ぷらすです。
今回ご紹介するのは、ニコラス・ケイジ主演のコメディー映画『オレの獲物はビンラディン』ですよー!
コロラド州の田舎に住む中年男が“神の啓示”を受け、9.11テロの首謀者と言われるオサマ・ビンラディンを生け捕りにするために、単身パキスタンに乗り込むというブッ飛んだ内容なんですが、コレ、実話を元にした映画で、主人公は実在の人物なんだそうですよ!
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概要
祖国を愛するあまりたった一人でオサマ・ビンラディン捕獲に挑み、2010年にパキスタン当局に拘束されたアメリカ人男性の実話に基づくコメディー。ビンラディンを捕まえよと神から啓示を受け使命感に燃える主人公を、ニコラス・ケイジが熱演する。共演は『ベッドタイム・ストーリー』などのラッセル・ブランド、ドラマシリーズ「それいけ!ゴールドバーグ家」などのウェンディ・マクレンドン=コーヴィら。『ブルーノ』などのラリー・チャールズがメガホンを取った。(シネマトゥデイ より引用)
感想
実在の人物をニコラス・ケイジが怪演
本作でニコラス・ケイジが演じる主人公 ゲイリー・フォークナーは、2010年にパキスタン当局に拘束され、全世界的に有名になった人物(らしい)です。
何故かというと、彼の目的は9.11テロの首謀者と言われるオサマ・ビンラディンを捕まえることだったからです。
といっても、ゲイリーさんは別に軍人でもCIAでもなく、コロラドの片田舎に住むただの便利屋で、2004年のある日 “神の啓示” を受けて、ビンラディンを自らの手で捕まえる事を決意。なんと7回もパキスタンに単独で乗り込んだらしいんですね。
この事件は全米でたちまち話題となり、ゲイリーさんは瞬く間に有名人に。
映画化が決まると、ニコラス・ケイジと監督のラリー・チャールズは、ラスベガスに住んでいた本人に長時間インタビューをして、彼の話をもとに映画の脚本を書いたそうです。
アカデミー賞俳優ニコラス・ケイジ、ブッ飛びオヤジを完コピ
さらにニコラス・ケイジは白髪の長髪にヒゲを伸ばし、体重を増やして、インタビュー中、高い声でマシンガンのように喋り続けていたゲイリーさんを完コピ。
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その完成度の高さは、エンドロールで登場する本人を見れば一発で分かると思います。
劇場では見かけないけど、レンタル屋の棚にはいつも新作が並んでいるでお馴染みのニコラス・ケイジ主演作。
以前も書いたかもですが、個人的に彼はシリアスな役よりコメディーの方が絶対向いてるって思うんですよね。
超シリアスな役を演じていても、どこか可笑しみや愛嬌があるし、コメディーセンスも抜群。そんなニコラス・ケイジにとって、ブッ飛びオヤジが暴れまわる本作は、まさにうってつけの作品なんじゃないかと思いました。
ざっくりストーリー紹介
ゲイリー・フォークナーは、敬虔なクリスチャンであり強烈な愛国主義者。
糖尿病で腎臓を患って週2回の透析をしながら、便利屋をしているんですね。
とにかくテンションが高く、場所・相手構わず甲高い大声でずーーーーーーっと喋り続けているかなりの迷惑オヤジです。
愛国心が強すぎて、ホームセンターで他国の商品を買おうとする人に片っ端から文句をつけまくり、ビンラディン関連のニュースを見ては大声でアレコレ言うものだから、バーで海兵隊に詰め寄られたり。
たまたま再開した高校時代の同級生マーシ・ミッチェル(ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ)に、「高校時代は君を想って、ティッシュ100箱は使ったよ!」とかサイテーな事を悪気なく言っちゃうんですよね。(そして二人は何故か付き合うことに)
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そんな彼が透析中、なんと神様が現れて「お前がビンラディンを生け捕りにするのだー」とお告げをもらってしまったからさぁ大変。
彼はヨットでパキスタンに行くため、ラスベガスのカジノでギャンブルしたり(そして負ける)、かかりつけの医師に嘘をついて1000ドル借りたりして中古のヨットを購入し、(今まで触ったこともない)ヨットで船出するも、あっという間に転覆してメキシコに打ち上げられます。
しかし懲りないゲイリーは、イスラエルからハンググライダーでパキスタン入国を試みるも墜落。(そして骨折)
それでも諦めない彼は、深夜のテレビショッピングで日本刀を購入し、飛行機でパキスタンに入国します。(税関でひと悶着)
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しかしパキスタンに来たとは言っても、ビンラディンの居場所など分かるはずもなく、ただただ腰に日本刀をぶら下げてパキスタンをうろうろし、現地の人達と仲良くなり、心が折れそうになると神様の叱咤激励を貰い、結果、パキスタンの山で倒れているところをパキスタン当局に保護されるんですねー。
まぁ、傍から見れば明らかにアレな人なんですが、それでも何故か友達や高校時代の同級生マーシには嫌われませんw
というのも、マーシに対しては弱みを見せるし、メキシコに漂着しても、ハンググライダーで墜落しても、ちゃんとマーシと彼女が育てている姪っ子ちゃんにお土産を買ってくるというチャーミングさがあるのです。
本作の彼は、別に狂っているわけでも英雄でもなく、幼少期からのコンプレックスをハイテンションキャラとして覆い隠し、強い信仰と愛国心、そして病気のせいで、たまに妄想を見る変わり者で、ただの人騒がせな困ったオッサンというバランスで描かれているのです。
そこに、ニコラス・ケイジの可笑しみや愛嬌が加わって、近くにいたら嫌すぎるけど、そっと離れた場所から見ていたい愛すべきキャラになっているんですね。
ただ、まぁ、コメディー映画として観たときに「はたしてこれは笑っていいのか悪いのか」と、ちょっと悩んでしまう部分もあったりしますけどw
現代版ドン・キホーテ
本作を観た、多くの人が恐らく最初に頭に思い浮かべるのはスペインの物語「ドン・キホーテ」じゃないでしょうか。
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それは、製作陣も間違いなく意識していて、人から笑われながらもビンラディン捕獲という無謀を通り越して突拍子もない目的に向かって突き進むゲイリーさんを、現代版ドン・キホーテとして描いているんですよね。(妄想癖があり、本人の証言が当てにならない部分も含めて)
その一方で、他国にまったく興味のないアメリカ人を揶揄する象徴として描かれているし、彼を通して保守派に傾倒するホワイトラッシュ(貧乏白人)に対する皮肉もそれとなく(ハッキリと?)盛り込まれていて、その辺の攻めっぷりはさすが『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』や『レリジュラス ~世界宗教おちょくりツアー~』を監督しているラリー・チャールズだなーという感じでしたねー。
内容的には正直微妙だったけど、キレッキレなニコラス・ケイジを愛でたい人には、サイコーの映画なんじゃないでしょうか。
興味のある方は是非!
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