこだわりまくった世界を作り上げることで、物語に説得力と深みを持たせるのがギレルモ流なのです。

本作は、そんなギレルモ監督の箱庭映画の決定版と言えるかもしれません。

そんな、おぞましくも悲しく美しいギレルモ監督の映像美を極めた本作は、是非とも女性に観て欲しい作品だなーと思いましたよー。

興味のある方は是非!!!

 

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