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苦く歪んだラブストーリー「特捜部Q キジ殺し」(2016)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、先日ご紹介した北欧ミステリー「特捜部Q 」シリーズ第二弾『特捜部Q キジ殺し』ですよー!

前作「~檻の中の女」で主人公カールとアサドのコンビがすっかり気に入ったので、早速続編もレンタルしてきました!

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概要

デンマークの人気作家ユッシ・エーズラ・オールスンによる世界的ベストセラー「特捜部Q」シリーズの映画化第2弾。コペンハーゲン警察署の未解決事件捜査班「特捜部Q」に配属された個性的な刑事たちの活躍を描く。
特捜部Qの刑事カールのデスクに、なぜか20年前に捜査終了したはずの双子惨殺事件のファイルが置かれていた。何者かの意図を感じたメンバーたちは再捜査に乗り出し、事件当時に重要情報を知る少女キミーが失踪していた事実にたどり着く。すぐにキミーの行方を追いはじめる一同だったが、キミーを探し続けている人物は他にもいた……。
ミケル・ノルガード監督をはじめ前作のスタッフ・キャストが再結集し、「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニコライ・アーセル&ラスムス・ハイスタバーグが脚本に参加。「天使と悪魔」のニコライ・リー・カースが主人公カール役を、「ゼロ・ダーク・サーティ」のファレス・ファレスが相棒アサド役を引き続き演じた。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2016」上映作品。(映画.comより引用)

感想

設定の強度

2007年に第一作を発表後、またたく間に世界的ベストセラーとなったユッシ・エーズラ・オールスン作「特捜部Q」

警察の未解決事件を追う特別捜査チームの活躍を描くという内容や、暴走しがちなカール(ニコライ・リー・カース)と、そんなカールに振り回されながらも彼をサポートするアラブ系移民の相棒アサド(ファレス・ファレス)というキャラクター。

どちらも、既に嫌というくらい描かれてきたありがちな設定ですが、それは逆に言えばシッカリ作れば面白が担保されているとも言えると思います。

つまり、作品としての設定の強度があるんですよね。

さらにシリーズ2作目となる本作では、チームに秘書のローセも加わり3人体制になるんですねー。

ざっくりストーリー紹介

ある晩カールの前にやつれた初老の男が現れ、20年前に結審済みの双子レイプ殺人事件の再捜査を依頼するんですが、カールは男を訝しみ「今は未解決事件が溜まってるから」と依頼をスルー。
その翌日、男は自殺を遂げカールはショックを受けます。
彼は被害者の父親で元警部。特捜部に独自の調査資料を託したことから、カールはこの事件の捜査に着手するんですね。

事件は犯人の自首という形で解決済でしたが、自首した犯人を調べると腕利きで高額な料金を取る弁護士の活躍で、たった5年の刑、しかも3年で出所していたことが分かり、しかも犯人は高級な家に住み、高級車を所有しているのです。

これを不審に思ったカールとアサドが更に調査を進めると、当時、現場近くの名門寄宿学校周辺では、暴行・レイプ事件が頻発していることが判明。

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そして、過去のテープから行方知れずの資産家令嬢キアステン(キミー)が浮上する――という物語。

前作で既に主人公2人の紹介は済んでいるので、本作ではより事件捜査や犯人側の動きなどを詳細に描いている印象でした。

また、事件の全貌が見えたときの衝撃度は、前作以上でしたねー。

もう一つの「ドラゴンタトゥーの女

本作の犯人グループは、過去に数多くの暴行・レイプを繰り返していました。
その辺は「ドラゴンタトゥーの女」に共通する部分でもあるんですが、本作で大きな鍵を握る女性は、ある意味リスベットとは真逆なキャラクターといえます。

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最初、はみ出し者の一匹狼な彼女が恋に落ち、その恋心が歪んだ形で成就されるラストは美しくも残酷で、そして切ない……といって良いのかな?

いや、(´ε`;)ウーン…個人的には彼女に感情移入しずらいというか、頭では彼女の気持ちは分かるけど、心情的には彼女がした事を考えるとどうしても乗れないっていう気持ちもあり、何かこう、観ていて色んなモヤモヤが渦巻いちゃうんですよねー。

タイトルの意味

ところでこの「キジ殺し」というタイトル。
なぜこんなタイトルがついたのかは正直最後まで観てもよく分からなかったんですが、ネットで調べたところ、「キジ撃ち」=狩りは、貴族や富裕層の娯楽としてヨーロッパでは定着していて、それが転じて“弱いものを追い回す”という意味があるらしく、そこに殺人事件を掛けて「キジ殺し」にしたらしいです。

意味が分かれば納得で、このタイトルが本作の内容を全て表してるんですよね。
最初「キジも鳴かずば撃たれまいに」的な事かなー? なんて思っちゃいましたよw

ラストの切れ味

前作で、別れた奥さんに反抗して、カールの家に転がり込んできた反抗期真っ盛りの息子がいましたが、彼は本作でもまだカールの家にいました。
本作では、事件の捜査と、鍵となる女性のストーリーの合間に、カールと彼のエピソードが挟み込まれていて、前作より幾分落ち着いた彼にカールが「一緒に飯を食おう」なんて約束するも、捜査に没頭してすっかり忘れてたことで、再び心の距離が開いてしまうんですよね。すぐに謝ればいいようなものですが、息子の部屋のドアをノックするのを躊躇ってしまうヘタレ親父のカール。

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そして事件を経験したカールが、ビール?を二本持って息子の部屋のドアをノックする――寸前で映画はスパっと終わります。

この切れ味の良いラストは個人的にとても良かったですねー!

カールとアサドのイチャイチャ

そして、本作ではカールとアサドのイチャイチャ度も大幅アップ!
事件の鍵となる女性にボコられて入院してしまうカール。
そんなカールに心底呆れた秘書のローゼは、アサドに「よくついていけるわね」という言うんですが、それにアサドは「彼には僕しかいないから」と返すんですよねー!

もうお前ら結婚しろ!って思いましたねーww

続編「Pからのメッセージ」でこの二人の関係がどうなっていくのかも、ますます気になってしまいます!

興味のある方は是非!!

 

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