今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

今までとこれからのMCUを繋ぐハブ「ホークアイ」(2021)

ぷらすです。

昨年10月末、さんざん悩んだ末、ついに『Disney+』と契約。

そこから実質ほぼ一週間以内で「ワンダヴィジョン」「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」「ロキ」シーズン1「ホワット・イフ…?」を全話見倒して、万全の態勢で2021年11月24日配信スタートの「ホークアイ」をリアルタイム視聴しましたよ!

今までSNSなどで、MCU勢の人たちがドラマが配信されるたびにキャッキャ楽しそうに話したり考察してるのを、下唇を噛みながら遠目で眺めていた僕ですが、いざリアルタイム視聴してみると、毎週最新話が更新される水曜日が楽しみ過ぎて、「あぁ……ドラマを観る楽しさって、こういう事なんだなー(遠い目)」って、やっと分かった気がしますねー。

https://eiga.k-img.com/images/special/3256/61ae259a9e9d23c8/640.jpg?1640245683

画像出展元URL:http://eiga.com

あらすじ

MCUが贈るフェーズ4ドラマシリーズ第4弾。

サノスとの戦いの後、ようやく平穏な日々を取り戻しつつあるホークアイことクリント・バートンジェレミー・レナー)は、ようやく取り戻した家族とクリスマスを過ごすべく、ニューヨーク観光を楽しんでいたが、そんな彼の過去――闇の世界の暗殺者”ローニン”の衣装を着た何者かが現れたことで、否応なく事件の解明に乗り出す羽目になる。

感想

ファーストアベンジャ―ズにしてみんなのお父さん

ホークアイことクリントは、相棒のブラック・ウィドウスカーレット・ヨハンソン)と共にアベンジャーズの母体でもあるシールドのエージェントで、アイアンスーツも特殊能力もない生身の人間ながら、弓矢の名手としてこれまで陰に日向にアベンジャーズの超人たちをサポートしてきたんですね。

しかし、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」では、サノスの指パッチンで愛する家族が消失。
自暴自棄になった彼は、闇の世界の暗殺者”ローニン”として様々なギャングやマフィアの命を奪ったんですが、「/~エンドゲーム」では親友で相棒のナターシャは失うも愛する家族を取り戻し、本作では”空白の5年間”を埋めるべく家族サービスに努めているのです。

また「/~エイジ・オブ・ウルトロン」では、悪の組織ヒドラに利用されていたワンダ・マキシモアベンジャーズに導き、窮地に陥ったアベンジャーズのメンバーを自宅に一時匿うなど、彼はいわばアベンジャーズのお父さん的ポジションであり、チームきっての常識人でもあるんですね。

本作ではそんなクリントの、これまで映画シリーズではほとんど描かれなかった、ヒーローとしてのホークアイにスポットを当てつつ、彼が次世代への継承を行うストーリーになっているのです。

www.youtube.com

クリントからケイトへ。“ホークアイ“継承の物語

MCUフェーズ4の映画やドラマの感想の時、僕はしつこく「フェーズ4は『継承』と『拡張』がメインテーマである」という話をしてきました。
「継承」とはファーストアベンジャ―ズから次世代ヒーローへのバトンタッチの物語で、「拡張」とは今後MCUで展開されていく「マルチバース」に向かう物語。

で、現在フェーズ4で公開&配信されている作品は、こんな感じでして。

『ワンダヴィジョン』(2021年1月15日配信)
『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021年3月19日配信)
『ロキ』シーズン1(2021年6月9日配信)
『ブラック・ウィドウ』(2021年7月9日公開)
『ホワット・イフ...?』シーズン1(2021年8月11日配信)
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021年9月3日公開)
『エターナルズ』(2021年11月5日公開)
ホークアイ』(2021年11月24日配信)
スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2022年1月7日公開)

これらの作品を分類すると、

継承

『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』
『ブラック・ウィドウ』
ホークアイ

拡張

『ワンダヴィジョン』
『ロキ』
『ホワット・イフ...?』
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』
『エターナルズ』
スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』

となるんですが、スパイダーマンに限って言えば、彼はソニーMCUを股に掛けた特殊なキャラクターでもあるんですよね。

で、本作「ホークアイ」は、アベンジャーズを引退したい男クリントから、『アベンジャーズ』第1作のニューヨーク決戦でホークアイに命を救われた少女ケイト・ビショップヘイリー・スタインフェルド)への、ホークアイ継承」の物語であり、同時に、義姉ナターシャから義妹エレーナ(フローレンス・ピュー)へのブラックウィドウ継承の物語でもあるのです。

さらに、本作には原作コミックの人気キャラクター・エコー(アラクア・コックス)も登場。近いうちに彼女が主人公の単独ドラマが配信される予定です。

そしてそして、まさかのNetflixから”あの男”も参戦というサプライズもあり。

本作はまさに、MCUからファンに向けてのクリスマスプレゼントであり、マーベルファン的には盆と正月がいっぺんに来たような作品なのです!

っていうか、おそらく今後MCUに参戦するであろう、”あの“ヒーローに繋がるキャラの登場や、ケイトとエレーナ(二代目ホークアイと二代目ブラック・ウィドウ)の出会いなど、(今後の)いくつもの作品へのハブ的な役割をこのドラマは担っていて、それは本作がホークアイことクリントのドラマだからなんですよね。

クリントの抱える闇と悲しみをケイトが救う

本作の主人公クリントについてはもう随分書いたので、ここからは少しケイトというキャラクターについて触れていきます。

アベンジャーズ』ニューヨーク決戦の時、まだ幼女だった彼女の父親は多分かなりの金持ちの家系だったと思うんですが、残念ながら仕事の出来ないボンクラ親父だったようで家は借金を抱え困っている様子。そんな借金のことで両親がケンカをしているまさにその時、NYにチタウリの艦隊が攻め込み、ケイトが危機一髪のところをホークアイに救われる――という、超痺れるエピソードからこの物語はスタートします。

https://eiga.k-img.com/images/special/3256/6771d479d47b2f17/640.jpg?1640245683

画像出展元URL:http://eiga.com

ケイトはこの事件で父親を失うも、母親が商才に長けていたこともあり、何不自由なく暮らし、弓矢、格闘技、各種スポーツなどをでガンガン好成績を収めるんですが、ちょっとした悪戯が原因で自宅謹慎に。

そこで母親の会社主催のパーティーに出席させられたケイトは、たまたま、違法な品物を取引する闇オークションの現場に迷い込んでしまい、そこで偶然ローニンの衣装を手に入れた彼女は、正体を隠すためローニンのスーツを着て大暴れ。
その様子がTVニュースで流れたのをクリントが偶然見たことで、二人は出会うことになるわけですね。

で、クリントはローニン時代のスーツや武器、あと大切な時計を取り戻したい。
ケイトは母親に近づく怪しげな男の正体を暴き母を救いたい。
利害が一致した二人はバディを汲んで共闘することになっていくんですね。

本作はクリスマス当日までの6日間の物語であり、個人的には明るく楽しいバディアクションを期待していたわけですが、蓋を開けてみれば、楽しさや笑いの中にもクリントの悲哀や後悔が描かれていて、ケイトがそんな過去の呪縛からクリントを救い、クリントはケイトにヒーローとしての心得を伝授するという物語なのです。

https://eiga.k-img.com/images/special/3256/76d421144b80922d/640.jpg?1640245699

画像出展元URL:http://eiga.com

例えば第1話。

子供たちとNYにやってきたクリントは「アベンジャーズのミュージカル」を楽しんでいるわけですが、そこにブラック・ウィドウが登場するとクリントは思わず席を立ってしまう。

サノスから世界を取り戻す作戦中、親友で相棒のナターシャを目の前で失ったクリントはまだ、その傷が癒えていないわけです。
また、本作でクリントは補聴器をつけていますが、それはこれまでの激戦のなかで聴覚に障害を負ったからだし、ケイトの隠れ家でクリントがシャツを脱いで怪我を治療するシーンは、映画「ブラック・ウイドウ」でスーツを脱いでけがを治療するナターシャの痣だらけの背中とリンクしていて、生身の身体でアベンジャーズの一員として激戦に身を投じる過酷さがよく分かるんですね。

さらに本作では、“空白の5年間“で彼が暗殺者ローニンとして活動していた時期の事も描かれるんですが、ローニンとして彼が殺したマフィアのボスの娘が、第3話に登場するマヤ・ロペスことエコーで、彼女はずっと父親を殺したローニンに復讐すべく行方を追っている。つまり彼女はクリントの過去の過ちをそのまま具現化したキャラなのです。

第4話では、クリントを元気づけようとしたケイトに「(弓矢での)過去最高のショットは?」と聞かれたクリントが「(ナターシャに向けて)矢を打たなかった時」と答えます。
この会話でクリントとナターシャの絆の深さが分かるし、大切な相棒を失ったクリントの悲しみも伝わるシーンですね。

その後、ナターシャの義妹、エレーナも登場。

映画「ブラック・ウィドウ」の最後で謎の女“ヴァル”に唆された彼女は、クリントの命を狙うという展開に。彼女はサノスの指パッチンで消された側の人間で、戻ってきた時にはナターシャが亡くなっていたのです。

そんな感じで本作はクリスマスのホリデースペシャル的なパッケージに包まれてはいるものの、その実クリントの暗い過去が濃密に絡んでくる話でもあるんですよね。

しかし、そんなクリントを光の世界に引き上げてくれるのが、クリントに命を救われて以降、超人の中にあって生身で戦うホークアイに憧れ続けた少女ケイトで、少々ドジでおっちょこちょいだけど、真っすぐで純粋な彼女がクリントの道を照らす明かりにもなっているのです。

ホークアイにしかできないアクションシーン

そんな本作「ホークアイ」の見どころと言えば、当然「弓矢」を使ったアクションシーン。
これまでの作品ではあまり描かれてなかったですが、実はクリントの弓矢の鏃には電子妨害用接続端子、分裂弾、溶解弾、小型リモコン爆弾、グラップルワイヤー、さらに電磁パルス、照明弾などなど、様々なギミックが仕込まれていて、本作ではその鏃に「スターク社」のマークが入っていたり、また、当たると目標が巨大化&縮小するハンク・ピム特製の鏃もあって、クリントが犬猿の仲であるスターク&ピム両者と繋がっている事が分かるんですね。

本作ではそんなギミック満載の弓矢を駆使して、闘ったり敵のアジトに潜入したり、弓そのものを武器として刀や棒術のように使う、ホークアイならではのアクションも満載で、もう、見てるだけでワクワクが止まらないし、普段、他のメンバーがアレすぎて目立たないだけで、ホークアイはこんなに凄くてカッコいいんだぞ!って事がよく分かるんですよねー!

https://eiga.k-img.com/images/special/3256/75cd4e8c9db831d7/640.jpg?1640245683

画像出展元URL:http://eiga.com

それだけでなく、最終話では今は亡きナターシャから義妹エレーナへの想いをしっかり繋ぐクリント。
原作での彼の能力は、弓矢や格闘もそうですが、人や状況をしっかり見据える「目」で、だから彼は「ホークアイ(タカの目)」と呼ばれてるんですね。
間に入って人と人を繋いでいく「ハブ」的な役割を担ったり相手を導く役回りも、そんな彼の”能力“の一端と言えるかもしれません。

ラストの展開はネタバレになってしまうのでここでは書かない方がいいと思いますが、前述した「継承」の物語の中でも、本作は今までのMCUと今後のMCUを繋ぐ、重要な作だと思いますよ。

興味のある方は是非!!

 

▼良かったらポチッとお願いします▼


映画レビューランキング