ぷらすです。
今回ご紹介するのは、1964年に公開された前作から54年ぶりの続編となる『メリー・ポピンズ/リターンズ』ですよー!
僕は1964年のオリジナル版はもちろん原作も未読なので、今回がメリー・ポピンズ初体験なんですが……。
結論から先に言うと、思った以上に面白かったです!
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概要
第37回アカデミー賞の5部門で受賞した名作『メリー・ポピンズ』のおよそ半世紀ぶりとなる続編。前作の20年後の大恐慌時代を舞台に、再び現れたメリー・ポピンズが起こす奇跡を描く。主演は『ヴィクトリア女王 世紀の愛』などのエミリー・ブラント、共演にコリン・ファース、メリル・ストリープ、ベン・ウィショーらのほか、前作に出演したディック・ヴァン・ダイクも出演。『シカゴ』などのロブ・マーシャルがメガホンを取った。(シネマトゥディより引用)
感想
前作から25年後のロンドンが舞台
近年、過去の名作アニメを実写化した作品を数多く公開しているディズニー。
正直、僕はあまりこの流れが好きではなくて、なのでこれまでディズニーアニメの実写版はほとんど観ていなかったんですね。
さらに恥ずかしながら1964年の「メリー・ポピンズ」も観たことがないし原作の方も未読。なので僕にとっては本作が「メリー・ポピンズ」初体験になります。
そんな僕の感想を一言で言うと「思った以上に面白かった」です!
本作は1964年の前作から25年後のロンドンが舞台。
前作では子供だったマイケル・バンクス(ベン・ウィショー)と姉のジェーン(エミリー・モーティマー)は大人になり、マイケルはジョン(ナサナエル・サレー)、アナベル(ピクシー・デイヴィーズ)、ジョージー(ジョエル・ドーソン)の父親になっているんですが、時代は世界恐慌真っ只中なので画家では食べていけずに、現在は父親の勤めていたフィデリティ信託銀行のパートタイムとして働いているんですね。
さらに、愛する奥さんも失っていて生活苦から自宅を抵当に融資を受けていたんですが、ある日銀行の弁護士がやってきて、期限までに一括返済出来ないなら家を取り上げると言われてしまいます。
窮地に追い込まれたマイケルが、ジェーンと共に父親が所有していたはずの銀行の株券を探すも見つからずに余裕を失っていたその時、なんと25年前に自分の教育係だったメリー・ポピンズ(エミリー・ブラント)が当時と変わらぬ姿で現れて――というストーリー。
画像出典元URL:http://eiga.com / エミリー・ブラント演じるメリー・ポピンズはクールで優しい
64年版の雰囲気を残しつつ、エミリー・ブラント演じるメリー・ポピンズはより原作に近いキャラにアップデートしているのだそうです。
さらに、前作でメリーの親友として重要な役割を果たしていた煙突掃除夫のバートに当たる役を、彼の弟分だったという設定のガス灯の点灯夫ジャックが引き継ぎ、ブロードウェイ出身のリン=マニュエル・ミランダが演じています。
画像出典元URL:http://eiga.com / ブロードウェイ出身のリン=マニュエル・ミランダ。歌も踊りも素晴らしい。
贅沢なミュージカルシーン
ところで僕は64年版を観てないので知らなかったんですが、「メリー・ポピンズ」ってミュージカル映画だったんですね。
もちろんディズニー映画だからミュージカルシーンは入るだろうとは思ってましたが、こんなにガッツリミュージカルとは思ってなかったのでちょっとビックリ。
で、このミュージカルシーンが、近年見たミュージカル映画と比べても非常に贅沢に作られていて見ごたえがあるんですよ!
特にリン=マニュエル・ミランダ演じるジャックとその仲間たちが歌い踊るナンバー「小さな火を灯せ」は、ジャックと仲間たちのピタリと合った踊りやメリーと子供たちとの韻を踏んだ言葉のやり取りなど(前作で楽曲を担当したシャーマン兄弟を意識した曲調もあって)「雨に唄えば」などの古き良き時代のハリウッドミュージカルを思い起こさせるし、前作と同じくアニメと実写が融合した「ロイヤルドルトン・ミュージックホール」や「本は表紙じゃわからない」のシーンはTHE・ディズニー映画って感じでワクワクしました!
画像出典元URL:http://eiga.com / これぞTHA・ディズニーという実写とアニメの融合
豪華で贅沢な歌とお踊りと、お馴染みバンクス家の通りや、ロンドンの街並みを再現した屋内セットでの撮影など、オールドスタイルな画作りが懐かしさを思い起こさせ、そこにBMX(競技用自転車)や最新のCG技術を入れ込むことで2019年の作品としてもしっかりアップデートしているんですよね。
エミリー・ブラントと、リン=マニュエル・ミランダの歌声も素晴らしくて、劇場で吹き替え版を観た人も、ぜひDVDやブルーレイでは(ミュージカルパートだけでも)字幕にして本人たちの歌声を一度聞いてみて欲しいですよ。
歌詞もいい
また全ての楽曲の歌詞は、もちろんシーンに合わせた楽曲なんですが、ダブルミーニング的に観客へのメッセージも込められているんですよね。
本作の背景である恐慌時代のロンドンや余裕を失っていく大人たち、客から搾取することしか考えない銀行などの背景が、そのまま現代の世界情勢とリンクしていて、本作で描かれる余裕や希望を失った大人たちはイコール現代の大人たちに重なります。
そんな僕を含めた大人の観客に向けたメッセージとも言えるワードが、歌詞の中に含まれているので、一つ一つの楽曲が響くし、だからこそ子供だけでなく大人たちも楽しめる作品になっているんじゃないでしょうか。
なのでラストシーンのナンバーは多幸感に溢れていて、(ほんの少しの切なさも相まって)観ていてグッときてしまうんですね。
画像出典元URL:http://eiga.com / メリーと三人の子供たち。
「前作に比べると楽曲のメロディーが弱く印象に残らない」という意見もあるようですが、本作から観た人にとって“メリーポ・ピンズ”はエミリー・ブラントでジャックはリン=マニュエル・ミランダで。
将来、本作の楽曲を聞いて“メリー・ポピンズ”を思い出すんじゃないかと思います。
その上で一歩踏み込むファンなら、64年版の「メリー・ポピンズ」も観たいって思うかもしれませんね。
最初は「まぁ、一応観ておくか」くらいの気持ちでしたが、観終わってみたら「ナメててスイマセンでしたー!!」って思うくらい面白かったしミュージカル映画としても素晴らしかった本作。
興味のある方は是非!!
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