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「ステーキ・レボリューション」(2015) 感想

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、フランス人監督と「パリで最高の精肉店」に選ばれた店のオーナーが世界一美味しいステーキを求めて世界中のステーキ店を巡る異色のドキュメンタリー『ステーキ・レボリューション』ですよー!

DVDの映画予告編で気になったので、レンタルして観てみましたー!

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画像出典元URL:http://eiga.com/

概要・あらすじ

世界一おいしいステーキを探すために、20カ国、200軒以上のステーキハウスをめぐる旅を追ったドキュメンタリー作品。

フランス人監督 フランク・リビエールが「パリで最高の精肉店」に選ばれた店のオーナー イブ=マリ・ル=ブルドネックと共に、おいしい牛肉はどのようにして作られるのかを解明する旅に出る。2年の歳月をかけ、世界中の畜産業者やステーキ店を巡る意欲作。

 

感想

本作は最初、別の映画のDVDでCMをを観て、なんか面白そうだなーと思い早速レンタルしてみたんですが、実際観てみると思ったのとは随分違う内容でした。

なんていうか、超美味いステーキ店を巡る「火曜サプライズ」的なのを期待して観たら、「プロフェッショナル 仕事の流儀」でした。みたいな?

タイトルや煽り文句から、当然次々登場するステーキ店の味の秘密を探っていく的な映画かと思いきや、どちらかというと畜産農家の人たちのスタンスがメインの内容で、最終的には環境問題にたどり着くみたいな感じ。

フランスの牛は硬いという出発点

本作ではまず、監督の母国フランスの牛肉事情には問題があるというところからスタートします。
色々言ってましたが、ざっくり言えばフランスの肉牛は筋肉質で筋が多くてステーキには向かないという内容。
それでも監督のフランク・リビエールは、“そういうもの“として受け入れていたんですが、米国の有名ステーキハウスで食べたステーキの美味しさに衝撃を受け、「パリで最高の精肉店」に選ばれた店のオーナー イブ=マリ・ル=ブルドネックとともに、世界の美味しいステーキハウスベスト10を調べようと思い立つわけですね。

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そこまでは僕もうんうんなるほどと頷きながら観ているわけですが、問題はその後です。もちろんステーキハウスも巡るんですが、どちらかというと本作は、「この美味い牛がどのような環境で育てられるのか」に重きを置いた作りになっていきます。

構成が分かりづらい

アメリカ・イギリス・日本・ブラジル・アルゼンチン・イタリア・スペイン・フランス・カナダなどのお店とそれぞれのブランド牛の生産農家を訪れて話を聞くわけですが、普通10位から1位にかけて紹介していくじゃないですか。
ところが、本作では順位が順不同で紹介されていくのと、解説が少ないこともあって今、どの国の誰を取材してるのか観ていて少々混乱しちゃうんですよね。
さらに、フランスのステーキ祭り?の様子とか和牛の遺伝子が海外に(不当に)流出したとか、色んな情報が挟み込まれ、ガイド役のイブ=マリ・ル=ブルドネックさんも、皆さんご存知みたいな感じで登場するものの、何者かよく分からないっていう。(牛肉に関してのベストセラー本を出した人らしいです)
そのへんもう少し、今話している人が誰なのか分かりやすい作りにしてくれればなーって思いました。

なんていうか、回転寿司でひと皿目のネタを飲み込む前に次から次へと皿が流れてくる感じなんですよねw

思想ありき?

それでも、ステーキの焼き方、肉の熟成のさせ方、肉牛の育て方など、国によって様々な方法や考え方があることを知れるし、海外のバカみたいにでかくて分厚いステーキの映像には思わずヨダレが出ちゃうわけですが、内容としては、ステーキの上手さからうまい牛肉のつくり方(育て方)がメインになっていきます。

で、結論としては牧草を食べて15年かけて成長させた牛(2トンにもなる!)を熟成させた肉が一番美味いという結論に。

正直に言うと「えー、ホントかなー?」って思ってしまいました。

なぜかと言うと、このステーキを食べてるのがイブ=マリさんじゃなくて監督だから。

そもそも論として、このイブ=マリさん自体が、穀物を食べさせて育てた大量生産の牛に対して否定的なスタンスの人っぽいんで、なんかこう、結論ありきに感じちゃうんですよね。
ちなみにこの人のスタンスは、人口が増える→(海外飼料に頼る)工場量産型畜産は破綻する→今のうちに環境にも優しい、地産地消の放牧型畜産にしないと牛が食べられなくなる的な感じだと思うんですけど、イマイチ分かりませんでした。

それでも、すべてのお店をイブ=マリさん自身が食べ比べるならまだ納得しやすいんですけど、国やお店によって彼が行ったり行ってなかったりするので(少なくとも本編には登場してない)ランキングの選定自体、なんかこう、ふわっとしてるなーと。

3位に日本の「築地 さとう」というお店がランクインするものの、穀物を与えて狭い牛舎での育成法には否定的な様子だったですしね。うーむ。

なんていうか、お題(世界トップ10のステーキを探す)と素材(何を食べてどんな飼育をされた牛肉が最高か)とテーマ(環境問題と生産のあり方)がごっちゃまぜになって流れてくるので、全体的にとっ散らかってて、結局何を描いて何がが言いたいのかがイマイチ伝わらないんですよねー。

とは言いながら

と、色々文句を書き連ねたものの、各国の肉牛生産業者のスタンスに対しては、かなりフェアな描き方だったんじゃないかなって思います。
順不同にしたのも、(自分たちの思想はあれど)『1位=正解』っていうわけじゃないですよという意図だったのかもですね。

あと、超でっかいステーキを見るとやっぱテンションが上がります。
もう、それだけで眼福って感じでしたよ。

興味のある方は是非!