ぷらすです。
今回ご紹介するのは、みんな大好きニコラス・ケイジ主演のバイオレンス映画『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』ですよー!
奥さんを殺したカルト教団にニコラス・ケイジが復讐するというストーリーや、評論家筋には評判がいいという噂を聞いてたので、それなりに期待して観たんですが……。
今回は、感想の中で口汚く罵ってしまうかもしれないので、この映画が好きな人はスルーして頂けると嬉しいです。
いいですね? 注意しましたよ?
画像出典元URL:http://eiga.com
概要
『ゴーストライダー』シリーズなどのニコラス・ケイジらが出演したホラー。妻を惨殺された男が、壮絶な復讐(ふくしゅう)を仕掛ける。監督は『ランボー/怒りの脱出』などのジョルジ・パン・コスマトス監督の息子のパノス・コスマトス。『シャドー・ダンサー』などのアンドレア・ライズブロー、『すべては愛のために』などのライナス・ローチらが共演。(シネマトゥデイより引用)
感想
ニコラス・ケイジ主演のバイオレンスと聞いて
一時期のニコラス・ケイジは、個人的に「安い映画にチョロっと出ては小遣いを稼ぐ過去の人」という印象でした。
しかし近年の主演作「オレの獲物はビンラディン」と「マッド・ダディ」の二本で“イっちゃっけるおじさん”という新境地に、僕は復活の兆しを見た気がしたんですよ。
なので、そんなニコラス・ケイジ主演。しかもバイオレンス映画と聞いて、かなり楽しみにしてたんですよねー!
更にこの映画、カンヌ国際映画祭では約5分のスタンディング・オベーションを受け、サンダンス映画祭やファンタジア国際映画祭など数々の映画祭でも映画評論家やメディアに絶賛され、世界最大の映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」では、なんと批評家スコア98%を叩き出したっていうじゃないですか!
なので、期待値上げまくって観たら、
……え、マジで? って。
いや、確かに事前に僕が期待してた内容とは随分違ってたからガッカリしたっていうのは認めます。でも、それを差っ引いてもそんなに高評価を受ける理由がまったく理解できないんですよね。
少なくとも僕にとって、この映画はビックリするくらい面白くなかったです。
ざっくりストーリー紹介
1983年、湖畔の家で静かに暮らすレッド(ニコラス・ケイジ)と妻マンディ( アンドレア・ライズボロー)
そんなある日、たまたま道ですれ違ったマンディを見初めたカルト教の教祖ジェレマイア(ライナス・ローチ)は、部下とヤク中のバイカーギャングを使ってマンディを我が物にしようとするが、マンディに嘲笑されたことに怒り、彼女を焼き殺してしまう。
画像出典元URL:http://eiga.com / 見た目は怖いけど、これでもヒロインなのです。
愛する人を目の前で奪われたレッドは怒り狂い、自ら鋳造した武器と友人に預けていたボーガンを手に復讐に立ち上がるのだった。というストーリー。
このあらすじだけ読めば、いかにも面白そうじゃないですか?
前半15分くらいでカルト教団に恋人を殺されたレッドが、一人、また一人と復讐していき、ラストは壮絶なバトルの末にラスボスを倒す。
そんな、ベタだけど血湧き肉躍る90分弱の映画を予想するじゃないですか。
ところがですよ。
この映画なんと121分もあるのです。
そして前半1時間はメンヘラ妻マンディとオタクおじさんレッドのかったるいイチャイチャシーンを延々見せられるんですが、これが絶望的につまらない。
我ながらよく寝ないでいられたものだと関心しますよ。
で、いざカルト集団の襲撃→マンディ包み焼き→レッド復讐という流れになってからも、意味のない長回しや無駄なカット。意味不明なアニメなどを見せられ、しかも暗い、赤い、見づらいの三拍子揃った映像や、子供だったら発作を起こしそうなチカチカ映像、アホみたいにスモークを焚きまくり。話のテンポは悪いわ、映像は見づらいわ……もうね、ずっとイライラしっぱなしでしたよ。
薬中のバイカーギャングたちは、超強力なSLDの中毒で、ヘルレイザー並に全身トゲトゲだったり、顔に人間の皮膚を貼り付けていたりと僕の大好物な造形なんですが、それも映像が暗すぎてせっかくのデザインが全然見えないっていうね。
やる気あんのかオラー!!ウガー!!*1°3°;)☆
音楽は故ヨハン・ヨハンソン
そんな本作で音楽を担当したのは「ボーダーライン」や「メッセージ」も担当した故ヨハン・ヨハンソン。
「ボーダーライン」のあの重低音が効いた不安を煽るような音楽が、ほぼ全編垂れ流し状態で、本来ロマンチックなシーンでも全然心が休まらない。
対してエンドロールでは音楽は使わずに森の音や鳥の囀りなど自然音が流れるだけっていう。なに? 「沈黙」ですか?
っていうか、こんな映画がヨハン・ヨハンソンの遺作になっちゃったかと思うと…ねぇ。(・ω・`)
アートかぶれの映研部員が作ったような映画
いや、分かりますよ?
LSDなどの薬物を摂取した脳内の悪夢的イメージを映像化したんですよね。多分。
マンディが焼き殺される時、教祖ジェレマイアがレッドの脇腹をナイフで刺したり、バイカーギャングに拉致された時、手の甲に釘が刺さってたりと、分かりやすくキリストのメタファー的な表現もあるからレッドとキリストを重ねたんですよね。多分。
レッドとマンディの会話やラストの対決も如何にも意味ありげですしね。
原色ライト使ったり、チカチカ映像を挿し込んだりと、むやみに見づらい映像はいかにもアート映画っぽいですよね。うんうん…………って、
小賢しいわっ!!(´・ω・)つ)3゚)∵
っていうか映像がうるさいんじゃボケー!
それ以前に、レッドの木こり設定もマンディのメンヘラ設定も、別に後の展開に何も繋がってないし、キリスト教もスモークも原色ライトも、見づらいだけで何の効果も産んでない。中身のない「っぽい」だけの映画でしたよ。
ちなみに、本作を観たとき僕は『グラインドハウス』のフェイク予告編の長編映画化でカナダ映画の「ホーボー・ウィズ・ショットガン」に似てるなーって思いました。
ただ「ホーボー」の方は、カナダのボンクラが自分の好きなものを詰め込みまくった結果として、冗長で物語が破綻しているわけで、個人的にはそういう映画って嫌いにはなれないんですよ。
でも本作の場合、映像の向こうにパノス・コスマトス監督のドヤ顔が浮かんでくる。
つまり、いけ好かないんですよ!
お前はアートかぶれの映研部員か!と。
良かったところ
とまぁ、文句ばかり言ってるのもアレなんで、最後くらいはちょっとホメようと思います。
で、木に有刺鉄線で括られていた手を何とか抜いて自由になった彼は、上はトラの顔がプリントされた超ダサいTシャツにブリーフ姿で、度数の強いお酒? をがぶ飲み&患部消毒しながら、唸ったり泣いたり叫んだり。
画像出典元URL:http://eiga.com / 本作唯一と言っていい名場面
そのクソダサい姿に思わず笑ってしまうんですが、同時にレッドのやり切れない怒りがストレートに伝わってグッときてしまうのです。
その辺は、さすがアカデミー俳優ニコラス・ケイジだなーと。
変な映画ばっか出てるから忘れそうになるけど、この人芝居は上手いんですよね。
あと、復讐のために斧とも槍ともつかない、中二病全開の武器をDIYで鋳造。(マンディの遺灰を入れてる?)
画像出典元URL:http://eiga.com / 中二病前回のオリジナル武器
どうやらこの武器は、スイスの有名ヘビーメタル・バンド「セルティック・フロスト」のロゴにインスパイアされたものらしく、中二心をくすぐるデザインなんですよね。
そして、ラストの車の助手席にマンディの幻影を観てニカっと歯を見せて笑うニコラス。
画像出典元URL:http://eiga.com / ニコラス・ケイジだから出来る笑顔
もちろん血まみれなのもあるけど、あの鬼気迫る表情は、ニコラス・ケイジ意外の役者には出せないんじゃないかと思いましたねー。
まぁ、全体的に死ぬほどつまらない映画でしたが、ニコラスのブチギレ演技は良かったですよ。うん。
興味にある方は是非!
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*1:#`皿´)〇