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ガチ・ウィリスが繰り広げる復讐「デス・ウィッシュ」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、イーライ・ロス監督ブルース・ウィリス主演の『デス・ウィッシュ』ですよー!

1974年に公開されたチャールズ・ブロンソン主演作品「狼よさらば」のリメイク作品で、強盗に愛する妻を殺され娘に重症を負わされた外科医のリベンジムービーです。

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画像出典元URL:http://eiga.com

概要

チャールズ・ブロンソンが主演を務めた『狼よさらば』をリメイクしたアクション。何者かに家族を傷つけられた外科医が復讐(ふくしゅう)に乗り出す。メガホンを取るのは『ノック・ノック』などのイーライ・ロス。『ダイ・ハード』シリーズなどのブルース・ウィリス、ドラマシリーズ「LAW & ORDER クリミナル・インテント」などのヴィンセント・ドノフリオらが顔をそろえる。ブルースが外科医と処刑人の顔を持つ男にふんした。(シネマトゥディより印象)

感想

狼よさらば」をリメイク

本作は、1974年公開の「狼よさらば」のリメイク作品で、原作はブライアン・ガーフィールドの同名小説です。

74年版では、ニューヨークの設計士ポール・カージーは、留守中何者かに妻を殺され娘も暴行されてしまいます。
傷心の中、出張先のアリゾナ州ツーソンで銃を手に入れたカージーは、毎夜一人自警団として街の悪党を射殺していく。と言う物語なんですね。

彼は愛する妻子と幸せに暮らす平和主義者でしたが、自警活動が知られ英雄扱いされるようになると行動がエスカレートしていく。
つまり、銃という“力”に次第に取り憑かれていく男の姿を描くことで、銃社会アメリカに警鐘を鳴らすとうテーマの映画だったわけです。

ただ、このカージー、妻を殺し娘をレイプした犯人を探し出して復讐するのではなく、関係ないチンピラを片っ端から射殺していくので、観てるコッチは何かモヤモヤするし、カージーにちっとも感情移入出来ない

彼が始めたのは“リベンジ”(個人的復讐)ではなく、“アベンジ”(正義感による悪への報復)で、だから物語的なカタルシスはなくて、むしろカージーの不気味さが浮かび上がる構造になっているのです。

そんな、前作のモヤモヤをスッキリ解消したのが本作「デス・ウィッシュ」で、序盤のストーリーラインは踏襲しつつ、外科医のポール・カージーブルース・ウィリス)が最終的には妻を殺し娘に重症を負わせた犯人に“リベンジ”する物語になってるんですねー。

ガチ・ウィリス降臨

ブルース・ウィリスと言えば、ダイ・ハード」でそれまでの筋肉アクション映画に止めをさした男
その後も数々の映画に出演しますが、近年はいわゆるB級映画にチョコっと顔を出しては小銭を稼いでいる印象が強かったし、(一部の作品を除き)主演映画ですらヤル気の見えない省エネ演技で往年のファンをガッカリさせていたんですが、本作では久しぶりに本気を見せてくれましたよ!

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画像出典元URL:http://eiga.com / 久々のガチ・ウィリス降臨

まぁ、正直に言えば外科医役は違和感があったけど、序盤の妻や娘に対する優しげな話し方なんかはダイハードの頃を思い出したし、後半の復讐シーンはこれぞブルース・ウィリスって感じで力が入ってましたしねー。

まぁ、ウィリスももうおじいちゃんだから、アクションシーンなんかはほぼスタントマンでしょうけど、それでも「あーブルース・ウィリス観てるなー」っていう満足感はありました。

イーライ・ロスの資質にあった作品

そして本作の監督を務めたイーライ・ロスも、ノってる感じが画面越しに伝わってきましたねー。
彼が手がけた作品の中では、「食人族」をリメイクしたグリーン・インフェルノ(13)、「メイク・アップ」(77)をキアヌ・リーブス主演でリメイクした「ノック・ノック」に次いで本作は3作目のリメイクになりますが、代名詞とも言えるゴア描写や痛い描写は控えめながら実に効果的に使っているし、後半の復讐パートでは外科医設定がしっかり活かされています。(っていうか、“あのシーン”のために外科医設定にしたとしか思えないw)

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画像出典元URL:http://eiga.com / このあとイーライ・ロスらしさ爆発のシーンが

映像的な韻を踏んだカットやシーンの繋ぎ方や、ブルース・ウィリスの過去作品、続編「Death Sentence」の模倣犯オマージュもサラリと入れていてニヤリとさせられるし、クライマックスのあの展開にはスッキリしましたよ。

先日、感想を書いたルイスと不思議の時計と比べると「そうそう、イーライ・ロスはやっぱコッチだよねー!」と誰もが納得の出来だろうし、本作自体が彼の資質に合った作品だと思いました。

別の意味でモヤる

まぁ、そんな感じで本作は、非常に楽しいしスカっとするリベンジムービーになってるわけですが、その分「狼よさらば」での銃社会への警鐘”というテーマの方はかなり薄まってしまった感が否めないなーと思いました。

前述したように、ブロンソン版のポール・カージーは自分の家庭を壊した犯人に直接リベンジするのではなく、街のチンピラを片っ端から処刑する“アベンジ”を始めるんですよ。

そんな彼の行動原理の不可解さだったり、英雄視されることに快感を覚えて行動がエスカレートしていくカージーの不気味さやモヤモヤ感こそが作品の本質だったんですね。

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画像出典元URL:http://eiga.com / もちろん、みんな大好きポール・カージーポーズも

もちろん本作でも、英雄化→行動がエスカレートという部分は踏襲しつつ、ネットやSNSなどを使ってより現代的にアップデートさせた描き方をしているし、カージーが壊れていく様子も描かれてはいるけど、中盤以降のカージーの行動原理を分かりやすくリベンジに設定したことで、「狼よ~」で描かれたテーマが矮小化されてしまった感じがして、別の意味でモヤモヤしてしまうんですよねー。

いや、エンタメ映画としては面白いし、本作のポップさもある意味で現代的と言えるんですけどね。

興味のある方は是非!!

 

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